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デュッセルドルフ駅で荷物を置き引きされる [ドイツ便り]

夜行列車でワルシャワまで向かうために、デュッセルドルフ駅のホームで列車を待っていた。10分ほど前にホームに着き、寝台列車の停車場所をチェックしようと駅の掲示板を見るためにちょっと荷物から離れた。30秒も見ていなかったと思う。さて、荷物を取ろうと周りを見渡すと魔法のように消えているではないか。え!急いで周囲を見渡したが、私の荷物を持って去っている者は見当たらない。急いで隣にいたおばさんに荷物が取られたのだが誰か見なかったかと聞いたが、誰も見ていないという。まあ、私のドイツ語が今ひとつなので、しっかりと伝わったかどうかは自信がないが、荷物が盗られたことは理解してもらった。ホームをざっと見渡したが、私の荷物を持っている者は見当たらない。ちょっとパニックのような状態になる。しばらくすると、夜行列車が入ってきた。乗るかどうか迷ったが、ここは乗らないことにする。最初に話しかけたおばさんがちょっと怪しいと思ったが、列車に乗るときにチェックすると特に私の荷物は持っていないようであった。

列車が去った後、一通りホームをチェックしたが、それらしきものは見当たらなかった。仕方がないので、駅のサービス・センターで荷物が盗まれたことを言うと、つまらなそうな顔をしながら「警察に行け」と言われる。そこで、警察に行く。警察に行くと、とりあえず身分証明書を出せ、と言われたのでパスポートを出し、事情を説明する。ちなみに盗られたものはガラガラの鞄とカメラバッグであった。具体的に盗られたものをメモしろと言われたので次のように記す。
・ ガラガラの鞄(ポルシェ・デザイン)
・ ポーランドの観光ガイド2冊
・ スケッチブック
・ 筆箱と筆記用具
・ 洗面用具(電動髭剃り)
・ 靴下3足
・ 下着
・ Tシャツ3枚(ユニクロと椎名林檎とラジオヘッズ)
・ スェット・シャツ(ノース・フェイス)
・ フリース(ノース・フェイス)
・ カメラバッグ
・ カメラ(CANON EOS50D)
・ レンズ(CANON EF70-200mm F4L USM)
・ レンズ(CANON EF-S17-55mm F2.8 IS USM)
・ 替えのバッテリー
・ コンパクト・フラッシュ

とまあ、これが被害の実態であった。金額のことを書くのははしたないというか情けないが、鞄の方は鞄本体が一番高くて700ユーロくらいだったと思う。ミュンヘンで2005年8月に購入した。ちょっと横に長くて使い勝手は悪かったが、頑丈なつくりでまだまだ使えた。他は電動髭剃りがちょっともったいないくらいか。問題はカメラバッグの中身である。カメラ自体は1000ユーロとそれほど高くはなく、買って半年くらいだが、ちょっと調子が悪いのでそれほどもったいないとは思わないのだが、レンズはもったいない。望遠が買値で10万円前後、広角の方は13万円前後くらいしたと思う。購入してからともに4年も経っていないと思われる。広角の方は2006年5月の発売直後に買っているから4年は経っていない。まだまだ使えたので悔しい限りである。

警察では被害届け書を作成してもらいサインをした。とはいえ、これで何かできることはあるのかと聞くと、何もできないとの答え。まあ、当たり前だろう。盗難されたのだから。しかし、デュッセルドルフの中央駅で置き引きとかはあるのか、と聞くと、結構あるとのこと。ショックである。私は通勤でしょっちゅう中央駅を使っている。まさか置き引きをされるとは夢にも思わなかった。

これまで盗難された経験はほとんどない。大学時代にオーストラリアのユースホステルに泊まっていた時、財布から7万円盗られたことがある。同室の日本人旅行者がとても怪しく、一緒に行った友人は問い詰めようと言ってくれたのだが、お金を盗んだことを証明することは極めて難しい。これはしょうがなく諦めたのだが、他にはベトナムのホーチミンでおばさん達に取り囲まれているうちにレンズを盗まれたくらいである。ブラジルには10回以上行っているし、アメリカでも7年間暮らし、インドやインドネシアでもそのような目に合ったことがなかったのにドイツで置き引きとは。しかも、まさか使い慣れているデュッセルドルフで、本当に数秒間でものの見事にガラガラ鞄が盗られるとは想像すらしたことがなかった。ドイツでは列車に乗る時、皆、結構席から離れているところに平気で荷物を置く。成田エキスプレスと同じようなものなのだが、こういうことが出来るというのは、基本的に盗難される危険がないからなのである。もちろん、私の場合は列車内ではなく駅ということだったので、状況は違うがそれでも驚く。デュッセルドルフの中央駅でやられたというのも驚くが、やられて言うのも何だが、その手際のよさにも驚いた。どうやって盗られたかも皆目、検討がつかない。置き引きなどは間抜けがやられるものであると高をくくっていたのだが、まさか自分がやられるとは。しかもドイツで。以前、大学の同僚がミラノの空港で置き引きされたことがあり、その時、魔法にかけられたようだと言っていたのだが、正直、冷ややかに聞き流していたと思う。しかし、実際あってみると、本当に魔法のようであった。これは、本当、狐に化かされているような気分である。

まあ何を言っても自分を慰めることもできないが、以後、しっかりと荷物から手を離さないように注意するようにしようと思い、明日への糧とするしかないか。しかし、レンズが盗られたのは本当に悔しい。いっそ、キャノンのシステムを捨てて、ニコンに鞍替えでもするか。もうそうでも思わないと悔しくてやりきれない。

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デュッセルドルフのカーニバルのパレードを観に行く [ドイツ便り]

デュッセルドルフのカーニバルのハイライトのパレードが、ローゼンモンターグ(今年は2月15日)に行われたので見学に行く。パレードはトンハレを12時30分に出発し、ハインリッヒ・ハイネ・アレーを通り、アルトシュタットを練り歩き、ビルク駅まで行く。アルトシュタットの通過時間が13時と予定されていた。我々はこのパレードのルートのそばに住んでいるので、12時頃に家を出て、アルトシュタットに入る直前のホフ・ガーデンのところで待つ。時間的に早かったこともあって最前列を確保することができた。見学人もほとんどが派手に仮装をしていて、お祭り気分は高まる。

さて、パレードが始まる頃には4列くらいになっており、結構、人出は多かった。このパレードの特徴は、練り歩きながらおひねりをパレードしている人が投げるということだ。フロートの上から投げられる場合が多く、まさにお菓子やらティッシュやら花やらが空から降ってくる。我々はパレードが始まった直後の場所にいたこともあり、配る側も多少、スタート時の興奮状態にあり、まだ在庫も多く、気前がよいのか、非常に多くのお菓子等をゲットすることができた。ただ、これらを直接キャッチするのは難しく、多くが道に落ちる。しかも、午前中に雪がぱらついていたので道には水たまりがある。これは、ちょっと拾うには気が引けるが、隣のドイツ人の男の子は気にせず、次から次へと拾ってくれるので、我々は気が楽だった。パレード自体は結構、芸がなく、ブラスバンドとへなちょこ踊り、という感じだったが、フロートは強烈な風刺が効いていて、それは楽しめた。とはいえ、ドイツ風の下ネタジョークはちょっとついて行けなかった(例えば、男のむき出しの尻に、他の男性が顔を突っ込もうとしているものや、政治家だと思われる中年男性がカマを掘られているものなど)。知り合いの四国出身の日本人男性が、「準備をしないよさこい」と形容していたが、納得する。

とはいえ、ヘラウという叫び声とともに、お菓子を投げ、それをゲットするというパレードと観衆の関係はなかなか興味深く、面白い。日本のあまり元気がない地方都市などは、ちょっとお祭りとかも元気がなくなっているので、このような工夫をしてみるのも一興かも知れない。さて、このパレード、気負って写真も多く撮影したのだが、コンパクト・フラッシュが破壊されたらしく、写真が全部おじゃんになってしまっていた。ということで写真がアップできないのだが、今日のパレードの成果の写真をアップしておく。パレードは3時間ほど続いた。3時間でこれだけの収穫があるというのは、なかなかパフォーマンスがよかったのではないかと思われる。

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デュッセルドルフの高級住宅地カイザースベルトに散歩に行く [ドイツ便り]

デュッセルドルフの高級住宅地であるカイザースベルトに散歩に行く。自宅から地下鉄という名の路面電車で、一本で行ける。カイザースベルトは、バルバロッサ皇帝が1135年に砦をここに設けるのだが、これはデュッセルドルフが村として認められる以前のことであった。ということで、デュッセルドルフの歴史はここカイザースベルトから始まるという非常にデュッセルドルフ的には由緒ある場所なのである。ということで、デュッセルドルフの観光資源としてもアルトシュタット、ケーニッヒ・アレー、メディエンハーフェンに次いで郊外にあるにも関わらずベンラス城と双璧をなす重要なスポットなのだ。とはいえ、日本人がわざわざ足を延ばすような観光地ではない。あくまでドイツ人向け、というか市内の小学生の遠足のための観光地である。

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さて、私が訪れたのは、この砦を見てみたいなというのもあったのだが、ドイツの高級住宅地はどのようなものか、というのを見たいというのもあった。実際訪れると、結構戸建て住宅はそれほどなく、テラスハウスのような集合住宅が多くあった。実際、家の中に入ると驚くのかもしれないが、外見的にはそれほど広大な住宅はあまり見られず、アメリカ人と違って、広さで贅沢を覚えるよりかは質で贅沢を楽しむ傾向があるのではと勝手に推察する。ただし街並みは落ち着いていていい。この公共性の豊かさみたいなものを追求する気持ちが結構ドイツでは強いのではないかと思う。もちろん、すべてのドイツ人がそういう志向ではないこともドイツ生活をしたことで理解しつつあるが、この公共性を豊かにしたいという人の割合が他の国に比して高いような気がする。そして、カイザースベルトの町としての公共性は豊かであるというのが歩いていると理解できる。落ち着いていて風情がある街並みである。

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(カイザースベルトの落ち着いた街並み)

さて、なかなかいいものを見たなとは思ったが、私は自分の住んでいるペンペルフォルトの方が住み心地はいいだろうと感じた。これは何も私がカイザースベルトに住む金がないので僻んでいる訳では決してなく、カイザースベルトのような村のような住宅地では、匿名性もなく、外国人である私にとっては住みにくいだろうなと思ったのと同時に、このペンペルフォルトの雑多性、猥雑性が私にとってはすこぶる快適であることを改めて感じたからである。実際、カイザースベルトのカフェで出されたケーキやコーヒーは、ペンペルフォルトのカフェのレベルには遠く及ばない。カイザースベルトにはミシュランに載るようなフレンチ・レストランがあるが、ペンペルフォルトにはリーズナブルなビアガーデンがいくつもあるし、トルコ料理からスペイン料理、イタリアンなど多彩な食事を楽しむことができる。何しろ肉屋が大袈裟でなく10軒くらい徒歩圏にあるのが個人的には嬉しい(日本ではベジタリアンであったものの発言とは思えない)。本屋もでかいのだけで二軒はあるし、文房具屋も複数ある。消費環境もそうだが、近隣の住民も全員ではないが、干渉はしないが、それほど疎遠ではなく緩やかに繋がるような関係性が維持できている(一人、おかしいのがいるが)。これはやはり都市で生活することで享受できるメリットかなと思う。私がドイツ人であれば、そのように思わないでカイザースベルトでの生活も楽しめるかなとも思うが、残念ながら日本人なので、この人口密度が1ヘクタール100人を越えるペンペルフォルトでの生活の方が自分には向いているかなとも思ったりもした。まあ、私は根っからの都市というかアーバニティ好きなので、そう思うだけのかもしれない。

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(私が愛するペンペルフォルトのノードストラッセの街並み)
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デュッセルドルフのカーニバルは激しい [ドイツ便り]

デュッセルドルフはカーニバル。ということで日本人の友人とアルトシュタットに繰り出したら、まさに狂乱状態であった。街中に置かれたスピーカーからは大音量でダンス・ミュージックがかかっている。ほとんどのものが仮装しており、なかなか派手である。仮装をしていない人達のために、とりあえずその場しのぎ的の仮装衣装を売っている屋台なども出ている。ドイツなので皆、ビールをしこたま飲んでいるようで、しかもエコロジカルなのかどうか分からないがビールは瓶ビールなので、割れた硝子が路上に散乱している。この日は25セントのデポジットなどは全く人々の頭に入っていないのではないかと思われる。基本的には多くの世界中の祭りと同様に、軟派が積極的にあちらこちらで展開しているように見受けられた。興味深いのは、仮装をしてアルトシュタットに繰り出しているのが若者だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんといった世代の人達も多いことである。我々が入ったバーでも結構、歳のいった人達が多くいて、強烈な酒を煽っていた。さすがドイツ。

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(街中は半狂乱の状態であった)

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(皆、こんな感じで仮装をしている)

さて、まあカーニバルの雰囲気を多少囓ったので、帰路についたのだが、街中は硝子の破片とごみが散乱していて、いつもの美しい街並みのアルトシュタットはどこにいってしまったのであろうという感じであった。危険は感じないが、ここまで激しいとちょっと引ける。あとブラジルのカーニバルに比べて今ひとつだったのは音楽である。バーなどでもかかっていた音楽は、オクトーバーフェストのテントでもかかっていたドイツのフォークソング調の音楽をディスコビートに乗っけたような曲で、これはブラジルのサンバに比べると音楽的には遙かに劣る。ブラジルのカーニバルはやはり偉大であるなとドイツにいて思わせられた。とはいえ、まだデュッセルドルフのカーニバルのハイライトである薔薇の月曜日はまだ先である。これはちょっと楽しみにしている。

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(この汚さからは、環境国家ドイツとはとても言えないなと思う)
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デュッセルドルフはカーニバル [ドイツ便り]

今日からカーニバルである。次女の通う小学校でも、今日は仮装して行く。氷点下の極寒の中、児童達は仮装姿にジャケットなどを羽織って通学していく。面白そうなので次女に付いていき、ちょっと同級生の写真を撮らしてもらう。担任の先生もカボチャ姿で出迎え、「カーニバルは初めて。ちょっとクレイジーなのよ」と言った。印象的だったのは、キッスのジーン・シモンズに仮装した男の子である。まず100%、親の趣味であろう。ちょっと親の趣味の強制に可哀想な気もしたが、同級生からは人気者であった。とはいえ、ジーン・シモンズが分かる小学2年生はドイツにはほとんどいないと思われる。他には、動物系が多い。インディアンとか西部劇のガンマン系も結構多くいた。

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さて、その後、大学に向かうためにデュッセルドルフ中央駅に行くと、なんと仮装をした大量の人々で溢れていた。カメラを持ってこなかったのが残念だが、相当の躁状態である。興味深いのは、何人かのグループで同じ仮装をすること。ホモ系の警察官とか、妖精とか、看護婦とかである。ユニフォームが好きなんだ なと知る。私は極めて協調性のない人間なので、このユニフォームを着たがるという気持ちがちょっと分からないが、皆、楽しそうである。また、今日はオフィスでは無礼講で、特の女性は好き勝手が出来るらしい。よくやるのが、ネクタイを鋏で切ってしまうというものだが、中央駅では、多分切られようのぼろネクタイが売られていた。この風習を知らずに、日本からやってきたビジネスマンがデュッセルドルフの支社で女性社員にネクタイを切られて、大ギレした話がある。まあ同情するが、キレたのは情けない。

その後、電車でドルトモントの中央駅に行ったのだが、ここではほとんどの人が仮装をしていなかった。一部、少しだけ見かけたが、圧倒的なマイノリティである。デュッセルドルフは、仮装をしていない方がマイノリティで居場所がないような気分にさせられたのだが、偉い違いである。特急で1時間も離れていないのに、ドルトモントとデュッセルドルフでは文化圏が違うことを知る。
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デュッセルドルフの地下鉄で、終点で降り忘れる [ドイツ便り]

取材をする約束があるためにハムに行かなくてはならないために、デュッセルドルフ中央駅行きの地下鉄に乗った。資料を読んでいて、もうそろそろ終点の中央駅に着く頃だよなと周りをみたら、誰もいない。列車はゆっくりと止まる。なんと、降り忘れたのだ。日本だと丁寧に車掌とかが「終点ですよ」と行って降ろしてくれると思うが、ここ自己責任のドイツではそういうことはしない。この地下鉄の車庫でこれからどうすればいいのだろうと途方に暮れていたら、運転手が出てきた。運転手に、とりあえず謝ると「問題ない」と言う。え!と思っていると、「そのうち、また動くから車内で待っていればいい」と言って、自分は列車から降りてどこかへ去っていった。取材の時間にはもう間に合わないが、それより、いつになったら動くのだろうか。とはいえ、車内灯は幸い点いたままだったので、また資料を読み始める。すると10分もしないでまた動き始めた。今度は、資料を読むのを止めて、中央駅に着くのを待つ。中央駅が始発なのである。列車がホームに入ると、ホームで待っている乗客達は、私を訝しげに見ていた。当たり前であろう。さて、取材場所には30分ほど遅れて着いた。私はよく電車で本とかを読んでいると降り忘れることをしてしまうのだが、まさか終点の駅で降りないとは自分でも呆れてしまう。しかも、アポまでしているのに。

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ドイツ鉄道が遅れたので払い戻しの手続きを行う [ドイツ便り]

コペンハーゲンからデュッセルドルフまでドイツ鉄道で帰ったのだが、いきなり始発駅のコペンハーゲンで40分くらい遅れた。その後、フェリーに乗る時も遅れたりして、結局、ハンブルクで乗り換えようと思った列車に乗り遅れてしまった。ハンブルク20時46分発の列車に乗ろうとしたのに、22時46分発の列車に乗ることになったのである。結局、デュッセルドルフに着いたのは午前2時30分であった。

さて、ドイツ鉄道は1時間以上遅れると払い戻しがされる。今回は2時間遅れであるのだが、車掌に問い合わせると、払い戻しの申請用紙を渡され、到着駅で遅れた証拠のスタンプを押せと車掌に言われる。しかし、2時過ぎでは当然、窓口はもう閉まっている。何、考えてんのか。同行した大学の同僚は怒り心頭だ。とはいえ、じたばたしてもしょうがないので従う。さて、デュッセルドルフ駅に着くと、窓口は閉まっていたのだが情報センターみたいな場所には人がいたので、とりあえずスタンプは押してもらう。そして、明後日、窓口に行く。窓口に行くと、こちらの想定に反してスムーズに事務処理をしてもらった。現金で旅費の50%が返ってきた。

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ドイツにはアップル直営店が2店しかない! [ドイツ便り]

私は1990年からのアップル・ユーザーである。1990年の後半、日本の会社で働いていた時は、アップル・ユーザーであることで多くの嫌がらせを受けた。アップルで働かせてくれる部署を求めてジプシーのごとく異動を続けた。まさに異教徒のような迫害を受けたのである。これは何も会社に限ったことではなく、学会でも若きリーダー的先生に「アップルを駆逐することを目指している」などと嫌みを言われたものである。都市計画において重要なことは多様性であるので、そんなファッショなことを言ってもいいのかと思ったりもしつつも肩身の狭い思いをした。大学でもアップル・ユーザーは学部で一人であったが、そのうち若手の先生がアップル派になった。iPODのお陰である。

さて実は私が所属しているドルトムント工科大学の空間計画学部はアップルなのである。もう、アップルが主流でウィンドウズが異教徒という、プロテスタント教徒がアメリカに移住した時のような開放感を覚えているのだが、そのような環境は大学だけであることを知った。というのは、付属品を買わなくてはいけなくなったのだが、インターネットのアップルストアでは間に合わないので直営店で買いに行こうとしたら、なんと直営店はミュンヘンとハンブルクにしかないではないか。デュッセルドルフには流石にあるだろうと思っていたから意外であった。ベルリンかフランクフルトにはあるべきだろうし、デュッセルドルフかケルンのどちらかには開店すべきであろう。ショックである。とはいえ、付属品はドイツのヨドバシカメラともいうべきザターンで手に入れることができたので、そんな問題はなかったのだが、寂しい気分になる。

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サービス不毛の地、ドイツ [ドイツ便り]

ドイツはサービスが悪いと言われる。確かに悪い。特にデパートが悪い。サービスがなくて、値段が高くて誰が買うか、と私の同僚はけなす。まあ、確かにサービスは、スーパー等ではビニール袋を買わなくてはいけないが、デパートではくれるくらいか。

とはいえ、今日はなかなか凄い体験をした。デパートの上階にある電気器具売り場で、アダプターを買おうとした。アダプターを見せて、これを売っているかと言うと、ソフトウェアを売っているところで聞け、と言われる。ソフトウェアを売っているところに言って聞くと、携帯用プレイヤーのところで聞け、と言われる。携帯用プレイヤーのところに行くと、コンピューター売り場に行け、と言われる。コンピューター売り場に行って、ようやく目指したものを見つけてもらえた。しかし、ちょうど店を一周したのだが、このたらい回しは何なのだ。まあ、もう慣れたから怒りもしないが、本当、ドイツのサービスは酷いよねえ。探していたものが見つかったからいいものの、見つからなかったらフラストレーションが凄く溜まると思う。

しかし、最近ではこのサービス不毛さが、サステイナブルに繋がるのではないかと考えている。これは、こんなにサービスが悪いと消費する気も失せるからである。まあ、もしかしたらただドイツ贔屓になってきているだけかもしれない。

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学部の忘年会を年明けにする [ドイツ便り]

私が所属している大学の学部の忘年会を年明けにした。なぜ、年明けにするのに「ジルベスター・パーティー」と名付けているのか。ジルベスターは大晦日の意味である。大晦日パーティーであるから、忘年会と訳すのは間違えているかもしれないが、どちらにしろ年が明ける前にすべきものであろう。年が明けたら新年会と言えばいいのに、なぜジルベスターと言うのだろうか。これはちょっと気になって、何人かの周囲のドイツ人に聞いたが、いやまあいいじゃない、みたいな返事が返ってきた。おそらく、正月というか新しい年を迎えるといったことへの意識が日本人と異なるのであろう。私はあまり典型的な日本人ではないと最近、悲しくも自覚させられつつあるが、それでも正月の位置づけはしっかりとしたいと思う。一年の計は元旦にあり、と思ったりするので、正月を迎えた後で大晦日パーティーなんて言語道断だと思う。まあ、大晦日パーティーといってもただの飲み会なので、とりたてて何かする訳ではないのだが、それであればこそなおさらノイレス・ヤーレ・パーティーにすればいいのにと思わずにはいられない。
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雪が降るとドイツでは電車が混む [ドイツ便り]

雪が降った翌日、デュッセルドルフの路面電車は日本並みに混んでいた。これは、普段自動車で通勤している人達が路面電車を使ったためであろう。デュッセルドルフの路面電車はドアがスライド式ではなく、左右に開く。しかも内側に開くので、ドアが開くためのスペースを空けなくてはならない。ギュウギュウ詰めの状態でこのスペースを空けるのは大変だ。馬鹿な設計だと思う。

ドイツでは積雪した後、道路をどうやって除雪するのかと思っていたら、家の前の通りは放って置かれた。歩道は各家で自分の家の前の雪掻きをしていた。しかし、私の家族は誰もやらなかった。ここらへんがどういう役割になっているかは分からない。もしかしたら管理人の仕事なのかもしれない。ともかく、道路は雪掻きされていないので、自動車はほとんど出せないような状況である。いちおう、皆、ステッドレス・タイヤをはいているようだが、しかし、こんなに積もっていたらなかなか出られない。近所を歩いていたら、案の定、雪の中で立ち往生しているクルマがいた。どうするのかと思っていたら、ちょうどそばを走っていたクルマの運転手にお願いして、そのクルマで立ち往生しているクルマを直に押してもらって出してもらっていた。日本じゃまず考えられない光景である。バンパーとか凹んだのじゃないかと人ごとながら心配だし、押す方も多少ダメージがあるんじゃないか。まあ、ここらへんは適当だよね。

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ドイツのクリスマス [ドイツ便り]

ドイツというかヨーロッパで始めてのクリスマスを過ごす。とはいえ、何も特別なことはない。せいぜい鶏をオーブンで焼いて食事をするぐらいだ。さて、他のドイツ人はどうなのだろうか?クリスマス・イブは午前中まではデパートなど店もやっていた。しかし、23日は大混雑していたがイブの日はそれほどでもない。クリスマス・マルクトも23日でデュッセルドルフはおしまいであり、イブの日の街中はなんか閑散としている。多くの人がクリスマスは家族と暮らすのでフラットに住んでいる私の近所の人達は皆帰省しているようで、非常に静かである。クリスマス当日は休みで、しかも26日と27日が週末なので3連休となる。店はほとんど閉店になるようなので、買い出しをしておかないと飢え死にする。山籠もりをするような気分だ。

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(ドルトムントのクリスマス・マルクト)
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(ドルトムントのクリスマス・マルクトの巨大なクリスマス・ツリー)

クリスマスを迎えるまでは、街中はクリスマス・マルクトで華やいでいた。このクリスマス・マルクトはニュンベルクなど特定の都市において行われていたお祭りが全ドイツに広がっていたものである。まあ、ミュンヘンのオクトーバーフェストのようなものだが、オクトーバーフェストと違い、クリスマス・マルクトは今では、結構どこでもやっているような印象を受ける。このクリスマス・マルクト、実は多くの都市においては歴史が浅いのではないかというのが私の推測で、これはドイツの大学の同僚もそうだと思うと同意してくれたが、はっきりとしたことは現時点では不明だ。おそらく、郊外でのショッピング・センターの進出に平行して、中心市街地を活性化するためのツールとして活用されるようになったのではないかということだ。このクリスマス・マルクト、いろいろな都市のものを見てみたいと思ったのだが、なかなか時間がなく、結局、デュッセルドルフ、ドルトムント、ハーメルン、ボーフムのものしか見ることができなかった。しかもドルトムントとボーフムは通勤の帰りにちょっと寄ったという程度である。それゆえに、しっかりとしたことがほとんど何も書けないのだが、少ない情報から察すると、基本的には日本の縁日のようなものである。しかし、的屋が運営するのではなく行政や商店街がもっと深く関わっている。そして、どこもソーセージと熱ワインとフレンチ・フライとクレープ、マッシュルーム焼きなど出す物は結構ワンパターンというか似通っていた。なかにはボーフムの焼きそばもあったりしたが、焼きそばなど食べていたら、本当に日本の縁日と変わらない。とはいえ、この縁日とちょっと違うなと思うのは、クリスマスというコンセプトがいいことである。このクリスマスというコンセプトで括ると、なんか普通の縁日のようなものなのに、とてもいい感じになるのだ。コンテンツ勝ちなのだろうか。日本の商店街なども、このクリスマス・マルクトは多くのヒントを与えると思う。神社等でのお祭りより、このクリスマス・マルクトのような商店街活性化のツールとしてのイベントを展開させることを考えるのもありなのではと思った次第である。とはいえ、クリスマス・マルクトはまだまだよく分かっていない。面白いテーマだと思う。うちのゼミ生とかで誰かこのテーマで卒論を書いてくれるといいのだが。いないかなあ。

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(デュッセルドルフのクリスマス・マルクト)
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(デュッセルドルフのクリスマス・マルクト)
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ドイツ鉄道は遺失物の競りをする!? [ドイツ便り]

中央駅でドイツ鉄道の遺失物の競りが行われていた。駅にひとだかりが出来ていて、何をしているのか最初はよく分からなかったが、どうも今年の遺失物を競りで売っているようであった。誰が着たか分からないようなジャケットとかが12ユーロで競り落とされている。帽子も10ユーロで競り落とされた。こういう感覚は分からないなあ。絶対的な物が不足しているのであるならともかく、今は圧倒的に供給過剰でデフレに悩まされているのではないのか。まあ、相当のリサイクルであるのは確かだし、合理的でもある。やることは納得がいくが、競り落とす値段がちょっと高いんじゃないのか。と最近は、もう半分ぐらいの衣服がユニクロ化している私は思ったりしてしまうのである。ユニクロだったらジーンズとかが2000円だからね。なんでどんな人が着たか分からないジャケットを触りもせずに見ただけで12ユーロで競り落とすのだろうか。
 まあ、ただ競りは参加することで結構、エキサイティングだからまあ半分、ドイツ鉄道へのチャリティという意味合いもあるのかもしれない。しかし、今日もドイツ鉄道は50分も遅刻していたぞ!この競りで儲けた金は是非とも顧客に還元するようなサービス向上のために使ってもらいたいものだ。

 さて、そんなドイツ鉄道ではあるが、こんなお洒落な車両塗装をしているのを見かけた。ということで、今日はクリスマスイブですね。クリスマス・カード代わりにこの写真を楽しんで下さい。

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クリスマスツリーのために樅の木を根本からぶった切るドイツ人のどこが森の民なのだろうか [ドイツ便り]

ドイツではクリスマスが近づくと、クリスマスツリーのための樅の木が売られ始められる。商店街の広場などに臨時の売り場が出現して、樅の木が並ぶ。多くの樅の木は根本でぶった切られ、まっすぐ立つこともできない。この樅の木の痛々しい姿をみると心が痛む。ドイツ人は森の民と言われるし、実際、森を大切にする人々であるとの印象を受けている。しかし、このまるで戦場で負傷兵が担架で並ばれているような傷つけられた樅の木の痛々しい姿には何も感じないのであろうか。

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などと書いている私も、クリスマスツリーを買ってしまった。さすがにぶった切られた樅の木は買えずに、ポットに入った根がついているものを買った。とはいえ、これも指定の日に捨てなくてはならないので、樅の木の辿る運命は同じなのだが。まあ、なんか後ろめたい気持ちを抱きつつ買った樅の木ではあるが、それが発する匂いによって、部屋の空気がピシッと引き締まる。人の心に働きかける力を持った木であるなと思う。買わないで批判をできればいいのだが、買ってしまったところが我ながら情けない。

知り合いのドイツ人の話では、正しいクリスマス・ツリーは本物の蝋燭で点灯するらしい。これは火事の原因となるのだが、それでも蝋燭に拘る人は未だに多いらしい。この知り合いは蝋燭ではなく、豆電球でツリーに光を灯している。これは妥協の産物であるそうだ。しかし、この彼にしても、アメリカや日本のような偽物のクリスマス・ツリーを置くことはあり得ないという。このクリスマス・ツリーは今ではドイツのビッグ・ビジネスになっており、多くの樅の木がある意味で無駄に消費されている。

まあ、しかし、近いうちに、このような使い捨てクリスマスツリーのような贅沢も出来なくなる日が来るであろう。束の間の伝統遊びであると思ったりする。
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ダイヤモンドダストをボーフムの郊外で見る [ドイツ便り]

ヨーロッパを大雪が襲っているが、ここデュッセルドルフでも朝から雪が降り続いている。昨日は相当、気温も寒く、ドイツ南部ではマイナス30度近くにもなった。デュッセルドルフなどのライン川沿いはドイツでも最も温暖な地域であるが、それでも今日は日中でもマイナス1度。家の外は真っ白の雪景色である。積雪量は分からないが、家のベランダでは20センチメートルくらいは雪が積もっている。家の前の道路も除雪はできず、自動車は皆雪に埋もれている。

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昨日はルール地方のボーフムの郊外に行ったのだが、そこではなんとダイヤモンドダストを見た。ダイヤモンドダストなんて日本だとスキー場でも滅多にみられない。郊外であり街中ではないが、こんな簡単に見られるなんて、ちょっと得をした気分でもあるが、それだけ寒いということか。まあ、確かに鼻が強烈に痛むほどであり、そんなことは滅多に経験したこともないので、随分と寒かったのかもしれない。

しかし家の中は快適で、東京の豊島区の実家よりずっと暖かく、家から外に出なければ快適である。私の豊島区の実家は大学時代、友人がシベリアのように寒いと言ったほどの安普請なので、比較するのは間違っているかもしれないが、この地域暖房の仕組みは非常にいい。寒冷地においては日本ももっとこの地域暖房を導入すればいいのに、なぜ出来ないのだろうか。ちょっと不思議である。

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デュッセルドルフに初雪が降る [ドイツ便り]

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デュッセルドルフに遂に初雪が降る。とはいえ、そんなには積もらなかった。しかし寒さは相当厳しい。ちょっと東京では体験できないくらいの寒さだ。ちょうど1週間前にコートを購入した。スイス製のコートで値段は日本円で2万5千円くらいの安物で、ジッパーなども調子が悪いのだが、防寒という機能だけを考えると抜群に優れている。まあ、スイスでコートが防寒できなかったから死ぬから。ということで、このコートのお陰でどうにか堪え凌いでいる。手袋や帽子がないなどということは考えられない寒さだ。今年はこれでも随分と暖冬らしいので、やはりヨーロッパというかドイツは寒いということを知る。とはいえ、知り合いのウクライナ人は故郷のように寒いといい、同僚のドイツ人もまるでロシアだ、と言っていたので、まあこの二日間ぐらいはドイツの水準からも寒いのかもしれない。ちなみに雪はなかなか地面に落ちてこないで舞い散る感じだ。まあ、それだけ寒くて乾燥しているのであろう。

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ドイツの焼き栗は日本の天津甘栗に比べると相当今ひとつだ [ドイツ便り]

ドイツは今、クリスマス・マルクト盛りである。デュッセルドルフでも広場というか屋台が置ける場所があれば、あちこちでクリスマス・マルクトが開かれている。そこでは、クリスマス用品やホット・ワイン、ソーセージやクレープ、マッシュルーム焼きなどの屋台が陳列している。そのような屋台の一つに焼き栗屋がある。栗を鉄板で焼いたものだが、試しに購入した。天津甘栗のようなものだろうと食べたら、確かに味は栗だが、なんか今ひとつであった。より野蛮というか原始的な印象を受ける。これに比べると、天津甘栗の方がはるかに美味である。これは日本人の私だからそう思うのではなく、おそらく全世界的にそう判断するようなことだと思われる。天津甘栗はドイツに進出したら儲かるのではないかと思ったりした。

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ドイツで再びレンタカーをして、また驚く [ドイツ便り]

国際免許も取ったこともあり、また旧東ドイツの縮小都市を調査に行くのに、レンタカーを借りることとする。これは、旧東ドイツの縮小都市を訪れるのに公共交通を使うととても不便だからである。特に私は郊外の住宅団地などを視察するので、その都市までの移動というよりかは市内の移動を公共交通と足だけでやろうとすると大変、困ったことになる。今回は、ビデオも持って行くことと、長期の旅行(4泊5日)にしたのでデュッセルドルフからレンタカーすることにした。

さて、レンタカーの予約は事前にインターネットでしておいた。水曜日の14時から火曜日の14時までで199ユーロだ。激安のシックスティーでも、破格の値段だと思う。自動車を取りに行こうとしたのだが、ちょっと買い物などの用足しをしたりして、自動車を取りに行ったら15時20分ぐらいになってしまった。レンタカーの事務所に車を取りに来たことを告げると、予約はキャンセルされていると言われる。え!そんな馬鹿な。念のために予約確認書をプリントアウトしていたので、それをみせると、予約してから1時間以内に自動車を取りに来ないとキャンセルされるようになっていると言われる。ここにも書いてある、と予約確認にドイツ語で小さく書かれている文章を見せられる。そんなものに気づくか。気づいても意味が分かるか。と心の中でちょっとキレネンコになる。他の車でもいいからないのか、と言うと、ないと言う。脱力してしまうのと同時に、ドイツのサービス産業の顧客無視の姿勢に改めて感心する。しかし、ドイツでの生活を半年して、もうドイツのこういうサービスの悪さにはガンジーの気持ちのように無抵抗主義を通すことにしたので、「しかし、ホテルも予約したのでどうしよう」とだけ言っておいた。受付の女性は、同情するような顔をして、「ユーロカーに行かれては」とライバル会社に行くことを勧めた。

ホテルはインターネットで予約したので、もうキャンセル料は全額取られる。幸い、1泊50ユーロという激安ホテルではあったが、こんなことでキャンセルするのも癪なので、ユーロカーではなく、ハーツを訪れる。火曜日ではなく月曜日に返却することにして、車を借りられないかというと、フォードのフェスタというぼろ車で299ユーロという。はあ、これじゃホテルをキャンセルした方がいいな、と思い、「それは高すぎる、シックスティーだったら199ユーロだった」と予約確認書を見せると、ハーツの従業員もその安さにはショックを覚えたらしく、なんか従業員同士で相談しはじめて、それなら229ユーロまでまけようと言ってきた。ドイツでこんな割引きの提案を即興で言われたのは初めてだ。これだと30ユーロ高いが、ホテル代のキャンセル料を考えると得だ。ということで借りることにした。シックスティーの顧客無視、利益重視の対応に参ったあとだったので、この顧客をどうにか捉まえようという姿勢に好感を持ったこともある。しかし、それにしても結構、いい加減だよね。本当、素直に299ユーロで契約をしなくてよかった。まるでイスラムの国のようだが、ドイツの融通のなさに参っていたので、結構、嬉しかった。参考までに、この割引きの提案をしてくれたのは、当然、ドイツ人ではなくて、東南アジア系と思しき風貌と名字をしていた。
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ドイツでは10月中旬で氷点下になっていた [ドイツ便り]

今朝の気温は氷点下であった。テレビで天気予報をみるとミュンヘンとかベルリンの辺りは雪が降っている。まだ10月中旬なのにいきなり雪とは驚いた。正午の予報ではケルンやハンブルグ周辺は10度くらいまで気温が上昇していたが、アルプス周辺はなんとマイナス15度。ヨーロッパの冬の厳しさを知る。まあ今日だけなのかもしれないが、ライン川流域の都市や海沿いの北部の地域の方が気温は高い。なんか緯度が高いと温かくなるというのはちょっと不思議である。

ところで、ドイツの秋は美しい。これは街中などに木が多いからかもしれないが、ランドスケープ全体が色づく感じが何ともいえず美しい。デュッセルドルフの家のそばにあるホフ・ガーデンの木々の紅葉の美しさは、心が洗われるほどだ。冬もすぐそこにまで来ている。

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ドイツでレンタカーをして一日に二回も駐車違反のチケットを切られる [ドイツ便り]

ドイツに来て初めてレンタカーをした。ドイツで車を運転するのは初めてではないが、EUの免許を取ったのが8月の終わりだったので、これまで運転しなかったのである。また、『道路整備事業の大罪』などというタイトルの本を出したので、ちょっと車のハンドルを握るのを敬遠していたというのも理由だ。しかし、ちょっと研究のために旧東ドイツの諸地域を巡る必要が生じたので、車を借りた。デュッセルドルフで借りることも考えたが、旧東ドイツは遠すぎるのでハノーファーまで電車で行くことにした。

さて、ハノーファーで借りたのだが駅の駐車場に置いてあるからと鍵を渡され、駐車場に向かったが番号のところには車がなかった。問い合わせをしに、また事務所に戻ろうとしてもう一つ駐車場があることに気づき、そこに行くと果たしてあった。しかし、これはなかなか気づかないと思う。随分と雑だな、と思うがもうドイツのいい加減さには慣れたので、不思議と怒る気にもならない。さて、さっさとオートバーンに乗ろうと思ったら、なんとインターチェンジが通行禁止になっていた。他のインターチェンジに向かおうとしたが、ベルリン方面と書いてある方向を行くと、再び通行禁止のインターチェンジに着いてしまう。このインターチェンジ周辺では、丁寧に通行禁止のサインが出ているのだが、ちょっと離れるとついていない。この罠に3回は嵌り、夕方のラッシュアワーも手伝い、いらいらが募る。ガソリンスタンドでハノーファーの地図を買おうとしたら、なんと売り切れ。行き止まりの住宅街に入るは、完全に迷路に嵌り込んでしまい発狂しそうになるが、これはもうひたすら遠くに行こうと通行禁止のインターチェンジからなるべく離れるように車を飛ばしたら、またインターチェンジのサインが出てきて、それに従ったら乗ることができた。1時間以上、ハノーファーの街中をぐるぐるとしていた訳だ。まあ、しかし日本なら道路を通行禁止にしたら、そのバイパスを丁寧に示したり案内人を置いたりするが、ドイツはそこらへんは節約か。まあ、日本のようにそんなところで過剰に金をかけるよりかは、ドイツの方がずっと健全であるなと腹立たしいながらも思う。

さて、その後はスムーズに行く。ハノーファーで懲りたので、予め宿泊予定のマグデブルクの地図を買ったのでホテルへもスムーズに行けた。

次の日、マグデブルクの中心市街地を視察に行く。大聖堂の前に駐車する。しっかりとお金を払う。1時間分しか払わなくて時間が不足したので、また30分追加する。時間ぎりぎりに戻ると駐車違反を取り締まる人がチェックしていた。ぎりぎりセーフでラッキーと思い、車を少し移動させて中心市街地の方に行く。中心市街地の空き地に何台か車が駐車してあったので、ここは無料で駐車できるのだろうと思い、車を停め、ちょっと周辺をみる。旧市街地がみられるかと思ったが、新しく開発されたショッピング・センターのようなものがあったので時間もないので、視察を諦め車に戻ると、さきほどの取締官が私の車をチェックしていた。そこで、ここが駐車違反であることを知る。急いでいたのだが、ぐずぐずとメモっている。終わったことを確認して、車を出す。幾ら請求されたのかをみたらナントたったの15ユーロであった。40ユーロは覚悟していたので拍子抜けする。しかし、私が来たら許してくれてもいいんじゃないか、と甘い気持ちをもったりもする。とはいえ、ドイツ人はここらへんは厳しいからな、とはいえ、自分も取締官が周囲をうろうろしていることを知っていたのに迂闊だったと反省する。

さて、マグデブルクの次は、アッシェアーズ・レーベンという町に行く。ここでも何台かの車が路上駐車したので、てっきり路上駐車オーケーと考え、路駐する。街中をぐるっと巡り、目当ての駐車場を巨大看板というか巨大なスクリーンの絵で隠すといったプロジェクトをみて戻ると、ワイパーの上に不吉な山吹色の紙が置かれていた。マグデブルクでもらった切符は、銀行の振込口座が記されていて、そこに振り込むシステムだったのだが、アッシェアーズ・レーベンはそのような口座が書かれていない。私の拙いドイツ語だと、明日役所に出向けのようなことが書かれている。それは不可能だ。近くに警察官に、私は日本から来た観光客で明日はここの役所には来られない風のことをドイツ語で言うと、今役場に行け、という。ぶっちしたい気持ちを抑えて(ドイツはこういうことを無視するととんでもない復讐をしてきそうなので)、急いでいるにも関わらず役場に行く。アッシェアーズ・レーベンは旧東ドイツの御多分に漏れず、英語が全然、通じない。拙いドイツ語でやり取りして、まず罰金がいくらかを調べにもらいに交通課のようなところに行く。なんと罰金は5ユーロであった。安すぎる!こんなに手間暇かけているのだから、せめて20ユーロは取って欲しいと思う。まあ、いいか。その後、経理課に行ってお金を払う。5ユーロのための領収書を切るのに結構時間がかかる。領収書いらないと言いたいところだが、これがないと後で未納ということで新たな罪を着せられるかもしれない。我慢して待つ。さて、どうにか処理も終わり、デッサウに向かう。これで40分は無駄にした。

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(アッシェアーズ・レーベンの駐車違反を取られた道路)

デッサウの後にベルリンのホテルに向かう。なんとベルリンのホテルには駐車場がなかった。しかし、路上駐車は無料なのでそこらへんに停めて、と言われる。なんでベルリンは路上駐車が無料なのに、アッシェアーズ・レーベンのような人口3万程度の町が有料なのだろうか。まあ、それこそがドイツの旧市街地のヒューマン・スケールを維持できている秘訣なのかもしれない。

次の日はリヒターフェルドに行く。ここでも途中で田舎道が通行禁止になっていた。バイパスはなく、またハノーファーで懲りたので、来た道を戻って大回りをして目的地に着く。その後、グロッシュラッセンに寄り、コットブスに向かうが、リヒターフェルドで思いの外、時間を取ったのでコットブスはほとんど観ずに帰路へ向かう。ここからハノーファーまでは400キロメートルは離れているからだ。ハノーファーには20時までに着かなくてはならない。コットブスに着いたらもう15時を回っていた。時間が余ればハノーファーの街をみればいいやと思い、潔くコットブスの視察を諦めたのだ。しかし、これが結果的によかった。というのは、ハノーファーにあと100キロというところでオートバーンが大渋滞をしていたからである。40分ほどほとんど移動しないような状態であった。しかも、前の車の運転手が非常に気が良くて、どんどんとレーンチェンジをする車を入れるのでまったく前に進まない。こういう気前のよさは日本ではないよなあ、といらいらしつつも妙に感心する。とはいえ、むかついてはいた。その後、160キロで飛ばし、日本やアメリカでの運転の習慣からリアミラーでパトカーをチェックしつつ(別にスピード違反ではないので意味がないのですが)、どうやらハノーファーにつき、レンタカーを返却できると思ったのだが、駐車場の入り口がどうやっても見つからない。駐車場の出口も駐車場も目の前にあるのだが入り口が見当たらないのである。しょうがないのでキス・アンド・ライドの駐車場にとめて、レンタカーの窓口まで入り口を聞きに行く。すると、そのままキス・アンド・ライドの駐車場に置いておいていいと言う。自動車に傷がついていないかなどのチェックも一切なしだ。返却時間のチェックもしていなかった。鍵と駐車場のカードだけを渡してそれでおしまいであった。自動車は傷がついていないと思うので問題はなかったが、ついていたらどうするのかと思わずにはいられない。そういえば、借りる時も傷のチェックなどはなかった。恐ろしくアバウトだ。

久しぶりにドイツで運転をして、普段、まったく縁がない自動車国家としてのドイツの側面をみて興味深かった。

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ドイツで一眼レフのカメラを購入する [ドイツ便り]

持っていた一眼レフのカメラが壊れた。キャノンのイオス20Dである。ドイツのヨドバシ・カメラとでもいうべきザターンに行くと、20Dより下位モデルではあるが、私の20Dより新しいので性能が優れている50Dが949ユーロで販売されていた。インターネットで価格ドットコムを調べると日本だと大体10万円弱で購入できる。為替レートを考えると、ドイツで買うと3割増しくらいになる。随分と割高である。とはいえ、カメラがなくては仕事柄困る。ということで、思い切って購入することにした。

さて、デュッセルドルフのザターンに行くと、なんと50Dはレンズ付きでないと売ってくれないと言う。価格は1249ユーロだ。なんで不必要なレンズを購入しなくてはならないのだ。しょうがないので大学に行く用事の帰りにドルトムントのザターンに寄る。ここではレンズなしでも売っていたので、まあ高くて残念だが背に腹は代えられないと購入する。さて、レジに行き、クレジット・カードを使おうとしたら、クレジット・カードは使えないとのこと。とはいえ、949ユーロなど現金で持ち合わせていないので困惑していると、レジの人があそこにキャッシュ・マシーンがあるよと教えてくれる。いや、キャッシュ・マシーンで降ろすと手数料を取られるので、近くの銀行まで行ってくるからちょっと待ってて欲しいと伝え、銀行に行きお金を下ろす。ということでようやくカメラを手にしたのだが、つくづくドイツの小売業のサービスの悪さには呆然とさせられる。商品のカメラを手にするのにも、随分と待たなくてはならなかったし、支払いの条件も悪い。まさに売り手天国である。これだけサービスが悪ければ、どこかがサービスの良さを売りにすれば相当、うまくビジネスができるのではないかと思ってしまう。とはいえ、このサービス産業の効率の悪さが、一方で地元の商店を日本に比べて維持させている一つの要因ではないかとも考えられる。しかし、値段も高いし、サービスも悪いし、商品も揃っていないといった消費者としての三重苦を経験すると、ヨドバシ・カメラが懐かしくなってしまう。道理で秋葉原のヨドバシ・カメラなどで外国人を多く見る訳だ。ドイツでのこんな買い物経験ばかりしていたら、まさに日本は消費者天国に映るであろう。

タグ:ザターン
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オーバーハウゼンの大ショッピング・センターのセントロに行く [ドイツ便り]

オーバーハウゼンの大ショッピング・センターであるセントロに行く。200以上の小売店がテナントを出しており、隣接してイベント会場であるアリーナ、映画館、水族館、劇場、遊園地が立地しており、さらにIBAエムシャーパーク事業の目玉の一つでもあるガソメーターまであるという大集客装置である。工場跡地を再開発してつくられたのだが、昔の写真と比較するととても現在の状況は想像すらできない。

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このセントロの開発に関しては、福島大学の阿部成治先生の『大型店とドイツのまちづくり』に非常に詳しい。ドイツ語でなく日本語でこのような詳しい解説がされていることは大変有り難い。この本は読んでいたので、是非ともセントロに行かなくてはと考えていたのだが、なかなかその機会を持てずにいたところ、先週、阿部先生がこちらにやってこられて、私も夕食をご一緒させていただいたところ、「まだセントロに行っていないの」と言われて、しまったと思い次の土曜日に訪れたのである。

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さて、ショッピング・センターに関しては何も目新しいものはなく、H&MやLego、Kauhof、 Saturnなどのナショナル・チェーンがテナントとして進出していた。これが日本だと越谷のイオンレイクタウンのように、ナショナル・チェーンだけではなく、それにプラスアルファしたようなユニークなテナント・ミックスがなされたりして、もうこれは地元の商店はとても太刀打ちできないなと絶望的な気分にさせられたりするが、ここセントロはまだそういう意味では付け入る隙を見せている。イオンほどマーケティングがされていないのか、まだ日本ほど消費者が成熟していないかと思わせられる。また、レストランではあるが、私はオランダ風のクレープ屋に入ったのだが、これが不味くて、高いという非常にレベルの低い店であった。ただし、ドイツらしくなくサービスだけはよかった。一軒だけで判断するのは早計ではあるが、デュッセルドルフのレストランと比べると味、料金ともに劣っており、このショッピング・センターにて食事をするニーズは個人的にはないと感じた。

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アリーナ、映画館、水族館、遊園地などは訪れなかったが、代わりにガソメーターには訪れた。ガソメーターでは惑星の展示を行っており、入場料は7ユーロと安くはなかったがなかなか充実した展示を行われていた。このガソメーターは上までエレベーターで行くことができる。このガソメーターは高さが100メートル以上あり、上まで行くとルール地方の素晴らしい展望を楽しむことができる。これは、なかなかの絶景である。足下にIBAエムシャーパーク事業で有名になったエムシャー川が流れている。このガソメーターはIBAエムシャーパーク事業の131の事業の中でも象徴的なものだ。産業遺産を見事に展示施設へと転用することに成功した。実際、訪れてみるとなかなかうまく活用しているとの印象を受けた。大ショッピング・センターはそのうち飽きられるかもしれないが、このガソメーターは展示内容というコンテンツをしっかりと企画することが必要かもしれないが、そのランドマーク的存在感といい、工業都市であったオーバーハウゼンの新しい都市としての象徴として、今後も重要な役割を果たしていくのではないかと思わせられた。

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ドイツの大学生は鉄道で通学する [ドイツ便り]

ドイツの大学生は鉄道で通学するものが多い。とはいえ、地方の村のような場所に住んでいる学生は最寄り駅までが不便なので必然自動車で家から駅まで行き、そこで鉄道駅に乗り換えて大学まで来る。いわゆるパーク・エンド・ライドである。私は、車で駅まで行くならいっそのこと大学まで来た方が早いし楽だろうと言うと、そんなことはないと答える。車で通った方が遙かに高い、と答える。高いと言ったってドイツは高速道路は無料だし、ガソリン代が高いということかと尋ねると、そうだと答える。ドイツはほぼ日本のガソリン代が同じくらいだから、それはちょっと違うんじゃないかなとその根拠を問いただすと、鉄道の運賃がべらぼうに安いということが分かった。どうも大学生だと一学期90ユーロという格安の値段で、通学ルートだけでなくノードライン・ヴェストファーレン州のどこでも鉄道やバスが乗り放題だという。90ユーロであったら、そりゃガソリン代より安い。この券はいわゆるドイツ新幹線であるICEや特急のICには乗れないが他は乗れるという。まあ、ここまで安ければ鉄道も利用するなと納得する。

もちろん事業としては大赤字であろう。しかし、道路整備事業は利用者から金を取らないから確実に赤字事業である。私的な交通手段である自動車が走る道路(一部、パトカーや救急車、消防車といった公共的な交通もあるが)が赤字で鉄道だけ事業採算性を問う日本の交通の考え方の方がおかしいような気分になってくる。もちろん、日本は鉄道事業自体のほとんどを民営化してしまい、公的セクターが運営をしていないところが多いこともあるのかもしれないが、交通アクセスが公的な権利であると捉えると、ドイツのアプローチの方が人々の豊かさは向上すると思う。

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ビザ取得までの110日の記録 [ドイツ便り]

ドイツで生活をするにあたって、いろいろと試行錯誤で事務手続き等を行ってきた。ここで、私の経験に基づいてドイツに到着後、何をすればいいかを簡単に整理してみたい。

まず、何より重要なのは住民登録局に住民届けを出すことである。これは市役所でやれる。どうも市役所の派出所でもできるようだが、私は派出所の場所が探せなかったので市役所で行った。ただし、この住民届けを提出するためには住所が確定しなくてはならない。そのために、住所を決める、すなわち家を探すことが何より重要となる。住民届けはドイツ到着後、1週間でしなくてはならないと法律に記されている。ドイツに到着して1週間で住宅を決めるのは不可能に近い(私は結局、できたが)。従って、この法律自体、おかしいのだが、そうなっている以上、住宅を決めるしかない。私の場合は、賃貸契約を結んだが、実際、移り住む日はドイツ到着後1週間以降であった。とりあえず、市役所に行くと、移り住んでからまた登録に来なさいと言われる。それは4週間以内でいいと言われた。とはいえ、法律で書かれている以上、1週間以内に市役所にとりあえず行くということをしておかないと後で何を言われるか分からないので、いろいろと矛盾はあっても市役所にとりあえず行くことが重要であろう。住宅探しは、私はドイツに到着してから始めたが、実際は日本でもういろいろと問い合わせをしておくとよかったと後悔する。4月の第一週は圧倒的な売り手市場である。いい物件は2月前から新たな借り主を捜し始めて情報を発信している。そして、いいものからどんどんと借りられてしまう。早い者勝ちなのである。多少、割高だが日本人の不動産業者にお願いしておくといい物件の情報が事前に手に入る。まあ、これはデュッセルドルフに限られる話かもしれないが、デュッセルドルフであれば、一つの方法であろう。私は現地の不動産業者に紹介してもらい、確かに、相対的には割安で借りることができたが(例えば、敷金が3ヶ月ではなく2ヶ月、紹介料が219%でなくて169%)、やりとりのストレスなどを考えたら、お金があれば、日本人の業者がお勧めであると思う。

さて、住民登録ができたら、航空便の荷物を回収することができる。なぜなら、航空便の荷物を回収するのに住民票が必要であるからだ。そして、銀行口座も開設できるし、健康保険も購入することができるし、電話も開設できる。何しろ住民登録をすることが重要なのだ。ということで住民登録を済ます。

住民登録を済ました後は、銀行口座の開設だ。これは、シティ・バンクに拒まれたりして嫌な思いをしたが、ドイチェ・バンクにて口座を開設することに成功する。銀行口座ができるといろいろと便利だ。ドイツは結構、銀行の振り込みが多いので、口座ができるということは生活をスタートさせるには不可欠に近い。

さて、その次に重要なことは健康保険である。これはビザ申請の条件にもなっているからだ。ということで、健康保険に入ろうとしたが、通常のものは入れないことが分かった。外国人だからだ。しかたがないので国内旅行保険というものに入る。これは、歯医者などのカバーは悪いが、それ以外はまあまあカバーしてもらえるらしい。しかし、値段は高い。一年で家族4人で24万円ぐらいである。とはいえ選択肢がないので仕方なく入る。

一応、健康保険に入って問題もないだろうとビザの申請に行く。健康保険の手続きに手間取ったので入国してから60日くらいに訪れた。ビザは入国してから90日以内に取らなくてはならないことになっている。さて、申請に行くと、申請書類をその時に渡され、予約を入れてまたその時に書類を持ってきなさい、と言われる。ほう、それは残念だと思い、いつ来ればいいのかと尋ねると7月20日だという。嫌、それだと入国してから110日も経ってしまうから問題だ、もっと早くしてくれと訴えると、いや、大丈夫とにべもない。いや、7月に国外に出る用事があるから、絶対大丈夫じゃない、と言うと、いやいや日本人だから大丈夫、この予約票がビザ代わりになるから、と唖然とするほどいい加減なことを言う。とはいえ、しょうがないので、その日にまた来ることにしてその日は帰る。

しかし、いくら何でも不味いだろうと後日、また市役所に行って日程を変更してくれと頼むと、それじゃ8月20日と恐ろしい返事をしてきた。いやいや、変更しなくていいです、と言って退散する。その後、国外に出たが、市役所の人が言ったように問題はなかった。そして、7月20日にビザを申請するとスムーズに取ることができた。しかし、法律で90日以内と書いている割には恐ろしくいい加減だなと思わずにはいられない。ドイツというと規律正しいというイメージがあったが、そのイメージは日々、崩れ落ちていく感じがする。今日から、ようやくドイツに滞在するんだ、という気持ちがわき上がってきた。それにしてもビザ取得までの時間は長かった。

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オートバーンの渋滞 [ドイツ便り]

フランクフルトからデュッセルドルフまでバスで向かったのだが、オートバーンの渋滞に巻き込まれた。どうも事故渋滞のようで身動きしない。すると5分もしないで自動車から人々が降りて、一服をしたり立ちションベンをしたりし始めた。動き始めたらどうするのだろうとバスから気を揉んでみていたのだが、ここらへんはあまり気にしないようだ。なかなか私にとっては驚きの光景である。バスの隣をICEが猛スピードで走っていく。ICEに乗ればよかったと悔やまれる。

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ドイツの夏は日が長い [ドイツ便り]

ドイツの夏はなかなか日が沈まない。夕陽がみられるのは10時頃であり、床についても外は薄明るかったりする。サマータイム制を導入しているので日本でいえばこちらの10時は9時に相当するだろうが、それでも日が長い。そして明るくなるのは午前4時頃だ。アメリカに住んでいた頃、サマータイムというのは少しでも遅くまで外で遊びたいというニーズから設けられたという話を聞きそうなのかと思ったが、ドイツではおそらく少しでも夜が明けるのを遅くしたいからなのではないかと考察した。というのも、朝3時に明るくなるのは眠りも妨げられ、あまりにも早すぎるからである。ドイツの夏の日々は明るくて快適だが、これは冬の厳しさの裏返しかと思うと、ちょっと楽しい気分が抜けていく。


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デュッセルドルフの三越が閉店するのでバーゲンを期待して行き馬鹿をみる [ドイツ便り]

デュッセルドルフの三越が本日をもって閉店するので、バーゲンを期待して行く。もう「持ってけ泥棒」的な状況にあるのではないかと期待に胸を膨らませていった。しかし、そのほとんどの商品は2割もしくは3割引きであり、そもそもの定価が高いこともあり、買いたくなるようなものはほとんどなかった。アンプルマンという旧東ドイツの信号機のアイコンを模したグッズが多く売られていたが、3割引きでもそこらへんの店より高い価格設定がされていた。ワインもまず、私の家のそばのワイン屋の3倍〜5倍くらいの価格設定をしているような印象を受けた。もしかしたら売る気が全然ないのではないか、とさえ思わせた。今日で閉店というにも関わらず、まだ多くの品が売れ残っており、ここは下手にブランド価値を維持することより、在庫の処分を考えた方がいいのではないかと人ごとながら心配をしてしまう。

三越はヨーロッパではデュッセルドルフ以外だと、パリ、ロンドン、ローマ、マドリッドにあるらしい。デュッセルドルフ以外は皆、大都市でありかつ首都であり、そういう点からもデュッセルドルフの特異性が伺えるが、まあ、三越に置いてある商品をみると、もう、こういう店のニーズはほとんど消失してしまっているのではないかと思わせられる。いかにも、という感じの日本人向けのドイツのお土産が置かれているが、今日日、このようないかにも、というドイツ土産をもらって喜ぶ人もそうはいないであろう。しかも、この価格設定の高さは買う方にしても厳しいものがある。1970年代ならいざ知らず、2009年の今、三越デュッセルドルフ店が閉店するのも致し方ないかなと思わせられた。マドリッド店も今年の12月にどうも閉店するらしい。

しかし、久しぶりに日本のデパートに寄り、その丁寧なサービスに感動した。日本人なら当然と思われるようなサービスもドイツのデパートでは皆無に等しい。三越に置いてある商品はともかくとして、このサービスがなくなることはちょっと惜しい気がしないでもない。


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ドイツでワインを買う [ドイツ便り]

語学学校の友人を自宅に招く。というのでワインを近くのワイン屋で買った。置かれているワインのほとんどはフランス産かイタリア産のものであった。私は、酒はその土地のものという信条を持っているので、ドイツのワインを買おうと思っていたのだが、ドイツのワインの揃えが少ない。これは、もしかしたらワインはやっぱりフランスの方が優れているのか、と思い、店主に尋ねると、そんなことは全然ない、と言う。ドイツ産を置いていないのは、ドイツのワイン好きはワインに拘るので、ワイナリーにまで直接行って買うか、もしくはワイナリーから直接送ってもらうからだそうだ。すなわち、店に置いてもあまり売れないので、フランス産とイタリア産を置いているだけだそうだ。そして店主は、欲しいドイツ・ワインがあればこっちで注文しておいてあげるよ、と言った。私は、ワインに詳しいわけではないので、置いてある中のお勧めを買うことにしたが、ワインという商品がしっかり生産者ベースで流通していることに感心した。日本の酒造もそういうアプローチをしているところが徐々に増えているのかもしれないが、ドイツのワインの生産者—消費者を直接、つなぐマーケット・チャンネルはいろいろと参考になるのではないかと思ったりした次第である。ちなみに、ここで買ったドイツ・ワインは10ユーロちょっとであったが、結構美味しくて感心した。


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ドイツの大学の卒業式 [ドイツ便り]

客員教員をしているドルトモント大学の卒業式に出席する。ドイツでは学生運動以降、卒業式を行わなかったのだが、二年ほど前に学生側から式を復活させて欲しいという要望があり、復活させたそうである。卒業式は学部長と前学部長のスピーチ、学生代表のスピーチなどがあり、多少くだけた感じではあったが心温まるものであった。途中途中でハープの演奏があり、その演奏技術の稚拙さには、これがクラシックの母国ドイツでの演奏かと驚いたが、これは、まあ私が目くじらをたてる必要もないことである。

印象的だったのは、各学生の名前と卒論のタイトルが、プロジェクターで投影されて名前が呼ばれて卒業証書を受け取ることと、その卒業証書を手渡すのが教務課の事務の人であったということである。教務課の事務のおばさんは学生からは大変人気があるようで、卒業証書をもらうと学生はおばさんにハグをしてキスをしたりしていた。彼女は簡単に挨拶をしたのだが、その時は万雷の拍手を受けていた。同僚に聞くと、学生と教員との橋渡し役を務め、学生のカウンセリングなどもしているとのこと。確かに大学生にはカウンセリングが必要だが、私の大学などもそこらへんは放っておいている。一応、アリバイ的に部署を設けていたりしているが、本当に大学生のカウンセリングのニーズに応えているかは微妙である。そういえば私自身も、アメリカの大学院で最も相談に乗ってもらったのは教務のおばさんであった。彼女はまさに私だけでなく、特に問題を多く抱える留学生にとっては、アメリカの母のような位置づけにあった。日本だと教務課とかは、味方どころかむしろ敵である。私が学生の時も、ちょっと相談したりすると余計怒られたりして、ろくなことがなさそうなイメージがあった。まあ、私の出来が悪かったからかもしれないが、出来が悪い学生ほど助けが必要なものである。ちょっと、ドイツの学生が羨ましくも思えたりした。

もう一つの発見は学生のカリキュラム改善組合みたいなものがあり、学生の要望を、学生達を代表して大学側、特に教員に訴える仕組みがあることだ。これなどは、実はすぐに私の大学でも導入するといいと思う。個人的な要望はともかく、おおかたの学生が要望することを、この組合がフィルターにかけて教員サイドに掛け合えるようにしたら、学生にとっても、カリキュラム等を改善したいと考えている教員にとっても効果が期待できるであろう。

卒業式は夕方の6時から始まり8時に終わった。その後はバーベキュー・パーティがあったのだが、私は家が遠いので式が終わると帰宅した。バーベキュー・パーティがどういう感じで展開していたかは不明だが、全般的に家族的でなかなかいい卒業式であったと思う。


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新型インフルエンザの直撃を受け、ドイツ人の成熟度を知る [ドイツ便り]

新型インフルエンザが日本で流行していたのを対岸の火事として眺めていたら、デュッセルドルフの日本人コミュニティを直撃した。地元のメディアも大きく取り上げており、全国版でもニュースになっている。新型インフルエンザというウィルスが日本人において集中的に流行しているというのは不味い現象である。潜在的な外国人排斥的な意識が表面化しないことを祈るばかりである。

長女は日本人学校に通っている。幸い、長女は陰性であったが、2週間ほど休校になっている。家族もこの4日間は家に籠もっているような状況である。この週末は日本デーというデュッセルドルフのお祭りがあったのだが、デュッセルドルフの日本人は基本的にシャットアウトされており、日本人学校に通っている児童をもつ家庭は日本デーには参加しないようとの通達が市役所からあった。せっかくの交流の機会であったので残念である。とはいってもウィルスの交流は迷惑千万であるから、致し方ない。

聞くところによると日本でもインフルエンザに罹った人達は差別を受けて、インフルエンザが流行った学校の制服をクリーニング屋が受け取らないといった事件もあったようだ。ドイツにおいて日本人というマイノリティにおいて集中的に流行って、しかもマスコミがその点から取り上げたというのは、不味い状況ではあるが、今のところ、嫌な目にあったのは語学学校のイタリア人の同級生に「日本人は家にいろ」と半分冗談のように言われたことぐらいである。隣近所の何人かのドイツ人とは話をしたが、その話題は相手が気を遣ってかどうかはしらないが出てこなかった。

一番気になったのは次女の小学校である。長女が陰性であること、感染者との最後の接触日から1週間経ったこともあり、連休明けの月曜日に登校前に小学校に電話をして通わせてもいいかと尋ねるとまったく問題ないとのこと。同級生の親が気にしているのではないか、と尋ねると、そのような問い合わせは今のところないとのこと。通わせるのは問題ないと言われたので、通わせることにする。学校でいじめられるかと心配したが、そのようなことはなかったらしい。このような対応にドイツの社会としての成熟度を知る。まあ、もしかしたらあまり気にもしなかっただけのことなのかもしれない。とにかく、集団感染する病気が日本人コミュニティに集中したことによる人種差別的な日本人の排斥行動をみなかったという事実は、大変助かったし、ほっとする。大学とかで教えていると、たまに差別問題を是とするようなレポートを書こうとする学生に出会ったりする。そういえば、私が大学に赴任する前に働いていた会社の上司は人種差別者で、マレーシアのブミプトラ政策に感服したという大馬鹿者であったが、そういう差別肯定主義者は、実際、自分が外国で暮らしてマイノリティになった時に、そのような考え方がいかに残酷なものかを知るといいと思う。まあ、私もこの経験を通じて、差別的な考え方を持つことの卑劣さをより自覚しなくてはならないと思う。とりあえず、繰り返しになるがドイツのというかデュッセルドルフの人達が、この点に関しては非常に成熟した意識を有していてよかった。
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