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ピーター・ガブリエル『US』 [ロック音楽]

ピーター・ガブリエルが1992年に発表したソロとしては6枚目のアルバム。個人的には『SO』に優るとも劣らない大傑作アルバムである。ベースはトニー・レヴィン、ギターはデヴィッド・ローズといういつもの面々。うねうねとしたリズム、高揚感を抑えるようにして、徐々にドラマティックに盛り上げていく、歌の物語が見えてくるかのような楽曲群。もともと表現力に優れたボーカリストであったが、その頂点に達したかのようにいい。ちょうど離婚を経た時期であり、反抗する娘への戸惑い、といったミッド・ライフ・クライシス的な曲が等身大でとても心に染みる。ここらへんの曲の良さは10代のガキには分からないだろうなあ。捨て曲がないのは『SO』と同じである。


US

US

  • アーティスト: GABRIEL, PETER
  • 出版社/メーカー: CAROL
  • 発売日: 2014/12/29
  • メディア: CD




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スティーブ・ハケット『Voyage of the Acolyte』 [ロック音楽]

1975年に発表されたハケットのソロ第一作。ピーター・ガブリエルが離脱した後のジェネシスの最初のアルバムである『トリック・オブ・ザ・テイル』の前に発表されている。凄まじいほどのクオリティであり、ハケットのソロでも個人的には最高傑作である。何しろトップを飾るインストのAce of Wandsが素晴らしい。そのドラマティックな展開、12弦のギター、情感溢れるギター・ソロ、ハケットの代表曲Everydayにも勝るとも劣らない名曲である。そして、ハケットのソロではあるが当時のジェネシス的な音空間を見事に表現している。フィル・コリンズが歌っているStar of Siriusなどは、『Wind and Wuthering (静寂の嵐)』に入っていたとしても極めてしっくりするようなジェネシス的な楽曲である。ドラムはおそらく全てフィル・コリンズが叩いている。ちなみにマイケル・ラザーフォードも参加していて、アルバム最後を飾るShadow of the Hierophantでは作曲者としてハケットとともにクレジットされている。ラザーフォードもStar of Sirius以外のベースはすべて弾いていると推察される。どうりで、ジェネシスっぽい訳だ。

ここのアルバムで入っている曲のいくつかは、『眩惑のブロードウェイ』の過酷なツアーの合間につくられたものだそうだ。ホテルの部屋で正気を維持するためにつくったそうだが、ハケットにとって、曲をつくる機会をツアーとかで奪われるのは、相当のストレスだったようだ。録音はこのツアーが終わって一ヶ月も経ったか経たなかった時だそうだ。

アルバム・カバーの絵が非常に不気味な印象を与えるが、これは、ブラジル人のキム・プアの作品で、その後、彼女はハケットの奥さんになる。そして、数枚、彼女の手による不気味な絵のカバーのアルバムが出される。ハケットはちなみに彼女と2007年に離婚するが、その後、彼女はハケットの印税は彼女にも入るべきだと主張した。ジェネシス時代のものも含めてだ!いやいや、それってちょっと違うでしょ。しかも、彼女はハケットが新しいアルバムを彼女の許可無くつくれないようにするよう裁判所に訴えた。いやはや、フィル・コリンズといいハケットといい、ろくな奥さんをもらわない。

ちょっと話が外れたが、ジェネシスの延長線上にあるような素晴らしいアルバムでジェネシス・ファンは必聴である。私はAbacab以降のジェネシスのアルバムより、このアルバムの方が好きである。

イギリスでは4週間トップ100入りし、最高で26位まで上っている。


Voyage of the Acolyte

Voyage of the Acolyte

  • アーティスト: Hackett, Steve
  • 出版社/メーカー: Astralwerks
  • 発売日: 2005/08/01
  • メディア: CD



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TOTOのファースト・アルバムを聴き直して、そのAOR感にびっくり [ロック音楽]

TOTOのファースト・アルバムを改めて購入して聴き直す。TOTOがデビューしたのは私が高校一年生の時である。クラスの山内君が凄いバンドがデビューしたと騒いでいたのを覚えている。二枚目を出して、初来日のコンサートも新宿厚生年金で見ている。それほどのファンではなかったが、なんか周りも盛り上がっていたので聴いていた気がする。HYDRAとかは嫌いではなかった。ただ、同時期にデビューしたDire Straitsの方が恰好いいなとは思っていた。

その後、TOTOからは関心をなくしていたのだが、ギターの練習にルカサーのギターはとても優れている。しっかりとした基礎力を土台として、優等生的な計算されたギターを弾くからだ。そういうこともあって、TOTOのCDをおそらく人生で初めて購入したのである(高校時代にはレコードは買っていた)。そして、改めて何で自分がTOTOに嵌まらなかったかがよく分かった。メチャクチャAORなのだ。もう、バニラ・アイスにキャラメルをかけて、さらにチョコレート・チップをまぶしたかのように甘い。ボビー・コールドウェルかと思うぐらいだ。こんなに甘い感じじゃ、そりゃ引く。私は別に尖った若者でもなかったが、いちおうロック・ミュージシャンの端くれみたいな気分だったので、これはやはり受け付けられない。同様に高校時代はまだ聴けたりしたが、その後、バンドをやって聴かなくなったバンドとしてはStyxがあるが、ちょっと似たような感じだ。

大学のバンド・サークルで、TOTOバンドをコピーしていた後輩がいて、たまに酒を吞んだりするのだが、その時「TOTOをけなしていたけど、先輩の好きなSteely Danと同じようなものじゃないですか」と言われて、おお、それは一理あるかもなと納得していたのだが、いやいやTOTO(少なくともデビュー・アルバムは)とSteely Danだと違うわ。JosieやPegのような複雑なコードがつくりだす音の奥行きのようなお洒落感は、少なくとも1枚目からは感じられない。などと言ってRosanna好きなので、4枚目は買うかもしれないですが・・・ギターの練習のために。


宇宙の騎士(期間生産限定盤)

宇宙の騎士(期間生産限定盤)

  • アーティスト: TOTO
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/17
  • メディア: CD




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デイビッド・ボウイ『The Next Day』 [ロック音楽]

故デイビッド・ボウイが66歳時に発表した27枚目のアルバム。2013年のアルバムで、前作より10年というインターバルを経て発表された。凄まじいクオリティで、次作の「ブラック・スター」とも通じる新しいボウイ・ミュージックともいうべき、それまでのボウイの曲群とも違う、オリジナリティ溢れる楽曲には驚くしかない。「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」、「Station to Station」、「Heroes」、「Scary Monsters」、「Let’s Dance」、「Black Star」などの時代を画した傑作群などに次ぐ極めて高いレベルのアルバムであるかと思う。還暦後に発表した2枚のアルバムで、晩節を汚すどころか、その天才性を見事に示し、ロック史に偉大なる軌跡を残すことになった。本当に凄いロック・ミュージシャンであり、素晴らしい生き様を我々に伝えてくれた。


ザ・ネクスト・デイ デラックス・エディション(完全生産限定盤)

ザ・ネクスト・デイ デラックス・エディション(完全生産限定盤)

  • アーティスト: デヴィッド・ボウイ
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2013/03/13
  • メディア: CD



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『Soまでのピーター・ガブリエル』 [ロック音楽]

シンコー・ミュージックから出版された『Soまでのピーター・ガブリエル』を読む。ジェネシスとしてデビューしてから、ソロとしては5枚目(ライブを除く)のアルバムである「So」までのピーター・ガブリエルの歩みを整理した本である。「So」が発表されたのは1986年であるから、内容的には38年前に発表されてもいいような内容である。それが2024年に発表されるというのは、38年前に出されても手に取ることができなかったような、若い世代を対象とするような本なのかもしれない。ちょうど21年ぶりに新譜が発表されたので、これによってピーター・ガブリエルを知った若い人への情報提供という意味合いもあるのかもしれない。『ピーター・ガブリエル』の自伝を読んでいる私が、この本から新たに得られた情報は少ないが、カラーでの写真が多いのは嬉しい。あと、ピーター・ガブリエルを巡るミュージシャン・リストのような情報が嬉しかった。まあ、ピーター・ガブリエルのファンであれば一冊、手元に置いておきたい本であることは間違いないし、2024年に新刊としてこういう本が出るのも嬉しい。


Soまでのピーター・ガブリエル

Soまでのピーター・ガブリエル

  • 出版社/メーカー: シンコーミュージック・エンタテイメント
  • 発売日: 2024/02/24
  • メディア: 単行本



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1975年のランキングでベスト・ロック・ドラマーに選ばれたのはカレン・カーペンターであった [ロック音楽]

1975年のプレイボーイ・マガジンがベスト・ロック・ドラマーのランキングをした。これは読者のアンケート調査によるようだが、次のような順位であった。

一位:カレン・カーペンター
二位:ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)
三位:リンゴ・スター(ビートルズ)
四位;キース・ムーン(ザ・フー)
五位:ミック・フリートウッド(フリートウッド・マック)

確かにカレン・カーペンターのドラムは驚くほど上手いが、ロック・ドラマーというジャンルだと、流石にジョン・ボーナムの方が上のような気がする。この結果に、ジョン・ボーナムはキレまくって、カレン・カーペンターはツェッペリンの曲は10分も叩けないであろう、と述べた。それを受けてカレン・カーペンターは、「私はレッド・ツェッペリンの曲は大好きだし、数曲は叩けるわよ」と言って、取材者の前でドラム・キットに座り、「Babe, I’m gonna leave you now」を歌いながら完璧に叩いたそうだ。
https://forum.amcorner.com/threads/karen-carpenter-best-rock-drummer-1975.14951/

いやいや、なかなか楽しい。とはいえ、この結果は1975年のアメリカ人でプレイボーイの読者があまりロックを知らないということを示唆しているともいえる。1975年であったらジンジャー・ベイカーとかビル・ブラッフォードとかが候補に挙がってもいいだろう。カレン・カーペンターは5位にランクインしてもいいかなと思うけど1位というのは厳しいんじゃないかな。

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『St. Vincent』 [ロック音楽]

2014年に出されたSt.Vincentことアニー・クラークの5枚目のアルバム。凄い中毒性のあるオリジナリティ溢れる音楽。もう一聴で、St.Vincentがつくる音世界であることが分かるほどのユニークさと新鮮さに溢れている。このアルバムは捨て曲がなく、すべての曲が凄まじいクオリティを誇るが、その中でも「Digital Witness」と「Huey Newton」は素晴らしい。まさに天才という称号がふさわしいようなミュージシャンがつくった大傑作である。


St Vincent

St Vincent

  • 出版社/メーカー: Republic Records
  • 発売日: 2014/02/25
  • メディア: CD



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セレステ「Not Your Muse」 [ロック音楽]

1994年生まれのセレステ・エピファニー・ウェイトの2021年のデビュー・アルバム。UKアルバム・チャートでは1位にまで上昇するが、それも納得の素晴らしいアルバム。というか、2021年になって、こういう音楽がまだ創られるのか、と驚くようなクオリティの高さである。楽曲もいいが、何しろボーカルがいい。
 セレステはなかなかエキゾニックな外観をしているが、これはイギリス人の母親とジャマイカ人の父親とを持つからであろう。そして三歳からイギリスで育つ。日本でいえば平成生まれであるが、アレサ・フランクリン、ビリー・ホリディ、エラ・フィッツジェラルドを聴いて育ったようだ。この才能がどうやって見出されたかというと、16歳の時につくった曲をユーチューブにアップしたことがきっかけだそうだ。そして、楽曲はマックのガレージ・バンドを使ったそうである。ううむ、まさに平成生まれのミュージシャンということだ。
 さて、このデビュー・アルバムであるが、どうも通常版は12曲しか入っていないようだが、私の購入した日本版は22曲と大出血サービスである。全般的にはスロー・バラード的な曲が多いが、「Tell me something I don’t know」などグルーブ感の素晴らしい曲もあって、なかなか楽しめる。コリーヌ・ベイリー・レイを彷彿させるところもあるが、彼女のようなコケティッシュなところはなく、もっと土臭い感じがする。ドシッとしている、という感じだろうか。Strangeはスタンダードになるような迫力を持っている。



ノット・ユア・ミューズ

ノット・ユア・ミューズ

  • アーティスト: セレステ
  • 出版社/メーカー: Universal Music
  • 発売日: 2021/02/26
  • メディア: CD



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ギター・マガジンの「偉大なギター名盤100」には異議ありまくり [ロック音楽]

ギター・マガジンの今年(2024年)の2月号は「偉大なギター名盤100」であった。私はヘタレ・ギタリストなので、ワクワクしながらページをめくった。しかし、その選考には異議ありまくりである。私は、むしろ、この雑誌の選考から、貴重な情報や知見を学ぼうと思っていたぐらいなのに、このヘタレ・ギタリストの私でも到底、納得できない選考に愕然とする。これは冗談じゃなくて、まじだったとしたら、ギター・マガジンのブランドにさえ疑義を呈しかねない。
 そもそも、ナイル・ロジャース、アラン・ホールズワース、サンタナのアルバムが入ってないのは絶対おかしいだろう。加えていえば、パット・メセニー、マーク・ノプラー、ビリー・ギボンス、プリンス、ゲイリー・ムアー、アルバート・リーが入ってないのはおかしいし、ベスト100であればピート・タウンゼント、ブライアン・メイ、ニール・ヤング、エディー・ヘーゼル、ロベン・フォード、リー・リトナーが入ってもおかしくない。
 代わりに何が入っているかというと、テレビジョンやセックス・ピストルズ、ドクター・フィールグッドといったパンク系のアルバムだ。こういう音楽は、ローリング・ストーンズやロッキンオンといったロック誌が評価するのならまだ分かるが、なんでギター・マガジンが評価するんだ。こいつらが弾いているギターが、サンタナやマーク・ノプラーより遥かに優れているというのであれば、ギター・マガジンは、別にギターを上手く弾きたい読者を想定している訳ではないことを裏付ける。というか、サマンサ・フィッシュやセント・ヴィンセントなどの最近の女性ギタリストのアルバムの方がはるかに「ギター名盤」としてふさわしいだろう。ということを、還暦を過ぎた読者に指摘されてどうする。むしろ、そういう新しい情報が欲しくて、こういう雑誌を私は買っているのだ。ハイ・スタンダードが37位、Xが38位とか、日本の「ギター名盤100」なら分かるが、これらがサンタナのアルバム群、アラン・ホールズワースのアルバム群より上位にくるとはまったく思えない。
 というか、ロック名盤ではなくて「ギター名盤」だからな。というか、Wilcoのアルバムが一枚も選ばれていないのもおかしいだろう。Doobie Brothers、ポール・コゾフのFreeも一枚ぐらい入ってもいいだろう(Fire and Waterですな。All Right Nowのギターはあまりにも素晴らしい)。Robbie RobertsonのThe Bandのアルバムも一枚は入ってもいい。Tom Campbellのトム・ペティのアルバムとかも入っていいだろう。The Carsのデビュー・アルバムも入るべきだろうし、Grand Funk Railroadもギターの名盤としては考慮すべきである。Jim Hallとかも入ってないんだよなあ。Little FeatのLowell George スライド・ギターもギター名盤100に入れるように考えるべきだろうし、Museもその革新的なギターを考えると入れることを考えなくてはいけないんじゃないか。
 ということで、メチャクチャ期待外れの特集であった。というか、ギター・マガジンが自らのブランドの信頼性を担保にこういう特集をしているという覚悟がなさ過ぎるのじゃあないか。この記事をWishbone AshのArgusを聴きながら書いているのだが、このアルバムのトップを飾るTime Wasのギターのイントロの美しさ。このアルバムはロック史的にはそれほど素晴らしくはないかもしれないが、ギター名盤ではあると思うのだ。こういうのを取り上げてくれれば、さすがギター・マガジンと思えるのに、いたずらにJimi HendrixやZeppelin、Smith、John Mayerといった同じアーティストのアルバムを何枚もベスト100に上げるというようなアホなランキングをするぐらいであれば、ギタリストのランキングとかをすればよいのだ。アルバムというと、もっと多くの要素が入ってくるので難しいし、そのランキングをするのは相当の覚悟が必要だ。というか、修正等ができるウェブサイトであるならまだしも、印刷して出すような内容か。私の読後感はギターを舐めるなよ、といったものであって、私のような超絶ヘタレなギタリストにこんなことを言われるギター・マガジンは雑誌をつくる資格もないように思う。猛省してもらいたい。もう読書歴的にいえば45年ぐらいの読者なのだから、本当、落胆させないで欲しい。

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クイックシルヴァー・メッセンジャー・サービス [ロック音楽]

1960年代後半、サンフランシスコで盛り上がったカウンター・カルチャーを彩ったバンド群の代表格の一つ。グレートフル・デッド、ジェファーソン・エアプレインなどとともにベイ・エリアのサイケデリック・ロックの三銃士の一つとも捉えられている。ただし、これら2バンドに比べると商業的には成功しなかった。本作品はデビュー作で1968年の作品である。6曲中、オリジナル曲は3曲である。そして、12分に及ぶ彼らのオリジナル曲「The Fool」はなかなかサイケデリック色が強い名曲である。個人的には、グレートフル・デッドやジェファーソン・エアプレインより、こちらのバンドの方がしっくりきて好みである。ギターもジェリー・ガルシアより上手いと思う。


クイックシルバー・メッセンジャー・サービス

クイックシルバー・メッセンジャー・サービス

  • アーティスト: クイックシルバー・メッセンジャー・サービス
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1993/12/22
  • メディア: CD



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スティーリー・ダンの「Only a Fool Would Say That」はジョン・レノンのイマジンへの強烈な皮肉が込められた曲である。 [ロック音楽]

スティーリー・ダンの1972年の作品『Can’t Buy A Thrill』に入っているボサノバ風の小曲「Only a Fool Would Say That」というのがある。Midnite CruiserとReelin’ In The Yearsという名曲に挟まれていたこともあり、これまで、あまり特に関心を持って聴いたこともなかった。しかし、これが、ジョン・レンンのイマジンへの強烈な皮肉が込められた曲であることを知った。その歌詞は次の通りである。

A world become one of salads and sun
Only a fool would say that
A boy with a plan, a natural man
Wearing a white Stetson hat

ここの「A world become one」はレノンのImagineの最後の歌詞「And the world will live as one」にかけている。「a white Stetson hat」(白いカウボーイ・ハット)を被っているジョン・レノンは記憶になかったのだが、そういう写真は存在した。(
https://www.reddit.com/r/SteelyDan/comments/126sgf4/a_boy_with_a_plan_a_natural_man_wearing_a_white/)

Unhand that gun begone
There's no one to fire upon
If he's holding it high
He's telling a lie

I heard it was you
Talking 'bout a world where all is free
It just couldn't be
And only a fool would say that

ここはImagine no possessions …. No need for greed or hungerに対応しているかと考えられる

The man in the street dragging his feet
Don't wanna hear the bad news
Imagine your face there is his place
Standing inside his brown shoes

You do his nine to five
Drag yourself home half alive
And there on the screen
A man with a dream

I heard it was you
Talking 'bout a world where all is free
It just couldn't be
And only a fool would say that

Anybody on the street
Has murder in his eyes
You feel no pain
And you're younger than you realize
Only a fool would say that
Only a fool

I heard it was you
Talking 'bout a world where all is free
It just couldn't be
And only a fool would say that

Only a fool would say that
Only a fool would say that

ここらへんは、実際、生きていくために働いている人には、イマジンを歌う億万長者のジョン・レノンの理想の世界は何の飯の足しにもならない、と皮肉っている。「Only a Fool Would Say That」の馬鹿はジョン・レノンである。(https://boingboing.net/2023/02/07/the-fool-in-steely-dans-only-a-fool-would-say-that-is-john-lennon.html)。

ジョン・レノンは若い頃は、スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲン並みの皮肉屋で、社会批判も鋭かった。ビートルズの初期のジョンの曲の歌詞は、オブラートに包まれた毒舌のようなものが調味料に含まれていて、それがビートルズの魅力に寄与していたことは間違いない。Nowhere Man, Doctor Robert, Get Back, Sexie Sadieなど、後半期においてもひねりが効いた歌が多い。そのジョン・レノンを「Only a fool」とドナルド・フェイゲンに言われてしまうとは、なんたる転落、とも思わなくもないが、確かにドナルド・フェイゲンの指摘に首肯する人は少なくないだろう。私も中学時代、イマジンを聴いてちょっと偽善的というか、恥ずかしいものを感じたのを記憶している。メロディとか悪くないんだけど、世の中、なかなかそんなに上手くいかないだろうな、と当時も思っていたし、今でもそう思っている。

それはともかく、そういう偽善性に対して、まだ若造のドナルド・フェイゲン、攻撃の矛先を向けるとは大したものである。それも当時、ほとんど神に近かったジョン・レノンに対してである。ほぼ99%、ジョン・レノンの味方をするという状況下での、この批判、その姿勢は天晴れである。


Can't Buy A Thrill [12 inch Analog]

Can't Buy A Thrill [12 inch Analog]

  • アーティスト: Steely Dan
  • 出版社/メーカー: Geffen Records
  • 発売日: 2022/11/04
  • メディア: LP Record



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ザ・ビートルズ「Now and Then」 [ロック音楽]

2023年11月に出されたビートルズの新曲を聴く。作詞・作曲はジョン・レノン。4分を越えるというビートルズとしては長い方の曲である。曲は悪くない、どころか素晴らしい。ただ、録音されたのは1978年とビートルズが解散してから8年後。デモ録音されたのはジョン・レノンの自宅のダコタ・ハウス。ということで、これは実質的にはビートルズの曲ではなくジョン・レノンの曲であろう。ドラムは確かにリンゴのドラムである。しかし、総じて、ジョン・レノンの曲をポール・マッカートニーがプロデュースしたという感じであり、いや、ホワイト・アルバム以降、メンバー勝手にやっていたから、それはそれでいいかな、と思ったりもするが、若干、これをビートルズの曲というのは複雑である。とはいえ、このメロディを復活させたポールはちょっとお節介かもしれないが素晴らしい。これをやって、ポールはそれほど賞賛されないと思ったりするが、それでもやってしまう、というところが逆にポールの素晴らしさだと思うし、ポールはやはりジョンを愛しているのだな、ということを改めて確認したりする。



ナウ・アンド・ゼン (生産限定盤)(SHM-CD)

ナウ・アンド・ゼン (生産限定盤)(SHM-CD)

  • アーティスト: ザ・ビートルズ
  • 出版社/メーカー: Universal Music
  • 発売日: 2023/12/01
  • メディア: CD





Now And Then

Now And Then

  • アーティスト: The Beatles
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2023/11/17
  • メディア: CD



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『グレートフル・デッド・ムーヴィー』 [ロック音楽]

1977年に公開された、ジェリー・ガルシア本人によって監督されたデッドのライブ映像。1974年10月のサンフランシスコ・ウィンターランドのライブを編集したものである。これは、デッドがしばらく活動を中止するために、その期間、ファンのデッドへのライブのニーズを代替するという意図のもとに製作された。しかし、編集途中、ジェリー・ガルシアが口出しをしてきたので、オリジナルの監督、レオン・ガストが退いたので、結局、ジェリー・ガルシアが監督をすることになった。その編集作業はめちゃくちゃ時間がかかり、ガルシアにとっては苦痛にしか過ぎなくなってきた。その後、デッドは2年間ほどの活動中止を経て1976年に再びライブ・ツアーを開始する。映画は皮肉にもその後、完成して公開されることになるのだが、当初の目的は逸してしまった。
 さて、しかし2024年にこの映像を目にするものにとっては、このような作品がつくられていたことは非常に有り難い。私はサンフランシスコに3年間、1990年代の前半に住んでいたが、デッドを経験することはなかった。それは、グレートフル・デッド、それほど好きではなかったからだ。グレートフル・デッドの最初の出会いは小石川図書館で高校一年生の時である。そこで、「ライブ・デッド」を借りて聴いたのだが、いきなりインプロヴィゼーションばかりの23分のダーク・スターを聴き、なんじゃこりゃ、よう分からん、ということで、それ以来、ずっと距離を置いていたのである。
 ただ、サンフランシスコに行くと、もうグレートフル・デッドは神懸かっている。もう、その人気といったらローリング・ストーンズなど足下にも及ばない。ということで、じゃあ、観ようとはそれでも思わなかったが、気にはなっていた。多少、デッド・セットやアメリカン・ビューティーなどを購入して聴いたりしたが、それほど嵌まらなかった。今でもジェリー・ガルシアのギターは好きではないし、上手いと思わない。音づくりも下手だと思う。
 そういう不遜な私であるが、この『ザ・グレートフル・デッド・ムーヴィー』はとてもいい映画であると思う。一家に一枚あっていいぐらいだ。というのは、これは通常のライブ・コンサートのDVDではなく、デッドのコンサートがどういうものであったのか、その記録映像として極めて優れているからだ。ファンへの取材、ローディーの紹介、辣腕プロモーターであるビル・グラハムも出てきたりして、ライブのルポルタージュとして非常に良質である。ジェリー・ガルシアの編集能力の高さを伺い知ることができる。まあ、これだけの作品を、映画をつくったことがなくて完成させようとしたら、そりゃあ相当の苦痛は伴うであろう。
 あと、このDVDであるが、95分に及ぶライブ映像、貴重なメーキング・ムーヴィーなども特典としてついてきてとてもお得感がある。私も、これを観て、ザ・グレートフル・デッドのファンになった訳ではないが、このバンドに嵌まる人達の気持ちはちょっと分かるようになった。しかし、ジェリー・ガルシアのギターが下手だという意見はそれでも、まったく覆らない。



 

Grateful Dead Movie [DVD]

Grateful Dead Movie [DVD]

  • 出版社/メーカー: Monterey Video
  • 発売日: 2004/11/09
  • メディア: DVD




Grateful Dead Movie [Blu-ray]

Grateful Dead Movie [Blu-ray]

  • アーティスト: Grateful Dead
  • 出版社/メーカー: Shout Factory
  • 発売日: 2011/11/01
  • メディア: Blu-ray



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『これがビートルズだ』を読みながら、ビートルズ・マラソンをする [ロック音楽]

中山康樹の『これがビートルズだ』を読みながら、ビートルズの213曲を聴いた。いわゆるビートルズ・マラソンである。『これがビートルズだ』は、発表順に全曲の解説がされている。ビートルズ・マラソンの伴走にはもってこいである。『これがビートルズだ』の内容は独善的であり、納得できない指摘も多い。例えば、ポールがジョージの代わりにギターを弾いたのは、ポールの方がジョージよりギターが下手なのでぎこちなさを演出できるからだとか、can’t buy me love のcan’tのポールの発音はキャンだとか(意味が真逆になるからあり得ない。ただ、著者の耳が致命的に悪いだけだ)、ジョージの佳作「I Want to Tell You」を「曲も宙ぶらりんならレコーディングも適当だ」、ジョンの大傑作「I am the Walrus」を「曲として音楽としての説得力に欠けている」など、手前味噌なことも多く書かれているが、それでも有益な客観的な情報も含まれているので、読みながら聴くことで、より曲にしっかりと対峙させて聴くことを補助してくれる。
 全曲を聴き、改めてロック・シンガーとしてのジョンがいかに優れていたか、下積みの長さからつくられる初期のグルーブ感の凄味を知る。そして、時系列で聴くことで、大きな音楽的な転換期が『Help』であることにも気づく。いや、その進化は常に起きてはいたが、あたかも白黒テレビがカラー・テレビに変わったような進化がここでは見られる。そして、それから『Rubber Soul』でハイビジョン・テレビ、次の『Revolver』でデジタル・テレビに進化していったような印象を受けた。
 そしてビートルズは、前半はジョン・レノンの天才によって導かれ、その後、ポール・マッカートニーの天才によって高みに到達し、後半の過程ではジョージ・ハリソンが新しい個性を加えて、その魅力の多様性に寄与した、という歩みであろうか。
 ちなみにビートルズ・マラソンであるが10時間ぐらいで終了した。それなりに長かったが、ビートルズの楽曲が素晴らしいので、そんなに大変ではなかった。



これがビートルズだ (講談社現代新書)

これがビートルズだ (講談社現代新書)

  • 作者: 中山 康樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/03/18
  • メディア: 新書



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ビートルズの曲ベスト50 [ロック音楽]

2018年と前のデータであるが、タイムアウトがビートルズの曲のベスト50を発表した。結構、面白い結果であるので私のコメントとともに共有したい。

1. A Day in the Life : まあ、そう来るか。という感じではあるが妥当な選曲か。
2. Tomorrow Never Knows : 個人的には一位であるので納得だが、世間とはずれがあるかも。
3. Strawberry Fields Forever: ふむふむ。確かに超名曲ではあるので納得。
4. All You Need is Love: これはちょっと評価が高過ぎるのではないか。
5. Helter Skelter: これもベスト10に入るかな。名曲ではあるが。
6. Taxman: これもちょっと個人的には違和感あり。ベスト30には入るとは思うが。
7. She Loves You: 1960年代のイギリスで最も売れたシングル。
8. Eleanor Rigby: これは評価高すぎるだろ。ベスト50には入るとは思うが。
9. I Am the Walrus: これはその後のポップ音楽に与えた影響を考えると妥当。私はもう少し上に評価する。
10. She’s Leaving Home: これも評価高すぎではないか。
11. Ticket to Ride: 名曲ですが、この順位が妥当かは難しい。
12. I am Only Sleeping: Tomorrow Never Knowsを発表しなければこの曲の評価は高い。ただ、どうしてもTomorrow Never Knowsと比べると劣る。12位でも評価は高すぎる。
13. Sexy Sadie: おお、鋭いな、と思いつつベスト50に入るかな、という感じ。Savoy Truffleの方が上。
14. You’ve Got to Hide Your Love Away: 確かに名曲ですな。
15. While My Guitar Gently Weeps: 名曲だがSomething の上に来ることは絶対、あり得ない。
16. Don’t Let Me Down: ビートルズが最後にレコーディングした曲。いや、Hey JudeやLet It Beの上に来ることはないでしょう。
17. I Saw Her Standing There: 確かに名曲ですな。
18. Help: 名曲ですね
19. I Want You: Abbey Roadで最初に選ばれる曲では絶対ない。この選曲はまったく理解できない。
20. She Said She Said: この選者はRevolverが好きなんだろうな。これで、5曲目。明らかに偏りすぎだろう。
21. Everybody’s Got Something to Hide Except Me and My Monkey: 渋い選曲とは思うが、私の50には入らない。
22. Love Me Do: まあベスト50には入るかな。あと、なんせデビュー曲だから。
23. Get Back: 名曲ですな。
24. Revolution: これも納得。
25. Money: いや、これビートルズのオリジナルじゃないから。
26. In My Life: 名曲です。
27. Back in the USSR: 名曲です。
28. Hey Bulldog: 名曲ではあるが、蒼々たる曲群の中でベスト30には入らないと思う。ベスト50には入るかと思うが。
29. Norwegian Wood: 驚くような名曲です。
30. Day Tripper: ロック史上、驚くほど素晴らしいベース・リフ
31. It’s All Too Much: これは評価高すぎ。
32. The End: Abbey Roadのメドレーをどうカウントするか、というところが難しいがThe Endで代表させているのであれば異論なし。というか、もっと上の評価でもよい。
33. The Word: これも評価高すぎる。
34. The Fool on The Hill: これは個人的には余裕でベスト10。そういう意味では評価低すぎ。
35. She’s A Woman: 興味深い選考。ベスト50には入れたい曲ではある。
36. Rain: 名曲ではある。
37. Got to Get You Into My Life : この順位ぐらいになると評価も難しい。ベスト50には入れたい曲ではある。
38. I Feel Fine: これはベスト50には入れなくてはいけない曲であろう。
39. Two of Us: いい曲だとは思うがベスト100に入るかどうか。
40. You Never Give Me Your Money: この曲が含まれるということは、Abbey Road Medleyは個別に選ばれているということか。
41. And I Love Her: 名曲ですな。
42. Yer Blues: これは個人的にはベスト50には入らないな。
43. Come Together: これは個人的にはベスト10に入る。
44. The Night Before: この曲は個人的には好きだがベスト50に入るほど優れているかは疑問。
45. Things We Said Today: いや、この曲もベスト50には入らない
46. Across the Universe: 名曲ですね。
47. This Boy: 確かにいい曲ではある、これより入れるべき曲は20ぐらいはあると思う
48. Hey Jude: この曲がこのランクというのは、ちょっと受けを狙いすぎだろう。間違いなくベスト10。200年後に人類がまだ歌っているビートルズの曲として本曲を上回るものは上位に一つもない。
49. Within You Without You: この曲よりも選ばれる曲はまだ数多もある。
50. Let It Be: 人類が200年後に歌っているビートルズの曲でこの曲より上位のものであるとしたらHey Judeのみだと断言できる。舐めるなよ、ヒット曲を!という感じである。

さて、いかがだろうか。レット・イット・ビーのところでも書いたが、ちょっと凝り過ぎである。いや、当たり前のことを書いたら、受けないのである程度、ヒネるのはしょうがないのかもしれない。ただ、なんとなく腹が立ったので自分のビートルズのベスト50をつくってみた。ただ、これはやるたびに順位が変わるので、2024年2月時点の私のベスト50ぐらいに考えてもらえればと思う。参考までに上記の順位を( )で入れておいた

1. Tomorrow Never Knows (2)
2. Something (欄外)
3. Fool on the Hill (34)
4. Hey Jude (47)
5. Penny Lane (欄外)
6. A Day In the Life (1)
7. I am the Walrus (9)
8. You Never Give Me Your Money (40)
9. The End (32)
10. Come Together (43)
11. Oh! Darling (欄外)
12. Day Tripper (20)
13. Nowhere Man (欄外)
14. Paperback Writer (欄外)
15. In My Life (26)
16. Blackbird (欄外)
17. Back In the U.S.S.R (27)
18. Magical Mystery Tour (欄外)
19. Norwegian Wood (29)
20. Help (18)
21. We Can Work It Out (欄外)
22. She Loves You (7)
23. Let It Be (50)
24. I Will (欄外)
25. Yesterday (欄外)
26. Lady Madonna (欄外)
27. Strawberry Fields Forever (3)
28. While My Guitar Gently Weeps (15)
29. Get Back (23)
30. Can’t Buy Me Love (欄外)
31. And I Lover Her (41)
32. Ticket to Ride (11)
33. You’ve Got to Hide Your Love Away (14)
34. Because (欄外)
35. The Long and Winding Road (欄外)
36. Hello, Goodbye (欄外)
37. I Saw Her Standing There (17)
38. Here, There and Everywhere (欄外)
39. All My Loving (14)
40. A Hard Day’s Night (欄外)
41. Martha My Dear (欄外)
42. Michelle (欄外)
43. Revolution (24)
44. I Feel Fine (38)
45. Sergeant Pepper’s Lonely Heart Club Band (欄外)
46. Girl (欄外)
47. Rain (36)
48. I’ve Just Seen A Face (欄外)
49. Across the Universe (46)
50. Your Mother Should Know (欄外)

細かい順番はちょっと適当ではあるが、ほぼこんな感じとなる。22曲がTimeoutのベスト50に入っていない曲である。結構、難しい。ちなみに入り損ねた10曲は次の通りである。これらの10曲はその時の気分でベスト50に入る気もする。しかし、ベスト20は常にベスト50には入る。

51. All You Need is Love (4)
52. Eleanor Rigby (8)
53. Helter Skelter (5)
54. Taxman (6)
55. I am Only Sleeping (12)
56. Octopus’s Garden (欄外)
57. She’s A Woman (35)
58. Mother Nature’s Son (欄外)
59. For No One (欄外)
60. Savoy Truffle (欄外)

奇特な読者のベスト50はどんなものであろうか?改めてビートルズは名曲の宝庫であることを確認させてくれた。あと、ポール本人のベスト20というのも見つけたので、それも列記する。ただ、これは順番には入っていない。ただ、タイムアウトに入っていたら*、私のリストに入っていたら#をつけておく。

・ You Know My Name
・ Strawberry Fields Forever *#
・ Hey Jude *#
・ Blackbird #
・ Eleanor Rigby *
・ Across The Universe *#
・ Julia
・ From Me to You
・ This Boy*
・ Here There and Everywhere #
・ Yesterday #
・ And Your Bird Can Sing
・ Rain *#
・ Fixing A Hole
・ A Day in the Life *#
・ Penny Lane #
・ The Inner Light
・ Happiness is a Warm Gun
・ Something #
・ Let It Be *#

私との被りは11曲、タイムアウトとは8曲と私の方との相性がいいことが分かった。とはいえ、The Inner LightやYou Know My Nameを入れるのは通すぎるであろう。

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往年のガールスバンド「ランナウェイ」のベーシスト、ジャッキー・フォックスが才女であったことに驚いた [ロック音楽]

どうでもいい個人的なことだが、好きなギタリストの一人にサマンサ・フィッシュがいる。そこでユーチューブでいろいろと見ていたら、女性ギタリスト・トップ10のようなユーチューブ・チャンネルがあったのでそれを観る。残念ながらサマンサ・フィッシュはまったく入ってなかったが、そのうちの3位がジョーン・ジェット、1位はリタ・フォードであった。二人とも1970年代に特に日本では人気を博したガールスバンド「ランナウェイ」のメンバーである。そういえば「ランナウェイ」のメンバーは何をしているんだろう、とちょっとグーグル・サーチをしたら非常に興味深いことを知った。
 これは、もしかしたら「ランナウェイ」のファンなら当然、知っているようなことなのかもしれないが、私は中学生の時に、周りにファンの子とがいたし、結構、ロック雑誌とかでも取り上げていたので、その存在やヒット曲「チェリー・ボム」とかは知っていたが、それ以上の関心を持っていなかった。イーグルスとかドゥービー・ブラザースとかの方がずっと私の関心を引いていたからだ。
 さて、それでは何が興味深いか、というとベーシストのジャッキー・フォックスが非常に才女であるということだ。彼女は16歳、すなわちランナウェイのメンバーに入る前に「数学」が飛び抜けて出来るので既にカリフォルニア大学ロスアンジェルス校に入学を許可されているような才女であったのだ。これは、異例中の異例のことで、傑出して成績がよくないと選ばれない。ちなみに、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校、いわゆるUCLAはロスアンジェルス界隈で最も難関の大学だ。そして、彼女はナイトクラブで遊んだところスカウトされ、ランナウェイのベーシストとなる。彼女はメンバーの時、プロデューサーにパーティで公の場でレイプされるという酷い目に16歳の時にあう。この時、ジョーン・ジェットとシェリー・キューリーもその場にいたらしい。それはともかく、彼女はランナウエィを辞めて、他のメンバーと違って音楽の道とは違う道を歩む。彼女はUCLAを数学ではなく、言語学で優秀な成績を表彰されて卒業し、その後、なんとハーバードの法科大学院に進む。さらに驚くべきことに、バラック・オバマが同窓であったそうだ。
 2018年にはアメリカの人気クイズ番組「ジャパーディ」に出演し、見事1000万円近くの優勝金を勝ち取っている。
「ランナウェイ」は日本ではヒットしたが、アメリカでは「チェリー・ボム」がそこそこヒットしただけで、大成しなかったが、今振り返ると、リタ・フォードという凄腕ギタリスト、ジョーン・ジェットという時代を画すようなパンク・ロッカーを生み出し、とてつもないポテンシャルを持っていたバンドであることを知る。というか、ジャッキー・フォックスがそんな才女だとは知らなかった。不良の塊、みたいなイメージで売り出していたような印象だったからだ。それにしても、こういうオール・マイティの人材を時々、生み出すのがアメリカという国の怖いところである。


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スティックスの取材動画を観て、デニス・ヤングはなぜスティックスにおいて必要ないかがよく分かった [ロック音楽]

スティックスのトミー・ショーとジェームス・ヤングの取材動画を観た。基本、デニス・ヤングに関する質問が多かったのが、二人ともデニス・ヤングと一緒にやるのは不可能だったということを述べていた。特にジェームス・ヤングは本当、辟易としていて、嫌な体験であったと述べていた。トミー・ショーはもうちょっと柔らかい言い方で、デニス・ヤングはとても才能があるので、上手くいくことを祈っているというような言い方をしていた。
 ジェームス・ヤングの言いたいことは、「俺はハード・ロックが好きなのにベイブのような軟弱な曲が全米ベスト1に輝いたりしたので、デニスの女々しい曲やヘンテコなコンセプトの曲ばかりやらされて溜まらなかった」というようなものだ。

https://www.youtube.com/watch?v=LTflI7kkWl4

 さて、私はジェームス・ヤングの言い分がとてもよく分かる。それをジェームス・ヤングがぶち切れるきっかけになったアルバム「Kilroy was Here」の曲から考察してみよう。まず、ミスター・ロボット。これは「ドウモアリガト、ミスター・ロボット、マタアウヒマデ」という歌詞がもう日本人的にはダサくてしょうがないが、アレンジも格好悪い。さて、どこが悪いのか。最初の出だしのコーラスはそれほど悪くない。いや、歌詞はダサいがそれほど悪くない。しかし、次のテーマに入ってすぐ「secret, secret, I got a secret」とコーラスが入るところがどうしょうもなくダサい。そして、デニスがI got a secretと歌い始めるとほぼ聞くに堪えなくなり、さらにテレビゲームのようなキーボードのバッキングのダサさがもうこれ以上聞くことを苦痛にさせる。次のトミー・ショーのCold Warもピコピコ・キーボードのバッキングがすべてを駄目にしている。Don’t Let It EndはBabe的な感じの曲で、メロディの良さでどうにか聞くに堪えるが、それでもさびのところでガクッとくるのは私だけではないだろう。この曲をどうにか救っているのはギター・ソロであり、このソロは格好いいと思う。次のHigh Timeはもうロック・バンドじゃないな、というほど酷い曲だと思う。ジェームスが発狂するのはよく分かる。これは、私がバンド・メンバーでも演奏するのを拒否したいぐらいのヘンテコな曲である。Heavy Metal Poisoning はジェームスのハードロックの作品で、これは8ビートのハードロックである。しかし、この曲でむしろ気づくのはドラムが全般的に格好悪いというか、ノリが悪いことである。7拍と8拍にタムを叩くところなんかは、まあ、ノリが悪いというよりかは下手なんじゃないか、と思わせる。しかし、これも最後に子供たちに「sex and drugs」と歌わせているところとかは誰のアイデアか分からないが趣味が悪いな。もしかしたら、ピンク・フロイドのザ・ウォールを意識していたのか。そうだとしたら、雲泥の差の出来である。次のJust Get Through This Nightはシンセの琴の音は気になるが悪くない。この曲だけは、このアルバムである程度、評価できる。Double Lifeはベース・ペダル的のドーンという音がなんかとても不思議な違和感を覚えさせるが、それ以外はそれほど悪くないかもしれないが、記憶に残らない曲だ。そして、Haven’t We Been Here Beforeは、なんかデニスのオペラがかったメロディ、歌い方がやたら鼻につく駄作である。I can’t stay here one minute moreとデニスが言うが、それはこんなアルバムを聴かされた俺だ!と言いたくなる。というか、この曲のギター・ソロもメロディをなぞっただけのつまらないもので、やる気がなくなっているんだろうなあ、ジェームスというのが分かる気がする。まあ、こんなアルバムを出したら、そりゃ、解散するわな、というのが納得できるし、ジェームスがデニスの顔を見たくない、と思う気持ちもよく分かる。最後の曲でKeep Rock and Roll Aliveとデニスが歌っているのを聞くと、お前の曲はRock and Rollじゃないぜ、と怒りさえ沸々と湧いてくる。特にブルブルブルと唇を震わせる唱法は止めて欲しい。このアルバムを聴くと、改めてジェームスの取材動画での意見はよく分かる。私はスティックスでは「Great White Hope」(Pieces of Eight)が一番、好きなので。というか、この曲のドラムは悪くないな、なぜだろう。


Pieces of Eight

Pieces of Eight

  • アーティスト: Styx
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 2005/03/17
  • メディア: CD



ミスター・ロボット

ミスター・ロボット

  • アーティスト: スティクス
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2011/10/12
  • メディア: CD



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スティックスへの違和感(スティックスのダサさ)を考察する [ロック音楽]

私はいわゆるプログレシッブ・ロックのファンである。ジェネシスとかピンク・フロイドやイエスとかが好みである。いや、ジェネシス以外は、それほどハードコアではないが、他のジャンルよりはそういう音楽を聴く。さて、プログレッシブ・ロックのサブ・ジャンルとしてアメリカン・プログレというものがある。四大アメリカン・プログレは、ボストン、カンサス、ジャーニー、スティックスである。どれもが最盛期はアリーナ級の集客を誇り(カンサスがちょっと弱いが)、大儲けをしたバンド群である(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-10-08)。
 私はしかし、これらアメリカン・プログレをそれほど好まない。一番、聴くのは『モノリス』までのカンサス(それ以降は最新版以外はほとんど聴くのを止めていた)、そしてボストンである。カンサスの『伝承』あたりはプログレと言ってもいいかなとは思うが、他はそもそもプログレという言葉が似合わないし、本人達もそう思われたいとも思っていないだろう。逆に迷惑ぐらいに考えていたかもしれない。さて、これら4つの中で、まったく関心のないのはジャーニーである。Anyway You Want ItとかLightsとかLovin’, Touchin’, Squeezin’とか嫌いじゃない曲もあるが、プログレというよりかはエアロスミスとかチープトリックと同じ括りのハード・ロック・バンドかと思う。
 さて、そうすると悩ましいのはスティクスになる。というのは、スティクスは高校時代まではそれほど嫌いじゃない、というか武道館に行くぐらいだったので好きだったと思うのだが、大学時代はむしろ嫌悪するようなバンドになってしまったからである。それは、もう聴くに堪えないようなダサさを感じてしまうからだ。これは、どうしてなのか。ジャーニーとかは特に好きでもないが、それでもここまで嫌悪しないし、上記の曲などは今でも楽しんで聴けるぐらいなのに、スティックスは厳しい。この高校時代までは好きで、その後、嫌いになったというコントラストで言うと、スティックスほど激しいバンドはない。自分でも不思議である。ということで分析を試みてみた。
 すぐ分かるのはロック・ミュージシャンとしてのデニス・デヤングが嫌いだということである。デニス・デヤングのスティクスの立ち位置というのは、バリー・マニローが間違えてハード・ロック・バンドに入ってしまった、という感じであろうか。いや、バリー・マニローが嫌いで例として取り上げている訳ではなく、デニス・デヤングもバリー・マニローみたいなミュージシャンであったら、私もそれなりに距離を置いて、いいメロディー作るじゃないか、ぐらいに思っていたと考える。いや、ボーカリストとしては、バリー・マニローよりも大袈裟で演歌歌手のような歌いっぷりは、本当、ゾッとするほど嫌いだが。問題は、じゃあ、なぜこんなアーティストがいたのに高校時代に好きで聴いていたのか、ということになるのだが、これはおそらく他の二人の作曲家が好きだったからである。
 個人的にスティックスで一番、好きな曲はGreat White Hopeである。そしてRockin’ the Paradiseといったジャームスが作曲に関わっているハード・ロック調の曲が好みだ。さらに、方向性は違うがBlue Collar ManやRenegade、Too Much Time on My Handsといったブルース調のトミー・ショーの曲が嫌いじゃないというのがあったと思う。特に彼らのいわゆる正統派のロック・ギター・ソロやギター・プレイが、デニス・デヤングの鼻につくオペラ風のキャラクターをあまり目立たないようにしていたのではと思う。それが特に指摘できるのは、BabeやDon’t Let It End、The Best of Timesであろう。これらの甘ったるいバラード調の曲でもギター・ソロのところ、すなわちデニス・デヤングの歌がないところは、すごいしゃんとして格好いいのである。ここらへんに惹かれてしまったのかな、と思う。しかし、当時からしっかりとジェネシスとかイエスとかを聴いていたのに、その違いを自覚的に認識していなかったというのは恥である、というか私の黒歴史だ。ただ、そのような私でも流石に『Kilroy was Here』は耐えがたかった。デニス・デヤングの私が嫌悪したところが全開して、ジェームス・ヤングやトミー・ショーがそれを隠そうとしても、それはもう力が及ばなかった、ということであろうか。
 高校時代といえば、どうでもいいことだが、結構、片思いで好きだった同級生の子がいたのだが、今はまったく好意のようなものはない。同窓会でも別にしゃべりたいとも思わない。なんか、スティックスのようだな、とちょっと思ったりした。どちらも私の黒歴史である。いや、どうでもいいことを書いてしまい、申し訳ない。

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ロック・バンド「カーズ」のリック・オケイセックのスーパー・モデルの奥さんの波瀾万丈の人生に胸が詰まる [ロック音楽]

1970年代後半から1980年代にかけて、時代を席巻した「ロックの殿堂入り」も果たした「カーズ」のリーダーであるリック・オケイセックの3番目の奥さんポーリーナ・ポリスコワ。チェコ生まれでスウェーデン育ち、15歳でパリでモデルの仕事を始め、19歳の時には中欧出身の女性としては初めて『スポーツ・イラストレーテッド』の水着特集のモデルとなる。22歳には映画『アンナ』でデビューも果たす。1988年には、エステ・ラウダーのモデルとして年間6億円(600万ドル)相当の契約を結ぶ。これは、当時のモデルとしては最高の契約額であった。このように彼女は、1980年代では最も有名なモデルの一人であった。
 1984年、彼女は「カーズ」のヒット曲「ドライブ」のMTVに出演したことがきっかけでリック・オケーセックと知り合う。彼女が19歳、オケーセックが40歳の時である。当時、オケーセックは二番目の奥さんと婚姻状態にあった。そして1989年にオケーセックと彼女は結婚し、二人の息子にも恵まれる。
 さて、しかし2017年にオケーセックと彼女は離婚する。ただ、これはポーリーナによれば、まったく自分に関心を示さないオケーセックに苛立ち、このままではお互いに不味いと考え、そんなに自分に関心がないのでれば離婚した方がいいのでは、と最後通牒を突きつけ状況の打開を図ろうとしたのだが、オケーセックはそのまま「そんなに僕が嫌なら離婚しよう」と返答したそうである。大きな精神的痛手を受けたポーリーナであるが、そのまま離婚手続きを進めた状況で同居をし、彼の世話もする。2019年9月にオケーセックは手術をするのであるが、その後、自宅で死亡する。死亡したオケーセックを発見したのもポーリーナである。そして、なんとオケーセックは手術前にポーリーナだけでなく、二人の間の子供にも一切、遺産を渡さないという内容に遺書を書き換えてしまったのである。この衝撃な事実は、オケーセックの弁護士によって発表され、世間に広く知られることになる。ポーリーナもオケーセックの裏切りに大きなダメージを受けるが、取材では「おそらく、弁護士に騙されただけであろう。そうでなければ35年も一緒にいた私があまりにも報われない」と述べている。オケーセックはもちろん、大きな財産も持っているが、ポーリーナも年間6億円の契約の仕事を8年ほど続け、その後も違う企業と大型モデル契約を結んでいる。しかし、ポーリーナはそれらのお金をオケーセックと一つの口座で管理をして、頓着しなかった。ポーリーナは、流石にこれは大失敗だったと取材でも後悔していたが、後の祭りである。
 さて、しかし、このような悲惨な目に遭って、一時期は自殺を真剣に考えたそうだが、現在のポーリーナの生き様は目を見張るほど素晴らしい。モデルという「美」を売り物にしてきた彼女だが、自然と年を取ることに極めて肯定的である。そして、非常に賢く、その人生観は心を打つし、学ぶところが多い。
 それに比して、リック・オケーセックの何たる駄目男ぶりであろうか。猜疑心が強く、愛されていることも理解できず、人を裏切ることでしか自分を正当化できない。あれだけの才能を持ち、あれだけの成功を得られたのに、まるでシェイクスピアに出てくる愚か者の如きである。本当に情けない。私も彼を反面教師として、残りの人生をしっかりとポーリーナのように過ごせるようにしていきたいと思う。

 この記事を書くうえで参考にした動画を以下、例示する。
https://www.youtube.com/watch?v=QPSipIITaVA
https://www.youtube.com/watch?v=2hQYVWs-CyI
https://www.youtube.com/watch?v=MXlKvewPpWA


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ドゥービーブラザース@武道館(4月17日) [ロック音楽]

ドゥービーブラザースのライブを武道館で観る。それほど期待していなかったが、期待を上回る質の高いライブであった。アンコールはなかったが、50年のバンドの歴史から、ほぼ代表曲を網羅した選曲(個人的にはEchoes of Loveは聴きたかったが・・)で、多くの観客は大満足したのではないだろうか。
 一曲目はデビュー・アルバムのA面一曲目の「Nobody」。そしてトム・ジョンストンの「Take Me In Your Arms」、マイケル・マクドナルドの「Here to Love You」、パトリック・シモンズの「Dependin’ On You」、トムの「Rockin’ Down the Highway」、マイケルの「You Belong to Me」と来たので、次はパットの曲かなと思ったら、新曲の「Easy」。おお、と思ったら次はパットの「South City Midnight Lady」。この曲、好きなんだよなあ。John のハープ・ギターがなんとも言えず、いい感じである。次は、ウドーさんへの感謝の曲という紹介の後、「Clear as the Driven Snow」。Captain and Meからの選曲だが随分と渋い。次は、マイケルの「It Keeps You Runnin’」。オリジナルとは随分と違ったアレンジだ。マイケル、高音が出にくそうだ。そして、トムの「Another Park, Another Sunday」、「Eyes of Silver」と4枚目のアルバムからの曲が演奏される。次は「Better Days」「Don’t Ya Mess With Me」というニューアルバムからの二曲。結構、クオリティが高いので驚く。そして、マイケルの「Real Love」、前作品「World Gone Crazy」のタイトル曲、マイケルの「Minute by Minute」。そこからは「Without You」、「Jesus Is Just Alright」、途中「What a Fool Believes」を挟みはしたが、「Long Train Runnin’」、「China Grove」というドゥービーブラザースの黄金期のトム・ジョンストン節が炸裂する。中年以上がほとんどの武道館も大盛り上がりで、70歳台の親爺で、これだけ盛り上げられるというのも大したものだ。そして、アンコール。アンコールはパットの「Black Water」、マイケルの「Takin’ to the Street」、トムの「Listen to the Music」で幕を閉じた。
 あまり期待しなくて訪れたのが、50年の歴史がてんこ盛りの素晴らしいコンサートであった。

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椎名林檎@名古屋国際会議場(4月15日) [ロック音楽]

久しぶりに椎名林檎の名古屋国際会議場でのライブに参戦する。なぜ、名古屋かというと、東京も大阪も落選してチケットを取れなかったからである。名古屋国際会議場は二回目である。ちなみに前回も椎名林檎のライブであった。さて、しかし、土曜日ということで19時ではなくて18時スタート。これは、その日のうちに東京に戻りたい私にとっては大変、有り難い。ライブは18時きっかりでスタート。最初はめちゃアコースティックに「あの世の門の」から始まる。次は「我れは梔子」と、他のアーティストへの提供曲。そして、「どん底まで」「かりそめ乙女」と続き、「走れわナンバー」、「JL005便で」と『日出処』の収録曲を演奏する。次は「青春の続き」と、またまた他のアーティストへの提供曲。そして、『娯楽』から「酒と下戸」、さらに3枚目から「意識」。オールド・ファンからするとこの「意識」は嬉しい。続くは「神様、仏様」。今回の林檎嬢は曲が進むごとに服を剥いでいくような演出がされていたのだが、もうこの曲の時は、ほとんどビキニ状態となっていた。こんな大天才、大ミュージシャンなのに、こんなサービスまでして本当に凄いプロだ。まあ、一方で四十を過ぎたとは思えない見事なプロモーションを顕示したいという気持ちがもしかしたらあるのかもしれない。「TOKYO」と比較的新しい曲が続き、事変の「天国へようこそ」。ちょっと懐かしい。次は三毒史から「鶏と蛇と豚」。ここで、林檎嬢、一人、ピアノの前に座り、弾き語りで『無罪モラトリアム』から「同じ夜」。ピアノの演奏の凄さも然る事ながら、その楽曲のレベルの高さ、編曲の創造性に、あらかじめ100年に一度の天才であることを思い知らされる。続くは「人生は夢だらけ」、「仏だけ徒歩」。さらに、まっさらの新曲の「私は猫の目」。PVをバックに演奏するのだが、PVで演じるのがBambi。Bambiもいつのまにか大人になっている。ただ、新曲は特に感動はあまり覚えなかった。そして、これも新曲に近い「公然の秘密」。続いて『大発見』から「女の子は誰でも」。次は、ザ・バングルスの「Ethernal Flame」。これは1988年に発表されているので、椎名林檎が子供の頃に聞いていたのかもしれない。ただ、周りのファンはポカンとしているものが多かった。そして「いろはにほへと」、おじゃま丸のエンディング・テーマである「いとをかし」。ちょっと、緊張感が緩んだような気分になった後は、怒濤の「長く短い祭」「緑酒」「NIPPON」と一挙に畳みかける。少し、涙腺が緩む。年を取ったということかもしれない。ここらへんの曲は、林檎嬢の凜とした死生観が素晴らしく歌詞に表れていて、その素晴らしいメロディとともに心にグッとくるのである。ここでバンドはステージを去り、アンコール。林檎嬢は婦人警官のコスプレで現れ、「母国情緒」と「ありあまる富」を歌う。「ありあまる富」、改めて本当にいい曲で心を揺さぶる。
 名古屋国際会議場は、交通の便は悪くはないが、スピーカーは今ひとつであったと思う。私は12列という前の方だったので、それでもそれなりの音圧は感じられたが、後ろの方は相当、迫力が欠けていたのではないかと思ったりする。クラシック用のコンサート・ホールでのロック・ミュージック、というかスピーカー音楽の難しさをちょっと気づいた次第である。とはいえ、4年半ぶりの椎名林檎、相変わらずのクオリティの高さとエンタテインメント・サービスの素晴らしさに強い感銘を覚えた。あと、ドラマーとピアニストは驚くほど演奏力が高いと思われる。

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ジェフ・ベックについて、あれこれ考える [ロック音楽]

先日、ジェフ・ベックのことを持ち上げない記事を書いたが、自分の主張に自信がある訳ではない。ただ、自分がどうして、この世間と同調してジェフ・ベックこそ史上最高のロック・ギタリストと思えないのかは気になっている。自分がギターのセンスがないアホなのか、という疑いも常につきまとっている。

さて、ベックはいろいろと多くのミュージシャンと共演をしている。そこでは、私の好きなギタリストとも共演している。例えば、ビリー・ギボンズと彼の傑作「ラフ・ボーイ」をも共演しており、その動画もアップされている。

https://www.youtube.com/watch?v=SAcswymtQss

この動画をみると、私がなぜ、あまりベックを評価が出来ないかが比較的、よく分かる。ビリー・ギボンズは傑出したギタリストであると思っているが、その中でもこの「ラフ・ボーイ」のギターソロはその素晴らしさに比してあまり評価されていないと思う。ビリー・ギボンズはもちろん、アドリブではないので、奏でるメロディーは素晴らしい。ベックはアドリブなので、その点はなかなか難しいものがあるとは思うが、それでも彼のソロは、この曲の素晴らしさをあまり表現できていないと思えるのである。特にトリルを長く繰り返すところなどは、ちょっと苦し紛れのように私には聞こえてしまうのである。ここらへんは、ラリー・カールトンやスティーブ・ルカサーのようなメロディ・センスがベックにはあまりないからじゃないか、と疑わせるし、ビリー・ギボンズやサンタナのような情緒性も感じられないプレイをしていると思う。とはいえ、まあ圧倒的な存在感はあるのだが。

情緒性が感じられないなどと書いたが、El Becko, Where were you などの演奏の情緒性は凄まじいものがあるので、曲によっては感じられない、という表現がより適切であろう。まだ、いろいろと思考はしているし、「何を言ってるんだあ、たわけが」と怒られそうなことを書いているが、上記の「ラフ・ボーイ」の演奏に関しては、ちょっと私が言うことも100%無視するのは難しいことは理解してもらえるのではないだろうか。

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ジェフ・ベックの訃報に接し、いろいろと考えた [ロック音楽]

ジェフ・ベックが逝去された。最近まで元気でライブもしているような状況だったので、多くの人がショックを受けているようだ。そして、当然のことだが多くのギタリストが哀悼の意を表していて、史上最高のロック・ギタリストが亡くなったといった報道も多い。

さて、私も相当、下手くそでもあるがギターを弾く身ではあるのだが、このジェフ・ベックが「史上最高のロック・ギタリスト」というのにちょっとした違和感を覚えるのである。いや、違和感を覚えるという時点で、もうギタリストとして駄目なのではないか、と思う自分もあって、いろいろと彼に哀悼を評しているユーチューブなどを観たりして、ジェフ・ベックの偉大さを理解しようとしているのだが、それでもそんなにはピンと来ない。日本人の知り合いとかも、「ジェフ・ベックはこの世を去っても、いつまでも私の血と肉となって生きている」とSNSに書いていたりすると、本当にそんなに好きなのか?とちょっと疑ってしまう自分もいる。いや、ジェフ・ベックは凄い!と言っていれば、まあポリティカリー・コレクトだし、自分もヤン・ハマーとの三部作を始め、結構、CDを持っているのだが、素直に「ジェフ・ベックはロック・ギタリスト史上最高だ!」とは言えない自分がいる。

個人的に好きなギタリストは?と聴かれたら、ジョー・ウォルシュ、ビリー・ギボンズ、エリック・クラプトン、デイベッド・ギルモアと答えるし、サンタナの方がギタリストとしてはベックより好きである。ニーノ・ベッテンコートやエディ・バンヘイレン、ジョー・パス、ラリー・カールトン、アラン・ホールズワースの方が素直に馬鹿テクなような気もするし、これらのギタリストの方により惹かれる。

どうしてそんなに好きでないかというと、ベックの演奏はあまりにもユニークでギターっぽくないからかとも思う。いや、ギターっぽくないという言い方は間違っている。オーソドックスなギターっぽくないというべきであろう。流石に、彼のボリューム奏法とかアーム奏法の凄さは私でもよく分かる。とてもエモーショナルな音を出すことができて、それは大きな感銘を覚える。Cause We’ve Ended as Loversの演奏は鳥肌が立つ。ただ、一方であのファズを通したような変わった音は、ギターが出せる最高の音ではないと思ったりもする。どちらかというと、そのユニークさゆえに、正統派ではないような気もするのである。

あと楽曲の能力は前述したギタリストに比べても大きく劣る。ブロー・バイ・ブローやワイヤード、ゼア・アンド・バックの名曲群はほとんど他人の作品である。その職人気質のところが彼の素晴らしいところかもしれないが、真の音楽家としてはどうなのよ、と思わなくもない。ロック史上最高のギタリストは、これも非常にユニークではあるが、ジミ・ヘンドリックスだろうと強く思うのである。

などと殺されそうなことを書いたが、これは、やはり私がギタリストとしての才能というか感性に欠けていることの証拠かもしれないな、とも思っている。だから、いろいろと他のギタリストの意見をユーチューブで観ているのだが。ただ、それらから分かったことは、「ベックの音というものを持っている。どんなギター、リグでも自分だけの音を出すことができる希有なギタリスト」(ブライアン・メイ)というのと、「ずっと進化しているギタリスト」(ジミー・ペイジ)ということである。ロック殿堂入りした演奏で、ベックとペイジが共演するのだが、確かにベックとペイジのギターの演奏力の差は顕著であった。確かにベックの名声はどちらかというとエスケープ以降、ベテランになってからかなと思う。この亡くなるまでずっと進化をしていた、というのは彼の真の凄みなのではないだろうか。私も、ちょっと持っているベックのCDを聴いて、もう少し精進してみよう。

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クリスティン・マクヴィーの訃報に接して [ロック音楽]

フリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィーが11月30日に逝去した。享年79歳。フリートウッド・マックは恐ろしくタイトなリズム隊に、3人の個性的なソングライターがメロディアスでキャッチーなメロディを紡ぐ楽曲が魅力的なバンドである。3人のソングライターは皆、輝くような才能の持ち主である。私はどのソングライターが一番、好きかと問われるとスティービー・ニックスと答えざるを得ない。エンジェル、セーラ、シスター・オブ・ザ・ムーン、ジプシー、ランドスライドなどの佳曲は、私の長いロック愛聴歴の中でも特別な存在を放つ。さて、しかし、フリートウッド・マックで一番好きな曲は何か、と問われるとこれは予断を待たず「ユー・メイク・ラヴィング・ファン」を挙げる。思えば、私が最初に購入したフリートウッド・マックのレコードは『噂』であったが、この化け物のようなベストセラーは「ユー・メイク・ラヴィング・ファン」以外にも「ソングバード」、「ドント・ストップ」といったクリスティンの素晴らしい傑作が含まれており、それらの曲は他の2人のシンガーソングライターのものより、個人的にはインパクトが強かった。
「タスク・ツアー」で横浜講演に行ったことがある、神奈川県民ホールだ。そのとき、クリスティンの話に観客が受けたら「英語が分かる人もいるんだ」と嘲笑的に発言したこと、あと「日本人は魚を食べるが、魚の目が食べないでと訴えてるようで私は食べられない」と発言したことで、個人的にはちょっと傷ついたことを覚えている。なんか、日本人のことあまり好きじゃないんだな、との印象を受けたのだ。高校生だったので、センシティブであったのだろう。
 フリートウッド・マックは高校時代には嵌まり、その後も大学に入っても聞いていたが、なぜかその後、興味を失った。「ミラージュ」が1982年、「タンゴ・イン・ザ・ナイト」が1987年に発表されたので、ちょうど私が社会人になった1988年にはフリートウッド・マックからリンゼー・バッキンガムが脱退し、それからフリートウッド・マックはオリジナル・メンバーが出たり入ったりするような状況になってしまったからだ。したがって、もう時折思い出したようにしか聴くことはなくなっていた。しかし、クリスティン・マクヴィーの訃報には大きなショックを受けた。2022年はペレ、オリビア・ニュートン・ジョン、エリザベス女王が亡くなられたが、私が個人的に一番の喪失感を覚えたのはクリスティン・マクヴィーであった。ご冥福をお祈りいたします。

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ジョニ・ミッチェルはやはり半分、北欧系の血が入っていた [ロック音楽]

フィンランドに来ていると、なんかジョニ・ミッチェルのような風貌の人が多い。ということでジョニ・ミッチェルは北欧系なのかを調べてみたら、母親はアイリッシュとスコティッシュ、父親はノルウェー系(ラップ人の血が入っているという説もあるそうだ)であることが分かった。なんか納得だ。彼女の音楽はケルト系に通じるところがあるような印象を受けるからだ。まあ、基本、ヴァイキングなのだろう。彼女の「地球」を感じさせるような、まるで地球の声を彼女というアンプで増幅させて発振させるような音楽は、彼女に流れている先祖からの血の賜物なのかもしれないな、とまあいい加減に思ったりもしている。彼女の20年ぶりのフル・ライブをユーチューブ映像で見ていることもあって。

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ヘルシンキでフィンランド製のエフェクターを購入する [ロック音楽]

フィンランドのラハティという都市に来ている。打ち合わせの相手がどうも熱が出たそうでキャンセルになったので自由時間が出来た。ということで、電車で一時間ちょっとのヘルシンキまで向かう。

さて、最近、物欲が随分となくなった私であるが、ギターのエフェクターにはちょっと抑えが効かないところがある。フィンランドはマッド・プロフェッサーというエフェクターが有名なので、日本では手に入りにくいようなエフェクターがあれば購入しようと思って、中央駅のそばの楽器屋に向かう。この楽器屋、流石、東京の素晴らしい品揃えのお店に比べると今ひとつの品揃えではあったが、それなりに拘って仕入れているようだ。特にストライモンの商品が多く置かれているのは印象的であった。やはり、時代はストライモンなのだろうか。あと、日本が誇るヴェムラムのジャン・レイも置いていた。ボスはコンプレッサーだけが置いてあった。日本とも類似点も多いし、そうでないところもある。いろいろと興味深い。
店長は英語が通じたので、「観光客なのだが、せっかくフィンランドに来ているのでマッド・プロフェッサーの掘り出し物のエフェクターがあれば買いたいのだけど」と尋ねると、「マッド・プロフェッサーは来週に仕入れるので今はあんまり揃えていないんだよね」とのこと。「それじゃ、他のフィンランド製のエフェクターはどんなのがあるの?」と尋ねると、フィンランドのヘビー・メタル・バンド、チルドレン・オブ・ボトムのエンジニアをしていた人が開発したものがある、とのこと。これは、ブースターとオーバードライブのエフェクター二つが一つになったようなもので、意地悪そうなフクロネズミの顔が描かれている。値段を聞くと200ユーロをちょっと切る値段。これなら衝動買いもできるな、と思って、ちょっと試奏させて欲しい、と言って試奏させてもらう。なんと、アンプがマッド・プロフェッサーのものだ。「マッド・プロフェッサーはアンプもつくっているんだ」と言うと「ごく、最近、開発をしたんだ」とのこと。いや、このアンプは、実はものすごくいい音がして、これを買いたいぐらいに思ったが、流石にこれからドイツを移動するのに買うのは無理でしょう。あと、日本じゃあ、置くところがないからな。さて、肝心のエフェクターだが、ノイズが気になるが、なかなか骨太のいい音がする。ということで、日本じゃあ買えないかもしれないな、もしかしたら日本で売ると高く売れるかも、とも考え、衝動買いをしてしまった。パワー・ドランク・オッポサム(る 酔っ払って強くなったフクロネズミ)というなかなか微妙なネーミングである。ちなみに会社名なども書かれていない。「箱もちょうだい」と言ったら「箱はない」とのこと。私が驚いた顔をしたら、ちょっと入る箱を探してくる、と言って箱に入れてくれた。ただ、買った後で気づいたのだが、電圧や電流も分からない。説明書もない。ネットで検索したら、このお店のホームページでしか、このエフェクターを説明したものはない。しかも、ネット上ではスウェーデン製とのことで、これはチルドレン・オブ・ボトムのエンジニアというのも嘘だな。しまったなあ、と思わなくもないけど、まあ感電さえしなければいいか。

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下手なミュージシャンを見て考察する [ロック音楽]

昨日、知り合いのミュージシャンが京都のライブハウスに出演するというので観に行った。知り合いはトリで最後だったのだが、15分ほど早く着いたのでその前の演奏者の演奏も聴いた。この演奏者はどうも岐阜出身の56歳のギターの弾き語りだったのだが、そのあまりの下手さ、そしてパフォーマンスの稚拙さに、驚くと同時に殺意さえ覚えた。まず、ギターの弾き語りなのだが、リズムは取れてないし、非常に簡単なコードでさえ押さえ間違えをしている。どころか、自分の曲であるのにコードを間違えて弾いているので音が外れたりもしている。このレベルで、人前でお金を取って演奏できるのは高校生でも厳しいのではないか。いや、実際14歳に作曲したとかいう、もう14歳でも黒歴史になるような曲を56歳で歌っていた。この自己肯定感は凄いが、逆にいえばまったく進歩していないことである。駄目なのに、それを自己肯定して、そのまま生きてきて、あろうことか、その進歩していない自分を人にお金を払わせて曝け出すという、その厚顔無恥さに対して、私は殺意を覚えたのである。ちなみに、この彼は、音程は外れていたが、声質だけはよかった。
 私もミュージシャンの端くれである。中学から作曲とかしているが、中学や高校どころか大学でも前半期につくった曲は人前で披露することはない。これは、進化しているからである。最近、出したCDでも大学三年ぐらいの時につくった曲を入れていたりするが、アレンジとかは全然、変わっている。
 私も下手であるので、下手の人を批判する資格はそれほどない。ただ、下手であるのに、その下手さを肯定して、そのまま演奏活動を続ける者は、いつまで経っても下手であることを受け入れているということだ。14歳からギターを弾いていて、56歳であの稚拙さというのはどう理解したらいいのだろうか。そして、ライブハウスで演奏している、というのはどう理解したらいいのだろうか。いや、東京ではあのような稚拙な演奏を金を払ったライブハウスで聴くことはまずあり得ないだろう。それだけ、京都が田舎ということなのかもしれないが、それにしても驚くほどの酷さである。
 最近もセッションに出たら、ギターの音を外しても平気で弾いているギタリストがいた。これは、おそらく音の正確なピッチが分からない耳音痴なのかなとも思う。ボーカリストも音を外している、と指摘されるとふてくされる輩がいたりするが、これも耳音痴なのであろう。意外とそういうボーカリストは声質はよかったりする(いや、声質も悪ければ誰も聴いてくれないので、声質だけで褒められたりしてきたのであろう)。こういう身体に欠陥がある人は、人前でお金を取って演奏する資格はないと思う。というか、きつい言い方をすると基本、人に演奏を聴いてもらう資格はないと思う。音楽を演奏するには身体的欠陥があるからだ(いや、自分が勝手に弾くのは全然、いいと思います)。
 今回のこの体験で、自分に何が欠けているのかをしっかりと認識し、それを乗り越える努力をしないと、いつまで経っても、それこそ死ぬまでダサい自分から脱却できないのだな、ということを改めて知る。努力をすれば、勉強すれば、人は変わられる。ギターも上手くなるし、歌も上手くなる。ただ、自分が何が出来ていないのか、それを謙虚に捉えようとしないと駄目だ。ということを改めて知った。
 さて、あまりにも酷い前座だったので、知り合いの演奏もびくびくしながら聴いたのだが、知り合いの演奏はよかった。お金を払う価値があるパフォーマンスを見せてくれたので、それは救いであった。

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ボストン『ドント・ルック・バック』 [ロック音楽]

最近、ボストンを改めて聴いてみた。ボストンは私が中学〜高校時代、まさに日本を含む世界中を席巻したバンドである。1976年に出されたデビュー・アルバムは、デビュー・アルバムとしてはそれまでの最大の売り上げを誇り、世界中で2000万枚ほど売れた。『ドント・ルック・バック』はそんなバンドの二枚目のアルバムでデビュー・アルバムが発売された2年後の1978年に発表された。
 全部で8曲、Used to Bad Newsがデルプ, Partyがデルプとショルツの共作だが、あとはすべてショルツの作品である。ボストンの曲の特徴は、ハード・ロックの型にバッハにも通じるメロディの明解さである。ロックではあるのだが、ブルースというより、クラシックに近い曲調である。ショルツという名字はいかにもドイツ系であり、幼少の時からピアノを習い、また、パイプオルガンへの憧憬などから、ショルツはバッハの影響を相当受けているのではないかもしれない。そういう点からか、ボストンはプログレッシブ・ロックの範疇に入れられることもあるが、プログレッシブ・ロックのような複雑なコードやリズムとは無縁だ。あくまでも、ハード・ロックという単純なフレームワークに美しいメロディを乗っけた。これが、日本の若いインテリ層(矢沢とかを聴かないような層:私も含まれる)に受けたと思われるのである。まあ、ショルツは泣く子も黙るMITの学部、大学院を出ているからな。
 ただ、一枚目に比して、ショルツはこのアルバムの二枚目(CDでいうと5曲目以降)はそのできに納得していなかったそうだ。実際、別に悪くはないが、アレンジとかが簡単でちょっとひねりは感じられない。ボストンにしては前述したような、クラシック的な要素が少なく、エアロスミスから毒を抜いたような存在感の薄い曲が続く。とはいえ、聞き込むとそれなりに感謝できるようなクオリティではあるのだが。
 とはいえ、一曲目のDon’t Look Backと四曲目のA Man I’ll Never Beはロック史に残るような傑作ではあるだろう。この2曲のために、このアルバムは買っておくべきである、と個人的には考える。


Dont Look Back

Dont Look Back

  • アーティスト: Boston
  • 出版社/メーカー: Sbme Special Mkts.
  • 発売日: 2006/06/13
  • メディア: CD



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『ワイルドライフ』 ポール・マッカートニー・アンド・ウィングス [ロック音楽]

ポール・マッカートニーがビートルズを解散した後、リンダと元ムーディー・ブルースのデニー・レインと組んだウィングスのデビュー・アルバム。1971年に発表。天才ポール・マッカートニーがつくったとは思えない凡庸な楽曲が続く。アレンジ的な工夫もあまり感じられない。唯一、ビートルズのアルバムにも入るかもしれないレベルにある曲はTomorrowぐらいだろう。このアルバムだけを聴くと、もうポールは才能をビートルズで枯渇させたのではないか、とさえ思わせるのだが、その後、バンド・オン・ザ・ラン、スピード・オブ・ザ・サウンドといったロック史上に残る名作をつくるのであるから、人生よく分からない。とはいえ、最低限のクオリティは維持しているので、まあ金をドブに捨てたとは思わない。個人的にはDear FriendやSome People Never Know, I Am Your Singerなどは嫌いではない。ただ、ポール・マッカートニーという天才の輝きをこれらの曲は纏っていないということだけは確かである。ポール・マッカートニーを愛していない人でないと、魅力がないアルバムではあるだろう。





ワイルド・ライフ(紙ジャケット仕様)

ワイルド・ライフ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ウイングス
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1999/08/25
  • メディア: CD



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Get Back (第二話) [ロック音楽]

ジョージが「俺はもうビートルズ辞めるわ」と言って撮影スタジオ去るという衝撃的なシーンで終わった第一話。どうなるんだ、とハラハラしてみた第二話であるが、意外と簡単にジョージ復帰。今回はトゥイッケナム・スタジオから舞台を移し、アップル・スタジオ。スタジオが変わっただけで、映像の雰囲気もビートルズの表情も明るくなる。アップル・スタジオでは、アビー・ロードの収録曲はもちろんのこと、Don’t Let Me DownやShe came in through the bathroom windowなどの名曲が原型からどんどんと形をつくっていくプロセスが見えてきてとても興味深い。特にゲット・バックのバッキングは印象的だ。ジョン・レノンもジョージ・ハリソンも改めてギターが下手だな、というのは確認できるのだが、ギターのバッキングのアレンジ能力は驚くものがある。というか、ジョージのソロのアレンジも素晴らしい。ジョージ、ただものじゃあ全くないな。

あと印象的だったのは、ジョンのひょろひょろとした性格。第一話では、もう猛禽類のような鋭い眼光だったのに、第二話では、なんかヘラヘラ親父ギャグをかます植木等のようなキャラになっていた。カリスマ性がまったく感じられない。そして、ポールは相変わらず、どうにかビートルズとして生産的な仕事をしようと言っている時、第一話と違ってジョージも建設的な発言をしていた。ジョージ、結構、真面目なキャラである。ギターとかも上手くはないが研究熱心で好印象だ。ただ、ジョンはここでも心ここにあらず、という感じだ。とはいえ、On the road to Marrakesh (ジェラス・ガイの原曲)などをセッションしている姿とその楽曲の素晴らしさを確認し、おお、やはりただ者ではないということを思い知らされたりもする。

とはいえ、ポールに同情するわ。相変わらずオノ・ヨーコの存在は不気味であり、もう信じられないような奇声を発するジャム・セッションをしたりするが、第一話ほどは不気味さはない。ただ、アップル・スタジオでたむろしている女性ファンに「オノ・ヨーコをどう思う?」などを質問した映像を映したりして、これは撮影側がオノ・ヨーコに否定的なイメージを植え付けようと意図しているのではないか、と勘ぐらせる。それに比して、リンダはいい感じだ。まあ、リンダ、実際、いい人という噂だが、まさに映像からは「いい人」像しか伝わってこない。

あと、第二話においてビートルズとオノ・ヨーコと同じぐらいに重要な登場人物は、ビリー・プレストンであろう。ビリー・プレストンは常時、ニコニコしていて、キーボードを弾いてと頼まれると、もう驚くような素晴らしいバッキングとソロを即効で披露する。ビリーとビートルズの演奏シーンは、この第二話の見せ場であることは間違いない。ただ、ジョンとジョージが「ビートルズに入れよう」という、もう信じられないくらい無責任な提案をすると、ポールが「いや、それは違うんじゃないか」と返答しているのをみると、もうビートルズを大切に思っているのは四人の中で本当、ポールだけなんだな、ということに気づかせてくれる。ジェネシスなんて、もうライブでは欠かせないチェスター・トンプソンやダリル・シュトルーマーを最後までメンバーとして入れなかったからな。ギターも辞めているのに・・・。ツェッペリンもそうだ。なんか、ブランディングとかの基本的な知識がなさ過ぎるのか、もうビートルズ、ジョンもジョージもどうでもよくなっているのか。頑張れ、ポールと思わず、心の中で叫んでいましたよ。

さて、ビートルズにライブをさせて一儲けするという企画は、アフリカ版も却下され、ロンドンの公園でのものも却下され、その代替としてアップル・スタジオの屋上でアリバイ的にすることになった。というところで第二話は終わる。第三話、楽しみである。


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