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タイの先生とお話をする [グローバルな問題]
タイのチュラロンコーン大学の先生が会いたいというので、会ってお話をする。なんと、東京学芸大学附属高校から東大に入学したという秀才であった。なぜ日本の高校に来たのかは聞かなかったが、日本語もペラペラであった。とはいえ、日本に来たのは25年ぶりとかだそうだ。英語もペラペラだったのだが、それは東大を卒業した後、イギリスのケンブリッジ、そしてアメリカのケンブリッジに住んでいたからだそうだ。
どうして私に会いたいのかと尋ねると、日本の人口縮小の状況を知りたいからだと言う。まあ、このテーマでは英語論文を書いているから、そういうこともあり得るだろう。さて、いろいろと話をしていて面白かったことは、タイは国境付近の自治体の人口は減らなくて増えているということ。中心部においての人口減少が激しいということを知った。また、何しろ円は安いので、タイ人は凄い勢いで日本に観光に来ているということも知った。三回、四回と複数回来るそうだ。そして、東京には行かず、地方都市が好きだそうだ。どうも、タイでは梅酒がブームらしくて、和歌山が人気観光スポットになっているそうだ。知らなかったなあ、そんなところがブームになっているとは。あと、飛驒高山とかも人気だそうだ。複数回行っている知り合いとかもいるそうだ。
タイも油断をしていると、日本のように人口減少と高齢化で疲弊するかもしれないので、転ばぬ先の杖で研究をしたいのだ、と熱心に言っていた。まあ、それはいい心がけかもしれないが、いつの間にか、タイの人達にも日本のようになったら不味いと思われるようになってしまったのだろうか。ちょっと驚きとともに悲しみを感じる。うちの大学生とか見ていると、確かに日本の若者の覇気のなさはちょっと心配にさせるが、いつ状況が変わってしまったのだろう。何か、とてつもなく不味い状況にもしかしたら日本はいるのかもしれない。
どうして私に会いたいのかと尋ねると、日本の人口縮小の状況を知りたいからだと言う。まあ、このテーマでは英語論文を書いているから、そういうこともあり得るだろう。さて、いろいろと話をしていて面白かったことは、タイは国境付近の自治体の人口は減らなくて増えているということ。中心部においての人口減少が激しいということを知った。また、何しろ円は安いので、タイ人は凄い勢いで日本に観光に来ているということも知った。三回、四回と複数回来るそうだ。そして、東京には行かず、地方都市が好きだそうだ。どうも、タイでは梅酒がブームらしくて、和歌山が人気観光スポットになっているそうだ。知らなかったなあ、そんなところがブームになっているとは。あと、飛驒高山とかも人気だそうだ。複数回行っている知り合いとかもいるそうだ。
タイも油断をしていると、日本のように人口減少と高齢化で疲弊するかもしれないので、転ばぬ先の杖で研究をしたいのだ、と熱心に言っていた。まあ、それはいい心がけかもしれないが、いつの間にか、タイの人達にも日本のようになったら不味いと思われるようになってしまったのだろうか。ちょっと驚きとともに悲しみを感じる。うちの大学生とか見ていると、確かに日本の若者の覇気のなさはちょっと心配にさせるが、いつ状況が変わってしまったのだろう。何か、とてつもなく不味い状況にもしかしたら日本はいるのかもしれない。
タグ:タイ
2023-05-18 20:11
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中川理『風景学』 [書評]
京都工芸繊維大学の名誉教授である中川理氏による「風景と景観」をめぐる歴史と現在の状況が整理されている。12の章からなっており、時系列のように「風景」がどのように発見され、どのように政策として捉えられてきたか、などが物語のように分かりやすく書かれている。最後の方になると、若干、著者の意見のような文の割合が増えてくるが、クリストファー・アレキザンダーのパタン・ランゲージぐらいまでの歩みは、多くの文献等を踏まえていてとても勉強になる。景観について学びたい、知りたい人にとっては必読書と言いたいぐらいの本である。


風景学 -風景と景観をめぐる歴史と現在- (造形ライブラリー 06)
- 作者: 中川 理
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: 単行本
2023-05-08 03:52
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都市計画的には道路は川のように考えるべきだ [都市デザイン]
都市において川は空間を大きく分断する。その両岸を繋げるためには橋が必要である。道路も同じように空間を大きく分断する。大きな川がその分断する力が強いように、大きな道路も分断する力が強い。そのような橋の両側を繋げるために重要な役割を担うのが橋である。同じように道路の両側を繋げるためには橋のようなものが必要である。ただ、ここで川と道路の大きな違いは、川と岸は同じ高さではないので、川に架かる橋は地表とほぼ同じ高さで済むということだ。道路は、ほとんどの場合、地表と同じレベルにあるので、橋を架けようとするとその分、上り下りをしなくてはならない。これは、大変、不便であるだけでなく、体力的にも苦痛である。高齢者や怪我をしている人、乳母車を押す人にとってはとても辛い。
ただ、川と違って、道路には信号というものを設置することができる。横断歩道という線を引けば、それを渡ることができる。これによって、道路の分断する力を和らげることができる。そして、これは都市の賑わいをもたらすうえでは極めて重要なのだ。なぜなら、都市の魅力は「集積の経済」によって、つくりだされるからであり、これは分断させずに集めれば集めるほどいいからである。下北沢や自由が丘に多くの商店が集まって賑わいが生み出せているのは、それを分断する致命的な大通りがないからだ。逆に明大前、中目黒とかがその利便性に比して今ひとつなのは、大通りによって分断されているからだ。私が住んでいる都立大学が隣の学芸大学に比べると、おそろしく今ひとつなのは急行停車駅かどうかという話ではなく、目黒通りという大通りによってその集積が分断されてしまっているからだ。
さて、そのようなことを考えている時に名古屋を訪れる機会があった。金山駅や日比野駅の周辺をうろうろとしたのだが、ここらへんは高速道路のような大通りが街を分断している。そして、500メートルぐらいこれらの通りが横断できないようにしている。なんて、人に優しくない都市なのだろう。日本の都市は比較的、人に優しいのだが、この不親切さはヨーロッパでも寡聞にして見たことがない。ブラジリアとかアメリカの都市だとあったりするが、公共交通がこれだけ発達している名古屋のような都市で、この酷さは驚いた。これじゃあ、歩きたくても自動車に乗るしかない。高齢者には本当、辛い都市なのではないだろうか。私はこの都市には住みたくない。
ただ、川と違って、道路には信号というものを設置することができる。横断歩道という線を引けば、それを渡ることができる。これによって、道路の分断する力を和らげることができる。そして、これは都市の賑わいをもたらすうえでは極めて重要なのだ。なぜなら、都市の魅力は「集積の経済」によって、つくりだされるからであり、これは分断させずに集めれば集めるほどいいからである。下北沢や自由が丘に多くの商店が集まって賑わいが生み出せているのは、それを分断する致命的な大通りがないからだ。逆に明大前、中目黒とかがその利便性に比して今ひとつなのは、大通りによって分断されているからだ。私が住んでいる都立大学が隣の学芸大学に比べると、おそろしく今ひとつなのは急行停車駅かどうかという話ではなく、目黒通りという大通りによってその集積が分断されてしまっているからだ。
さて、そのようなことを考えている時に名古屋を訪れる機会があった。金山駅や日比野駅の周辺をうろうろとしたのだが、ここらへんは高速道路のような大通りが街を分断している。そして、500メートルぐらいこれらの通りが横断できないようにしている。なんて、人に優しくない都市なのだろう。日本の都市は比較的、人に優しいのだが、この不親切さはヨーロッパでも寡聞にして見たことがない。ブラジリアとかアメリカの都市だとあったりするが、公共交通がこれだけ発達している名古屋のような都市で、この酷さは驚いた。これじゃあ、歩きたくても自動車に乗るしかない。高齢者には本当、辛い都市なのではないだろうか。私はこの都市には住みたくない。
2023-05-05 18:28
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クラプトンの武道館コンサートに行く [ロック音楽]
4月26日(月)のクラプトンの武道館コンサートに行く。大学時代から行っているので、何回目か分からないが、5回目か6回目ぐらいかと思う。当初は、それほど行く気はなかったのだが、ジェフ・ベックの訃報を聞き、行ける時に行こうと思ってチケットを購入した。そんな感じだったので、北西のX列(最後尾)というほとんど最悪の席(A席)であった。舞台とほぼ同じ方向に座るので、スクリーンを裏側から見ることになり、左右が逆だったりするが、意外とステージの距離は近いので、そんなに悪くはない。
さて、セトリではあるが、最初は知らないインストだけの曲。観客もポカンとしていたので、未発表曲か。次はJourney Manから「Pretending」。渋い選曲だ。そして、B.B.Kingとの共演やOne More Car, One More Riderなどに収録されていた「Key to the Highway」。そして「I am Your Hoochie Coochie Man」「I Shot the Sheriff」といった十八番の曲が続く。
ここでアコギに持ち替えて『Blues』に収録されていた「Kind Hearted Woman Blues, Derek and the Dominosのアルバムから 「Nobody Knows You When You’re Down」、J.J.ケールの「Call Me the Breeze」、次の曲もちょっと分からないのを演奏し、そしてクラプトンファン以外でも知っている「Tears in Heaven」、次の曲もちょっと知らなかった。
ここで再びエレキギターに持ち替えて「Badge」、「Wonderful Tonight」、「Crossroad」「Little Queen of Spades」、「Cocaine」というまさに王道のラインアップ。それまで、ちょっとクラプトンのコア・ファンでもなかなかついて行きにくいような選曲だったと思うが、最後はすっきり。さて、しかしアンコールはジョー・コッカーの「High Time We Went」。しかもキーボードがボーカルを取った。
アンコールは一曲で、結構、短い時間かなと思ったら21時近かった。全般的には、クラプトン本当に78歳?というぐらい、演奏もしゃべりもしっかりとしたコンサートであった。個人的には圧倒的に「Crossroad」と「Badge」が素晴らしいと思ったが、多くの客は「Tears in Heaven」と「Wonderful Tonight」に盛り上がっていた。なんか、違和感を覚えなくもないが、もう一度ぐらいクラプトンのライブを観たいと思わせるコンサートであった。
さて、セトリではあるが、最初は知らないインストだけの曲。観客もポカンとしていたので、未発表曲か。次はJourney Manから「Pretending」。渋い選曲だ。そして、B.B.Kingとの共演やOne More Car, One More Riderなどに収録されていた「Key to the Highway」。そして「I am Your Hoochie Coochie Man」「I Shot the Sheriff」といった十八番の曲が続く。
ここでアコギに持ち替えて『Blues』に収録されていた「Kind Hearted Woman Blues, Derek and the Dominosのアルバムから 「Nobody Knows You When You’re Down」、J.J.ケールの「Call Me the Breeze」、次の曲もちょっと分からないのを演奏し、そしてクラプトンファン以外でも知っている「Tears in Heaven」、次の曲もちょっと知らなかった。
ここで再びエレキギターに持ち替えて「Badge」、「Wonderful Tonight」、「Crossroad」「Little Queen of Spades」、「Cocaine」というまさに王道のラインアップ。それまで、ちょっとクラプトンのコア・ファンでもなかなかついて行きにくいような選曲だったと思うが、最後はすっきり。さて、しかしアンコールはジョー・コッカーの「High Time We Went」。しかもキーボードがボーカルを取った。
アンコールは一曲で、結構、短い時間かなと思ったら21時近かった。全般的には、クラプトン本当に78歳?というぐらい、演奏もしゃべりもしっかりとしたコンサートであった。個人的には圧倒的に「Crossroad」と「Badge」が素晴らしいと思ったが、多くの客は「Tears in Heaven」と「Wonderful Tonight」に盛り上がっていた。なんか、違和感を覚えなくもないが、もう一度ぐらいクラプトンのライブを観たいと思わせるコンサートであった。
2023-04-27 19:52
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ドゥービーブラザース@武道館(4月17日) [ロック音楽]
ドゥービーブラザースのライブを武道館で観る。それほど期待していなかったが、期待を上回る質の高いライブであった。アンコールはなかったが、50年のバンドの歴史から、ほぼ代表曲を網羅した選曲(個人的にはEchoes of Loveは聴きたかったが・・)で、多くの観客は大満足したのではないだろうか。
一曲目はデビュー・アルバムのA面一曲目の「Nobody」。そしてトム・ジョンストンの「Take Me In Your Arms」、マイケル・マクドナルドの「Here to Love You」、パトリック・シモンズの「Dependin’ On You」、トムの「Rockin’ Down the Highway」、マイケルの「You Belong to Me」と来たので、次はパットの曲かなと思ったら、新曲の「Easy」。おお、と思ったら次はパットの「South City Midnight Lady」。この曲、好きなんだよなあ。John のハープ・ギターがなんとも言えず、いい感じである。次は、ウドーさんへの感謝の曲という紹介の後、「Clear as the Driven Snow」。Captain and Meからの選曲だが随分と渋い。次は、マイケルの「It Keeps You Runnin’」。オリジナルとは随分と違ったアレンジだ。マイケル、高音が出にくそうだ。そして、トムの「Another Park, Another Sunday」、「Eyes of Silver」と4枚目のアルバムからの曲が演奏される。次は「Better Days」「Don’t Ya Mess With Me」というニューアルバムからの二曲。結構、クオリティが高いので驚く。そして、マイケルの「Real Love」、前作品「World Gone Crazy」のタイトル曲、マイケルの「Minute by Minute」。そこからは「Without You」、「Jesus Is Just Alright」、途中「What a Fool Believes」を挟みはしたが、「Long Train Runnin’」、「China Grove」というドゥービーブラザースの黄金期のトム・ジョンストン節が炸裂する。中年以上がほとんどの武道館も大盛り上がりで、70歳台の親爺で、これだけ盛り上げられるというのも大したものだ。そして、アンコール。アンコールはパットの「Black Water」、マイケルの「Takin’ to the Street」、トムの「Listen to the Music」で幕を閉じた。
あまり期待しなくて訪れたのが、50年の歴史がてんこ盛りの素晴らしいコンサートであった。
一曲目はデビュー・アルバムのA面一曲目の「Nobody」。そしてトム・ジョンストンの「Take Me In Your Arms」、マイケル・マクドナルドの「Here to Love You」、パトリック・シモンズの「Dependin’ On You」、トムの「Rockin’ Down the Highway」、マイケルの「You Belong to Me」と来たので、次はパットの曲かなと思ったら、新曲の「Easy」。おお、と思ったら次はパットの「South City Midnight Lady」。この曲、好きなんだよなあ。John のハープ・ギターがなんとも言えず、いい感じである。次は、ウドーさんへの感謝の曲という紹介の後、「Clear as the Driven Snow」。Captain and Meからの選曲だが随分と渋い。次は、マイケルの「It Keeps You Runnin’」。オリジナルとは随分と違ったアレンジだ。マイケル、高音が出にくそうだ。そして、トムの「Another Park, Another Sunday」、「Eyes of Silver」と4枚目のアルバムからの曲が演奏される。次は「Better Days」「Don’t Ya Mess With Me」というニューアルバムからの二曲。結構、クオリティが高いので驚く。そして、マイケルの「Real Love」、前作品「World Gone Crazy」のタイトル曲、マイケルの「Minute by Minute」。そこからは「Without You」、「Jesus Is Just Alright」、途中「What a Fool Believes」を挟みはしたが、「Long Train Runnin’」、「China Grove」というドゥービーブラザースの黄金期のトム・ジョンストン節が炸裂する。中年以上がほとんどの武道館も大盛り上がりで、70歳台の親爺で、これだけ盛り上げられるというのも大したものだ。そして、アンコール。アンコールはパットの「Black Water」、マイケルの「Takin’ to the Street」、トムの「Listen to the Music」で幕を閉じた。
あまり期待しなくて訪れたのが、50年の歴史がてんこ盛りの素晴らしいコンサートであった。
2023-04-18 08:53
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椎名林檎@名古屋国際会議場(4月15日) [ロック音楽]
久しぶりに椎名林檎の名古屋国際会議場でのライブに参戦する。なぜ、名古屋かというと、東京も大阪も落選してチケットを取れなかったからである。名古屋国際会議場は二回目である。ちなみに前回も椎名林檎のライブであった。さて、しかし、土曜日ということで19時ではなくて18時スタート。これは、その日のうちに東京に戻りたい私にとっては大変、有り難い。ライブは18時きっかりでスタート。最初はめちゃアコースティックに「あの世の門の」から始まる。次は「我れは梔子」と、他のアーティストへの提供曲。そして、「どん底まで」「かりそめ乙女」と続き、「走れわナンバー」、「JL005便で」と『日出処』の収録曲を演奏する。次は「青春の続き」と、またまた他のアーティストへの提供曲。そして、『娯楽』から「酒と下戸」、さらに3枚目から「意識」。オールド・ファンからするとこの「意識」は嬉しい。続くは「神様、仏様」。今回の林檎嬢は曲が進むごとに服を剥いでいくような演出がされていたのだが、もうこの曲の時は、ほとんどビキニ状態となっていた。こんな大天才、大ミュージシャンなのに、こんなサービスまでして本当に凄いプロだ。まあ、一方で四十を過ぎたとは思えない見事なプロモーションを顕示したいという気持ちがもしかしたらあるのかもしれない。「TOKYO」と比較的新しい曲が続き、事変の「天国へようこそ」。ちょっと懐かしい。次は三毒史から「鶏と蛇と豚」。ここで、林檎嬢、一人、ピアノの前に座り、弾き語りで『無罪モラトリアム』から「同じ夜」。ピアノの演奏の凄さも然る事ながら、その楽曲のレベルの高さ、編曲の創造性に、あらかじめ100年に一度の天才であることを思い知らされる。続くは「人生は夢だらけ」、「仏だけ徒歩」。さらに、まっさらの新曲の「私は猫の目」。PVをバックに演奏するのだが、PVで演じるのがBambi。Bambiもいつのまにか大人になっている。ただ、新曲は特に感動はあまり覚えなかった。そして、これも新曲に近い「公然の秘密」。続いて『大発見』から「女の子は誰でも」。次は、ザ・バングルスの「Ethernal Flame」。これは1988年に発表されているので、椎名林檎が子供の頃に聞いていたのかもしれない。ただ、周りのファンはポカンとしているものが多かった。そして「いろはにほへと」、おじゃま丸のエンディング・テーマである「いとをかし」。ちょっと、緊張感が緩んだような気分になった後は、怒濤の「長く短い祭」「緑酒」「NIPPON」と一挙に畳みかける。少し、涙腺が緩む。年を取ったということかもしれない。ここらへんの曲は、林檎嬢の凜とした死生観が素晴らしく歌詞に表れていて、その素晴らしいメロディとともに心にグッとくるのである。ここでバンドはステージを去り、アンコール。林檎嬢は婦人警官のコスプレで現れ、「母国情緒」と「ありあまる富」を歌う。「ありあまる富」、改めて本当にいい曲で心を揺さぶる。
名古屋国際会議場は、交通の便は悪くはないが、スピーカーは今ひとつであったと思う。私は12列という前の方だったので、それでもそれなりの音圧は感じられたが、後ろの方は相当、迫力が欠けていたのではないかと思ったりする。クラシック用のコンサート・ホールでのロック・ミュージック、というかスピーカー音楽の難しさをちょっと気づいた次第である。とはいえ、4年半ぶりの椎名林檎、相変わらずのクオリティの高さとエンタテインメント・サービスの素晴らしさに強い感銘を覚えた。あと、ドラマーとピアニストは驚くほど演奏力が高いと思われる。
名古屋国際会議場は、交通の便は悪くはないが、スピーカーは今ひとつであったと思う。私は12列という前の方だったので、それでもそれなりの音圧は感じられたが、後ろの方は相当、迫力が欠けていたのではないかと思ったりする。クラシック用のコンサート・ホールでのロック・ミュージック、というかスピーカー音楽の難しさをちょっと気づいた次第である。とはいえ、4年半ぶりの椎名林檎、相変わらずのクオリティの高さとエンタテインメント・サービスの素晴らしさに強い感銘を覚えた。あと、ドラマーとピアニストは驚くほど演奏力が高いと思われる。
2023-04-16 21:51
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フィンランドではお酒は国の施設でしか販売できない [グローバルな問題]
フィンランドではアルコール度が強いお酒を売る店は国営だそうだ。つまり、民営のスーパーマーケットでは売れないらしい。5.5%とかそれぐらいが基準で、それ以下であればスーパーでも売れるが、それ以上であれば国営の店でしか売れない。これは、アルコール依存症の問題などがあったためであり、強いお酒を入手させにくくすることが目的のようだ。スウェーデンも同じような制度があるそうである。
なんか厳しいなあ、と思ったけど、よく考えたら自分もお酒はほとんどレストランとか小料理屋、居酒屋でしか飲まないし、スーパーマーケットで買うのは麦酒ぐらいだから、そんなに問題がないかもしれない。
ただ、日本と大きく違うのは、冬が暗くて寒くて、精神的に滅入るということだ。冬を乗り越えるためにはアルコールに依存したくなるようだ。この北欧の冬は経験したことがないので何ともいえないが、このような制度が必要なぐらい、厳しいのかもしれない。
なんか厳しいなあ、と思ったけど、よく考えたら自分もお酒はほとんどレストランとか小料理屋、居酒屋でしか飲まないし、スーパーマーケットで買うのは麦酒ぐらいだから、そんなに問題がないかもしれない。
ただ、日本と大きく違うのは、冬が暗くて寒くて、精神的に滅入るということだ。冬を乗り越えるためにはアルコールに依存したくなるようだ。この北欧の冬は経験したことがないので何ともいえないが、このような制度が必要なぐらい、厳しいのかもしれない。
2023-04-02 00:00
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言うことを聞かない大学生(パート2) [教育論]
もう5年ぐらい前であるが、大学生が言うことを聞かないことをこのブログで書いたことがある(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2019-08-06)。最近では、もう敢えて、もう日常的になったので、ここで書くような気持ちにもならなかったのだが、昨日、大学生を連れて羽田空港で通関するときのことである。今、Visit Japan というアプリがあって、通関手続きを事前にすることができる。しかし、実際、通関する時にはこのアプリを空港にあるスキャンの機械で読み込まなくてはならず、そのために長蛇の列ができていた。そこで、従来のように用紙に情報を書き込ませて、通関手続きをするようにと、用紙を配付して指示した。用紙での手続きもそこそこ並んでいたが、それでも比較的早く通関手続きは済んだ。そこで、通関の出口で学生を待っていたら3名ほどがなかなか出てこない。どうしたのか、と思ったら、私の指示に従わず、Visit Japan のアプリをスキャンする機械に並んで通関手続きをしようとしたらしい。まあ、私の判断が間違っていると思ったのかもしれないが、なんでそれでも言うことを聞けないのであろうか。5分は彼女らの身勝手で無駄になった。私の指示に従っておいて遅れたら、私の責任だから従っていればいいのである。というか、私の指示が間違っても、結果的に他の学生を待つことになるので、どっちにしろ指示に従わないメリットは、私の判断がまずいということを証明する意外の何の意味もない。しかも、判断は結果的に正しかったし。私の指示に従わなくて遅れたら、どう責任を取るのか。というのも、この5分のロスで伊丹空港への接続便に乗るのがギリギリになってしまったからである。乗れたからいいものも、乗れなかったらどうするんだろう。
本当、この子達を採用した会社、組織は将来、心配だ。
本当、この子達を採用した会社、組織は将来、心配だ。
2023-04-01 00:00
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『エブリシング・エブリホエア・オール・アット・ワンス』 [映画批評]
2022年の製作のハリウッド映画で、今年のグラミー賞を総ナメした『エブリシング・エブリホエア・オール・アット・ワンス』を観た。パラレル・ワールドのストーリーで、プロットは比較的興味深いが、その世界観はマトリックスには遠く及ばず、ジョジョの不思議な冒険の第七部「スティール・ボール・ラン」の方が迫力があった。ただ、この映画はグラミー賞の主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞をとるだけあって、俳優の演技はよくて、それが、この荒唐無稽なシナリオを救っている。
しかし、このSF映画がハリウッドでこれだけ評価されたのは、むしろハリウッド映画の近年のストーリー・テリングの貧相さを示唆していると考える。というのは、日本人は、この程度のストーリーではワクワクしないぐらい、「ジョジョの不思議な冒険」に始まり、「20世紀少年」、「サイボーグ009」、「鉄腕アトム」など極めて物語性の高いSFに小さい時から染まっているからである。私が小学生の時、「スターワーズ」のブームが起きたが、私はウルトラマン・シリーズの方がはるかに格好よく、宇宙人も洗練されていると思ったものである。その気持ちは今も変わらない。もちろん、ハリウッドのSF映画でも「ブラジル」や「ブレード・ランナー」などは大好きではあるが、総じて、日本の方がはるかに刺激的な作品が多いと思う。そういうのが日本のアニメが世界のオタクに受けいれられている背景にあるのかと思うが、エブエブはそういう素養の浅いアメリカ人には受けても、日本人にはそんなに受けないのじゃないかな、と思わせる。
しかし、このSF映画がハリウッドでこれだけ評価されたのは、むしろハリウッド映画の近年のストーリー・テリングの貧相さを示唆していると考える。というのは、日本人は、この程度のストーリーではワクワクしないぐらい、「ジョジョの不思議な冒険」に始まり、「20世紀少年」、「サイボーグ009」、「鉄腕アトム」など極めて物語性の高いSFに小さい時から染まっているからである。私が小学生の時、「スターワーズ」のブームが起きたが、私はウルトラマン・シリーズの方がはるかに格好よく、宇宙人も洗練されていると思ったものである。その気持ちは今も変わらない。もちろん、ハリウッドのSF映画でも「ブラジル」や「ブレード・ランナー」などは大好きではあるが、総じて、日本の方がはるかに刺激的な作品が多いと思う。そういうのが日本のアニメが世界のオタクに受けいれられている背景にあるのかと思うが、エブエブはそういう素養の浅いアメリカ人には受けても、日本人にはそんなに受けないのじゃないかな、と思わせる。
2023-03-31 00:00
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宇宙団@新代田(レコ発ライブ) [ロック音楽]
3月29日、宇宙団が3枚目のCDを発売したので、レコ発のライブを観に新代田フィーバーへ。今回のライブは5人体制になってからの初めてのワンマン・ライブで、宇宙団ファンである私にとっては素晴らしいライブとなった。3枚目のCDからは9曲全曲、それに1枚目からは「恋は宇宙」、そしてひさしぶりの「オンタイムディスコ」、2枚目からは「文明鎮座」、「夏に寄せて」、「日本のヒーロー」、さらには、もう日本音楽史に残るのではと思わせる「エンドロール」、「ユートピア」を演奏した。90分ぐらいのライブなのでなかなか満足したのではと思われるかもしれないが、なんで2枚目の代表曲「ヘルプ」と「ラブリーチューンXX」を演奏しないんだ!これはドゥービーブラザースが「チャイナ・グローブ」と「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」を演奏しないのと同じようなもんじゃないか!と思わなくもないが、代わりに演奏した曲もいいので取りあえずよしとします。宇宙団は捨て曲、ないんで。新メンバーの今野君はカッティングが半端なく格好いい。そして、高のしまは、それまで宇宙団に欠けていたアイドル的な魅力を有している。まあ、これから先が期待できます。
2023-03-30 20:04
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フィンランドの子供の給食を食べない問題 [グローバルな問題]
フィンランドの子供の3割ぐらいが給食を食べないそうだ。フィンランドでは小学校で無料の給食が提供されている。これは、子供たちにしっかりと栄養を取ってもらうことと、社会的公平性を意識してのことだそうだ。金持ちと貧乏人が同じ食事で育つ、というのは社会的安定性にも繋がるし、個人的にはとてもいいことだと思う。働くお母さん(いや、お弁当はお母さんが必ずしもつくる必要はないかとは思うが)にも有り難い制度だと思う。
さて、しかし、その給食も食べてもらわなくてはその役割を果たせない。それじゃあ、なんで食べないのか、と尋ねると、「嫌いなものを拒否するというのがクール(格好いい)というような風潮があるからだ」との回答を受けた。つまり、「お前、こんな不味いものを食えるのかよ」と発言が強い同級生が言うと、「俺もこんなものは食わないわ」と同調するそうだ。え、そんなもんかな、と思ったりもしたが、多くの現地の先生が、「うんだ、うんだ」とその意見に頷いたので、そうなのかもしれない。
私とかも確かにアメリカの小学校に通っていた時、これは食べる、これは食べない、といやに好き嫌いが激しく、我が儘だった悪ガキがいた。ただ、この悪ガキが、みんなが嫌いだった「チリ・ビーンズ」を「これは俺の好物なんだ」と嬉しそうに食べていたのをみて感心したことを記憶している。私も当時は、この「チリ・ビーンズ」が嫌いだったからだ。
自分の子供の記憶を振り返っても、アメリカ人の子供の方が日本人の子供に比べて、はるかに好き嫌いが激しく偏食が多い。すなわち、我が儘である。日本人の子供は、給食で「好き嫌い」を相当、強制的に直させられるので、それは長期的にみると子供にとってプラスだと思う。なぜなら子供の舌は必ずしも、その成長にプラスなものを求めるとは限らないからだ。
しかし、この日本の話をフィンランドでしたら、それはハラスメントだと言われる。確かに、そのような側面もないとは言わないが、家庭でしっかりと偏食を直せるだけの余裕があればいいが、実際はなかなか難しい家庭も多いのではないだろうか。偏食は生きていくうえで経済的にも栄養的にも不利をもたらすだけでなく、豊かな食生活を享受する機会を奪う。フィンランドは世界で一番、料理が不味いと言われる。その理由はいくつかあるだろうが、給食を残す子供の割合を減らす施策をすることで、少しは改善できるのではないだろうか。
さて、しかし、その給食も食べてもらわなくてはその役割を果たせない。それじゃあ、なんで食べないのか、と尋ねると、「嫌いなものを拒否するというのがクール(格好いい)というような風潮があるからだ」との回答を受けた。つまり、「お前、こんな不味いものを食えるのかよ」と発言が強い同級生が言うと、「俺もこんなものは食わないわ」と同調するそうだ。え、そんなもんかな、と思ったりもしたが、多くの現地の先生が、「うんだ、うんだ」とその意見に頷いたので、そうなのかもしれない。
私とかも確かにアメリカの小学校に通っていた時、これは食べる、これは食べない、といやに好き嫌いが激しく、我が儘だった悪ガキがいた。ただ、この悪ガキが、みんなが嫌いだった「チリ・ビーンズ」を「これは俺の好物なんだ」と嬉しそうに食べていたのをみて感心したことを記憶している。私も当時は、この「チリ・ビーンズ」が嫌いだったからだ。
自分の子供の記憶を振り返っても、アメリカ人の子供の方が日本人の子供に比べて、はるかに好き嫌いが激しく偏食が多い。すなわち、我が儘である。日本人の子供は、給食で「好き嫌い」を相当、強制的に直させられるので、それは長期的にみると子供にとってプラスだと思う。なぜなら子供の舌は必ずしも、その成長にプラスなものを求めるとは限らないからだ。
しかし、この日本の話をフィンランドでしたら、それはハラスメントだと言われる。確かに、そのような側面もないとは言わないが、家庭でしっかりと偏食を直せるだけの余裕があればいいが、実際はなかなか難しい家庭も多いのではないだろうか。偏食は生きていくうえで経済的にも栄養的にも不利をもたらすだけでなく、豊かな食生活を享受する機会を奪う。フィンランドは世界で一番、料理が不味いと言われる。その理由はいくつかあるだろうが、給食を残す子供の割合を減らす施策をすることで、少しは改善できるのではないだろうか。
2023-03-30 00:00
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2021年の欧州グリーン首都「ラハティ」を訪れる [サステイナブルな問題]
フィンランドのラハティを訪れている。ラハティは2021年の欧州グリーン首都に選定された。「持続可能性」が評価されてのことだが、具体的にはどういうことなのだろうか。まず、交通。自転車のネットワーク整備、交通モバイル・アプリの開発などをしている。次は土地利用。緑地の整備、あと住宅地の高密度化などが図られている。そして、生物多様性。都市のそばに優れた自然環境が提供されている。モモンガなどが生息している。あと大気の管理。そして、リサイクル。ラハティは繊維産業が盛んだが、そこから出る産業廃棄物もしっかりとリサイクルするように心がけられている。企業が行政と協働して循環型システムを構築しようとしている。あとリサイクルは、カンやビンを回収のためにもっていくとお金をもらうことができる。ちなみにカンでも回収にもっていくと15セント返金してもらえる。水質管理は湖の汚染問題に対応してきたが治水にもしっかりと対応、下水道の管理もしっかりとやってきている。
ただ、オリジナルなアイデアは特に見つからない。リサイクル率(41%)を高めるための施策は、子供にしっかりとリサイクルの大切さを教育したことであると説明したが、これはまさにジャイメ・レルネル氏のもとでクリチバ市が1990年頃に実施した政策である。下水を池に貯めて葦などの草を使って浄化するというのは日本を含めてアジアの諸地方で実施されてきたことである。ただ、それらを謙虚に学び、何か自分達のプラスになると考えたら積極的に導入するということは、簡単なようで難しい。それに対してはラハティを評価することができるのではないだろうか。ただ、多くの環境先進都市を訪れて「それは凄いアイデアだ!」といった、驚くような発見をすることはなかった。
ただ、オリジナルなアイデアは特に見つからない。リサイクル率(41%)を高めるための施策は、子供にしっかりとリサイクルの大切さを教育したことであると説明したが、これはまさにジャイメ・レルネル氏のもとでクリチバ市が1990年頃に実施した政策である。下水を池に貯めて葦などの草を使って浄化するというのは日本を含めてアジアの諸地方で実施されてきたことである。ただ、それらを謙虚に学び、何か自分達のプラスになると考えたら積極的に導入するということは、簡単なようで難しい。それに対してはラハティを評価することができるのではないだろうか。ただ、多くの環境先進都市を訪れて「それは凄いアイデアだ!」といった、驚くような発見をすることはなかった。
2023-03-29 03:13
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フィンランドが世界一幸福である背景 [グローバルな問題]
アメリカンの調査会社であるギャラップ社が、「世界幸福度ランキング」というものを発表している。これは世界149カ国を対象としたものだが、それが2022年まで5回連続で首位となったのがフィンランドである。この世界幸福度は「国民一人当たりのGDP」、「社会支援」「健康寿命」「人生選択の自由」「他者への寛容さ」「汚職や腐敗の認知」「世界最低の国の平均値との残余値を合計したもの」という7つの指標の和として評価されている。
ちなみに、フィンランドの次はデンマーク、アイスランド、スイス、オランダと続き、アメリカは16位、日本は54位である。日本は圧倒的に「他者への寛容さ」が低い。
そこで、フィンランド人に「何で?」と尋ねたら、人を「リスペクト」するからじゃないか、との回答。リスペクトされると幸せな気分になるし、周りの人をリスペクトするとちょっと気分がいい。確かに、私は最近、大学で怒ることが多いが、それが事務が教員をあまりにもリスペクトしないからだ。その結果、こちらもリスペクトしなくて、幸せではない仕事環境になってしまう。そのような環境が「他者への寛容さ」の著しい低い点に繋がっているとしたら残念だ。53位のウズベキスタンの方がこの点ははるかに高い。
このような指標をみると、フィンランドから学ぶことは多いかもしれない。ちなみに、我々がお世話になったラハティ応用科学大学では、ロシア人の助手と、今回の戦争で亡命してきたウクライナ人の助手とが一緒に仲良く働いていた。よく考えれば当たり前の光景なのかもしれないが、こういうことは日本だとなかなか上手くできないような気もする。アメリカとかだともっと悲惨かもしれないが。
ちなみに、フィンランドの次はデンマーク、アイスランド、スイス、オランダと続き、アメリカは16位、日本は54位である。日本は圧倒的に「他者への寛容さ」が低い。
そこで、フィンランド人に「何で?」と尋ねたら、人を「リスペクト」するからじゃないか、との回答。リスペクトされると幸せな気分になるし、周りの人をリスペクトするとちょっと気分がいい。確かに、私は最近、大学で怒ることが多いが、それが事務が教員をあまりにもリスペクトしないからだ。その結果、こちらもリスペクトしなくて、幸せではない仕事環境になってしまう。そのような環境が「他者への寛容さ」の著しい低い点に繋がっているとしたら残念だ。53位のウズベキスタンの方がこの点ははるかに高い。
このような指標をみると、フィンランドから学ぶことは多いかもしれない。ちなみに、我々がお世話になったラハティ応用科学大学では、ロシア人の助手と、今回の戦争で亡命してきたウクライナ人の助手とが一緒に仲良く働いていた。よく考えれば当たり前の光景なのかもしれないが、こういうことは日本だとなかなか上手くできないような気もする。アメリカとかだともっと悲惨かもしれないが。
2023-03-28 06:20
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羽田空港の国際線の手荷物検査が90分待ちだった [グローバルな問題]
羽田空港の国際線ターミナルを使った。飛行機の出発時間の2時間前に着いたので余裕かと思ったら、なんと手荷物検査に信じられないような長蛇の列が出来ていた。最後尾の看板を持っていた人にここからだと何分ですか、と尋ねると「90分は待ちますね」と回答する。90分だと間に合わない。とはいえ、何をしていいか分からないのでとりあえず並んで待っていた。途中、係員に尋ねると「JALだったらFacial Passが使えます」と教えてくれた。幸い、JALだったのでFacial Passを使い、すぐ手荷物検査をすることができた。現時点でJALしか使えないような状況だったのでついていたが、いやはや、どうなっているんだ、羽田空港。これじゃあ、まるでブラジルとかインドネシアだ。
全般的に世界に誇る日本の効率性があちらこちらで失われている。これの経済的ロスも相当、大きいのではないかと思われる。しかし、それを日本が招いていることもあるだろう。例えば、関空を利用する国際線が大幅に減少したので、ニューヨーク大都市圏と同じ関西大都市圏の人々が羽田空港を使うことを余儀なくされている。1億2000万人の人口を擁して、世界3番目の経済規模の国が国際線ターミナルを実質的に二つ(羽田と成田)にしていれば、必然的にこのような混雑と混乱が生じるのは当たり前である。
そりゃ、経済も低迷するよな。効率性とユビキュタス性を失えば、そりゃ厳しくなる、ということをこの手荷物検査の90分待ちは我々に示唆していると思われる。
全般的に世界に誇る日本の効率性があちらこちらで失われている。これの経済的ロスも相当、大きいのではないかと思われる。しかし、それを日本が招いていることもあるだろう。例えば、関空を利用する国際線が大幅に減少したので、ニューヨーク大都市圏と同じ関西大都市圏の人々が羽田空港を使うことを余儀なくされている。1億2000万人の人口を擁して、世界3番目の経済規模の国が国際線ターミナルを実質的に二つ(羽田と成田)にしていれば、必然的にこのような混雑と混乱が生じるのは当たり前である。
そりゃ、経済も低迷するよな。効率性とユビキュタス性を失えば、そりゃ厳しくなる、ということをこの手荷物検査の90分待ちは我々に示唆していると思われる。
タグ:羽田空港
2023-03-19 10:43
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レルネルさんと車 [都市デザイン]
クリチバ市の元市長であったレルネルさんは、いろいろと自動車について興味深い発言をされてきた。「自動車は都市のコレステロールである」、「自動車は姑のようなものだ。やっかいだが縁を切る訳にはいかず、付き合っていかなくてはならない」などである。
さて、しかし、BRTを発明したレルネルさんが、どのような自家用車を保有していたのかは今まで尋ねることもしなかったし、彼が自家用車の話をしたことは一度もない。ただ、バスのネットワークが充実しているとはいえ、ブラジルの都市、クリチバである。さすがに自動車を保有しているだろう。ということで、今回、彼の次女のイラーニャさんと話をする機会に恵まれたので、そこらへんを知ることができた。
レルネルさんの自家用車はアルファ・ロメオ。おお、やはり腐っても市長、州知事だ。高級車に乗っていたのだな、と思ったら、イラーニャさんが、そのニックネームは「腐敗物」(Rotten)と言うではないか。どうも、このレルネルさんのアルファ・ロメオは中古車らしくて、あまりの酷さに奥様が付けたニックネームだそうだ。アルファ・ロメオというと日本だと高級車というイメージだが、ブラジルだとそれほど有り難い車ではないのかもしれない。しかし、有機物でもない自動車なのに「腐敗物」という渾名が付けられるとは、どんな車なのか。ちょっと興味が湧く。
ちなみに、そんな感じであるから、子供たちの車もおそろしく安い中古車しか買ってくれなかったそうだ。イラーニャさんは、お姉さんのお下がりをもらったので、もう本当に友達に見せるのが恥ずかしかったそうだ。しかし、そんなぼろ車なのに(というか、ぼろ車だからか)4回も盗難されたそうである。あまりにも盗難されるので、警察も4回目の盗難時は「まさか、また盗まれたんじゃないよな」とイラーニャさんの顔を見たら言ったそうである。さて、しかし、その話を私と一緒に聞いていたレルネルさんの市長時代に環境部長を務めた中村ひとしさんの長女のサンドラさんは「私は6回盗まれましたよ」と言ったので、またまた驚き。ちなみに中村ひとしさんも、レルネルさんも自動車は一度も盗まれていないので、盗まれ癖というのはあるかもしれない。
サンドラさんは、一度は、友達の家に行き、自動車から降りようとしたら、自動車泥棒に銃口を頭に突きつけられて、車に戻れ、と言われたことがあるそうだ。彼女は強く拒否して抵抗し、友達のマンションの守衛が現れたすきをみて逃げ出し事なきを得たのだが(というか、その後、友達と一緒に自分の車に乗って逃走した泥棒グループを追いかけた)、なんかブラジルで生きることは日本と本当、危険度のレベルが半端ないなということを、こういうエピソードからも思い知らされる。
まあ、話が逸れてしまったが、レルネルさんはやはり自動車をそんなに好きじゃないんだな、ということを知る。
ちなみに、私も「自動車に乗らない贅沢」などと宣っていたが、京都に大学を移した時に生まれて初めて55歳で自動車を買った(それまでは父親が亡くなった時、彼の車を相続したりしたことはある)。ミニだ。まあ、ほとんど使わないが、バンドの練習(エフェクターが重いので)、京都と東京間で荷物を運ぶ時と、山登り、スキー(一年に一度行けるかどうかぐらいだが)では使っている。
さて、しかし、BRTを発明したレルネルさんが、どのような自家用車を保有していたのかは今まで尋ねることもしなかったし、彼が自家用車の話をしたことは一度もない。ただ、バスのネットワークが充実しているとはいえ、ブラジルの都市、クリチバである。さすがに自動車を保有しているだろう。ということで、今回、彼の次女のイラーニャさんと話をする機会に恵まれたので、そこらへんを知ることができた。
レルネルさんの自家用車はアルファ・ロメオ。おお、やはり腐っても市長、州知事だ。高級車に乗っていたのだな、と思ったら、イラーニャさんが、そのニックネームは「腐敗物」(Rotten)と言うではないか。どうも、このレルネルさんのアルファ・ロメオは中古車らしくて、あまりの酷さに奥様が付けたニックネームだそうだ。アルファ・ロメオというと日本だと高級車というイメージだが、ブラジルだとそれほど有り難い車ではないのかもしれない。しかし、有機物でもない自動車なのに「腐敗物」という渾名が付けられるとは、どんな車なのか。ちょっと興味が湧く。
ちなみに、そんな感じであるから、子供たちの車もおそろしく安い中古車しか買ってくれなかったそうだ。イラーニャさんは、お姉さんのお下がりをもらったので、もう本当に友達に見せるのが恥ずかしかったそうだ。しかし、そんなぼろ車なのに(というか、ぼろ車だからか)4回も盗難されたそうである。あまりにも盗難されるので、警察も4回目の盗難時は「まさか、また盗まれたんじゃないよな」とイラーニャさんの顔を見たら言ったそうである。さて、しかし、その話を私と一緒に聞いていたレルネルさんの市長時代に環境部長を務めた中村ひとしさんの長女のサンドラさんは「私は6回盗まれましたよ」と言ったので、またまた驚き。ちなみに中村ひとしさんも、レルネルさんも自動車は一度も盗まれていないので、盗まれ癖というのはあるかもしれない。
サンドラさんは、一度は、友達の家に行き、自動車から降りようとしたら、自動車泥棒に銃口を頭に突きつけられて、車に戻れ、と言われたことがあるそうだ。彼女は強く拒否して抵抗し、友達のマンションの守衛が現れたすきをみて逃げ出し事なきを得たのだが(というか、その後、友達と一緒に自分の車に乗って逃走した泥棒グループを追いかけた)、なんかブラジルで生きることは日本と本当、危険度のレベルが半端ないなということを、こういうエピソードからも思い知らされる。
まあ、話が逸れてしまったが、レルネルさんはやはり自動車をそんなに好きじゃないんだな、ということを知る。
ちなみに、私も「自動車に乗らない贅沢」などと宣っていたが、京都に大学を移した時に生まれて初めて55歳で自動車を買った(それまでは父親が亡くなった時、彼の車を相続したりしたことはある)。ミニだ。まあ、ほとんど使わないが、バンドの練習(エフェクターが重いので)、京都と東京間で荷物を運ぶ時と、山登り、スキー(一年に一度行けるかどうかぐらいだが)では使っている。
2023-03-11 05:11
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映画『ドライブ・マイ・カー』 [映画批評]
第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞を含む計3部門を受賞した2021年の映画。第94回アカデミー賞でも国際長編映画賞を受賞した。ということで、見なくてはいけないな、と思っていたのだが、国際線に乗ったらちょうどビデオ・ライブラリーに含まれていたので観た。
さて、その内容だがたいへん濃く、いろいろと考えさせられるいい映画であった。流石、村上春樹という感じで、最後の主人公の心情の吐露は心を揺さぶる。その主人公を演じた西島秀俊の演技は村上春樹がつくりだす空気感にぴったりと合っている。見事な配役だ。韓国や台湾といった俳優陣もなかなかよく、この映画の魅力を増すのに貢献している。
カンヌ国際映画祭やアカデミー賞で受賞するだけの、国境を越えて人間に訴える力を持っている映画である。若い人にはどう響くか分からないが、私のように還暦に近い人間にはちょっと心を揺さぶるような力を持った映画である。
![ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [Blu-ray] ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51jHIizcfyL._SL160_.jpg)
さて、その内容だがたいへん濃く、いろいろと考えさせられるいい映画であった。流石、村上春樹という感じで、最後の主人公の心情の吐露は心を揺さぶる。その主人公を演じた西島秀俊の演技は村上春樹がつくりだす空気感にぴったりと合っている。見事な配役だ。韓国や台湾といった俳優陣もなかなかよく、この映画の魅力を増すのに貢献している。
カンヌ国際映画祭やアカデミー賞で受賞するだけの、国境を越えて人間に訴える力を持っている映画である。若い人にはどう響くか分からないが、私のように還暦に近い人間にはちょっと心を揺さぶるような力を持った映画である。
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ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2022/02/18
- メディア: Blu-ray
タグ:ドライブ・マイ・カー 村上春樹
2023-03-09 00:00
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クリチバの最大・最凶のファベラ『カシンバ』を訪れる [サステイナブルな問題]
ブラジルの最大の都市問題は、これはやはり不法占拠(ファベラ)問題に尽きると思う。不法占拠は本当に根が深くて、ブラジリアとかだと金持ちでも不法占拠をするので、単に貧困の問題として片付けられないところがある。そこは、警察も政府も入ることができない無法地帯である。
さて、しかし、クリチバはこのファベラ問題に果敢に対処して、大きな成果をあげてきた。具体的には社会住宅という名の公共住宅を大量に供給し、これらファベラに住んでいる人達がそこから移り住めることを可能とした。また、ごみ問題に関しては、ユネスコからも賞を受けた「ゴミ買い運動」などで見事に対処した。
しかし、カシオ谷口氏が市長を辞めてからの16年間ぐらいの都市計画空白期間にファベラ問題が放置されたこともあり、クリチバも他のブラジルの都市のようなファベラが増えつつある。私が調べた時点(2023年3月)では、クリチバのファベラの数は30ぐらいだそうだ。そして、そのようなファベラの中でも現在、最大で最凶なのはクリチバ市の最南部、イグアス川とバリグイ川の合流点そばにできたカシンバである。
カシンバの土地は、そもそもは民地であった。しかし、バリグイ川の上流にあったペトロブラスの石油精製所が石油流出という事故を起こし、その賠償として、この民地を買い取った。そして、パラナ州政府に譲渡する。パラナ州政府は、その後、ここを何もせずに放っておいた。そしたら不法占拠が始まったのである。ここの開発状況を時系列で、空中写真で見ることができるのだが、もう、本当、あっという間にどんどんと広がっていることが分かる。
これはクリチバの前回の市長選(2016年)でも争点となり、当選したグレカ市長は、このファベラの存在を市の最大の課題として位置づけ、フランスの開発銀行のお金を獲得して、ここをどうにかしようと取り組んでいる。グレカ市長は、1992年に3期目のレルネル市長の後を継いで37歳という若さで市長になった人で、途中、多少、政党的にはアンチ・レルネル派になったりしたが、都市計画でクリチバの都市問題を解決するというアプローチはレルネル市長と同じである。
このカシンバ問題は、クリチバ市の都市計画研究所(IPPUC)が先頭に立っている。私も取材をしたのだが、IPPUCの人達も久しぶりに都市計画に盛り上がっている。ただ、ファベラのギャングのボスを捕まえようとして、大量の警官が取り締まろうと家宅捜査するが取り逃がし、それでファベラのボスが切れてコミュニティのキーパーソンだった女性が通報したと誤解して殺害。その女性を支持していた反ギャング派がボスと実行班の二人を殺害。警官もそうだが、市役所もなかなかファベラに入れないような状況になっている。
そこでIPPUCとファベラのコミュニティを繋いでいるのが元クリチバの環境局長であり「ごみ買い運動」を推進した中村ひとしさんの長女、サンドラさんである。市役所の職員であったお父さんと民間のサンドラさんとでは立場は違うが、同じようにファベラの人達とコミュニケーションを通じて、その状況を改善させようとしているのは運命的である。私もサンドラさんと一緒に現地に行かせてもらった。彼女は現在、コミュニティ・キッチンに食材を提供する仕事をしているので、コミュニティ・キッチンとそこのリーダーであるおばさんを訪れさせてもらった。このコミュニティ・キッチンには巨大な冷蔵庫が数台あり、その中には食材が保管されている。一日に一度、食べ物をコミュニティの人達に配付することをしているようだ。
ちなみに、私が握手をしたコミュニティ・キッチンのおばさんの息子が、ギャングのボスを殺した暗殺者の可能性もあるそうだ。なんか、にこやかな青年に見えたんだけど。また、サンドラさんは、このコミュニティ・キッチン側には随分と信頼されているようで、「誰か殺したい奴がいたら言ってくれ、殺しておくから」と言われたそうだ。なんか、こういうギャング的な世界は全然、縁がないのでもう驚くしかない。
カシンバは社会的な問題もそうだが、環境的にもバリグイ川が氾濫すると、コミュニテイの半分以上が水没するそうだ。そういう意味でも、現在、氾濫原からちょっと標高が高い場所に新たに住宅をつくり、そこに移転させる計画を策定しているそうだ。
しかし、そのような開発が行われるとニュースに報道されたりしたので、カシンバに来る人が増えている。そこで、新しい人達は補助の対象にならないのと、フランスの開発銀行に提出した申請書と実際の数字が異なると補助金がもらえなくなる、ということをコミュニティの人達に説明した。その結果、新たに来る人にここには住まないでくれ、と伝えるのはコミュニティの人達が積極的にしてくれるとのことである。
さて、現在、総力でカシンバ問題に取り組んでいるクリチバ市役所であるが、昔であったら、こういうファベラが出来そうだと、すぐ迅速に対応して、問題が大きくなる前に芽を取っていた。それが、官僚主義がクリチバ市でも広がってしまい、問題への対処が後手後手になってしまうようだ。いろいろと考えさせられるクリチバのカシンバ問題である。

<カシンバの中央通り?>

<この地域はバリグイ川が氾濫すると水没する>

<クリチバ市のファベラでは見られないゴミの多さ。これでも、ちょっと前よりは随分と改善はされているそうだ>

<コミュニティ・キッチン>
さて、しかし、クリチバはこのファベラ問題に果敢に対処して、大きな成果をあげてきた。具体的には社会住宅という名の公共住宅を大量に供給し、これらファベラに住んでいる人達がそこから移り住めることを可能とした。また、ごみ問題に関しては、ユネスコからも賞を受けた「ゴミ買い運動」などで見事に対処した。
しかし、カシオ谷口氏が市長を辞めてからの16年間ぐらいの都市計画空白期間にファベラ問題が放置されたこともあり、クリチバも他のブラジルの都市のようなファベラが増えつつある。私が調べた時点(2023年3月)では、クリチバのファベラの数は30ぐらいだそうだ。そして、そのようなファベラの中でも現在、最大で最凶なのはクリチバ市の最南部、イグアス川とバリグイ川の合流点そばにできたカシンバである。
カシンバの土地は、そもそもは民地であった。しかし、バリグイ川の上流にあったペトロブラスの石油精製所が石油流出という事故を起こし、その賠償として、この民地を買い取った。そして、パラナ州政府に譲渡する。パラナ州政府は、その後、ここを何もせずに放っておいた。そしたら不法占拠が始まったのである。ここの開発状況を時系列で、空中写真で見ることができるのだが、もう、本当、あっという間にどんどんと広がっていることが分かる。
これはクリチバの前回の市長選(2016年)でも争点となり、当選したグレカ市長は、このファベラの存在を市の最大の課題として位置づけ、フランスの開発銀行のお金を獲得して、ここをどうにかしようと取り組んでいる。グレカ市長は、1992年に3期目のレルネル市長の後を継いで37歳という若さで市長になった人で、途中、多少、政党的にはアンチ・レルネル派になったりしたが、都市計画でクリチバの都市問題を解決するというアプローチはレルネル市長と同じである。
このカシンバ問題は、クリチバ市の都市計画研究所(IPPUC)が先頭に立っている。私も取材をしたのだが、IPPUCの人達も久しぶりに都市計画に盛り上がっている。ただ、ファベラのギャングのボスを捕まえようとして、大量の警官が取り締まろうと家宅捜査するが取り逃がし、それでファベラのボスが切れてコミュニティのキーパーソンだった女性が通報したと誤解して殺害。その女性を支持していた反ギャング派がボスと実行班の二人を殺害。警官もそうだが、市役所もなかなかファベラに入れないような状況になっている。
そこでIPPUCとファベラのコミュニティを繋いでいるのが元クリチバの環境局長であり「ごみ買い運動」を推進した中村ひとしさんの長女、サンドラさんである。市役所の職員であったお父さんと民間のサンドラさんとでは立場は違うが、同じようにファベラの人達とコミュニケーションを通じて、その状況を改善させようとしているのは運命的である。私もサンドラさんと一緒に現地に行かせてもらった。彼女は現在、コミュニティ・キッチンに食材を提供する仕事をしているので、コミュニティ・キッチンとそこのリーダーであるおばさんを訪れさせてもらった。このコミュニティ・キッチンには巨大な冷蔵庫が数台あり、その中には食材が保管されている。一日に一度、食べ物をコミュニティの人達に配付することをしているようだ。
ちなみに、私が握手をしたコミュニティ・キッチンのおばさんの息子が、ギャングのボスを殺した暗殺者の可能性もあるそうだ。なんか、にこやかな青年に見えたんだけど。また、サンドラさんは、このコミュニティ・キッチン側には随分と信頼されているようで、「誰か殺したい奴がいたら言ってくれ、殺しておくから」と言われたそうだ。なんか、こういうギャング的な世界は全然、縁がないのでもう驚くしかない。
カシンバは社会的な問題もそうだが、環境的にもバリグイ川が氾濫すると、コミュニテイの半分以上が水没するそうだ。そういう意味でも、現在、氾濫原からちょっと標高が高い場所に新たに住宅をつくり、そこに移転させる計画を策定しているそうだ。
しかし、そのような開発が行われるとニュースに報道されたりしたので、カシンバに来る人が増えている。そこで、新しい人達は補助の対象にならないのと、フランスの開発銀行に提出した申請書と実際の数字が異なると補助金がもらえなくなる、ということをコミュニティの人達に説明した。その結果、新たに来る人にここには住まないでくれ、と伝えるのはコミュニティの人達が積極的にしてくれるとのことである。
さて、現在、総力でカシンバ問題に取り組んでいるクリチバ市役所であるが、昔であったら、こういうファベラが出来そうだと、すぐ迅速に対応して、問題が大きくなる前に芽を取っていた。それが、官僚主義がクリチバ市でも広がってしまい、問題への対処が後手後手になってしまうようだ。いろいろと考えさせられるクリチバのカシンバ問題である。

<カシンバの中央通り?>

<この地域はバリグイ川が氾濫すると水没する>

<クリチバ市のファベラでは見られないゴミの多さ。これでも、ちょっと前よりは随分と改善はされているそうだ>

<コミュニティ・キッチン>
2023-03-08 04:19
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ジャイメ・レルネル氏の次女のイラーニャさんと故人を偲ぶ [都市デザイン]
ジャイメ・レルネルさんの事務所を訪れ、次女のイラーニャさんとお会いする。会うのは初めてである。中村ひとしさんの長女のサンドラさんに同行していただいた。ジャイメさんは2021年5月27日に亡くなられたのだが、亡くなられる半年ぐらい前から体調が優れなくなっていた。イラーニャさんに言わせると「病気のショッピング・センター」。コロナがきっかけで亡くなったというのは事実のようだが、コロナに罹患した後は一時期、回復したそうだ。ただ、腎臓にダメージが及んだようで、その悪化で亡くなられた。ただ、亡くなるまでは本当、眠ってばかりであり、亡くなる時も眠りながら永眠されたそうだ。敬愛している人の最期のお話を聞くのは悲しくて辛いが、一方で救われた気持ちにもなる。亡くなられて1年半が経ち、ようやく私もお送りすることができた気持ちになる。
さて、せっかくの貴重な機会であったので、私が長年、疑問として抱いていた「なぜ、政治的なコネクションもないジャイメ・レルネル氏が34歳という若さで市長になれたのか」ということをイラーニャさんに尋ねてみた。その回答は次の通りである。
ジャイメ・レルネル氏はパラナ大学の土木工学科を卒業するが、その後、同大学に建築学科ができる。そこで、建築学科に入り直すのだが、教員が不足していたため、学生をしながら教員をするようなことをしていた。そして、その頃、サンパウロの都市計画コンサルタントがクリチバ市のマスタープランを作成するので、それを手伝ってくれとジャイメ達にお願いする。そして、一緒にマスタープランを作成するのだが、内容が気にいらなかったジャイメ達は大幅に変えてしまう。そして、そのマスタープランの提案としてつくられたIPPUC(クリチバ都市計画研究所)の初代所長となる。
そして、1971年にクリチバの市長にパラナ州知事によって任命されるのだが、その当時の市長は軍事政権下であり、あくまでもトップダウン。いつ首になってもいいような位置づけであった。イラーニャさんによれば、マスタープランの作成をし、IPPUCの所長であったジャイメを市長に任命するのは、市長の重みが軽い当時としては、それほど不思議ではないと言いつつ、このマスタープランを一緒に作成したレルネル氏より年輩のフォーティナイト氏は、この人事が随分と面白くなかったようだ。それから、ほぼ絶縁をして、レルネル氏と付き合うことはなかったと言う。このフォーティナイト氏は、自分が市長に任命されると確信していたそうで、レルネル氏が任命されたのは想定外であったそうである。なぜ、フォーティナイト氏ではなくて、レルネル氏なのか。それは、州知事との相性だったのではないか、というのがイラーニャさんの推察である。ちなみに州知事も任命制なので、こういう首長的ポストは現在とはまったく違う、ということのようである。
他にも中村ひとしさんとの凸凹コンビの話、レルネルさんの日本での思い出話、ぼろい中古車しか買ってくれずに恥ずかしい思いをした話などをしてくれた。改めて、ジャイメ・レルネル氏と知り合ったことが自分の人生にとっていかに貴重で有り難いことであるかを確信するような一日であった。
さて、せっかくの貴重な機会であったので、私が長年、疑問として抱いていた「なぜ、政治的なコネクションもないジャイメ・レルネル氏が34歳という若さで市長になれたのか」ということをイラーニャさんに尋ねてみた。その回答は次の通りである。
ジャイメ・レルネル氏はパラナ大学の土木工学科を卒業するが、その後、同大学に建築学科ができる。そこで、建築学科に入り直すのだが、教員が不足していたため、学生をしながら教員をするようなことをしていた。そして、その頃、サンパウロの都市計画コンサルタントがクリチバ市のマスタープランを作成するので、それを手伝ってくれとジャイメ達にお願いする。そして、一緒にマスタープランを作成するのだが、内容が気にいらなかったジャイメ達は大幅に変えてしまう。そして、そのマスタープランの提案としてつくられたIPPUC(クリチバ都市計画研究所)の初代所長となる。
そして、1971年にクリチバの市長にパラナ州知事によって任命されるのだが、その当時の市長は軍事政権下であり、あくまでもトップダウン。いつ首になってもいいような位置づけであった。イラーニャさんによれば、マスタープランの作成をし、IPPUCの所長であったジャイメを市長に任命するのは、市長の重みが軽い当時としては、それほど不思議ではないと言いつつ、このマスタープランを一緒に作成したレルネル氏より年輩のフォーティナイト氏は、この人事が随分と面白くなかったようだ。それから、ほぼ絶縁をして、レルネル氏と付き合うことはなかったと言う。このフォーティナイト氏は、自分が市長に任命されると確信していたそうで、レルネル氏が任命されたのは想定外であったそうである。なぜ、フォーティナイト氏ではなくて、レルネル氏なのか。それは、州知事との相性だったのではないか、というのがイラーニャさんの推察である。ちなみに州知事も任命制なので、こういう首長的ポストは現在とはまったく違う、ということのようである。
他にも中村ひとしさんとの凸凹コンビの話、レルネルさんの日本での思い出話、ぼろい中古車しか買ってくれずに恥ずかしい思いをした話などをしてくれた。改めて、ジャイメ・レルネル氏と知り合ったことが自分の人生にとっていかに貴重で有り難いことであるかを確信するような一日であった。
2023-03-01 22:20
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映画『MINAMATA』 [映画批評]
ジョニー・ディップ主演の『MINAMATA』を観る。2021年に公開された。ジョニー・ディップ演じる写真集『MINAMATA』を出した写真家ユージン・スミスと妻のアイリーンとの実話である。久々に映画の価値を再確認させてくれたような迫力ある、そして観るものに強く訴えかける作品だ。ジョニー・ディップの演技は流石で、この映画を鑑賞したアイリーンは撮影中に「ユージンがいる」と思えた瞬間があったと述べていたそうだ(Buzzfeed News 2021/08/28)。
ただ、残念だなと思ったのが、ロケが水俣ではないこと。どこかは特定できてないが、ワシントン州かカナダのブリティッシュ・コロンビア州のような印象を植生から受ける。建物もアメリカ人からみたら日本的かもしれないが、日本的ではない。そして、一部の子供たちが明らかに日本人じゃないことも強い違和感を覚える。アイリーンを演じたフランス人と日本人のハーフである美波は、それほど気にはならないというか、むしろこの映画にはプラスな印象を覚えたが、子供が日本人ではないのは水俣病を題材として扱う映画としては、例え水俣病に侵されていない子供だとしても、ここは日本人を配役してもらいたかった。
とはいえ、久しぶりにその世界にのめりこめるような映画を観た。MGMはジョニー・ディップのイメージがこの映画で下がるだろうと懸念して、この映画の配給に反対したようだが、いや、むしろ個人的にはジョニー・ディップのイメージは相当、上がった。流石の名優である。
ただ、残念だなと思ったのが、ロケが水俣ではないこと。どこかは特定できてないが、ワシントン州かカナダのブリティッシュ・コロンビア州のような印象を植生から受ける。建物もアメリカ人からみたら日本的かもしれないが、日本的ではない。そして、一部の子供たちが明らかに日本人じゃないことも強い違和感を覚える。アイリーンを演じたフランス人と日本人のハーフである美波は、それほど気にはならないというか、むしろこの映画にはプラスな印象を覚えたが、子供が日本人ではないのは水俣病を題材として扱う映画としては、例え水俣病に侵されていない子供だとしても、ここは日本人を配役してもらいたかった。
とはいえ、久しぶりにその世界にのめりこめるような映画を観た。MGMはジョニー・ディップのイメージがこの映画で下がるだろうと懸念して、この映画の配給に反対したようだが、いや、むしろ個人的にはジョニー・ディップのイメージは相当、上がった。流石の名優である。
2023-02-27 18:49
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久しぶりに成田空港の全日空での国際カウンターを利用したら、あまりのサービスの劣化に驚いた [地球探訪記]
ブラジルに行くので久しぶりに成田空港発の国際線を利用した。昨年も二回ほど海外に行っているが、両方とも羽田であった。利用したのは全日空である。ブラジルまではアメリカ経由である。カウンターでチェックインをする。「ESTAかVISAのどちらで入国するのか」と聞かれたので「ESTA」と回答すると、「ESTAが登録されていない」と言ってくる。いや、そんな筈はない、と言ってコンピュータを取りだして、ESTAからの返信メールを見せると、「最近、ESTAの偽サイトがあるんで、そちらにされたんじゃないですか」と言ってくる。ESTAに登録されてないなら一大事である。しかし、ESTAのホームページにアクセスすると、どうもしっかりと登録されている。なんか、このカウンターの女性の方が「偽」なんじゃないか、と思ったので、悪いけど変わってくれ、と言う。
いや、まず、ESTAに登録されていないような一大事の要因を私が勝手に「偽サイト」にアクセスすると短絡的に判断するような人は、私のチェックインの手続きでもどんなミスをやらかすか分かったもんじゃないからだ。そこで、違う人が対応してくれたが、この人もなんかいろいろと首を傾げたりしていて、あまり信頼できなかった。結局、当たり前だがESTAはしっかりと登録されていて、何が彼女に「ESTAが登録されていない」と思わせたのかは分からなかったが、どちらにしろ、ちょっと前までだったら全日空のカウンターではまず経験しなかったようなことを経験した。まるで、インドネシアかマレーシアのチェックイン・カウンターのようである。
私も若者相手の仕事をしているので、最近の若者の劣化は目に余るものがあるな、と思っているが、まさか全日空にまで及んでいるとは想像の外であった。全日空なんて優秀じゃないと雇用されないだろう。その選りすぐりの社員でも、こんなに駄目かと思うと、本当に日本の将来が心配である。
いや、まず、ESTAに登録されていないような一大事の要因を私が勝手に「偽サイト」にアクセスすると短絡的に判断するような人は、私のチェックインの手続きでもどんなミスをやらかすか分かったもんじゃないからだ。そこで、違う人が対応してくれたが、この人もなんかいろいろと首を傾げたりしていて、あまり信頼できなかった。結局、当たり前だがESTAはしっかりと登録されていて、何が彼女に「ESTAが登録されていない」と思わせたのかは分からなかったが、どちらにしろ、ちょっと前までだったら全日空のカウンターではまず経験しなかったようなことを経験した。まるで、インドネシアかマレーシアのチェックイン・カウンターのようである。
私も若者相手の仕事をしているので、最近の若者の劣化は目に余るものがあるな、と思っているが、まさか全日空にまで及んでいるとは想像の外であった。全日空なんて優秀じゃないと雇用されないだろう。その選りすぐりの社員でも、こんなに駄目かと思うと、本当に日本の将来が心配である。
2023-02-26 07:02
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日本海の蟹三昧を生まれて初めて体験したが、それほど有り難くなかった [B級グルメ雑感]
関西にいると、もう冬は日本海の蟹を食べなくてはいけないような、妙なプレッシャーを感じる。JR西日本は蟹列車まで運行されている。結構、蟹三昧コースはいい値段がする。通常1万円ぐらいの宿の値段が3万円と3倍ぐらいに跳ね上がる。これは、しかし、それだけの価値があるのではないか。これだけ関西の人々が蟹を食べに日本海まで行くというのは、それだけ有り難いからであろう。少なくとも、経験してもいないのに、それをどうこう判断することはできない。
ということで、日本海に行く予定ができたので蟹宿に泊まり、蟹三昧を体験することにした。泊まったのは新温泉町の湯村温泉の旅館である。さて、その蟹三昧コースであるが、このような御時世であるのでロシアの蟹は食べたくないので、松葉ガニコースにした。これで倍以上の値段差が生じるのだが、私のお金が砲弾になってウクライナの人を傷つけるようなことはしたくないので、これはしょうがない。さて、出てきたのは通常の茹でガニと蟹焼き、蟹のしゃぶしゃぶ、さらに蟹も含んだ刺身、そして蟹も含まれた天ぷらなどである。いやはや、凄まじい量であり、これを完食できるのはフード・ファイターぐらいじゃないか、と思うような量だ。食い倒れの食文化なのだろうか。私は相当の大食漢かと思うが、それでも3分の1は残した。そもそもこの量の3分の1ぐらいで、余裕で十分かと思う。
味はそんなに感動するほどはよくなかった。特別な蟹の味覚を体験できるか、と期待したが、これまで食べてきたような蟹と同じものであった。蟹は嫌いではないが、そんな特別に美味しいとも思わないので、まあ一度、経験したらもう十分というようなものであった。こんなことに何故、人々は熱中できるのか。若干、理解に苦しまなくもない。

ということで、日本海に行く予定ができたので蟹宿に泊まり、蟹三昧を体験することにした。泊まったのは新温泉町の湯村温泉の旅館である。さて、その蟹三昧コースであるが、このような御時世であるのでロシアの蟹は食べたくないので、松葉ガニコースにした。これで倍以上の値段差が生じるのだが、私のお金が砲弾になってウクライナの人を傷つけるようなことはしたくないので、これはしょうがない。さて、出てきたのは通常の茹でガニと蟹焼き、蟹のしゃぶしゃぶ、さらに蟹も含んだ刺身、そして蟹も含まれた天ぷらなどである。いやはや、凄まじい量であり、これを完食できるのはフード・ファイターぐらいじゃないか、と思うような量だ。食い倒れの食文化なのだろうか。私は相当の大食漢かと思うが、それでも3分の1は残した。そもそもこの量の3分の1ぐらいで、余裕で十分かと思う。
味はそんなに感動するほどはよくなかった。特別な蟹の味覚を体験できるか、と期待したが、これまで食べてきたような蟹と同じものであった。蟹は嫌いではないが、そんな特別に美味しいとも思わないので、まあ一度、経験したらもう十分というようなものであった。こんなことに何故、人々は熱中できるのか。若干、理解に苦しまなくもない。

2023-02-12 00:00
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ケビン・デュラントのトレードについて考える [スポーツ]
ミドル・レンジ・シューターとしては現時点のNBAで最高峰のケビン・デュラントが衝撃のトレードでブルックリン・ネッツからフィニックス・サンズへ移籍した。一年前は、ケビン・デュラント、ジェームス・ハーデン、カイリー・アービングと超スーパースターを揃え、史上最強の誉れも高かったネッツだが、一年後は「そして誰もいなくなった」状態になってしまった。ケビン・デュラントはまだ3年間、契約が残っているのでトレードに出す必要もないのに、ネッツはデュラントの主張に屈服してしまった。そして、そのトレードはミケル・ブリッジ等と複数のドラフト権というネッツには極めて不利なものであった。せめてデアンドレ・アイトンを含むことはできなかったのか。
さて、ケビン・デュラントは素晴らしい選手ではあるが、なかなか人間的には難しいところがある。オクラホマ・サンダースではラッセル・ウェストブルック、ジェームス・ハーデンという素晴らしい選手に恵まれていたが、優勝できなかった。そして、ウェスタン・コンフェレンスのファイナルで3勝1敗から大逆転を喰らって負けたゴールデンステート・ウォリアーズに移籍し、余裕で2連勝する。しかし、これらの優勝でケビン・デュラントはMVPを受賞したりしたにもかかわらず、チームの中核的存在はステフェン・カレーであり、彼が主人公のチームのままであった。当たり前だろう。ステフェン・カレーだけでなく、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンといったウォリアーズの核メンバーは皆、生え抜きなのである。ケビン・デュラントは素晴らしい選手であるが、助っ人的な位置づけである。そりゃ、ファンからすれば有り難いけど、生え抜きの選手ほどは応援できない。
ケビン・デュラントは自分がいつまでも外様的な位置づけに不満を持ち、生え抜きのスター選手がいないブルックリン・ネッツにカイリー・アービングの誘いに乗って移籍する。これは、ウォリアーズのファンは、ウォリアーズ・ファンの私からすれば、ケビン・デュラントとの優勝はあまり面白くなかったので、ケビン・デュラントがいなくなったことを、むしろ歓迎したくらいである。彼がいると逆に強すぎて応援しがいがなくなるからだ。さて、生え抜きのスターのいないネッツには、ジェームス・ハーデンも加わり、史上最強のチームとの誉れも高かったのだが、この3人が一緒に試合に出た数は極めて少なく、プレイオフでも1シリーズしか勝てないという悲惨な結果となった。ハーデンはアービングがワクチン接種を拒み、試合に出ないことに嫌気が差し、フィラデルフィアに移籍する。そして、このワクチン接種だけでなく、人種差別のリツイートなどで多くの批判を浴びたことや、長期契約を結べなかったことで、ネッツにいたくなくなり、ダラスへと移籍する。ネッツとしてはここまではある程度、そのようなシナリオは描いていたであろう。しかし、その後、チームの柱として期待したケビン・デュラントもトレードに出すような状況に追い込まれてしまった。いや、別に長期契約を結んでいたのだから出さなくてもよかったとは思うのだが。
さて、そのケビン・デュラントが移籍したのは、フィニックスである。フィニックスにはネッツと違い、生え抜きの若きスーパースターがいる。デビン・ブッカーである。また、他にもアンドレ・アイトンといった生え抜きのスター選手がいる。さて、しかし、フィニックスのリーダーはクリス・ポールであろう。38歳のベテラン・ポイントガードは生え抜き選手ではないが、その強いリーダーシップとカリスマ性でフィニックス・サンズのファンの心を掴んでいる。ケビン・デュラントはゴールデンステート・ウォリアーズにいた時は、カリーや下手をしたらトンプソンのようにファン、そして街から感謝されていないことが不満であったにも関わらず、ほとんど同じような条件のフィニックス・サンズにまた移籍することにしたのである。確かに、デュラントが移籍する前年に優勝していたゴールデンステート・ウォリアーズと、まだ優勝したことがないフィニックス・サンズとは大きな違いがある。しかし、サンズも2021年には決勝にまでは進出している。当時と主力はほぼ同じメンツで、ミケル・ブリッジがケビン・デュラントに変わっただけであれば、優勝が期待されるのが当然であるし、そこで優勝したとしても、ケビン・デュラントは傑出した助っ人以上には感謝されることはないだろう。
なぜ、ケビン・デュラントは感謝されないのか。それは、彼がチームの核となって、そのチームを背負ってチームを牽引しようとしないからである。だから、ちょっと面白くなくなるとすぐそのチームを放棄して、他に逃げようとする。彼がオクラホマ・サンダースを優勝に導いたら、人々の評価は変わったであろうが、その機会も放棄した。それであるにも関わらず、チームやファンが感謝しないと、それも面白くない。ブルックリン・ネッツでも、そこでもう少し、少なくとも契約しているあと3年間は頑張ればいいのである。いや、頑張りたくなければそんな長期契約を結ばなければいいのに、それを結んで、トレードに出せと要求するのは、あまりにも身勝手ではないのか。このコミットメントのなさが、ケビン・デュラントのカリスマ性の低さに繋がっているのではないだろうか。この20年間では最高のバスケ選手であるレブロン・ジェームズもチームを4回変わっているが、カリスマ性を持っているのは、彼が常にチームを背負うという強い意志を持っているからである。そして、マイアミで優勝した後は、一度は後にしたクリーブランドに戻り、優勝をもたらした。そこで、彼が優勝トロフィーを掲げ「クリーブランド、この優勝は君たちのものだ(Cleveland, this is for you)」と言った時、ほとんどのクリーブランド市民はレブロンに感謝したと思うのである。ケビン・デュラントもゴールデンステート・ウォリアーズで優勝した後、オクラホマに戻り、優勝を目指せば、人々の見る目もまったく異なったであろう。
さて、ゴールデンステート・ウォリアーズのファンとしてはケビン・デュラントが移籍した時はちょっと面白くなかったが、フィニックス・サンズに移籍したことは結構、ワクワクしている。この下馬評でも優勝候補の最筆頭であるサンズをプレイオフでウォリアーズが駆逐したら、それは本当に溜飲が下がる気持ちになれるからだ。などと書きつつ、最近、本当、勝てないんだよねえ。ワイズマンのトレードも残念だったし、いろいろと複雑な気分である。
さて、ケビン・デュラントは素晴らしい選手ではあるが、なかなか人間的には難しいところがある。オクラホマ・サンダースではラッセル・ウェストブルック、ジェームス・ハーデンという素晴らしい選手に恵まれていたが、優勝できなかった。そして、ウェスタン・コンフェレンスのファイナルで3勝1敗から大逆転を喰らって負けたゴールデンステート・ウォリアーズに移籍し、余裕で2連勝する。しかし、これらの優勝でケビン・デュラントはMVPを受賞したりしたにもかかわらず、チームの中核的存在はステフェン・カレーであり、彼が主人公のチームのままであった。当たり前だろう。ステフェン・カレーだけでなく、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンといったウォリアーズの核メンバーは皆、生え抜きなのである。ケビン・デュラントは素晴らしい選手であるが、助っ人的な位置づけである。そりゃ、ファンからすれば有り難いけど、生え抜きの選手ほどは応援できない。
ケビン・デュラントは自分がいつまでも外様的な位置づけに不満を持ち、生え抜きのスター選手がいないブルックリン・ネッツにカイリー・アービングの誘いに乗って移籍する。これは、ウォリアーズのファンは、ウォリアーズ・ファンの私からすれば、ケビン・デュラントとの優勝はあまり面白くなかったので、ケビン・デュラントがいなくなったことを、むしろ歓迎したくらいである。彼がいると逆に強すぎて応援しがいがなくなるからだ。さて、生え抜きのスターのいないネッツには、ジェームス・ハーデンも加わり、史上最強のチームとの誉れも高かったのだが、この3人が一緒に試合に出た数は極めて少なく、プレイオフでも1シリーズしか勝てないという悲惨な結果となった。ハーデンはアービングがワクチン接種を拒み、試合に出ないことに嫌気が差し、フィラデルフィアに移籍する。そして、このワクチン接種だけでなく、人種差別のリツイートなどで多くの批判を浴びたことや、長期契約を結べなかったことで、ネッツにいたくなくなり、ダラスへと移籍する。ネッツとしてはここまではある程度、そのようなシナリオは描いていたであろう。しかし、その後、チームの柱として期待したケビン・デュラントもトレードに出すような状況に追い込まれてしまった。いや、別に長期契約を結んでいたのだから出さなくてもよかったとは思うのだが。
さて、そのケビン・デュラントが移籍したのは、フィニックスである。フィニックスにはネッツと違い、生え抜きの若きスーパースターがいる。デビン・ブッカーである。また、他にもアンドレ・アイトンといった生え抜きのスター選手がいる。さて、しかし、フィニックスのリーダーはクリス・ポールであろう。38歳のベテラン・ポイントガードは生え抜き選手ではないが、その強いリーダーシップとカリスマ性でフィニックス・サンズのファンの心を掴んでいる。ケビン・デュラントはゴールデンステート・ウォリアーズにいた時は、カリーや下手をしたらトンプソンのようにファン、そして街から感謝されていないことが不満であったにも関わらず、ほとんど同じような条件のフィニックス・サンズにまた移籍することにしたのである。確かに、デュラントが移籍する前年に優勝していたゴールデンステート・ウォリアーズと、まだ優勝したことがないフィニックス・サンズとは大きな違いがある。しかし、サンズも2021年には決勝にまでは進出している。当時と主力はほぼ同じメンツで、ミケル・ブリッジがケビン・デュラントに変わっただけであれば、優勝が期待されるのが当然であるし、そこで優勝したとしても、ケビン・デュラントは傑出した助っ人以上には感謝されることはないだろう。
なぜ、ケビン・デュラントは感謝されないのか。それは、彼がチームの核となって、そのチームを背負ってチームを牽引しようとしないからである。だから、ちょっと面白くなくなるとすぐそのチームを放棄して、他に逃げようとする。彼がオクラホマ・サンダースを優勝に導いたら、人々の評価は変わったであろうが、その機会も放棄した。それであるにも関わらず、チームやファンが感謝しないと、それも面白くない。ブルックリン・ネッツでも、そこでもう少し、少なくとも契約しているあと3年間は頑張ればいいのである。いや、頑張りたくなければそんな長期契約を結ばなければいいのに、それを結んで、トレードに出せと要求するのは、あまりにも身勝手ではないのか。このコミットメントのなさが、ケビン・デュラントのカリスマ性の低さに繋がっているのではないだろうか。この20年間では最高のバスケ選手であるレブロン・ジェームズもチームを4回変わっているが、カリスマ性を持っているのは、彼が常にチームを背負うという強い意志を持っているからである。そして、マイアミで優勝した後は、一度は後にしたクリーブランドに戻り、優勝をもたらした。そこで、彼が優勝トロフィーを掲げ「クリーブランド、この優勝は君たちのものだ(Cleveland, this is for you)」と言った時、ほとんどのクリーブランド市民はレブロンに感謝したと思うのである。ケビン・デュラントもゴールデンステート・ウォリアーズで優勝した後、オクラホマに戻り、優勝を目指せば、人々の見る目もまったく異なったであろう。
さて、ゴールデンステート・ウォリアーズのファンとしてはケビン・デュラントが移籍した時はちょっと面白くなかったが、フィニックス・サンズに移籍したことは結構、ワクワクしている。この下馬評でも優勝候補の最筆頭であるサンズをプレイオフでウォリアーズが駆逐したら、それは本当に溜飲が下がる気持ちになれるからだ。などと書きつつ、最近、本当、勝てないんだよねえ。ワイズマンのトレードも残念だったし、いろいろと複雑な気分である。
2023-02-11 05:59
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ユーチューブでのコマーシャルで転職ものがやたら目に付くのが気になる [その他]
私はユーチューブをよく視聴するのだが、そこで気づいたのはユーチューブでのコマーシャルで転職ものがやたら多いということである。私の視聴傾向を分析して、流しているのかもしれないが、私は転職する意図は現時点ではゼロなので、結構、このようなコマーシャルが他でも流されているのではと推察する。DudaとかGeeklyとかレベテックとかである。
Dudaのコマーシャルは、自分の現状の仕事が不満であるという若者にフォーカスをし、転職で違う世界が広がることを暗示させる。まあ、比較的、正攻法的なコマーシャルである。気になるのは、転職はしたいのだろうけど、自分のリソースが何であるかを自覚してないので履歴書が書けないのを支援したり、自分が何に転職をしたいのかさえ分からず、それを教えてもらうようなコンサルタント・サービスを提供したりするような内容のものも放映されていることである。Geeklyのコマーシャルだ。しかし、それなどまだ、ましだ。レバテックのコマーシャルでは、コマーシャルに出演している賀来賢人が何をしたいのか「決められません!」と断言している。
まず、履歴書に自分の特技が書けないということは、自分自身の商品価値も分からないことなので転職をしようなどと考える前に、今の仕事をしっかりとするべきであろう。自分自身の商品価値も自覚できない社員は雇用側も早く辞めてもらいたいだろうが、自分が分からなければ転職できない。というか、そもそも今の仕事があるだけで感謝するべきであろう。転職を考えるなど十年早いわ、と思う。
もう一つの、どこの転職先がいいかも「決められません!」というような人も、そんな決められなければ今の仕事をやっていればいいのだ。というか、転職コンサルタントもこんな腑抜け達を企業に紹介しているのがばれたら仕事を失うことが分からないのだろうか。
さて、しかし、どうしてここまで駄目駄目な社員が輩出しているのか。それは社会人になるまでに、大学時代を含めて学生が甘やかされ過ぎていることが一つの要因ではないだろうか。大学生はあたかも就職をしたら、人生もう安泰のような気持ちで就職活動をしている。就活に差し障りがありそうだとゼミも辞めるし、就職説明会があると定期試験までもパスする。いやはや本末転倒だ。本当は大学時代までに自分が何をやりたいのか、何をやれるのかを突き詰めるべきなのだ。そもそも勉強するというのは自分を知る、自分を変える、自分を高めるためにすることだ。そのために4年間、社会が提供し、また家族が支えているのだ。小手先の就職試験をクリアするためにだけあくせくしているから、就職した後、途方に暮れて、上記のような転職コンサルタントの餌食になるのだ。そもそも転職すれば解決するような問題ではないのに、浅薄だから、そのように思ってしまう。あたかももてないのは人間性の問題なのに、はげだからもてないと思わせるカツラ会社のコマーシャルの餌食になると同じようなものだ。
Dudaのコマーシャルは、自分の現状の仕事が不満であるという若者にフォーカスをし、転職で違う世界が広がることを暗示させる。まあ、比較的、正攻法的なコマーシャルである。気になるのは、転職はしたいのだろうけど、自分のリソースが何であるかを自覚してないので履歴書が書けないのを支援したり、自分が何に転職をしたいのかさえ分からず、それを教えてもらうようなコンサルタント・サービスを提供したりするような内容のものも放映されていることである。Geeklyのコマーシャルだ。しかし、それなどまだ、ましだ。レバテックのコマーシャルでは、コマーシャルに出演している賀来賢人が何をしたいのか「決められません!」と断言している。
まず、履歴書に自分の特技が書けないということは、自分自身の商品価値も分からないことなので転職をしようなどと考える前に、今の仕事をしっかりとするべきであろう。自分自身の商品価値も自覚できない社員は雇用側も早く辞めてもらいたいだろうが、自分が分からなければ転職できない。というか、そもそも今の仕事があるだけで感謝するべきであろう。転職を考えるなど十年早いわ、と思う。
もう一つの、どこの転職先がいいかも「決められません!」というような人も、そんな決められなければ今の仕事をやっていればいいのだ。というか、転職コンサルタントもこんな腑抜け達を企業に紹介しているのがばれたら仕事を失うことが分からないのだろうか。
さて、しかし、どうしてここまで駄目駄目な社員が輩出しているのか。それは社会人になるまでに、大学時代を含めて学生が甘やかされ過ぎていることが一つの要因ではないだろうか。大学生はあたかも就職をしたら、人生もう安泰のような気持ちで就職活動をしている。就活に差し障りがありそうだとゼミも辞めるし、就職説明会があると定期試験までもパスする。いやはや本末転倒だ。本当は大学時代までに自分が何をやりたいのか、何をやれるのかを突き詰めるべきなのだ。そもそも勉強するというのは自分を知る、自分を変える、自分を高めるためにすることだ。そのために4年間、社会が提供し、また家族が支えているのだ。小手先の就職試験をクリアするためにだけあくせくしているから、就職した後、途方に暮れて、上記のような転職コンサルタントの餌食になるのだ。そもそも転職すれば解決するような問題ではないのに、浅薄だから、そのように思ってしまう。あたかももてないのは人間性の問題なのに、はげだからもてないと思わせるカツラ会社のコマーシャルの餌食になると同じようなものだ。
2023-02-10 00:06
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ジェフ・ベックについて、あれこれ考える [ロック音楽]
先日、ジェフ・ベックのことを持ち上げない記事を書いたが、自分の主張に自信がある訳ではない。ただ、自分がどうして、この世間と同調してジェフ・ベックこそ史上最高のロック・ギタリストと思えないのかは気になっている。自分がギターのセンスがないアホなのか、という疑いも常につきまとっている。
さて、ベックはいろいろと多くのミュージシャンと共演をしている。そこでは、私の好きなギタリストとも共演している。例えば、ビリー・ギボンズと彼の傑作「ラフ・ボーイ」をも共演しており、その動画もアップされている。
https://www.youtube.com/watch?v=SAcswymtQss
この動画をみると、私がなぜ、あまりベックを評価が出来ないかが比較的、よく分かる。ビリー・ギボンズは傑出したギタリストであると思っているが、その中でもこの「ラフ・ボーイ」のギターソロはその素晴らしさに比してあまり評価されていないと思う。ビリー・ギボンズはもちろん、アドリブではないので、奏でるメロディーは素晴らしい。ベックはアドリブなので、その点はなかなか難しいものがあるとは思うが、それでも彼のソロは、この曲の素晴らしさをあまり表現できていないと思えるのである。特にトリルを長く繰り返すところなどは、ちょっと苦し紛れのように私には聞こえてしまうのである。ここらへんは、ラリー・カールトンやスティーブ・ルカサーのようなメロディ・センスがベックにはあまりないからじゃないか、と疑わせるし、ビリー・ギボンズやサンタナのような情緒性も感じられないプレイをしていると思う。とはいえ、まあ圧倒的な存在感はあるのだが。
情緒性が感じられないなどと書いたが、El Becko, Where were you などの演奏の情緒性は凄まじいものがあるので、曲によっては感じられない、という表現がより適切であろう。まだ、いろいろと思考はしているし、「何を言ってるんだあ、たわけが」と怒られそうなことを書いているが、上記の「ラフ・ボーイ」の演奏に関しては、ちょっと私が言うことも100%無視するのは難しいことは理解してもらえるのではないだろうか。
さて、ベックはいろいろと多くのミュージシャンと共演をしている。そこでは、私の好きなギタリストとも共演している。例えば、ビリー・ギボンズと彼の傑作「ラフ・ボーイ」をも共演しており、その動画もアップされている。
https://www.youtube.com/watch?v=SAcswymtQss
この動画をみると、私がなぜ、あまりベックを評価が出来ないかが比較的、よく分かる。ビリー・ギボンズは傑出したギタリストであると思っているが、その中でもこの「ラフ・ボーイ」のギターソロはその素晴らしさに比してあまり評価されていないと思う。ビリー・ギボンズはもちろん、アドリブではないので、奏でるメロディーは素晴らしい。ベックはアドリブなので、その点はなかなか難しいものがあるとは思うが、それでも彼のソロは、この曲の素晴らしさをあまり表現できていないと思えるのである。特にトリルを長く繰り返すところなどは、ちょっと苦し紛れのように私には聞こえてしまうのである。ここらへんは、ラリー・カールトンやスティーブ・ルカサーのようなメロディ・センスがベックにはあまりないからじゃないか、と疑わせるし、ビリー・ギボンズやサンタナのような情緒性も感じられないプレイをしていると思う。とはいえ、まあ圧倒的な存在感はあるのだが。
情緒性が感じられないなどと書いたが、El Becko, Where were you などの演奏の情緒性は凄まじいものがあるので、曲によっては感じられない、という表現がより適切であろう。まだ、いろいろと思考はしているし、「何を言ってるんだあ、たわけが」と怒られそうなことを書いているが、上記の「ラフ・ボーイ」の演奏に関しては、ちょっと私が言うことも100%無視するのは難しいことは理解してもらえるのではないだろうか。
タグ:ジェフ・ベック
2023-01-18 00:55
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ジェフ・ベックの訃報に接し、いろいろと考えた [ロック音楽]
ジェフ・ベックが逝去された。最近まで元気でライブもしているような状況だったので、多くの人がショックを受けているようだ。そして、当然のことだが多くのギタリストが哀悼の意を表していて、史上最高のロック・ギタリストが亡くなったといった報道も多い。
さて、私も相当、下手くそでもあるがギターを弾く身ではあるのだが、このジェフ・ベックが「史上最高のロック・ギタリスト」というのにちょっとした違和感を覚えるのである。いや、違和感を覚えるという時点で、もうギタリストとして駄目なのではないか、と思う自分もあって、いろいろと彼に哀悼を評しているユーチューブなどを観たりして、ジェフ・ベックの偉大さを理解しようとしているのだが、それでもそんなにはピント来ない。日本人の知り合いとかも、「ジェフ・ベックはこの世を去っても、いつまでも私の血と肉となって生きている」とSNSに書いていたりすると、本当にそんなに好きなのか?とちょっと疑ってしまう自分もいる。いや、ジェフ・ベックは凄い!と言っていれば、まあポリティカリー・コレクトだし、自分もヤン・ハマーとの三部作を始め、結構、CDを持っているのだが、素直に「ジェフ・ベックはロック・ギタリスト史上最高だ!」とは言えない自分がいる。
個人的に好きなギタリストは?と聴かれたら、ジョー・ウォルシュ、ビリー・ギボンズ、エリック・クラプトン、デイベッド・ギルモアと答えるし、サンタナの方がギタリストとしてはベックより好きである。ニーノ・ベッテンコートやエディ・バンヘイレン、ジョー・パス、ラリー・カールトン、アラン・ホールズワースの方が素直に馬鹿テクなような気もするし、これらのギタリストの方により惹かれる。
どうしてそんなに好きでないかというと、ベックの演奏はあまりにもユニークでギターっぽくないからかとも思う。いや、ギターっぽくないという言い方は間違っている。オーソドックスなギターっぽくないというべきであろう。流石に、彼のボリューム奏法とかアーム奏法の凄さは私でもよく分かる。とてもエモーショナルな音を出すことができて、それは大きな感銘を覚える。Cause We’ve Ended as Loversの演奏は鳥肌が立つ。ただ、一方であのファズを通したような変わった音は、ギターが出せる最高の音ではないと思ったりもする。どちらかというと、そのユニークさゆえに、正統派ではないような気もするのである。
あと楽曲の能力は前述したギタリストに比べても大きく劣る。ブロー・バイ・ブローやワイヤード、ゼア・アンド・バックの名曲群はほとんど他人の作品である。その職人気質のところが彼の素晴らしいところかもしれないが、真の音楽家としてはどうなのよ、と思わなくもない。ロック史上最高のギタリストは、これも非常にユニークではあるが、ジミ・ヘンドリックスだろうと強く思うのである。
などと殺されそうなことを書いたが、これは、やはり私がギタリストとしての才能というか感性に欠けていることの証拠かもしれないな、とも思っている。だから、いろいろと他のギタリストの意見をユーチューブで観ているのだが。ただ、それらから分かったことは、「ベックの音というものを持っている。どんなギター、リグでも自分だけの音を出すことができる希有なギタリスト」(ブライアン・メイ)というのと、「ずっと進化しているギタリスト」(ジミー・ペイジ)ということである。ロック殿堂入りした演奏で、ベックとペイジが共演するのだが、確かにベックとペイジのギターの演奏力の差は顕著であった。確かにベックの名声はどちらかというとエスケープ以降、ベテランになってからかなと思う。この亡くなるまでずっと進化をしていた、というのは彼の真の凄みなのではないだろうか。私も、ちょっと持っているベックのCDを聴いて、もう少し精進してみよう。
さて、私も相当、下手くそでもあるがギターを弾く身ではあるのだが、このジェフ・ベックが「史上最高のロック・ギタリスト」というのにちょっとした違和感を覚えるのである。いや、違和感を覚えるという時点で、もうギタリストとして駄目なのではないか、と思う自分もあって、いろいろと彼に哀悼を評しているユーチューブなどを観たりして、ジェフ・ベックの偉大さを理解しようとしているのだが、それでもそんなにはピント来ない。日本人の知り合いとかも、「ジェフ・ベックはこの世を去っても、いつまでも私の血と肉となって生きている」とSNSに書いていたりすると、本当にそんなに好きなのか?とちょっと疑ってしまう自分もいる。いや、ジェフ・ベックは凄い!と言っていれば、まあポリティカリー・コレクトだし、自分もヤン・ハマーとの三部作を始め、結構、CDを持っているのだが、素直に「ジェフ・ベックはロック・ギタリスト史上最高だ!」とは言えない自分がいる。
個人的に好きなギタリストは?と聴かれたら、ジョー・ウォルシュ、ビリー・ギボンズ、エリック・クラプトン、デイベッド・ギルモアと答えるし、サンタナの方がギタリストとしてはベックより好きである。ニーノ・ベッテンコートやエディ・バンヘイレン、ジョー・パス、ラリー・カールトン、アラン・ホールズワースの方が素直に馬鹿テクなような気もするし、これらのギタリストの方により惹かれる。
どうしてそんなに好きでないかというと、ベックの演奏はあまりにもユニークでギターっぽくないからかとも思う。いや、ギターっぽくないという言い方は間違っている。オーソドックスなギターっぽくないというべきであろう。流石に、彼のボリューム奏法とかアーム奏法の凄さは私でもよく分かる。とてもエモーショナルな音を出すことができて、それは大きな感銘を覚える。Cause We’ve Ended as Loversの演奏は鳥肌が立つ。ただ、一方であのファズを通したような変わった音は、ギターが出せる最高の音ではないと思ったりもする。どちらかというと、そのユニークさゆえに、正統派ではないような気もするのである。
あと楽曲の能力は前述したギタリストに比べても大きく劣る。ブロー・バイ・ブローやワイヤード、ゼア・アンド・バックの名曲群はほとんど他人の作品である。その職人気質のところが彼の素晴らしいところかもしれないが、真の音楽家としてはどうなのよ、と思わなくもない。ロック史上最高のギタリストは、これも非常にユニークではあるが、ジミ・ヘンドリックスだろうと強く思うのである。
などと殺されそうなことを書いたが、これは、やはり私がギタリストとしての才能というか感性に欠けていることの証拠かもしれないな、とも思っている。だから、いろいろと他のギタリストの意見をユーチューブで観ているのだが。ただ、それらから分かったことは、「ベックの音というものを持っている。どんなギター、リグでも自分だけの音を出すことができる希有なギタリスト」(ブライアン・メイ)というのと、「ずっと進化しているギタリスト」(ジミー・ペイジ)ということである。ロック殿堂入りした演奏で、ベックとペイジが共演するのだが、確かにベックとペイジのギターの演奏力の差は顕著であった。確かにベックの名声はどちらかというとエスケープ以降、ベテランになってからかなと思う。この亡くなるまでずっと進化をしていた、というのは彼の真の凄みなのではないだろうか。私も、ちょっと持っているベックのCDを聴いて、もう少し精進してみよう。
タグ:ジェフ・ベック
2023-01-15 00:00
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人々に感謝してお金を払ってもらう仕事はいい仕事じゃないか、という考察 [教育論]
私が働く大学のそばに半端なく美味しいうどん屋さんがあります。土日のお昼は長蛇の列ができる人気店です。先日、それほどお客さんがいない平日の夜に伺い、そこのご主人と仕事のお話をしました。先日、このブログにも書かせてもらった学生の仕事観(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-01-11)についていろいろと考えるところがあったので、このような人気のうどん店を営むご主人の考えも聞きたいと思ったからです。
「ご主人は、やっぱりうどん屋が天職だと思われます」(私)
「天職だと思いますねえ。うどん、大好きですし」(ご主人)
「ある意味、趣味的なものを仕事にされていると捉えてもいいですかね」(私)
「そうですね。他にそんなに趣味がないんで、うどんが一番の趣味ですかね」(ご主人)
「ここのうどんを食べてお金を払うとき、ほとんどのお客さんは、有り難うという気持ちを込めてお金を払うと思うんですよね。これって仕事としては理想的かと思うのですが」(私)
「そう言ってもらえると素直に嬉しいですね」(ご主人)
この会話で改めて思ったのですが、人はお金を払う時、いやいや仕方ないから払う時と、喜んで払う時があります。前者は駐車違反の罰金とか、電気代とか(使っているけど)、家賃とか(住んでいるけど)ではないでしょうか。喜んでお金を払うことって、あんまりないですよね。通常、物を買う時はよほど欲しいものが手に入る時以外は、仕方ないなと思って払っていると思うのです。
しかし、お金には自分の気持ちを入れ込むことができます。お年玉とかはそうでしょう。感謝の気持ちを示したい時に、お金を渡すというのは、嫌らしいようにも思われがちですが、結構便利なものかと思います。私はギターの先生に渡すお金は、感謝の気持ちが込められていると思います。そして、ここのうどんの代金は、本当、こういう美味しいうどんをつくってくれる技量と情熱を持っていただいて有り難う、という気持ちが込められています。
さて、このように人々に感謝されるような仕事はとてもいい仕事じゃないか、と思います。そして、その仕事が自分の情熱を持てるもの、だとさらにいいです。そして、仕事が、そのような情熱を持てるもののスキルを向上させるものであるとさらにいいでしょう。仕事の経験が、仕事のプロフェッショナル性を高めるようなことです。本来はそういう情熱を持てるものに学生時代は力を入れるべきだと思います。つまらない仕事をしないために。よく、「つぶしが利くから」といって進学する学部を決める学生がいますが、そういう奴に限って60歳ぐらいになると「つぶしが効かなく」なっているように見えます。「つぶし」より情熱の方がずっと大事ですから。
うどん屋のご主人、とても魅力的ですが、それは情熱を持って仕事に打ち込めているからだと思います。件の学生は、ちょっとした情熱を持っているところが勿体ないと思います。なぜなら、生活をするために仕事に追われると、その趣味(この学生の場合はギター)を楽しむ時間もどんどんと削られ、そのうちその情熱もなくなってしまうから。私も趣味を復活できたのはサラリーマンを辞めて、大学教員になってからですから。
「ご主人は、やっぱりうどん屋が天職だと思われます」(私)
「天職だと思いますねえ。うどん、大好きですし」(ご主人)
「ある意味、趣味的なものを仕事にされていると捉えてもいいですかね」(私)
「そうですね。他にそんなに趣味がないんで、うどんが一番の趣味ですかね」(ご主人)
「ここのうどんを食べてお金を払うとき、ほとんどのお客さんは、有り難うという気持ちを込めてお金を払うと思うんですよね。これって仕事としては理想的かと思うのですが」(私)
「そう言ってもらえると素直に嬉しいですね」(ご主人)
この会話で改めて思ったのですが、人はお金を払う時、いやいや仕方ないから払う時と、喜んで払う時があります。前者は駐車違反の罰金とか、電気代とか(使っているけど)、家賃とか(住んでいるけど)ではないでしょうか。喜んでお金を払うことって、あんまりないですよね。通常、物を買う時はよほど欲しいものが手に入る時以外は、仕方ないなと思って払っていると思うのです。
しかし、お金には自分の気持ちを入れ込むことができます。お年玉とかはそうでしょう。感謝の気持ちを示したい時に、お金を渡すというのは、嫌らしいようにも思われがちですが、結構便利なものかと思います。私はギターの先生に渡すお金は、感謝の気持ちが込められていると思います。そして、ここのうどんの代金は、本当、こういう美味しいうどんをつくってくれる技量と情熱を持っていただいて有り難う、という気持ちが込められています。
さて、このように人々に感謝されるような仕事はとてもいい仕事じゃないか、と思います。そして、その仕事が自分の情熱を持てるもの、だとさらにいいです。そして、仕事が、そのような情熱を持てるもののスキルを向上させるものであるとさらにいいでしょう。仕事の経験が、仕事のプロフェッショナル性を高めるようなことです。本来はそういう情熱を持てるものに学生時代は力を入れるべきだと思います。つまらない仕事をしないために。よく、「つぶしが利くから」といって進学する学部を決める学生がいますが、そういう奴に限って60歳ぐらいになると「つぶしが効かなく」なっているように見えます。「つぶし」より情熱の方がずっと大事ですから。
うどん屋のご主人、とても魅力的ですが、それは情熱を持って仕事に打ち込めているからだと思います。件の学生は、ちょっとした情熱を持っているところが勿体ないと思います。なぜなら、生活をするために仕事に追われると、その趣味(この学生の場合はギター)を楽しむ時間もどんどんと削られ、そのうちその情熱もなくなってしまうから。私も趣味を復活できたのはサラリーマンを辞めて、大学教員になってからですから。
2023-01-14 00:00
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保坂展人著『88万人のコミュニティデザイン』 [書評]
世田谷区長の保坂展人によるエッセイ本。基本、保坂氏のこれまで世田谷区で実施してきた政策を自慢気に披露する、いかにも政治家によるエッセイ本であるが、不思議とそれほど嫌味に感じられない。それは、保坂氏が誠実に問題に取り組んできたためではないか、と思われる。区長になったからといって、いろいろとマニフェストで掲げた政策が具体化できる訳ではない。議会によっていろいろと手足が縛られることだって多い。ただ、三選を果たして、随分とその裁量度は増えてきたし、やれることも増えてきたかと思われる。保坂氏のアイデンティティは「内申」による苛めというか暴力によって、大きく将来の可能性が狭まれたという被害経験を源としている、と思われる。それゆえに冤罪の被害者やマイノリティ、若者へと心を寄せる。このような「苛められっ子」が政治をしていることは、実は結構、いいと思うのである。安倍や麻生、二階といったいかにも「苛めっ子」が牛耳る日本政府と比べると、ずっと保坂氏の方がましな政治家なのではないか、とこの著を読んで改めて感じた。
2023-01-13 00:00
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ウォリアーズ、どうなってんだい!? [スポーツ]
NBAも40試合ぐらいを過ぎ、ちょうど折り返し地点に来ている。昨年の覇者、ゴールデンステート・ウォリアーズは20勝21敗という極めて凡庸な数字である。さて、今期のウォリアーズ、強いのか弱いのかがよく分からない。圧倒的な存在を誇るステファン・カリーが左肩の故障で戦線、離脱をした時は、これはもう万事休すか、と思っていたら、そこから1勝1敗のあと、なんと5連勝。カリー抜きでこの強さは、後期は捲土重来か、と大きく期待をさせた途端、ホームで2連敗。ようやくカリーが復活したものもホームでブッカーズもポールも不在のフィニックス・サンズに大惨敗。本当、強いと思ったら弱い、弱いと思ったら強い。こちらの予測を裏切るパフォーマンスには驚きだ。メンフィスにカリー抜きで勝手も、オーランドやデトロイトにボロ負け。ジェットコースターに乗っているかのようなシーズンである。とはいえ、これだけ不甲斐なくても順位は8位である。首位のデンバーとのゲーム差は8と開いているが、4位のサクラメント(キングスがこの時期に4位だなんて驚きだ!)とは2.5ゲーム差である。まだまで期待はできるが、逆に言えば、12位のレイカーズとも1ゲーム差で勝率.450から.500の間に5チームが犇めいている混戦である。そろそろシャキッとしないと不味いんじゃないか、と思いつつ、こうも予測ができないと試合を観ている方はハラハラさせられて、それはそれで面白かったりもする。
2023-01-12 15:39
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大学生の抱える問題は「本気を出せない」ということだ [教育論]
3年生のゼミ生と話をする。このゼミの代は屋台カフェで珈琲を販売しているのだが、売り上げが全然伸びず、ほとんど赤字である。このゼミ生はギターを弾き、ギターに関しての知識が豊富で私もいろいろと教わっている。その彼との会話:
「就職先、ギターやエフェクターと関係あるところも考えるといいと思うけど」(私)
「いやあ、趣味は仕事にしない方がいいと思っています」(学生)
「とはいえ、仕事はつまんないよ。君の珈琲の販売の様子をみても、君が営業に向いているとは全然、思えないけど」(私)
「そうですかね」(学生)
「珈琲みたいな売りやすいものでも、売れないし、売る情熱をもてないのに、君が就活しているIT企業のサービスとかを売れるのかな」(私)
「そうですかね」(学生)
「というか、サラリーマンが向いてないのは自分では分からないのかな」(私)
「いや、分からないですね」(学生)
「そうか。それじゃあ、本気を出せばできると思っているわけだね」(私)
「そうですね」(学生)
「じゃあ、屋台カフェでは本気を出してないんだ」(私)
「そうですね」(学生)
「どうして本気が出せないんだろうねえ」(私)
ここで、私はこれ以上、話は続けなかったが、ポイントは「本気を出せない」のが、このゼミ生を始めとした多くのゼミ生の課題なのだ。いつかは本気を出せる、と思っているが、そう思っているうちに、じじいになって一生を終えていく。「本気を出せない」のだけど、自分は「本気を出せばできる」と思っているから、「向いてない」と言われても全然、納得しないし、馬耳東風であるのだ。「本気を出す」ことは結構、大変だ。私もなかなか本気を出せない。ただ、「本気を出さない」ことは本当、後悔をもたらす。本気を出せば納得できるけど、本気を出さないと納得できないからだ。とはいえ、大学までに本気を出すことができなければ、その後、本気を出すことはなかなか難しいと思う。というか、本気を出せる環境を獲得することさえ難しいからだ。本気はその場で出そうと思っても出せる訳ではない。本気を出せる環境を獲得する・・・それこそが就職をするうえでのポイントだと思うのだけどなあ。珈琲売りでさえ、本気が出せないのに、サラリーマンの仕事で本気が出せるというのはなかなか想像できない。サラリーマンの仕事で本気が出せるのであれば、珈琲売りで本気を出すことなどは簡単だと思えるからだ。
「就職先、ギターやエフェクターと関係あるところも考えるといいと思うけど」(私)
「いやあ、趣味は仕事にしない方がいいと思っています」(学生)
「とはいえ、仕事はつまんないよ。君の珈琲の販売の様子をみても、君が営業に向いているとは全然、思えないけど」(私)
「そうですかね」(学生)
「珈琲みたいな売りやすいものでも、売れないし、売る情熱をもてないのに、君が就活しているIT企業のサービスとかを売れるのかな」(私)
「そうですかね」(学生)
「というか、サラリーマンが向いてないのは自分では分からないのかな」(私)
「いや、分からないですね」(学生)
「そうか。それじゃあ、本気を出せばできると思っているわけだね」(私)
「そうですね」(学生)
「じゃあ、屋台カフェでは本気を出してないんだ」(私)
「そうですね」(学生)
「どうして本気が出せないんだろうねえ」(私)
ここで、私はこれ以上、話は続けなかったが、ポイントは「本気を出せない」のが、このゼミ生を始めとした多くのゼミ生の課題なのだ。いつかは本気を出せる、と思っているが、そう思っているうちに、じじいになって一生を終えていく。「本気を出せない」のだけど、自分は「本気を出せばできる」と思っているから、「向いてない」と言われても全然、納得しないし、馬耳東風であるのだ。「本気を出す」ことは結構、大変だ。私もなかなか本気を出せない。ただ、「本気を出さない」ことは本当、後悔をもたらす。本気を出せば納得できるけど、本気を出さないと納得できないからだ。とはいえ、大学までに本気を出すことができなければ、その後、本気を出すことはなかなか難しいと思う。というか、本気を出せる環境を獲得することさえ難しいからだ。本気はその場で出そうと思っても出せる訳ではない。本気を出せる環境を獲得する・・・それこそが就職をするうえでのポイントだと思うのだけどなあ。珈琲売りでさえ、本気が出せないのに、サラリーマンの仕事で本気が出せるというのはなかなか想像できない。サラリーマンの仕事で本気が出せるのであれば、珈琲売りで本気を出すことなどは簡単だと思えるからだ。
2023-01-11 15:46
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トランプが大統領であったら今頃、キエフはロシアに占領されていた [トランプのアメリカ]
トランプが大統領であったら今頃、キエフはロシアに占領されていた。これは私の発言ではない。ボルトン元国務長官がMSNBCのニュース番組での発言である。
https://www.youtube.com/watch?v=Io6tlEQBlrs
ただ、ちょっと調べてみたらニュースウィークでも2月ぐらいに同様の発言をしていたことが分かった。(https://www.newsweek.com/donald-trump-won-russians-already-kyiv-john-bolton-ukraine-war-1676199)。簡単に要約すると下記のようになる。
「元国務長官であったジョン・ボルトンはトランプが大統領に再選されたらウクライナをロシアに手渡したであろうと述べた。ボルトンは、ニュースウィークに対して、トランプは弾劾裁判につながったキエフとの関係を陰謀論であったと主張するであろう。そして、(フォックス・ニュースの)タッカー・カールソンといったトランプ支持者は、その論を広げるだろう。もし、トランプが大統領だったら、既にロシアはキエフに占領されていただろう、とボルトンは述べる。カールソンはウクライナはアメリカ合衆国にとって戦略的に重要ではない、という右派の意見を主張しており、ロシアと対立していることを批判している。」
元トランプ側のボルトンでさえ、そう思うのだから、本当、民主主義社会は、首の皮一枚で守られたと言ってもよいであろう。そうであるにも関わらず、佐藤優のような作家が「トランプだったら今頃、プーチンを説得してウクライナから撤退している」などと主張している日本は、本当、危ない。いや、私が編集長だったら、この一文だけで、連載を中止させるけどな、何を考えているんだ『週刊現代』。
https://www.youtube.com/watch?v=Io6tlEQBlrs
ただ、ちょっと調べてみたらニュースウィークでも2月ぐらいに同様の発言をしていたことが分かった。(https://www.newsweek.com/donald-trump-won-russians-already-kyiv-john-bolton-ukraine-war-1676199)。簡単に要約すると下記のようになる。
「元国務長官であったジョン・ボルトンはトランプが大統領に再選されたらウクライナをロシアに手渡したであろうと述べた。ボルトンは、ニュースウィークに対して、トランプは弾劾裁判につながったキエフとの関係を陰謀論であったと主張するであろう。そして、(フォックス・ニュースの)タッカー・カールソンといったトランプ支持者は、その論を広げるだろう。もし、トランプが大統領だったら、既にロシアはキエフに占領されていただろう、とボルトンは述べる。カールソンはウクライナはアメリカ合衆国にとって戦略的に重要ではない、という右派の意見を主張しており、ロシアと対立していることを批判している。」
元トランプ側のボルトンでさえ、そう思うのだから、本当、民主主義社会は、首の皮一枚で守られたと言ってもよいであろう。そうであるにも関わらず、佐藤優のような作家が「トランプだったら今頃、プーチンを説得してウクライナから撤退している」などと主張している日本は、本当、危ない。いや、私が編集長だったら、この一文だけで、連載を中止させるけどな、何を考えているんだ『週刊現代』。
2023-01-10 16:52
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