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ゴールデンステート・ウォーリアーズの巻き返しはあるか [スポーツ]

今シーズンのゴールデンステート・ウォーリアーズは、まるでローラーコースターに乗っているかのように勝ったり負けたりしている。強いのか、弱いのかが全く分からない。ただ、この10試合は7勝3敗である。特に2月10日のフィニックス戦はカリーのブザービーターでの大逆転勝ちだ。負けた試合も一点差が二試合、延長線での敗戦が一試合と惜敗したもので、力負けしたわけではない。
 とは言え、ようやく勝率5割に達したような状況であるので今シーズンの展望が明るくなったわけではないない。それは、今までがあまりにもひどかったからだ。状況が好転した大きな理由の一つは、ドレイモンド・グリーンの復活である。そして、三年目のジョナサン・カミンガの台頭が挙げられる。加えて、前半、絶不調だったアンドリュー・ウィギンスがオフェンスはともかく、ディフェンスではしっかりと仕事をするようになったことが勝ちにつながっている。クレイ・トンプソンは相変わらず絶不調のままだが、彼を試合終盤に出さないことで勝てる試合を落とさなくなっている。まだまだ、油断はできないがオールスターの試合の後、巻き返しができるのではないかとちょっと期待しているところがある。

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第58回スーパーボールはまれにみる好試合であった [スポーツ]

フットボールは最近全く見なくなっている。これは、あまりにもそのスポーツが乱暴であるからだ。しかし、昔贔屓にしていたサンフランシスコ・フォーティーナイナーズが出ること、そして相手のカンザスシティ・チーフスのタイトエンドのスター選手の恋人がテイラー・スイフトであることから、全米が多いに注目していることもあり、久しぶりにスーパーボールの試合を見た。
 試合は両チームが素晴らしいディフェンスを見せ、延長戦にまでもつれ、試合終了直前、時間ギリギリにカンザスシティがタッチダウンを決めてカンザスシティが勝利した。なかなか手に汗握る好試合であった。一般的にスーパーボールの試合は接戦でない場合が多いので、今年の試合は珍しかったのではないだろうか。フットボールに関心のないテイラー・スイフトのファンがスーパーボールを見るだろうと、アメリカのマスコミは予測をしていたが、そうであれば、この試合でそれまでフットボールにあまり関心がなかった人たちをファンとして取り込むこともできたかもしれない。そう思わせるほど、フットボールのスリルと楽しさが伝えられるような試合であった。
 右翼メディアが、バイデン大統領を支持しているテイラー・スイフトの若い世代への政治的影響力を高めるために八百長でチーフスが優勝するだろうといった報道をしていたが、どんなに優れたシナリオライターでも今日の試合は書けないだろう。それぐらいドラマチックな試合であった。もし、右翼メディアのいうようにシナリオライターがいたとしたら大天才であろう。というか、わざとらしいのでそのシナリオは却下されていると思われる。
 まあ、そうは言ってもフォーティーナイナーズの選手2人が大怪我をして、そのうちの一人は担架で運ばれた。やはり、ちょっとあまりにもこのスポーツは乱暴なのではないかと改めて思わせられた。

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ウォリアーズがどん底からの3連勝 [スポーツ]

ドレイモント・グリーンが出場停止をしたことを契機にカー監督は先発メンバーを変えた。グリーンの代わりに新人のポジエムスキー、そして絶不調の一昨年オールスターに選ばれたアンドリュー・ウィギンスの代わりに3年目のジョナサン・カミンガが選ばれた。そして、今日まで4試合が行われたが緒戦のクリッパーズ戦こそ落としたが、その後はなんとボストン・セルチックスも含めて3連勝である。3戦とも接戦であり、ブルックリン戦はカリーが第四クォーターで7 ショットを全て決めて16得点するなど神懸かった活躍でどうにか勝利を収める。次のポートランド戦は新人のポジエムスキーがポートランド最後の攻撃でオフェンシブ・ファールを得るという大ファイン・プレイでどうにか勝利を呼び寄せる。そして、セルチックス戦もカリーの終盤での神懸かったシュートでどうにか延長で相手を退けることができた。どれもが楽な試合ではないが、それまでは接戦を落とし続けいていたので、勝ちに結びつけていることは素晴らしい。
 さて、数日前にグリーンの欠場を受けて、ウォリアーズ大ピンチじゃないか、という記事を書いた(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-12-19)。そしたら、あれよあれよと3連勝である。さて、しかし、状況はそれほどよくなっている訳ではない。トンプソンはようやくシュートも入るようになり、何より、前のように無理してシュートをするということを止めたので、ほぼ復活してきたのではないかと思うところがあるが、ルーニーとウィギンズは全然である。特にウィギンズはポートランド戦こそ12アテンプトで9つのシュートを決め、25得点するなど復活の兆しも見せたが、その次のセルチックス戦では11アテンプトで2点。これはフィールドゴール率2割以下ということである。控えに回った最初の試合と次の試合も4の9で9得点、4の9で14点とまったく期待に応えられてない。
 幸い、カミンガが相当、いい感じになってきており、さらに新人のトレース・ジャクソン・ジュニアが13リバンド、3ブロックとセルチックス戦で大活躍したので、どうにか補塡できているが、ウィギンズは本当、どうしちゃったのであろうか。まあ、カミンガやジャクソン、そしてモーゼス・ムーディといった若手が台頭してきているので、もうウィギンズはベンチ要因でいいかもしれないが。
 奇跡的な試合運びでどうにか勝ちを拾っているが、その間に若手4羽ガラスが試合に出ることで経験を積んで、チームとしてもまとまってきてくれると、プレイオフ進出は間違いないであろう。とはいえ、ジョ・モラントがメンフィスでは復活するし、今年のウェスタン・コンフェランスは本当、厳しい。とりあえず次の試合のワシントンは必ずものにして、5割に戻り、そこからまた仕切り直しか。25日のデンバー戦に勝利をすると、結構、展望は開けてくると思うのだが。

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ウォリアーズに暗雲漂う [スポーツ]

ゴールデン・ステート・ウォリアーズがピンチである。そうでなくてもクレイ・トンプソンとアンドリュー・ウィギンス、そしてカバン・ルーニーのスターティング・メンバーの3人が絶不調で接戦を落としまくっていて、ファンがパニック・モードになっている状況で、残りのスターティング・メンバーのうち、神懸かったように活躍していたステファン・カリーとともに好調だったドレイモント・グリーンが先日のフィニックス戦で、フレイグラント・ファールで即退場。その後のNBAも無期出場停止という厳しい裁断を下し、そうでなくても5割を切っていてピンチな状態であったウォリアーズはさらに苦しい状態に陥っている。
 私は、今年のゴールデン・ステート・ウォリアーズは優勝が狙えるのではないか、とさえ考えていて(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-10-22)開幕からは6勝2敗でスタート・ダッシュに成功して「よっしゃ」と思っていたら、ちょっと接戦を落とし始め、ドレイモント・グリーンがティンバーウルフ戦でルーディ・ゴベアーの首を押さえるという暴力沙汰を起こし、5試合の出場中止。その間も負けを重ね、6勝2敗の後は4勝10敗。そして迎えたフィニックス戦でヌーキッチにパンチを食らわした。グレインは偶然だ、と主張しているが、ビデオを見ると偶然とは言えないなあ。手がグーだし、しかも回転する前に勢いを増すために手を引いているからな。そして、その結果、現時点で「不定期間の出場停止」の決断をNBAは下した。出場停止の試合数を敢えて決めず、グリーンの精神状態などの確認をするらしい。確かに昨シーズンのプレイオフでのサボナスを踏んでから7ヶ月で3回の出場停止は異常だ。致し方ないことであるとは思うが、背が足りないウォリアーズにとってレイモンドは守備の要であるし、攻撃のファシリテーターでもあるので、その不在は大きな痛手である。
 泣きっ面に蜂、というか、もうそもそもスターティング・メンバーの3人が絶不調という時点で、泣きっ面に蜂どこか、泣きっ面に蜂で、その後、思い切り転けたというような悲劇のドミノ状態に、トドメに熊と遭遇するような感じだ。絶望的である。
 さて、しかし、希望がない訳ではない。レイモンドが出場停止となった後の初めての試合であるクリッパー戦。選抜からウィギンズを外した。そして3年目のカミンガ、新人のポジエムスキーを先発させた。ポール・ジョージが出場しなかったこともあり、試合はなかなか見所があったが、カリーの不調、ハーデンの好調もあってこの試合も結果的に落とした。しかし、この試合でカー監督は、ウォリアーズどころかNBAの試合で初めてとなるウィギンズの先発外しを決行した。レイモンドが外れたら、残りの先発陣には頑張ってもらいたいところだが、流石に堪忍袋の緒が切れたのであろう。私もちょっとウィギンズは酷すぎると思う(特にフィールド・ゴール・パーセント)が、いきなり先発を二人交代というのはなかなかの英断である。負けはしたが、この二人に加えて3年目のモーゼス・ムーディがその才能を開花させる機会になれば、それは災い転じて福となす、ことになるかもしれない。そもそもグリーンも先発の機会をもらえたのは、それまで絶対的な先発陣であったリーが怪我で出場できなくなったからだ。もちろん、カミンガはグリーンのようなプレイメーカーではないし、まだまだディフェンスは粗いが、あの運動能力はただものではない。
 まあ、しばらくはヤキモキした気分で過ごすのであろうが、ウィギンズにいらついているよりは、まだ未来のある若者が出場している方が未来に希望が持てるのではるかにましだ。グリーンのあのファールは本当、がっかりさせられたが、その結果、カー監督も大なたを振るった采配をようやくしてくれた。この体制であれば、ある程度、結果が出なくても許せる。というか、ウィギンズを二度と先発させないでほしいと思う。カミンガ、ポジエムスキー、ムーディ、カリー、トンプソン・・・これじゃあ、あまりに背が足りないか。しかし、まあこんな感じでのラインアップで戦ってもらえれば、応援しがいがあるというものだ。

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2023-2024年度のウォリアーズは強いぞ! [スポーツ]

NBAのプレシーズンが展開している。これまでウォリアーズは4戦して全勝している。レイカーズに2勝、キングスに2勝と、同じパシフィック・ディビジョンのライバルからしっかりと勝ちを奪っている。しかも、レイカーズの2戦目、キングスの両試合とも接戦をものにしている。キングスの二戦目などは後半18点差を逆転しての勝利だ。もちろん、プレシーズンは所詮、プレシーズンではあるのであまり期待をするのも禁物だろうが、昨年のウォリアーズは5点差以内での勝敗は9勝38敗であった。これは勝率2割を切るという、とんでもない勝負弱さであったのだ。これに加えて、飛び抜けて多いターンオーバー数は昨年度のチームのケミストリーの悪さを示唆している。そのような状況を考えると、プレシーズンとはいえ、ウォリアーズの勝負強さは驚きだ。ジョナサン・プールというシュート力はあるが、バスケIQが低く、状況判断が悪い若手を手放して、NBAでも最も高いIQを持ち、状況判断に優れる超ベテランのクリス・ポールを取ったことの効果が大きく現れているのではないだろうか。また、3年目のジョナサン・カミンガ、モーゼス・ムーディの活躍も目を見張らす。特にジョナサン・カミンガは4試合のうち、3試合がチーム最多得点で、3試合目が終了した時点ではNBAでも最多得点であった。フリースローの数も多く、ウィギンズとともにウォリアーズでは貴重な運動能力で得点を取れる(ファールをもらいフリースローで得点する)選手になりつつある。そして二年目の生え抜きの選手はすべていなくなったが、ルーキーのブランデン・ポジームスキー(19番目)、トレイス・ジャクソン・デイビス(57番目)は相当、いい。ブランデンは既にダブル・ダブルを連発しているし、トレイス・ジャクソン・デイビスもなぜ、彼が57番目まで取られなかったのかが不思議なくらいである。昨年の2人のルーキーとはエラい違いだ。
新しく入ってきたダリオ・サリッチ、ルーディ・ゲイ等がどれぐらい貢献するかはまだ分からないところがあるが、昨年の勝負弱いウォリアーズの姿は時期尚早かもしれないが、プレシーズンの4試合からはまったく見えない。というか、ベスト8に残った昨年と比べると、ほとんどの点において上回っている印象を受ける。
さて、一方でどうもウォリアーズは相当、過小評価されている。ウエスタン・コンフェレンスでも優勝候補はサンズかナゲッツ、そして三番手としてレイカーズが挙げられているような状況だ。ESPNやNBAのスポーツ評論家の誰もがウォリアーズを挙げない。ダークホースとしてクリッパーズ、キングス、グリズリーズと十把一絡げ的に入れられているのがせいぜいの所だ。お前等の目は節穴か!という気分でプレシーズンの素晴らしい活躍ぶりをみているが、ここで、私はウォリアーズの優勝を予測したい。もちろん、怪我が起きたりすると、ウォリアーズが優勝できる確率はガクッと減るが、私はサンズやレイカーズより上に行くと思っている。まあ、ベスト4は間違いないだろう。ベスト4に行かないシナリオは、その前にナゲッツと対戦した時だけかな、と思っている。もちろん、ナゲッツとウォリアーズのどちらが勝つかといったら、私はウォリアーズを押す。それくらい、今年のウォリアーズは強いと思う。あまり注目されていないのも、追い風だ。とはいえ、レギュラーシーズンの試合は序盤から勝ち続けるので、昨年のナゲッツのように、すぐスポーツ評論家の意見も変わると思われるが。

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クリス・ポールとジョーダン・プールのトレードについてポイントをまとめてみる [スポーツ]

6月22日(現地時間)、ウォリアーズがウィザードとトレードを遂行した。ウォリアーズは38歳の殿堂入り確実のポイント・ガード、クリス・ポールを獲得し、ウィザードはジョーダン・プールと2022年のドラフト選手、ライアン・ロリンズ(2巡目)とパトリック・ボールドウィン・ジュニア(1巡目)、さらに将来の2つのドラフト権を獲得した。
 このトレードに関しては本場アメリカでも相当、賛否両論(というか賛成は少ないが)で随分とスポーツ・ラジオやスポーツ番組を賑わせているが、日本のNBAファンのツィッターなどをみていると、あまりにも背景の理解がなさ過ぎるものが多いので(例えばクリス・ポールじゃなくてブラッド・ビールとトレードできただろうなどという呑気な意見)、ここでこのトレードの背景にあった理由などを整理してみたいと思う。
 まず、このトレードをなぜウォリアーズが遂行しなくてはいけなかったのか。それはコレクティブ・バーゲニング・アグリーメント(俗にいうCBA)が2023年7月1日から施行されるからだ。これによって、次のようにルールが変わる(7年間有効)。
1) 贅沢税(Luxury tax)を1750万ドル超えているチームは幾つかの制約事項が生じる。「トレードで出す選手の年俸より得る選手の年俸が高くなってはいけない」「ファースト・ラウンドのドラフト権を7年間トレードに提供することができない」「金銭トレードをしてはいけない」などである。
2) 契約延長に関しては、ベテラン選手であれば前年より140%まで上げることができる(それまでは120%)。
3) サラリー・キャップは毎年10%ほどに上限が設定される(これは2016年に32%の上昇を許したため、ウォリアーズがケビン・デュラントと契約できたことを反面教師としている)。
このCBAルールはウォリアーズ潰しと言われるほど、スーパー・チームをつくらせないことを意図している。
 さて、そのように考えて、現在のウォリアーズの年俸状況を整理してみよう。まず、昨年度のウォリアーズの年俸の総額は3600万ドル。これはNBA史上最高額である。個別にみると、次のようになる。
*ステファン・カレー(約48億円)(簡単にするために1ドル=100円で計算している)
*クレイ・トンプソン(約40億円)
*アンドリュー・ウィギンス(約33億円)
 ここで、ジョーダン・プールだが、今年度は約3.9億円であったが、来年度から28億円、30億円、32億円、34億円という4年間で124億円という巨額契約が執行されることになるという状況にあった。
 さて、ここで重要なのはウォリアーズ三羽がらすのドレイモンド・グリーンである。彼は今年で契約終了だが、今年度は26億円であった。そして、このドレイモンド・グリーンはプレイヤー・オプションでの契約延長を選択することをせず、フリー・エイジェント宣言をした(これはウォリアーズもほぼ計算済み・・さすがに一年延長ではなく、33歳のドレイモンドが最後のフリー・エイジェントの機会を活かして長期契約を求めるのはある意味、当然である)。
 このような状況から、ウォリアーズが何をするべきかを考える。まず、ウォリアーズは半年ぐらい前までは、相当、傲慢な考えを有していた。それは、カリーやグリーンがつくりあげた黄金期が衰退した時には、新しい若い世代で新しい黄金期をつくりあげるという傲慢なシナリオである。この若い世代とは、ドラフト全体二位のジェイムス・ワイズマンやジョーダン・プール、ジョナサン・カミンガ、モーゼス・ムーディ等である。これは、瞬間的に上手くいくかもと私も期待した時があったが、ジェイムス・ワイズマンはまったくの期待外れに終わり、5つのドラフト権2位(これはゲイリー・ペイトン・ジュニアとのトレードで使われた)とトレードされた。そして、ジョーダン・プールも一昨年度はリーサル・ウェッペン3とか、プール・パーティーとかもてはやされていたが、今年度、特にプレイオフでは、そのバスケIQの低さ、ターンオーバ−・アシスト率の悪さ、ショット・セレクションの不味さからグリーンだけでなくカリーからも怒られるような状況に陥ってしまい、プレイングタイムももらえないほどカー監督の信頼を失っていた。
 そのような状況下、カリーという超絶スーパースターがまだ衰えていない今こそ、勝負をすべきであるというのがウォリアーズの戦略となった。若手が育つのを待っていたら、貴重なカリーという選手がいる機会を失ってしまう。つまり、カリーを中核としたチームで優勝を今、狙いにいくというのがウォリアーズの戦略になったのだ。
 そのように考えると、まず優先させることはグリーンの再契約である。さて、しかし、グリーンと再契約するには持ち金がない(いや、金はあるけどルール上使えない)。新たに導入されるCBAの規制では、誰かの巨大契約を取り除かなくては無理である。そこで、誰の契約を取り除くといいのかを考えると一目瞭然である。ジョーダン・プールの契約だ。しかも、グリーンとプールは今年度のシーズン前のパンチ事件以降、表向きは問題がないと言っても、ずっと尾を引いていた。アウエィでの勝率の悪さはまさにそれを物語っていたし、プールがトレードされた直後に、グリーンのインスタグラムから外れたというニュースが流れたが、プールはずっと根に持っていたのだろうな。ただ、グリーンのパンチは映像で流されたので、非常にインパクトは大きかったのだが、どちらかというと、プールがそこまで怒らせることをしたのか、というように私を含めて多くの人が思っていたところもある。どちらにしろ、両者が和解できないことは一目瞭然である。それでは、どちらが重要か。これはカリーの才能を活かすという点では、もう異論はないだろう。ドレイモンド・グリーンである。
 さて、しかし、このジョーダン・プールのトレードは、この契約額の大きさのために誰も欲しがらなかった。ウォリアーズはジョーダン・プールとともに心中するしかないのか。私などは、もうジョナサン・カミンガをつけてトレードするしかないかも、と悲観的に思っていたのだが、ジョナサン・カミンガをつけなくても、昨年度のウォリアーズがドラフトした若手二人と2つのドラフト権で受け取ってくれたとは願ったり、適ったりである。おまけにクリス・ポールと交換である。彼は来年度の30億円という契約しかないから、来年度以降、再契約を考えなくてはいけないクレイ・トンプソンのことを考えても好都合である。
 ということで、ジョーダン・プールの契約から開放されることで、初めてウォリアーズは将来を描くだけの可能性を獲得することができたのである。もちろん、クリス・ポールじゃない人材もいただろう、という指摘はある。しかし、38歳のクリス・ポールと24際のジョーダン・プールとのトレードに若手(ドラフト権を含む)を4人もつけなくては成立しないほど、ジョーダン・プールのトレード価値は低いのだ。もはや、バスケットの能力だけでトレードを考えるような時代ではないのである。
 さて、この文章の最初の方でブラッド・ビールとトレードできる訳ないだろう、と書いたのは、ブラッド・ビールは現在のNBAの選手で唯一、「ノー・トレード」の契約条項を有している選手であるからだ。これは、極めて選手に有利な契約で、チームに不利である。ブラッド・ビールのトレードでサンズが失ったものが少なかったのは、それだけウィザードがビールというバスケット選手よりかは、ビールとの契約を忌諱していたからである。まあ、ババ抜きのババである。もちろん、ビールの「ノー・トレード」条項はサンズに行っても生きているので、こんな選手はいらない。ビールの年俸って約43億円である。ビールがサンズに行って喜んでいるサンズ・ファンはちょっとおかしいのじゃないか、と思う。ちなみに私が「ノー・トレード」契約を結んでいいと思う選手は、コーベ・ブライアント以降ではステファン・カリーと、強いて言えばヤニス・アデトクンボくらいである。
 もちろん、このような契約を結んだのは、ウィザードがアホだったからだし、ジョーダン・プールが4年間で124億円の契約を結んだのは、ベスト・エクゼクティブの誉れの高いボブ・マイヤーGMの判断で、個人的には、このマイヤーの経営ミスはウォリアーズの将来の可能性を摘んだと結構、怒っていたので、今回、マイク・ダン・リーヴィー・ジュニアGMが、このウォリアーズの癌(ジョーダン選手というより、ジョーダン選手の契約)を取り除いたことは、非常によかったと思っている。
 あとジョーダン選手の契約が癌とは書いたが、ジョーダン選手はウォリアーズの最大の武器である「ケミストリー」を最も乱した選手であったことは間違いない。カー監督がパンチ事件から結局、復活できなかった、とプレイオフで負けた後に述べていたぐらいだから、ジョーダン選手がウォリアーズでやっていくことは非常に厳しかったのは間違いない。
 もちろん、現時点ではグリーンが再契約しない可能性もあるので、油断はできないが、ウォリアーズ・ファンにとってはよかった日であると個人的には考えている。
 あと、クリス・ポールはウォリアーズのファスト・ペースに合わないとか、実質的なポイント・ガードのグリーンと一緒にコートに立った時、どのように役割分担ができるんだ、と言った意見が、私も非常に一目置いているティム・レグラーやJJレディックといった評論家が述べているので、私も危惧してはいる。しかし、セカンド・ユニットの若手をしっかりと指揮し(グリーンはプールの一件で若手の信頼を得られていない)、また得意のピック・アンド・ロールもカミンガとのコンビでやったら無敵に近いのではと思ったりしているのだが、この意見はまだ寡聞にして、コメンテーターからは聞けてないので、私の理解が浅いのかもしれない。
 まあ、随分とだらだらと書いたが、指摘したいことは、これからの7年間は、NBAのトレードは、これまで以上に契約をも踏まえてのトレードになるので、単にバスケだけの観点でいろいろと意見をいうと、その背景にある大きな問題を見失うので気をつける必要があるということだ。とはいえ、アメリカ人のスポーツ・コメンテーターでもここらへんが分かっていない人が半分なので、日本人のNBAファンはなかなか難しいところもあるのはしょうがないかもしれない。

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ケビン・デュラントのトレードについて考える [スポーツ]

ミドル・レンジ・シューターとしては現時点のNBAで最高峰のケビン・デュラントが衝撃のトレードでブルックリン・ネッツからフィニックス・サンズへ移籍した。一年前は、ケビン・デュラント、ジェームス・ハーデン、カイリー・アービングと超スーパースターを揃え、史上最強の誉れも高かったネッツだが、一年後は「そして誰もいなくなった」状態になってしまった。ケビン・デュラントはまだ3年間、契約が残っているのでトレードに出す必要もないのに、ネッツはデュラントの主張に屈服してしまった。そして、そのトレードはミケル・ブリッジ等と複数のドラフト権というネッツには極めて不利なものであった。せめてデアンドレ・アイトンを含むことはできなかったのか。

さて、ケビン・デュラントは素晴らしい選手ではあるが、なかなか人間的には難しいところがある。オクラホマ・サンダースではラッセル・ウェストブルック、ジェームス・ハーデンという素晴らしい選手に恵まれていたが、優勝できなかった。そして、ウェスタン・コンフェレンスのファイナルで3勝1敗から大逆転を喰らって負けたゴールデンステート・ウォリアーズに移籍し、余裕で2連勝する。しかし、これらの優勝でケビン・デュラントはMVPを受賞したりしたにもかかわらず、チームの中核的存在はステフェン・カレーであり、彼が主人公のチームのままであった。当たり前だろう。ステフェン・カレーだけでなく、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンといったウォリアーズの核メンバーは皆、生え抜きなのである。ケビン・デュラントは素晴らしい選手であるが、助っ人的な位置づけである。そりゃ、ファンからすれば有り難いけど、生え抜きの選手ほどは応援できない。

ケビン・デュラントは自分がいつまでも外様的な位置づけに不満を持ち、生え抜きのスター選手がいないブルックリン・ネッツにカイリー・アービングの誘いに乗って移籍する。これは、ウォリアーズのファンは、ウォリアーズ・ファンの私からすれば、ケビン・デュラントとの優勝はあまり面白くなかったので、ケビン・デュラントがいなくなったことを、むしろ歓迎したくらいである。彼がいると逆に強すぎて応援しがいがなくなるからだ。さて、生え抜きのスターのいないネッツには、ジェームス・ハーデンも加わり、史上最強のチームとの誉れも高かったのだが、この3人が一緒に試合に出た数は極めて少なく、プレイオフでも1シリーズしか勝てないという悲惨な結果となった。ハーデンはアービングがワクチン接種を拒み、試合に出ないことに嫌気が差し、フィラデルフィアに移籍する。そして、このワクチン接種だけでなく、人種差別のリツイートなどで多くの批判を浴びたことや、長期契約を結べなかったことで、ネッツにいたくなくなり、ダラスへと移籍する。ネッツとしてはここまではある程度、そのようなシナリオは描いていたであろう。しかし、その後、チームの柱として期待したケビン・デュラントもトレードに出すような状況に追い込まれてしまった。いや、別に長期契約を結んでいたのだから出さなくてもよかったとは思うのだが。

さて、そのケビン・デュラントが移籍したのは、フィニックスである。フィニックスにはネッツと違い、生え抜きの若きスーパースターがいる。デビン・ブッカーである。また、他にもアンドレ・アイトンといった生え抜きのスター選手がいる。さて、しかし、フィニックスのリーダーはクリス・ポールであろう。38歳のベテラン・ポイントガードは生え抜き選手ではないが、その強いリーダーシップとカリスマ性でフィニックス・サンズのファンの心を掴んでいる。ケビン・デュラントはゴールデンステート・ウォリアーズにいた時は、カリーや下手をしたらトンプソンのようにファン、そして街から感謝されていないことが不満であったにも関わらず、ほとんど同じような条件のフィニックス・サンズにまた移籍することにしたのである。確かに、デュラントが移籍する前年に優勝していたゴールデンステート・ウォリアーズと、まだ優勝したことがないフィニックス・サンズとは大きな違いがある。しかし、サンズも2021年には決勝にまでは進出している。当時と主力はほぼ同じメンツで、ミケル・ブリッジがケビン・デュラントに変わっただけであれば、優勝が期待されるのが当然であるし、そこで優勝したとしても、ケビン・デュラントは傑出した助っ人以上には感謝されることはないだろう。

なぜ、ケビン・デュラントは感謝されないのか。それは、彼がチームの核となって、そのチームを背負ってチームを牽引しようとしないからである。だから、ちょっと面白くなくなるとすぐそのチームを放棄して、他に逃げようとする。彼がオクラホマ・サンダースを優勝に導いたら、人々の評価は変わったであろうが、その機会も放棄した。それであるにも関わらず、チームやファンが感謝しないと、それも面白くない。ブルックリン・ネッツでも、そこでもう少し、少なくとも契約しているあと3年間は頑張ればいいのである。いや、頑張りたくなければそんな長期契約を結ばなければいいのに、それを結んで、トレードに出せと要求するのは、あまりにも身勝手ではないのか。このコミットメントのなさが、ケビン・デュラントのカリスマ性の低さに繋がっているのではないだろうか。この20年間では最高のバスケ選手であるレブロン・ジェームズもチームを4回変わっているが、カリスマ性を持っているのは、彼が常にチームを背負うという強い意志を持っているからである。そして、マイアミで優勝した後は、一度は後にしたクリーブランドに戻り、優勝をもたらした。そこで、彼が優勝トロフィーを掲げ「クリーブランド、この優勝は君たちのものだ(Cleveland, this is for you)」と言った時、ほとんどのクリーブランド市民はレブロンに感謝したと思うのである。ケビン・デュラントもゴールデンステート・ウォリアーズで優勝した後、オクラホマに戻り、優勝を目指せば、人々の見る目もまったく異なったであろう。

さて、ゴールデンステート・ウォリアーズのファンとしてはケビン・デュラントが移籍した時はちょっと面白くなかったが、フィニックス・サンズに移籍したことは結構、ワクワクしている。この下馬評でも優勝候補の最筆頭であるサンズをプレイオフでウォリアーズが駆逐したら、それは本当に溜飲が下がる気持ちになれるからだ。などと書きつつ、最近、本当、勝てないんだよねえ。ワイズマンのトレードも残念だったし、いろいろと複雑な気分である。

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ウォリアーズ、どうなってんだい!? [スポーツ]

NBAも40試合ぐらいを過ぎ、ちょうど折り返し地点に来ている。昨年の覇者、ゴールデンステート・ウォリアーズは20勝21敗という極めて凡庸な数字である。さて、今期のウォリアーズ、強いのか弱いのかがよく分からない。圧倒的な存在を誇るステファン・カリーが左肩の故障で戦線、離脱をした時は、これはもう万事休すか、と思っていたら、そこから1勝1敗のあと、なんと5連勝。カリー抜きでこの強さは、後期は捲土重来か、と大きく期待をさせた途端、ホームで2連敗。ようやくカリーが復活したものもホームでブッカーズもポールも不在のフィニックス・サンズに大惨敗。本当、強いと思ったら弱い、弱いと思ったら強い。こちらの予測を裏切るパフォーマンスには驚きだ。メンフィスにカリー抜きで勝っても、オーランドやデトロイトにボロ負け。ジェットコースターに乗っているかのようなシーズンである。とはいえ、これだけ不甲斐なくても順位は8位である。首位のデンバーとのゲーム差は8と開いているが、4位のサクラメント(キングスがこの時期に4位だなんて驚きだ!)とは2.5ゲーム差である。まだまで期待はできるが、逆に言えば、12位のレイカーズとも1ゲーム差で勝率.450から.500の間に5チームが犇めいている混戦である。そろそろシャキッとしないと不味いんじゃないか、と思いつつ、こうも予測ができないと試合を観ている方はハラハラさせられて、それはそれで面白かったりもする。

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ケビン・デュラントの不思議 [スポーツ]

ケビン・デュラントは現役のバスケット選手としては、最高レベルの選手である。その得点力、さらに本気を出した時のディフェンス力などは、三国志でいえば関羽のような圧倒的な存在感である。さて、しかし、人間力は弱いと思う。というか、感情的であり、いい意味で人が好く、悪い意味では計算ができない。
 今回も四年間の契約をネッツとしているにも関わらず、ネッツにトレードに出してくれと願い入れた。というか、こういうことはそもそも公にせずに、秘密裏にやるべきだろう。ここらへんも計算ができない、と思うのだが、しかもトレードに出して欲しいチームはフィニックスとマイアミと指定した。ここで指定したことで、ネットはこの2つのチームに対して交渉力を減じたので、デュラントが指定したことでより行けなくなってしまった。いや、本当、アホかも(もちろん、意中に他のチームがあってわざと偽情報をリークしたなら分からないでもないが)。
 そもそも、デュラントがフィニックスに行くような状況下では、少なくともブッカーと交換になるだろうから、現行のフィニックスの戦力は大きく減じることになる。デュラントはまさか、そういうことも計算していないのであろうか。
 というか、ネッツは来年度でもラスベガスではウォリアーズに次いで優勝確率が高いと予測されているので、ネッツにいればいいだけの話だ。というか、ウォリアーズに行くならともかくとして(いや、一ウォリアーズ・ファンとしては絶対、来てもらいたくない)、それ以外のチームだったらネッツが一番、勝率が高いと思われるのに、なぜそこを出なくてはいけないのか。
 一つ考えられるのは、親友であるアーヴィングが長期のマックス(最大)契約をネッツが拒否したことに対する抗議ということであるが、ワクチンを打つのを拒否し、プレイオフでボストンに4タテを喰らうことになった戦犯であり(アーヴィンがプレイしていたら流石、8シードでのプレイオフ進出はあり得なかった)、さらに敗戦インタビューで「ケヴィンと(チーム)をマネージしていく」と驚天動地の発言をしたことを考えれば、ネッツがアーヴィンと長期ではなく一年契約にしたのは当然のことである。
 というか、そういうことをしたければ、四年といった長期契約をしては駄目だ。長期契約をしてトレードに出してくれ、といった後、どういう将来ビジョンをデュラントは思い描いているのであろうか。どうも、感情的にその場、その場で判断をしているとしか思えない行動が多すぎる。
 デュラントの才能は図抜けている。しかし、心がそれに伴わないと、真の一流選手にはなれないのではないか。アーヴィンにも同じことがいえる。まあ、そこがバスケットというスポーツの楽しいところなのであろう。

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ゴールデン・ステート・ウォリアーズの優勝について考える [スポーツ]

3年ぶりにファイナルに進出したゴールデン・ステート・ウォリアーズが見事、4勝2敗でボストン・セルティックスを下して昨日(日本時間)、優勝した。ステファン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのトリオでの優勝は4回目になる。この8年間で6回、ファイナルに進出し、4回優勝するというのは選手だけでなく、監督を始めとしたスタッフ、そしてオーナーやジェネラル・マネージャーが極めて優秀であるからだ。ウォリアーズのファン歴はもう30年になるが、1990年代のあの脆弱ぶりが信じられないような強豪へと変貌したが、それは2010年にオーナーがジョー・レイコブに代わったのが一番のきっかけであるのは間違いないであろう。前のオーナーであったクリス・コーハンがあまりにも酷かったので、その違いは鮮烈的でさえあった。
 ウォリアーズは全体3位でプレイオフに進出するが、最初に対決したデンバー・ナゲッツを4勝1敗で下すと、おそらくファイナルを含めて最大の強敵であったメンフィス・グリズリーズと対戦。若手スーパースターのジャ・モランが怪我をしたこともあり、辛くも4勝2敗で退けると、ウェスタン・コンフェレンスの決勝ではダラス・マーベリックスを難なく4勝1敗で勝ち抜く。
 そして、ファイナルの初戦のボストン・セルティックス戦をホームで落とす。これまでのプレイオフでセルティックスは連敗したことがない。ウォリアーズも連敗したことはないが、初戦を落としたということは、3勝4敗で負けるということか、と焦る。実際、4戦までは交互に勝ち負けが続き、お互い2勝2敗と展開する。さて、しかし次の5戦、ウォリアーズは連勝し、セルティックスにプレイオフ初の連敗を喫させると、次の6戦も敵地ボストン・ガーデンで勝利をする。結果的にはメンフィス・グリズリーズの方が強敵だったかとは思うが、ボストンのツボにはまった時の爆発力は驚異的であった。ある程度、点差が開いてもあっという間に追いつかれる。そして、その守備力は凄まじいものがあり、5戦は勝ったとはいえ、カリーのスリー・ポイント達成連続試合記録を阻止した。バスケにおいて、ディフェンスがいかに重要かを知らしめるような素晴らしい守備を誇るチームであった。
 さて、ウォリアーズであるが、四度目の優勝でステファン・カリーが初めてファイナルのMVPを獲得した。そして、まさにMVPとしてチームをまとめて、その勝利を導いた。カリーの素晴らしいところは、その現実離れしたシュート力だけでなく、チームを統率する力が傑出しているところである。カリーは、スーパースターであるにも関わらずエゴイストではない。その結果、ウォリアーズはチーム力が他チームに比べても飛び抜けていい。これはマイケル・ジョーダン、コービー・ブライアント、レブロン・ジェームズ、ケビン・デュランといった他のスーパースターが有していない資質である。おそらく、そのような選手は、スパーズを引退したティム・ダンカンぐらいであろう。皆が、カリーと一緒にプレイするのを楽しむ。そして、カリーも皆と一緒になって勝利を勝ち取ることを至上の喜びとする。MVP受賞でのスピーチが「個人の賞より、優勝したことの方がずっと嬉しい」と言ったのは本音であろう。
 本シーズンは二年間を怪我で棒に振ったクレイ・トンプソンが期待通りには、怪我前の状態には完全復活できなかったことや、ドレイモンド・グリーンのポイント力が減じたこと(優勝を決めた試合では結構、決めたが)など、前回の優勝時に比べてカリー以外のトリオの二人は戦力として劣っていたが、それを埋めるかのように、アンドリュー・ウィギンス、ジョナサン・プールといった若手が大活躍をした。さらにこれまであまり目立った活躍をしなかったケビン・ルーニーもボストン戦では勝利に大きな貢献をした。加えて、オットー・ポーター・ジュニア、ネマンジャ・ビエリカといったベテラン勢もここぞという時にしっかりとしたプレイをし、勝利を引き寄せた。シーズン前は一軍と契約を出来るかさえ分からなかったゲイリー・ペイトン・ジュニア(あのシアトルの名選手ゲイリー・ペイトンの息子)がシーズンを通じて貢献し、メンフィス・グリズリーズ戦で怪我をして戦線離脱をしていたのだが、ファイナルでは復活でき、ファイナルでプレイできたのは、今シーズンのウォリアーズを象徴するような心温まるエピソードである。つまり、ウォリアーズはファンだけでなく選手をも幸せにするような組織なのだ。ゲイリー・ペイトン・ジュニアといい、アンドリュー・ウィギンスといい、他チームで過小評価されていた選手がウォリアーズにくると大活躍をするというのは、まるで野村再生工場のNBA版である。アンドリュー・ウィギンスなどは初のオールスターのスターティング選手にまで選ばれたから驚きである。というか、昔のウォリアーズはトレードの失敗の連続であったが、ウィギンスといい、ボーゲットといい、オーナーが代わってからのウォリアーズのトレードはほとんど失敗がない。バスケは選手がプレイするものであるが、勝利するためにはオーナーが、いかに重要かが改めてよく分かる。
 さて、今シーズンはウォリアーズの調子がよかったので、NBAもユーチューブでフォローをしていたが、ウォリアーズだけでなく、メンフィス・グリズリーズやニューオリンズ・ペリカンス、ミネソタ・ティンバーウルフスの台頭などもあり、結構、勢力地図が塗り替えられつつあってとても楽しめた。そして、ウォリアーズの有終の美でシーズンを終えたとは、私的には最高のシーズンの一つであった。
 カリーも34歳で、ウォリアーズの将来はそれほど明るいものではないかもしれないが、ドラフト2位のジェームズ・ワイズマン、今年加入したジョナサン・カミンガ、モーゼス・ムーディなどが成長すれば、まだまだ優勝争いには参加続けられるのではないだろうか。ウォリアーズのファンで惨めな思いを随分としていたが、最近の活躍は、それを補ってあまりある大躍進である。

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ゴールデン・ステート・ウォリアーズがファイナル進出 [スポーツ]

ちょっと前の話になってしまい申し訳ないが、ゴールデン・ステート・ウォリアーズが3年ぶりにファイナルに進出した。いや、昨年も昨年度もプレイオフにも進出できなかったので、これはなかなか驚きの快挙である。とはいえ、昨年のフィニックス・サンズの10年ぶりプレイオフ進出でのファイナル進出に比べれば大したことはないかもしれないが、それでも3年ぶりのプレイオフ進出でのファイナル進出は快挙である。
 思えば、シーズン開幕当初は、ウォリアーズはプレイオフにギリギリ進出できると予測する評論家は少なくなかった。なかにはプレイオフも無理なんじゃね、という意見もあった。当時はレイカーズ、ユタ、デンバーあたりがファイナル候補として挙げられており、フィニックスがダークホース(昨年、ファイナルに進出したにも関わらず)というような位置づけであった。しかし、蓋を開けてみれば、ベスト4はウォリアーズ、マーヴェリックス、グリズリーズ、サンズ(フィニックス)とどちらかというと過小評価されたチームが出揃った。まあ、私もこのような事態は想定できなかったが、評論家もあまり分かってないな、ということを改めて思い知ることになった。
 さて、それはともかくウォリアーズのファイナル進出は素直に嬉しい。ジョーダン・プール、アンドリュー・ウィギンスといった新戦力の貢献度が高いことも喜ばしい。プールは昨年とかはDリーグでプレイしていたことを考えると驚きである。そして、ウィギンスはドラフト全体一位で選ばれたことが災いして、ミネソタではずっとバスト(大失敗)と揶揄されてきたが、ウォリアーズという新天下に移ってからはオールスターズに選ばれるほど前半戦で活躍し、プレイオフの大躍進の要因にもなっている。野村再生工場ならぬウォリアーズ再生工場だ。
 ファイナルの相手はディフェンス力が高く、しかも身体も大きな選手を擁するボストン・セルティックス。レギュラー・シーズンでも負け越しているので苦戦が予想されるが、ここまできたら、是非とも3年ぶりの優勝を果たしてもらえればと思う。ゴー・ウォリアーズ。

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ブルックリン・ネッツが四タテのスイープで一回戦で姿を消す [スポーツ]

今年のNBAは例年にも増してワクワクさせてくれる。これは、シーズン当初の優勝候補であったレイカーズとネッツが早々と姿を消したことによって、混戦状況をもたらしているからだ。レイカーズなどは、プレイオフにさえ出られない体たらくである。レイカーズとネッツには共通項がある。それは、二人のスーパースターがドラフト等で自分が一緒にプレイしたいチームメートをスカウトしたことである。レイカーズの場合はレブロン・ジェームズで、アンソニー・デイビスに加えて、今シーズンはラッスル・ウエストブルックまでも引き寄せる。しかし、スーパースター揃いのチームは組織として機能せず、個を集めても、それがチームとなって機能する訳ではないことを露呈した。同じことは、ネッツにも言える。ネッツはカイリー・アービングがおそらく現時点で最高のバスケ・プレイヤーであるケヴィン・デュランをネッツに誘うことに成功する。さらにスーパースターでポイント・ゲッターであるジェイムス・ハーデンをも引き寄せ、凄いトリオを結成させることに成功するが、そのアービングがワクチン打ちたくないと我が儘を言って、ホームゲームに出場しないことで勝率を上げることができず、ハーデンが嫌気がさしてトレードでフィラデルフィアに出る。そして、その結果、いきなり一回戦でボストンという強敵とかち合うことになって、四タテで敗退したのだ。その後の記者会見でアーヴィンが敗因は「チームが一緒にプレイする時間が短かったのでチーム力が今ひとつだった」みたいなことを言ったが、おそらくNBAファンの多く(私が含む)が、「それは、お前のせいだろう」とテレビかユーチューブに叫んだことであろう。
 さらに、これら優勝候補がスーパースターを獲得するために放出した選手がみな活躍して、プレイオフに出ているのはなんとも言えず皮肉だ。その筆頭はレイカーズが放出したニューオリンズのブランデン・イングラムであろう。ペリカンズを率いて、現時点でサンズと素晴らしい闘いを繰り広げている。ケビン・デュラントを得るために放出したディアンジェロ・ラッスルもまだプレイオフで戦っている。というか、アーヴィンがスーパーチームをブルックリンでつくるために見捨てたボストン・セルティックはアーヴィンがいなくなったことで強くなった。
 そういうことで、お金を使いまくって、スーパースターを揃えれば強くなる・・・という単純なスポーツではバスケはないということを改めて教えてくれている今シーズンのNBAが面白くない訳はない。そして、それらのスーパーチームが惨敗するのは、見ていて極めて痛快だ。
 ということで、しばらくバスケに関心が引き寄せられる日々が続く予感がする。

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今年のNBAは目が離せないほど面白い [スポーツ]

今年のNBAは久々にわくわくさせられる。最近、NBAではスーパーチームをつくる動きがみられる。このようなトレンドをつくったのは、レブロン・ジェームスであろう。レブロンはマイアミ・ヒートに2010年に移籍する時、ドラフト同期で4位のクリス・ボッシュ、5位のドゥエイン・ウェイドもマイアミ・ヒートと契約を結んだ(ドゥエイン・ウェイドはヒートに所属していたが、フリーエイジェントであった)。彼らはフリーエージェントで同じチームに行こうと2006年には相談していたそうだが、チーム・オーナーではなく、選手がチームをつくるという動きの始まりは、この2010年のマイアミ・ヒートが初めてであろう。このスーパーチームは4年のうち2回優勝を果たす。
 その後のスーパーチームはゴールデン・ステート・ウォリアーズであろう。決勝ではレブロン・ジェームズ率いるクリーブランド・キャバリアーズには負けたが、西地区で優勝するほどの強豪であったにも関わらず、レブロン・ジェームズと唯一同じレベルにあるケビン・デュラントを獲得して、その後、2連覇を果たす。この場合は、選手たちが相談してこのようなチームをつくったというのではなく、ケビン・デュラントが好んで入っただけとはいえるが、それでも凄まじいスーパーチームが結果つくられる。そして、もう最初からほぼ優勝チームが分かるような出来レース的なシーズンが続く。私はゴールデン・ステート・ウォリアーズのファンではあったが、この4年間で優勝した3回のうち、ケビン・デュラント不在の時の優勝が一番、わくわくした。正直、ケビン・デュラントがいて優勝しても、そこまでして勝ちたくはない、と思ったりもした。ステフェン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモント・グリーン、ハリソン・バーンズ、アンドレ・イグアダラ、アンドリュー・ボーグで下馬評を覆して優勝した時は本当に楽しくわくわくして試合を鑑賞したが、デュラントがいてもあまりにも強すぎて、ちょっと興ざめさせられた。
 さて、しかし、ある意味、ゴールデン・ステート・ウォリアーズが強すぎたこともあり、その後、二つのスーパーチームがつくられる。その一つはデュラントを中心にジェームス・ハーデン、カイリー・アービングのスーパー・トリオのニュージャージー・ネッツと、レブロン・ジェームズを中心にアンソニー・デービス、ラッセル・ウェストブルックのスーパー・トリオのロスアンジェルス・レイカーズである。もう、このスーパーチームがつくられた時は、もう東はネッツ、西はレイカーズで決勝戦は決定だと多くの評論家は断定した。そして、私はつまんねえなあ、と思いつつ、そうなんだろうなあ、と諦観していた。ウォリアーズについては、評論家はプレイオフに進出もできないだろうと言うものさえいた。
 ただ、蓋を開けてみれば、ネッツはデュラントの故障離脱という予期せぬ事態があったにしても、今日(2月6日)時点では7連敗を喫して6位と低迷している。レイカーズはもっとひどい状況である。レブロンが離脱していたとはいえ、現時点で9位である。もちろん、デュラントやレブロンが復帰すれば状況は変わるだろうが、それでも決勝戦までの道のりは厳しいし、遠い。そして、これらのスーパーチームの低迷がNBA自体をとてもエキサイティングなものとしている。西はフィニックス、ゴールデン・ステートだけでなく、若手が大活躍しているメンフィスの台頭、いぶし銀的な強さを持つユタ、ダラス、デンバーといったチームが気の抜けない試合を多く作り出している。東はオールスター選手のベン・シモンズが不在のフィラデルフィア、マイアミ、シカゴ、ミルウォーキーがしのぎを削ったハイレベルの試合を展開している。西は若干、フィニックスとゴールデン・ステートが頭一つ抜きん出ているが、それでもプレイオフではどんでん返しが起きないとはいえない。
 そして、何が素晴らしいかというと、スーパーチームのように駒を揃えても、それで試合に勝てるほどバスケットボールというスポーツは単純でないことが明らかになったことである。それは、バスケットボールはチームスポーツであり、選手間の相乗効果や戦略によって弱いチームが強いチームに勝つことができるからである。レイカーズはドラフト1位のアンソニー・デービスやMVPのラッセル・ウェストブルックを獲得するために、若手の有望な選手をずいぶんと放出したが、彼らがいた方が、現在のレイカーズより強かっただろう、と多くの評論家が指摘する。確かにクズマ、カードウェル・ポープ、ロンゾ・ボール、ブランドン・イングラムとレブロン・ジェームズというチームは、現在のレイカーズよりは強い印象を受ける。
 ともかく、スーパーチームが今シーズンを台無しにしてしまったな、とがっかりしていたのだが、実際は、まれに見るエキサイティングなシーズンを楽しむことができている。もちろん、ウォリアーズがフィニックスと首位争いをしているほどの成績を残していることも、楽しめている大きな理由ではあるが。

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トヨタが五輪関連のテレビCMを止めた [スポーツ]

東京オリンピックの最高位スポンサーを務めるトヨタ自動車は、国内で予定していた五輪関連のテレビCMの放送を取りやめた。これは、自社のブランドにマイナスイメージが広がるリスクを避けたかったのが理由だそうだが、この判断は極めて賢明に思える。
 というのは個人的な話だが、先日、コンビニでアイスクリームを買いに行ったのだが、メイジのスーパーカップを手に取ろうとして、オリンピックのマスコットのミライトワとソメイティがパッケージに描かれていたので止めたからである。アイスクリームなんて150円ちょっとのものだ。それでも、このマスコットによって他の商品を買わせるような忌諱行為を消費者に取らせる。いや、反対に買いたくなる人もいるかもしれないが、少なくとも私のような消費者も決してそれほど少数派ではない筈だ。
 自動車のような高額商品であれば尚更だろう。アイスクリームは食べればあっという間になくなるが、自動車は長い付き合いとなる。このオリンピックでのマイナスイメージが広がることは避けるべきである。確かに今更キャンセルをしてもスポンサーのお金は戻ってこない。しかし、だからといって勿体ないと続けることでより傷口が広がっていく。株で損をしても、損切りができないで沼にどんどんと沈んでいくのと同じことだ。
 日本政府もトヨタ自動車のように賢い判断ができればよかったのだが、オリンピックの開催を強行することで傷口をどんどんと広げている。日本の経済は一流、政治は三流という言葉を思い出す。

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八村塁の25得点、9リバンド、2ブロックの活躍 [スポーツ]

 ちょっと前になるが、7月11日のサマーリーグでのホークス戦で、八村塁は25得点、9リバンド、2ブロックの活躍をする。スリーポイントも3本のうち2本を決める。その活躍ぶりは次のユーチューブで見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=F-ZAW-gry_0
 解説者は、ちょっとカワイ・レナードを彷彿させると述べている。カワイ・レナードは今年のファイナルMVPである。ある意味、絶賛に近い。ミッドレンジ・ショットのフィールド・パーセンテージが高いことが、彼の武器なのだろうが、これからスリーポイントまでレンジを広げられれば、相当の名選手になることも可能であろう。サマーリーグはプロ野球でいえば、オープン戦のようなものだが、それでも活躍しないより活躍した方がずっとよい。幸先がよいスタートになっている。

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NBAチームの強豪地図はフリーエイジェントで大きく変容した [スポーツ]

一昨日(2019年7月6日)、今年のファイナルMVPのカワイ・レナードがロスアンジェルス・クリッパーズへと移籍することを発表した。トロントを初優勝に導いたヒーローであり、トロントどころかカナダの英雄とでもいえる彼だが、それでも生まれ育った街への思いは断ちたがったのであろうか。優勝未経験どころか、コンフェレンス決勝へも進んだことのないクリッパーズへの移籍となった。さて、しかし、その条件がベスト・ツー・ウェイ・プレイヤー(オフェンスとディフェンスともに優れている選手のこと)の誉れも高いポール・ジョージをトレードで獲得することだったらしく、クリッパーズはレナードだけでなくジョージまで獲得することに成功する。昨シーズン(というか、今シーズン)、ウォリアーズとプレイオフの第1ラウンドで2勝した実績に加え、オールスターのレナードとジョージの加入は、相当のてこ入れであり、コンフェレンスの優勝候補の一画を占めることになる。
 さて、クリッパーズと同じぐらいアップグレードしたのは、同じくプレイオフの第1ラウンドで敗退したブルックリン・ネッツで、オールスター常連のカイリー・アーヴィングと現在、世界最高選手とも評されるケビン・デュラントの二人を獲得した。デュラントはアキレス腱の故障で来季(今季)は出場が見込めないが、それでも長期的には相当のてこ入れである。2021年以降はネッツはまさに東コンフェレンスの台風の目となるであろう。
 この2チーム以外に強化したチームは、直接的にはフリーエイジェントではないが、ロスアンジェルス・レイカーズである。オールNBAのファースト・チームのアンソニー・デイヴィスを獲得。彼とレブロン・ジェームズの二枚看板の破壊力は相当のものとなるであろう。ちなみにレイカーズはフリーエイジェントでもスリー・ポイントの名手、ダニー・グリーン選手を獲得する。
 ちなみにカイリー・アーヴィングを失ったボストン・セルティクスはオールスター選手のケンバ・ウォーカーを獲得し、ケビン・デュラントを失ったゴールデンステート・ウォリアーズはやはりオールスター選手のディアンジェロ・ラッセルを獲得する。一方、カワイ・レナードとダニー・グリーンを失った昨季の覇者であるトロント・ラプターズは今のところ、動きがみられない。
 他のオールスター選手クラスでは、ブレット・バトラーはマイアミ・ヒート、クレイ・トンプソンはそのままゴールデンステート・ウォリアーズ、セルティックスのアル・ホーフォードはフィラデルフィア・シクサーズ、ブギー・カズンスはレイカーズ、アンドレ・イグアダーラはメンフィス・グリズリーに移ることになった。ただ、これらの選手は怪我、もしくは高齢のために、上述した選手のようなインパクトは与えないであろう。
 今年はフリーエイジェントの大物がケビン・デュラント、カイリー・アーヴィング、カワイ・レナードと多くいたこともあったのと、クレイ・トンプソン以外はチームを替わったこともあって、NBAチームの強豪地図は大きく変容した。
 私が応援するウォリアーズもデュラント以外にイグアダラ、カズンスがいなくなり、寂しい限りである。トンプソンが怪我で来年の春までは復帰が見込まれないこともあって、もう優勝どころかプレイオフ出場も危ないんじゃないのか、とまで言われる始末である。しかし、レブロン・ジェームズといい、カワイ・レナードといい、東コンフェレンスの名選手が西コンフェレンスに来ることになり、そうでなくても激戦区の西はまた随分と厳しいコンフェレンスになった印象である。
 

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八村塁が、NBAドラフトで1巡目全体順位9位で指名されたことは本当に凄いことだ [スポーツ]

八村塁が先日、NBAドラフトで1巡目全体順位9位でワシントン・ウィザードに指名された。この全体9位というのは、大快挙である。それ以前にも全体5位という専門誌の予測もあったので、ほんとかよ、と思ったりしたのだが、5位でなくても9位というのは凄いことである。それは、まず契約金で分かる。二年で916万ドル。約10億円である。もう、いきなり億万長者だ。
 そして八村選手が比較される時によく出てくるカワイ・レナード。今年のファイナルのMVPであり、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズと並んでトップ3と現時点では評される選手(ジェームス・ハーデン、ステッフェン・カレーごめんなさい)であるが、彼のドラフト順位は1巡目15位である。また、2019年のMVPであるヤニス・アデトクンポもドラフト順位は1巡目15位である。このように考えると9位という評価の高さは凄まじいものがあり驚くしかない。
 逆に全体順位9位での大物としては、2012年のアンドレ・デュレモンド(デトロイト、オールスター出場2回、リバウンド王3回)、2011年のケンバ・ウォーカー(シャーロット、オールスター出場3回)、2010年のゴードン・ヘイワード(ユタ、オールスター出場1回)、2004年のアンドレ・イグアダーラ(フィラデルフィア、NBAファイナルMVPオールスター出場1回)などがいる。
 私が応援してやまないウォリアーズからケビン・デュラントと前述したアンドレ・イグアダーラが抜け、ちょっとNBA熱も冷めそうな気分になっていたが、八村選手の活躍には俄然、目が離せなくなる予感がする。ウィザード、ちょっと今一つなチームだが、今一つであるからこそ活躍のチャンスも増えるかもしれない。

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ゴールデンステート・ウォリアーズ、第六戦にて散る [スポーツ]

1勝3敗という崖っぷちに立たされたウォリアーズ。敵地での第五戦をものにして、ホームでの第六戦。これは、来季からサンフランシスコにホームを移すウォリアーズにとっては、オークランドのオラクル・アリーナ最後の試合でもある。最後の試合は流石に有終の美を飾るのではないか、と期待して、またまた約600円を払ってインターネットで試合を観戦する。オラクル・アリーナは何回か行ったことがある。マイケル・ジョーダンやチャールス・バークリーを観たのもオラクル・アリーナである。その時は、本当にゴールデンステート・ウォリアーズは酷いチームで、ティム・ハーダウェイとクリス・ムリン、ラトウエル・スプリーウェル以外はもう応援する気も失せるような状況であった。とはいえ、それでも本場のNBAの試合を観るのは楽しかった。当時は今よりずっとチケットも安かった。この個人的にも思い出のあるオラクル・アリーナでの最後の試合。是非とも勝って欲しいと願いながら観ていた。
 さて、試合は初っぱなからカイル・ローリーが絶好調でばしばしとシュートを決める。しかし、これだけ彼が絶好調であるにも関わらず、ウォリアーズはつかず離れず点差を広げさせない。これはクレイ・トンプソンが絶好調であったからだ。カリーの調子が今一つであるのと、またターンオーバーが多いのは気になったが、第3クォーターには、これはもうウォリアーズが試合をものにするような勢いがあった。
 ところが、第三クォーターで大悲劇をウォリアーズが襲う。今日、絶好調であったクレイ・トンプソンがダンク・シュートをしようとした時、ファールをされ着地に失敗をして膝を酷く痛めたのである。トンプソンは120以上のプライオフの試合に出ているが、出場できなかったのは今回のラプタース戦の3戦目だけという、非常に怪我に強い選手であったこともあり、この怪我は本人にはもちろんのこと、チームにとっても衝撃的な事件であった。トンプソンは痛む足を引きずりながらもフリースローを二本決めて、退場すると二度と試合に復帰することはなかった。ほぼ、快復に一年ぐらいかかると見込まれる怪我のようだ。
 落ち込むウォリアーズであったが、それでも試合は最後の最後まで行く末は分からないほど健闘する。ただ、最後の1分の攻撃でカレーのシュート・ミスによって万事休す。3連覇することは叶わなかった。
 さすがに、ケビン・デュラントとクレイ・トンプソンという二大スターを欠いては、あまりにもトロントが強かったということか。トロントにはカワイ・レナード、カイル・ローリー、マーク・ガソルというオールスターに加えて、彗星のように登場したカメルーン人のパルカル・シアカム、オール・ディフェンシブ・チームのサージ・イバカなど手強い陣容を揃えている。二人の穴を補うことはちょっと難しかったかもしれない。
 ここは素直にトロントの優勝を祝福し、また将来でのウォリアーズの活躍を期待しよう。ケビン・デュラントとクレイ・トンプソンは二人ともフリー・エージェントであるので、特にデュラントはウォリアーズを出るのではないかとマスコミなどは騒いでいたが、逆に、今回負けたことで、また1年間はリハビリテーションに費やさなくてはいけないことからも、むしろウォリアーズに残留する確率は高くなったかもしれない。二人ともチームに残ったとしても、来年は出られないので、来年はなかなか厳しい雌伏の年になるかもしれないが、27年近くウォリアーズのファンをしているものとしては、プレイオフに出てくれているだけでも本当有り難い、というか応援し甲斐がある。来年は例え優勝できずとも、再来年の優勝を展望し、しっかりとチーム作りをしてもらえればと思う。
 
 

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ウォリアーズ対ラプタース第5戦は歴史に残る試合であった [スポーツ]

NBAファイナルのウォリアーズ対ラプタース戦、第5戦。ウォリアーズは1勝3敗と崖っぷちに追い込まれた。ウォリアーズが崖っぷちに追い込まれたのは、3年前の2016年のコンフェレンス・ファイナルで1勝3敗で迎えたサンダース戦の3試合、3勝3敗で迎えたキャバリアーズ戦、昨年のコンフェレンス・ファイナルでのロケット戦の6試合目と7試合目と滅多にない。最近はちょっとウォリアーズの試合はダイジェスト版でしか見ていなかった私も、今日は観なくてはということで、6ドル支払ってネットで鑑賞することにした。
 ただ、新幹線で移動中で見たので、乗り換え時とかは見れなかったり、トンネルに入ると観れなくなったりして、ストレスを感じながらの観戦となった。
 さて、この日は懸案事項であったケビン・デュラントが出場。ここで勝利をたぐり寄せてくれれば、まさに大ヒーローになるなと期待をする。第一クォーターでは、デュラントの活躍もあり6点差でラプタースをリードして終了。デュラントはその素晴らしいシュート力によって、貢献する。 3ポインターを3本決めて11点を取る。これは、1勝3敗からの大逆転もあるか、と期待が高まる第二クォーターに悲劇が起きる。デュラントがディフェンダーを躱そうと素早い動きをすると、それについていけなかった足首が悲鳴を上げる。足首を抱いて倒れ込むケビン。そのまま退場する。想像を絶した悲劇で、まるで漫画のようだ。
 暗雲が急にたれ込めるエア・カナダ・センター。デュラントが不在ということもあるが、アキレス腱を痛めたとなれば、選手生命でさえ危ぶまれる。NBAを代表するスーパースターの大怪我ということで、これは世界中が悲嘆に暮れる様な事態である。ケビン・デュラントがこの試合に出場したことは、とても大きな意味を持っていたと思う。というか、このような結果になったら、その判断は失敗であると捉えられても致し方ないかと思うが、もし、出場せずにウォリアーズが敗退し、その後、フリーエージェントで他チームに行ってしまったら、あまりにも後味が悪くなるからだ。そういう意味で、彼が出場したことは、私としてはむしろ当然の判断であるかと思うし、ケビン・デュラントの人々の評価も大きく変わったのではないかと思っている。それは、自分のことを犠牲にしてもチームのことを考える選手であるということを広く知らしめたからである。出場した時には、アキレス腱を痛めることになるとはとても思えなかったであろう。そして、デュラントのこの行為はサムライ魂を彷彿させるので、日本人の私としては心を揺さぶられた。とはいえ、ケビン・デュラントの退場は、ゴールデンステート・ウォリアーズのファンとしては、まさに絶体絶命のピンチである。ケビン・デュラントを失い、さらにファイナルからの敗退ともなれば、まさに悲劇が悲劇を呼ぶような状況となる。
 これは、大変だと手に汗を握りながら画面に食い入る。ラプタースは猛追をするが、ウォリアーズも点を取り、なかなか点差を狭めさせない。ブギー・カズンスの活躍などもあり、第二クォーター、第三クォーターともに両チームの得点は同じ。しかし、第四クォーターになると、それまでシュートが入っていなかったカワイ・レナードがばしばしとシュートを決め始める。怒濤のような攻撃から、残り5分13秒に逆転される。それからはリードをずるずると広げられ、残り2分50秒では6点差。103対97である。これはアウェイであることを考えると、もう万事休すという状況だ。
 ここで京都駅に到着する。そのまま駅で見続けようかとも一瞬、思ったが、ペナルティなどで時計を止めるような戦略を遂行されたら、会議の時間に間に合わないので、泣く泣く降りて地下鉄に乗る。
 さて、大学の研究室に入って、その敗戦を受け入れる覚悟でネットに繋ぐ。試合結果は105対106。へーっ、結構、ウォリアーズは頑張ったな、と思いつつ、それにしてはラプタースの狂喜乱舞している写真がアップされていないな、と訝しむ。そこで、えっ!もしかしたら勝ったのかと思い、急いで試合結果を再確認すると、なんとウォリアーズが勝利しているではないか。
 試合をもう一度、見直すと105対106という状況で、カイル・ロウリーが逆転のシュートを打つときにドレイモンド・グリーンが絶妙なディフェンスをし、シュートは外れる。これは、解説のアイゼイヤ・トーマス、ティム・バットラー等が絶賛した大ファインプレイであった。
 ケビン・デュラントのアキレス腱負傷は大変なショックではあるが、このウォリアーズの勝利は、歴史に残るようなものであったのではないだろうか。私は最後まで見ることは出来なかったが、私の記憶に長い間、残ることになることは間違いない。最終的に大逆転勝利をしたら、それはもうウォリアーズ史に永遠と刻まれるような勝利となるに違いない。
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ケビン・デュラントは第五戦に出場できるのか [スポーツ]

NBAのファイナル第四戦で、ウォリアーズはホームゲームを連敗して1勝3敗の崖っぷちに追い込まれる。このような背水の陣からファイナルで逆転勝利をしたのは2016年、レブロン・ジェームス率いるクリーブランド・キャバリアーズのみである。その時の相手?ウォリアーズである。ということを考えると、ウォリアーズは大変なピンチに陥ってしまったとも思われるが、ウォリアーズにはこの逆境を乗り越えられる切り札を有している。それは、おそらくNBAで現時点で最強の選手であるケビン・デュラントである。彼はコンフェレンス・ファイナルのポートランド戦で負傷をしてから、決勝の試合にすべて出ていない。
 ちなみにケビン・デュラントは2016年のコンフェレンス・ファイナルで、3勝1敗という、あと1勝でファイナルに出場できるというチャンスを、それから3連敗をして逸したことがある。そして、翌年、3連敗を喫したチームにトレードで移籍する。ゴールデンステート・ウォリアーズに移籍したのである。この移籍は、多くの非難を浴びることになる。その非難は、ウォリアーズで2勝して、ファイナルのMVPになっても払拭できていない。
 そのような非難をすべて払拭できるチャンスがケビン・デュラントに今、降ってきた。ここで彼が5戦以降の試合に出場して、3連勝させることができれば、勝負弱いというレッテルも剥がすことができるであろう。
 さて、しかし、こういう時に活躍できないのは、いかにもケビン・デュラントらしいので、今回もあまり期待はしていない。ただ、ここで大活躍したら、記録だけでなく記憶にも残る真のスーパースターになれるのにな、と思わずにはいられない。

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NBAファイナル2戦目(2019) [スポーツ]

1993年以来、ゴールデンステート・ウォリアーズのファンをしている。1993年はプレイオフに進出したが、一回戦負けをする。その後、クリス・ウェバーのトレード、ラトレル・スプリーエルのコーチ首締め事件、ジョー・スミスのドラフト1位指名など、もう目も覆わんばかりの失態続きのチーム運営を行い、NBAの笑いものであった。2007年に奇跡的に14年ぶりのプレイオフへの進出を果たし、なんと第一シードであるダラスを破り、プレイオフで1回戦を突破する。このときは「ウイ・ビリーブ」と言われ、私もそれまでがあまりにも惨めだったので喜びを爆発させた。
 その後、スティーフン・カリーをドラフトで指名し、クレイ・トンプソンも指名し、というか何よりオーナーが替わったことで、状況は好転していく。そして、2013年にプレイオフに進出すると、第三シードのデンバーを破り、その時、敵方であったアンドレ・イグアダラがフリー・エージェントでウォリアーズにやってくる。
 そして、驚くべきことに2015年にはなんと優勝してしまう。私は、もう自分の寿命が来たのかと思いましたね。翌年はファイナルでキャバリアーズに負けるが、その後、ケビン・デュラントが入って2連勝。今年は5回目でファイナル進出を果たしている。
 さて、しかし人間、面白いもので、デュラントが入ったウォリアーズはあまりにも強すぎて、かえって応援する気が失せている。今年はセンターのブギー・カズンスまで入ってきて、いや、先発選手全員、オールスター選手だからね。しかも、シックス・マンも元オールスターでファイナルMVP(2015年)のアンドレ・イグアダラだから、ちょっとこれはルール違反に強い。ということで、最近は昔のように関心を持たなくなっている。いや、もちろん、今でもウォリアーズが一番好きだし、お金と時間に余裕があれば観戦しにいきたいと思うぐらいだが、横綱ぶりがすごすぎるからな。
 などと思っていたら、今回のファイナルはそう安穏としていられない状況になっている。まず、カズンスが怪我で戦線離脱する。そして、ケビン・デュラントがヒューストン戦での怪我で戦線離脱する。これは、ヒューストンに負けるだろうと多くの評論家が指摘する中、デュラント不在の敵地、ヒューストンで勝利をもぎ取り、コンフェレンスのファイナルに進出。ここでもポートランドには勝てないであろうと多くの評論家(チャールス・バークレイなど)が指摘していたが、なんと無敗の四連勝。
 そして、トロントとの決勝に臨むことになった。さて、トロントはデュラント不在のウォリアーズは勝てないと多くの評論家が指摘している。バークレイはもちろんのこと、ジェイレン・ローズもそういっている。負けそうになると応援したくなる。
 そんな中、トロントでの1戦目、カワイ・レナードとカウイ・ローリーをディフェンスで抑えたのだが、シアカムという選手が大活躍をして負けてしまう。しかもアンドレ・イグアダラが怪我をする。これは、ちょっと不味いかな、と思って、2戦目をフォローした。
 心配をしていたイグアダラは先発をした。しかし、ハーフタイム前にガソルのスクリーンにぶつかり床に倒れる。ハーフタイムではトロントにリードを許したままで終わる。これは、あかん。二連敗かと思ったら、第三クォーターで18対0の雪崩のような、「スラムダンク」の山王工業のように試合を支配する。イグアダラは試合に復帰する。第四クォーターではトロントが猛追し、クレイ・トンプソンも肉離れでプレイできなくなるが、代わりに入ったクインが活躍して逆転を許さない。そして、2点差という状況での最後のプレイで、ブリッツをかけてくるトロント。ボールを持っているカリーに二人が襲いかかる。さて、そこでスリーポイントのラインでフリーになるイグアダラ。ボールが彼に渡るが、ラプタースの選手は彼にそのままシュートをさせる。それは、「スラムダンク」での陵南戦で、眼鏡君(小暮)にフリーで打たせたシーンを思い出させるようなプレイであった。そして、小暮同様にイグアダラはシュートを決め、5点差で第二戦はものにする。
 さて、1勝1敗でホーム・コートに戻るが、トンプソンが怪我をしており、相変わらず厳しい状況である。これは大変だ、と思うが、こういうことを言っては何だが、デュラント不在で、アンダードッグの状況で勝ってほしいと思ったりする自分がいる。いや、贅沢なことを言っているのかもしれないし、なめているのかもしれないが、デュラントはちょっと強すぎるからな。デュランド以外の選手が怪我をすると大変な事態になり、トンプソンが怪我をしている状況はまったく予断を許さないが、今日の試合は手に汗握り、そして最終的に勝てたこともあり、久々に応援しがいがあった。

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クリーブランド・キャバリアーズがウォリアーズに4連敗した大きな理由は、レブロン・ジェームズが第一試合で手首を自ら痛めたからだ [スポーツ]

クリーブランド・キャバリアーズがゴールデンステート・ウォリアーズに本日(6月9日)NBAファイナルズの決勝戦で一勝もできず、4連敗して敗退した。ウォリアーズがファイナルズを連覇し、この4年間で3回優勝したことになる。ウォリアーズはカリー、デュランというスーパースターがお互い、補完し合い、第四戦目はNBAファイナルの試合では珍しく、第4クォーターで試合が決まり、スターターは試合終了直前には両チームともコートにはいなかった。これはNBAファイナルズでは相当、珍しい現象だ。

さて、結果だけをみればウォリアーズが圧勝という印象を持つかも知れないが、第一試合はむしろキャバリアーズが大金星を得るような試合展開であった。ただ、JRスミスが同点の試合終了直前にフリースローのオフェンシブ・リバンドを掴み、そこでシュートを決めれば試合は決まったにもかかわらず、なぜかドリブルをして自チームのバスケットから離れ、3ポイントラインを越えてしまい、怒鳴るレブロン・ジェームズに気づいて急いでチームメイトにパスをしたが、そこで試合終了の笛が鳴り、延長戦でウォリアーズに大差をつけられて敗退する。「スラムダンク」で桜木が試合終了直前にリバンドを掴み、赤木にパスをしたと思ったら、顔の似ている高砂にパスをして試合に敗れた神奈川決勝リーグの海南大付属戦を彷彿させるような凡プレイだが、JRスミスのミスは桜木のミスよりさらにあり得なく、それは漫画よりも非現実的であった。あまりに馬鹿げていて、その馬鹿さ加減を笑うこともできない。そして、この敵地でほぼ試合をものに出来たというチャンスを逸したキャバリアーズは、敵地での第2戦ではほぼ勝機がみられず、ホームでの第3戦はカリーの大不調もあり、ハーフタイムまではリードしていたのだが第3クォーターに逆転されるとそのままずるずると負けてしまった。そして、第4戦は試合放棄をしたような負け方をしたのだ。

この戦い方はちょっとレブロン・ジェームズらしくないなと思っていたら、なんと彼は第一試合後に壁か何かを殴り、手を骨折したようだ。彼らしくなく感情的になってしまったのかもしれない。この第一試合は確かに後味が悪く、試合終了のちょっと前にケビン・デュランとのオフェンシブ・ファールがレブロンのブロック・ファールに撤回されたり(実際はブロック・ファールではあったが、ビデオテープをチェックした理由は制限エリアにレブロンがいたかどうを問う違うものであった)、そもそもジョージ・ヒルがフリースローを二本とも決めれば勝ち越せた(ただし、ウォリアーズ・ボールだったのでそれで勝利した保証はない)。そのうえで、JRスミスの同点であるのに勝ち越していたと勘違いでの軽率なプレイである(その前によくあのリバウンドを取ったということもあるのだが)。さすがのレブロン・ジェームズでさえも感情をコントロールできなかったのであろう。JRスミスの軽率すぎるプレイを彼が挽回できる唯一の方法は、このシリーズでウォリアーズに勝つことだったのだろうが、そのチャンスも、彼のプレイを含めた様々なフラストレーションが、レブロンの手を結果的に骨折させてしまったことで潰えてしまった。骨折をしてしまったことは大変、残念だし、多少、愚かだったのではないかとも思えるが、レブロンの凄いところは、その後も敵であるウォリアーズに知られたら不利になると思い、それを隠して、プレイをし続けたことである。そして、第4戦を除けば、そのようなハンディを背負っていると微塵も思わせない(流石に第一戦の51得点というのはなかったが)プレイを続けたことである。

私はウォリアーズをもう20年以上も応援しているファンであるのと、もうずっと辛酸をなめさせられ続けたので敵に同情するような気持ちにはなかなかなれないが、今回のクリーブランド・キャバリアーズに対しての勝利は、そんなに晴れやかな気持ちになれない。これならボストンやトロントと戦った方がよかったような気もする。

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ウォリアーズ、キャバリアーズ第三戦をネット観戦する [スポーツ]

 ウォリアーズは3年連続、NBAファイナルに進出した。そもそも、プレイオフに3年連続出場するということだけでも90年代のファンからすれば信じられない偉業なのに、ファイナルに3年間出るなんて信じがたいことだ。しかもプレイオフの試合では負けなしでファイナルにまで来ている。2000年-2001年のシーズンではシーズンで17勝しかできていないことを考えられると、現在の強さは信じられない。
 さて、しかし、個人的には今年のウォリアーズには関心を失ってしまっていた。というのもケヴィン・デュラントが入ったウォリアーズはあまりにも強く、試合を観ていても一方的過ぎて面白くなくなってしまったからだ。一昨年のように、奇跡的な逆転劇が少なくなってしまった。試合を観ても「手に汗を握る」ということがなくなってしまったのだ。まさか、ゴールデンステート・ウォリアーズのファンをしながら、こんな贅沢な気持ちになれるとは思っていなかったが、それが正直な私の今の状況である。
 案の定、プレイオフの試合も私が応援せずとも負けなしで12連勝、さらにキャバリアーズとのホームでの2試合も連勝して、14連勝。そして、今日の試合を迎えた。
 さて、しかし、もしウォリアーズがこのプレイオフで負けるとしたら今日か明日であろう。ということで、体調を崩して海外出張を取り止めて時間が余ったということもあるが、今日は思い切って全試合をインターネットで観戦することにした。
 第一クォーター、第二クォーターはシーソー・ゲーム。第一試合では不調のクレイ・トンプソンの調子がよいが、それにもましてレブロン・ジェームズが獅子奮迅の活躍をしており、ハーフタイムでは67対61でウォリアーズの6点差。ハーフタイム終盤でのパチューリアのボーンヘッドがなければ二桁差で終わったかもしれない。後半はいきなり、キャバリアーズがアービングを中心に責め続けたこともあり逆転される。そして、これまでの二戦ではウォリアーズが突き放せた第3クォーターでキャバリアーズに5点リードされて終了する。第4クォーターでもキャバリアーズは突き放しにかかったが残り5分まで、それ以上の点差を広げられることはなかった。ここらへん、ウォリアーズは憎たらしいほどの強さだ。横綱のようである。そして、試合終了まであと数分というところでプレッシャーに弱いとこれまで批判されていたケビン・デュランがジェイムスの守備をかわして3ポイントを決め、その後のフリースローもしっかりと入れて逆転をする。そして3点差でまだ同点の可能性のあるラスト・プレイでイグオダラがジェイムスを押さえて見事、勝利をたぐり寄せることができた。
 ここまで来たら、もう総てのプレイオフの試合をスイープの16勝0敗で優勝してもらいたい。とはいえ、つくづく長生きするものだと思わせる、20年前どころか10年前でさえ嘘のようなウォリアーズの強さである。


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ケビン・デュラントがウォリアーズ?? [スポーツ]

 フリー・エージェントのケビン・デュラントがウォリアーズに行くことを決めたそうだ。私はウォリアーズ・ファンを1993年からだから23年はしている。フリー・エージェントでスーパースターがウォリアーズに来ることはこれまで全くといっていいほどなかった。そこそこのスターであればバイロン・デービスのケースがあるし、プレイオフに出るようになってからはアンドレ・イグアダラのケースがある。しかし、それも、この2人だけであったし、ケビン・デュラントのようなスーパースターが来るのは、本当に記憶にない。むしろ、ウォリアーズは誰もがいたくなくなるようなチーム、もしくはフロントが馬鹿なのでどんどんいい選手を外にトレードに出すようなことばかりしていたチームであった。ミッチ・リッチモンド、クリス・ウェバー、ティム・ハーダウェイ、ラトウェル・スプリーウェル、アントワン・ジェイムソン、ギルバート・アリーナス・・・・。ウォリアーズがトレードで出したり、ウォリアーズが嫌になって逃げ出したスター選手は両手でも数え切れない。そんなチームに、世界で3本の指に入るバスケ選手であるケビン・デュラントが来るなんて、本当に信じられない。自分の嫁に堀北真希がくることが信じられないようなほど、信じられない。
 それまでウォリアーズはフリー・エージェントで強くなることも、アンドレ・イグアダラやバイロン・デービスのケースではあったが、これはしっかりと費用対効果も鑑みての判断であるし、決して彼らは万能薬ではなかった。うまく、その選手を使う(アンドレ・イグアダラの場合は先発を外れた)ことによってチーム力を向上することに成功したのであって、ケビン・デュラントのようなオールマイティを採ったことは、これまで一度となりともなかった。
 そのようなウォリアーズの歴史を鑑みると、今回のケビン・デュラントがウォリアーズに来たことは凄い、やった!と思う気持ちはあるのだが、どこか据わりが悪い。決勝で負けたチームで来年、キャバリアーズにリベンジして欲しかった。なんか、ケビン・デュラントがウォリアーズに来るのは安直すぎないか。まるでレイカーズやヤンキースのように、1人で美味しいところばかり持って来てしまって、アンダードッグ好きの私はなんか面白くない。というか、オールスターが先発5人中4人なんて強すぎるでしょう。ケビン・デュラントがいなくても、73勝もしたのに、来年はどうなってしまうのだろうか。というか、ケビン・デュラントもウォリアーズに3勝1敗から3連敗で決勝に行くのを逃したのに、そのチームにのこのこ来るのは、ちょっと格好悪すぎるのではないだろうか。ウォリアーズも、こんなに強くしてしまうと、逆にレギュラー・シーズンが興醒めになってしまうのではないだろうか。なんか興奮するより、妙に白けてしまっている私がいる。私のように思っているNBAファンは結構、多い気がする。

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西地区決勝第六戦(サンダース対ウォリアーズ)は歴史に残るような名試合であった [スポーツ]

 2016年5月28日(現地時間)のオクラホマシティ・サンダーとゴールデンステート・ウォリアーズの西地区決勝第六戦。第四戦を終えてサンダーが三勝してウォリアーズは、第5戦以降はすべて負けたらお終いという背水の陣の状態。第三戦、第四戦はサンダーの大勝。どうやってウォリアーズが勝てるかも見えない状況であったが、第五戦はウォリアーズがホームで勝ち、一矢を報いた。それでも一敗もできない状態は変わらず。サンダースのホームでの第六戦は第五戦以上に厳しい試合になると予想された。第五戦もウォリアーズは勝利こそすれ、接戦であり、ゴール下で圧倒的な強さを発揮し、またサンダーのスーパースターの一人、ウェストブルックがチームメートを活かし始め、ウォリアーズの劣勢は変わらないと思われたし、多くの評論家もそのような意見を披露していた。
 さて、そのような状況であるが、この第六戦でウォリアーズが負けたら、それでシーズンは終了である。今年は、NBA史上最多勝利を記録するなど、以前からのウォリアーズ・ファンとしては、信じられないような快進撃を披露してくれたチームの最終戦はしっかりと見届けなくてはならないと、最初から試合を観戦した。
 さて、試合はサンダーが主導権を握った。第1クォーター、第2クォーター、第3クォーターもサンダースはウォリアーズよりも得点を重ねる。ウォリアーズはクレイ・トンプソンのプレイオフ記録になる3点シュート成功数がなければ、大敗を喰らっていたであろう。それでも、第3クォーターには最大で13点差が開いた。状況が変わったのは第4クォーターである。
 第4クォーターが開始した時は8点差。しかも、しばらくはサンダーのペースであり、トンプソンの3ポイント・シュートしかサンダーに食らいついていく術はないかとさえ思わせられた。しかし、トンプソンが3ポイントを決めていく中で、カリーもシュートを決め始める。イグアダラは素場らしいディフェンスでデュラント、ウェストブルックを抑え始める。
 そして、残り4分48秒でウォリアーズは16対4でサンダーを圧倒した。それまでサンダーはほとんどターンオーバーがなかったのだが、第4クォーターでは、プレッシャーからかターンオーバーを繰り返し、また焦ったようなシュートも増えた。追うウォリアーズの方が落ち着いており、結果的にはとんでもないどんでん返しとなった。
 私はほとんど涙が出そうになるほど、ウォリアーズのファンとしては感動した。もちろん、この勝利は、トンプソンの人間離れした偉業をなくしては語れないような奇跡的なものではあったし、まだあと一勝しないと決勝には進めないが、それでもウォリアーズ・ファンとしては、本当、これまでの20年間の干魃を帳消しにしてくれるような去年、そして今年の快進撃である。ウォリアーズにとっては素場らしい試合であった。

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スティーフン・カリーが延長5分で17点を得点(NBA記録) [スポーツ]

 NBAのポートランド・トレイブレイザー戦でスティーフン・カリーが控えで40点を得点。そのうち、第4クォーターと延長で27点。というか、延長5分で17点を得点した。これは、どうもNBA記録だそうだ。私は、第3クォーターから見始めたが、あまりにも手に汗握るいい試合だったので画面に吸い付けられた。しかし、延長戦に入ったら、カリーのワンマンショーであった。フィールド・ゴール率は6/7。スリーポイントであれば3/3。100%である。まるでテレビゲームのようである。最終的には118対106。オーバータイムだけをみれば、レギュラータイムの接戦が嘘のようであった。
 ウォーリーアーズはバランスの取れた戦力で、またチームワークもいい。オールスターもカリー以外にグリーン、トンプソンといる。控え層もファイナルのMVPイグアダラはもちろんのこと、リビングストン、スペイトなど充実している。しかし、カリーの凄さは、やはり他のチームメートと比べても、頭抜けていることが、今日の試合ではよく分かった。しかも、怪我で2週間のブランクがあったにも関わらずである。今日の試合でカリーは、レブロン・ジェームスやマイケル・ジョーダン、ラリー・バードといった超スーパースターと同じ土俵にのったと思われる。

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2016年2月28日のゴールデンステート・ウォリアーズ対オクラホマ・サンダースの試合は、フィクションを越えた名試合であった [スポーツ]

2016年2月27日のゴールデンステート・ウォリアーズ対オクラホマ・サンダースの試合は、フィクションを越えた名試合であった。『スラムダンク』のどのような名試合をも、この試合には及ばないのではないだろうか。『スラムダンク』の著者の井上雄彦は、スラムダンクのような試合は現実にはない、という批判に対して、残念だけど現実はもっと凄い、と語ったことがあるが、この試合は井上のこの意見を裏付けるような驚くべき試合であった。

http://www.csnbayarea.com/warriors/rewind-no-triumph-record-season-compares-one-vs-thunder

試合の内容を書いても、その凄さは到底、私の文章力では伝わらないが、これを読んでくれた人に関心を持ってもらいたいので、ちょっと流れだけを整理してみる。

第1クォーターはケビン・デュラントが10点も得点し、30対20でサンダースがリードする。
第2クォーターはステッフェン・カリーが3ポイントを3本決めて、途中15−6の猛追をしてウォリアーズは1点差にまで詰め寄るが、それからウェストブルックとデュラントの活躍でまた差が広がり、第2クォーターは57対46の11点差で終了する。
第3クォーターの開始直後、ウェストブルックがカリーの左の足首に乗っかり、カリーは退場する。これはウォリアーズの大ピンチであったが、5分後にカリーは復帰。カリー不在の間、サンダースは得点を広げることができず、7点差のまま試合が続く。カリーは足首への心配を払拭するかのように、このクォーターだけで11点を追加する。残り1分22秒でウォリアーズは1点差で逆転するが、その後、デュランが連続スリーポイントを決め、83対78でクォーターを終了する。
第4クォーターではオクラホマが連続8点を決め、残り9分では89対78と11点差をつける。その後はシーソーゲームで残り4分51秒でも96対85でサンダースが11点差でリード。ただ、そこからウォリアーズが連続8点を決め、2分21秒では3点差。射程距離に入ったかと思ったところ、サンダースが突き放しにかかり残り1分13秒で100対96。その後は、お互いがショットを決め合い、残り14秒でデュラントが3ポイントを決め、103対99。これで万事休すかと思われたが、タイムアウト・スタートで残り11.8秒でトンプソンがレイアップを決め、2点差。その後、デュラントがウォリアーズの山王工業のようなトラップに合い、パスを出すのだが、このパスがカットされて、残り0.7秒でイグオダラがシュート。それをデュラントがファール。フリースローが苦手なイグオダラであったが、ここでは2本とも決め、オーバータイムへ。
オーバータイム開始直後、ウェストブルック、イバカの連続得点でいきなり5点差。しかし、残り4分でデュラントがファールアウトする。デュラントがいなくなった直後、カリーが連続得点をして、すぐ1点差に詰め寄る。残り2分29秒で再び110対110で同点に戻すも、その後は両チーム譲らずで残り1分で116対113でサンダースがリード。しかし、残り29秒でトンプソンがレイアップを決め、ファールももらい、118対118で同点に戻す。残り8秒でウェストブルックがジャンプ・ショットをミスすると、そのボールをイグアダラがリバンドして、カリーにパス。カリーは残り0.6秒で3ポイントラインのはるか手前の40フィートからシュートをするとそれが入り、見事、勝利。
レブロン・ジェームス、マジック・ジョンソン、ダート・ノヴィッツキー等NBA選手がツィッターで、「信じられない」、「狂っている」とコメントをするほどのカリーの大活躍であった。

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ウォリアーズはなぜ最弱から最強へと変貌できたのか? [スポーツ]

 ウォリアーズが絶好調である。開幕16連勝した後も無難に2勝した。全然、負ける気配がしない。15年ほど前の2000年には一年で17勝しかできなかったことを考えると隔世の感がする。いや、5年前の2009年のシーズンでさえ29勝しかできていない。しかし、なぜ、ここまで最弱から最強へと変貌することができたのであろうか。
 1993年のプレイオフでの一回戦負けの後、チームを買収したコーハンがオーナーをしていた頃は、やることなすこと皆、裏目。ドラフトで選択する選手は、リチャードソン(5位)とアリーナ(30位)、エリス(40位)を除けばほとんどが外れ。ヴィンス・カーターをドラフトして、すぐトレードなどという馬鹿なこともしたりした(このトレードで獲得したジェイミソンは悪くはなかったが、彼がオールスターになったのはウォリアーズを出た後であった)。特に95年のドラフト1位のジョー・スミスは酷かった。そして、トレードもほとんど全てが失敗。というか、ウォリアーズに来る選手は皆、駄目になって、出た選手は皆、成功するという、まさにウォリアーズそのものに問題があるような状況にあった。コーチでさえそうである。ウォリアーズが呪われているのではないかとさえ、私は訝しがった。もうファンとしては発狂するような出鱈目さ加減であった。
 このような状況を変えるきっかけは、2009年にウォリアーズの数少ない90年代のスター選手であり、バルセロナの元祖ドリームチームのメンバーでもあったクリス・ムリンをジェネラル・マネージャーから解雇したことに始まる。ムリンの代わりにGMとなったラリー・ライリーは、ドラフト7位でステッフン・カリーを選択する。ミネソタは、カリーの前に2つも選択権があったがパスをする(リッキー・ルビオと既にNBAを引退したジョニー・フリンを選択する)。さらにメンフィス・グリズリーはドラフト2位で、現在はデベロップメント・リーグに所属するタンザニア生まれのハシーム・サビートを選択する。今思えば、両チームとも痛恨のミスであるが、それまではウォリアーズこそがそういうミスをする常習であった。最弱から最強への変貌は、幾つかの要因が重なったものではあるが、この将来のMVP選手と成るカリーの選択が最も、大きな変換点となったことは間違いないであろう。
 そして、個人的に最も大きな変化、というか、この変化がなければ現在のウォリアーズはあり得なかったのが、長年、ウォリアーズのオーナーをしていたクリス・コーハンがチームを手放したことである。2010年のことである。コーハンはプレイオフ進出チームであったウォリアーズを買収した後、17年間で一度しかプレイオフに進出できないチームへと貶めた最大の戦犯である。本当、オーナーによってチームはよくもなれば悪くもなる、という典型的な事例であると思われる。
 新しいオーナーであるジョー・ラコブスとピーター・グーバーの一年目は36勝46敗というパッとしたものではなかったが、シーズンが終わった後、マーク・ジャクソンを新しいコーチとして任命し、ドラフトでは11番目で、その後、オールスター選手となるクレイ・トンプソンを選択するという幸運に恵まれる。
 次の年もプレイオフには出られなかったが、それまでウォリアーズの顔であった「ミシシッピー・ミサイル」のあだ名を持つ得点マシンである(が守備はぼろぼろの)モンテ・エリスをトレードに出して、代わりに元ドラフト1位のアンドリュー・ボーグを得る。これまでトレードで失敗ばかりしていたウォリアーズであるが、これは大ヒットとなる(ただ、当時はファンは大きく失望した。私はエリスとカリーは共存が難しいので、比較的歓迎したが、当時のカリーは怪我ばかりで、今のように飛躍するとは想像できなかった)。パス・センスに溢れるセンターという得難い人材であるのに加えて、バスケット下をしっかりとアンカーのように守るボーグを獲得したことで、それまで攻撃はまあまあでも守備はザルというウォリアーズの伝統を覆し、守備がしっかりとしたチームへと変貌することになる。これはジャクソンの戦略であったが、現在にも続く、勝てるチームへの大きな変身をボーグの存在によって成し遂げることになる。ただし、ボーグはトレードされた年には怪我で一試合も出ていないので、そのインパクトを知るのはそれ以降になる。
 そして、翌年、新しくボブ・マイヤーをGMにすると、彼は、ウォリアーズをチャンピオンにするべく重要な3ピースをドラフトで獲得する。1巡でバーンズ、エジリ、そして2巡であるにも関わらず、現時点でトップ10選手とまで評価されているトリプル・ダブル・マシーンのドレイモンド・グリーンを獲得する。
 この3人が揃って、ウォリアーズは西地区6位の成績で、2006年以来のプレイオフに進出し、3位のナゲッツを破り、地区準決勝にまで行く。そして、この活躍で、これまでスター選手は見向きもしなかったウォリアーズを行き先として考えるようになった。そして、その年のトップ・フリーエイジェントの一人であるアンドレ・イグアダラがウォリアーズに来る。バーロン・デイビス以来の快挙であった。
 この年もウォリアーズはプレイオフに進出するが、クリッパーズの壁を越えられずに7戦までもつれるが敗退する。
 そして、昨年。昨年はトレードをしたのではなく、トレードをしなかったことが結果的に大正解をもたらす。昨年のオフシーズン、ウォリアーズはミネソタのオールスター常連選手であるケビン・ラブとトンプソンのトレード話を却下する。多くのマスコミはこれを大失敗であると批判したが、結果、これが大成功。トンプソンはその年のオールスターに選ばれ、キャバリアーズに行ったラブはミネソタのような活躍ができずにスランプに陥る。
 ウォリアーズはフランチャイズの最高勝ち数の67勝をし、7戦にまでもつれることが一度もなく、40年ぶりの優勝を飾る。そして、カリーはMVPに選定される。
 さらに、今年は昨年よりさらに強くなっている。怪我というリスクが常につきまとうNBAではあるが、現在の横綱のような戦いぶりは、つい最近まで勝率3割台(2011年、2009年、2008年)であったことが信じられない。
 オーナーのしっかりとした考え方、そして幾つかのドラフトとトレードの成功で、これだけの短期間でチームが変貌するという、素場らしい事例であると思われる。企業や組織、そして大学などもこのウォリアーズの変貌から学ぶことはとても多いのではないかと思う。

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ウォリアーズが開幕16連勝でNBA記録を更新する [スポーツ]

 ウォリアーズが半端なく強い。昨年の優勝は「幸運だった」などとクリッパーズのドック・リヴァースなどに揶揄され、開幕前の予想でも連覇を予想するアナリストはほぼ皆無、昨季のMVPであるステッフェン・カレーを今シーズンのMVP候補に挙げるアナリストもほぼゼロ。昨季のチャンピオンに対して、まったくのリスペクトが払われていない中、ウォリアーズが無敵の強さを誇っている。
 16試合のうち、二桁得点差で勝った試合が11試合。残り30秒で負けていたことは一試合もない。この16試合での得点差は13.2ポイント。ほとんどの試合が楽勝である。一番、危なかった試合はアウェイでのクリッパーズ戦で途中まで20点以上も差をつけられ、第4クォーター残り5分でも10点差つけられていた。しかし、そこから破壊力抜群のスモール・ラインナップで臨むとあっという間に10点差をひっくり返し、ライバルのクリッパーズに立ち直れないようなダメージを与えた。ちょっと憎たらしいほどの強さである。
 それにしてもクリス・ウェバーをトレードに出してから、ウォリアーズは全NBAチームの中でももっとも惨めなチームの1つとなっていたのが、まるで隔世の感がする。オーナーが替わるだけで、ここまでチームは変化するのか。ちょっとした驚きである。組織経営を考えるうえでも多くの示唆をウォリアーズの成功は与えてくれる。

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ゴールデンステート・ウォリアーズが破竹の5連勝 [スポーツ]

 昨年、40年ぶりに優勝をしたゴールデンステート・ウォリアーズ。クリッパーズのドック・リバー・コーチに「ついていただけ」とか言われて、まったく優勝チームなのにリスペクトされていないウォリアーズ。しかし、開幕後、昨年、プレイオフで戦ったペリカンズ(2回)、ロケッツ、グリズリーズと戦ってすべての試合で圧勝。グリズリーズなんて50点差である。あまりの強さに、これはジョーダンのブルズ以来のシーズン70勝もあるかも、と思ってしまうぐらいだ。そして、5戦目は同じ4勝0敗同士のクリッパーズ。カリフォルニア州のチーム同士の対戦でもあり、連覇をするためには乗り越えなくてはいけないライバルである。
 私もこの試合を観るために、NBAリーグ・パスを買ってしまった。ということで観たのだが、いい試合であった。第3クォーターまで10点差で勝っていたのだが、クリッパーズのクリス・ポールが4ファールで出てから猛追される。そして、第4クォーターでは逆転されただけでなく、10点差もつけられてしまった。ジョッシュ・スミスの訳の分からない3ポイントが効いた。
 これは、流石のウォリアーズも負けかと思ったら、ハリソン・バーンズの10連続得点で、残り5分で追いついただけじゃなくて逆転。そのあとはシーソー・ゲームであったが、スティーフン・カレーが連続して3ポイントを決めて、結局5連勝。なんなんだ、この強さは。去年よりも強いのではないだろうか。
 まあ、レギュラーも勿論、リザーブも主要メンバーはほとんど同じであるからな。それにしても、NBAの30チームの中で最もエンタテイニングなチームであることは間違いない。今年も楽しみだ。仕事は忙しいが、こんな機会はもう一生にないので、しっかりとフォローしなければ。リーグ・パスも買ってしまったし。

http://www.csnbayarea.com/warriors/win-over-clippers-shows-warriors-repeat-wont-come-easy

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