SSブログ

ドイツでレンタカーをして一日に二回も駐車違反のチケットを切られる [ドイツ便り]

ドイツに来て初めてレンタカーをした。ドイツで車を運転するのは初めてではないが、EUの免許を取ったのが8月の終わりだったので、これまで運転しなかったのである。また、『道路整備事業の大罪』などというタイトルの本を出したので、ちょっと車のハンドルを握るのを敬遠していたというのも理由だ。しかし、ちょっと研究のために旧東ドイツの諸地域を巡る必要が生じたので、車を借りた。デュッセルドルフで借りることも考えたが、旧東ドイツは遠すぎるのでハノーファーまで電車で行くことにした。

さて、ハノーファーで借りたのだが駅の駐車場に置いてあるからと鍵を渡され、駐車場に向かったが番号のところには車がなかった。問い合わせをしに、また事務所に戻ろうとしてもう一つ駐車場があることに気づき、そこに行くと果たしてあった。しかし、これはなかなか気づかないと思う。随分と雑だな、と思うがもうドイツのいい加減さには慣れたので、不思議と怒る気にもならない。さて、さっさとオートバーンに乗ろうと思ったら、なんとインターチェンジが通行禁止になっていた。他のインターチェンジに向かおうとしたが、ベルリン方面と書いてある方向を行くと、再び通行禁止のインターチェンジに着いてしまう。このインターチェンジ周辺では、丁寧に通行禁止のサインが出ているのだが、ちょっと離れるとついていない。この罠に3回は嵌り、夕方のラッシュアワーも手伝い、いらいらが募る。ガソリンスタンドでハノーファーの地図を買おうとしたら、なんと売り切れ。行き止まりの住宅街に入るは、完全に迷路に嵌り込んでしまい発狂しそうになるが、これはもうひたすら遠くに行こうと通行禁止のインターチェンジからなるべく離れるように車を飛ばしたら、またインターチェンジのサインが出てきて、それに従ったら乗ることができた。1時間以上、ハノーファーの街中をぐるぐるとしていた訳だ。まあ、しかし日本なら道路を通行禁止にしたら、そのバイパスを丁寧に示したり案内人を置いたりするが、ドイツはそこらへんは節約か。まあ、日本のようにそんなところで過剰に金をかけるよりかは、ドイツの方がずっと健全であるなと腹立たしいながらも思う。

さて、その後はスムーズに行く。ハノーファーで懲りたので、予め宿泊予定のマグデブルクの地図を買ったのでホテルへもスムーズに行けた。

次の日、マグデブルクの中心市街地を視察に行く。大聖堂の前に駐車する。しっかりとお金を払う。1時間分しか払わなくて時間が不足したので、また30分追加する。時間ぎりぎりに戻ると駐車違反を取り締まる人がチェックしていた。ぎりぎりセーフでラッキーと思い、車を少し移動させて中心市街地の方に行く。中心市街地の空き地に何台か車が駐車してあったので、ここは無料で駐車できるのだろうと思い、車を停め、ちょっと周辺をみる。旧市街地がみられるかと思ったが、新しく開発されたショッピング・センターのようなものがあったので時間もないので、視察を諦め車に戻ると、さきほどの取締官が私の車をチェックしていた。そこで、ここが駐車違反であることを知る。急いでいたのだが、ぐずぐずとメモっている。終わったことを確認して、車を出す。幾ら請求されたのかをみたらナントたったの15ユーロであった。40ユーロは覚悟していたので拍子抜けする。しかし、私が来たら許してくれてもいいんじゃないか、と甘い気持ちをもったりもする。とはいえ、ドイツ人はここらへんは厳しいからな、とはいえ、自分も取締官が周囲をうろうろしていることを知っていたのに迂闊だったと反省する。

さて、マグデブルクの次は、アッシェアーズ・レーベンという町に行く。ここでも何台かの車が路上駐車したので、てっきり路上駐車オーケーと考え、路駐する。街中をぐるっと巡り、目当ての駐車場を巨大看板というか巨大なスクリーンの絵で隠すといったプロジェクトをみて戻ると、ワイパーの上に不吉な山吹色の紙が置かれていた。マグデブルクでもらった切符は、銀行の振込口座が記されていて、そこに振り込むシステムだったのだが、アッシェアーズ・レーベンはそのような口座が書かれていない。私の拙いドイツ語だと、明日役所に出向けのようなことが書かれている。それは不可能だ。近くに警察官に、私は日本から来た観光客で明日はここの役所には来られない風のことをドイツ語で言うと、今役場に行け、という。ぶっちしたい気持ちを抑えて(ドイツはこういうことを無視するととんでもない復讐をしてきそうなので)、急いでいるにも関わらず役場に行く。アッシェアーズ・レーベンは旧東ドイツの御多分に漏れず、英語が全然、通じない。拙いドイツ語でやり取りして、まず罰金がいくらかを調べにもらいに交通課のようなところに行く。なんと罰金は5ユーロであった。安すぎる!こんなに手間暇かけているのだから、せめて20ユーロは取って欲しいと思う。まあ、いいか。その後、経理課に行ってお金を払う。5ユーロのための領収書を切るのに結構時間がかかる。領収書いらないと言いたいところだが、これがないと後で未納ということで新たな罪を着せられるかもしれない。我慢して待つ。さて、どうにか処理も終わり、デッサウに向かう。これで40分は無駄にした。

IMG_3718.jpg
(アッシェアーズ・レーベンの駐車違反を取られた道路)

デッサウの後にベルリンのホテルに向かう。なんとベルリンのホテルには駐車場がなかった。しかし、路上駐車は無料なのでそこらへんに停めて、と言われる。なんでベルリンは路上駐車が無料なのに、アッシェアーズ・レーベンのような人口3万程度の町が有料なのだろうか。まあ、それこそがドイツの旧市街地のヒューマン・スケールを維持できている秘訣なのかもしれない。

次の日はリヒターフェルドに行く。ここでも途中で田舎道が通行禁止になっていた。バイパスはなく、またハノーファーで懲りたので、来た道を戻って大回りをして目的地に着く。その後、グロッシュラッセンに寄り、コットブスに向かうが、リヒターフェルドで思いの外、時間を取ったのでコットブスはほとんど観ずに帰路へ向かう。ここからハノーファーまでは400キロメートルは離れているからだ。ハノーファーには20時までに着かなくてはならない。コットブスに着いたらもう15時を回っていた。時間が余ればハノーファーの街をみればいいやと思い、潔くコットブスの視察を諦めたのだ。しかし、これが結果的によかった。というのは、ハノーファーにあと100キロというところでオートバーンが大渋滞をしていたからである。40分ほどほとんど移動しないような状態であった。しかも、前の車の運転手が非常に気が良くて、どんどんとレーンチェンジをする車を入れるのでまったく前に進まない。こういう気前のよさは日本ではないよなあ、といらいらしつつも妙に感心する。とはいえ、むかついてはいた。その後、160キロで飛ばし、日本やアメリカでの運転の習慣からリアミラーでパトカーをチェックしつつ(別にスピード違反ではないので意味がないのですが)、どうやらハノーファーにつき、レンタカーを返却できると思ったのだが、駐車場の入り口がどうやっても見つからない。駐車場の出口も駐車場も目の前にあるのだが入り口が見当たらないのである。しょうがないのでキス・アンド・ライドの駐車場にとめて、レンタカーの窓口まで入り口を聞きに行く。すると、そのままキス・アンド・ライドの駐車場に置いておいていいと言う。自動車に傷がついていないかなどのチェックも一切なしだ。返却時間のチェックもしていなかった。鍵と駐車場のカードだけを渡してそれでおしまいであった。自動車は傷がついていないと思うので問題はなかったが、ついていたらどうするのかと思わずにはいられない。そういえば、借りる時も傷のチェックなどはなかった。恐ろしくアバウトだ。

久しぶりにドイツで運転をして、普段、まったく縁がない自動車国家としてのドイツの側面をみて興味深かった。

nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1