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オーバーハウゼンの大ショッピング・センターのセントロに行く [ドイツ便り]

オーバーハウゼンの大ショッピング・センターであるセントロに行く。200以上の小売店がテナントを出しており、隣接してイベント会場であるアリーナ、映画館、水族館、劇場、遊園地が立地しており、さらにIBAエムシャーパーク事業の目玉の一つでもあるガソメーターまであるという大集客装置である。工場跡地を再開発してつくられたのだが、昔の写真と比較するととても現在の状況は想像すらできない。

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このセントロの開発に関しては、福島大学の阿部成治先生の『大型店とドイツのまちづくり』に非常に詳しい。ドイツ語でなく日本語でこのような詳しい解説がされていることは大変有り難い。この本は読んでいたので、是非ともセントロに行かなくてはと考えていたのだが、なかなかその機会を持てずにいたところ、先週、阿部先生がこちらにやってこられて、私も夕食をご一緒させていただいたところ、「まだセントロに行っていないの」と言われて、しまったと思い次の土曜日に訪れたのである。

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さて、ショッピング・センターに関しては何も目新しいものはなく、H&MやLego、Kauhof、 Saturnなどのナショナル・チェーンがテナントとして進出していた。これが日本だと越谷のイオンレイクタウンのように、ナショナル・チェーンだけではなく、それにプラスアルファしたようなユニークなテナント・ミックスがなされたりして、もうこれは地元の商店はとても太刀打ちできないなと絶望的な気分にさせられたりするが、ここセントロはまだそういう意味では付け入る隙を見せている。イオンほどマーケティングがされていないのか、まだ日本ほど消費者が成熟していないかと思わせられる。また、レストランではあるが、私はオランダ風のクレープ屋に入ったのだが、これが不味くて、高いという非常にレベルの低い店であった。ただし、ドイツらしくなくサービスだけはよかった。一軒だけで判断するのは早計ではあるが、デュッセルドルフのレストランと比べると味、料金ともに劣っており、このショッピング・センターにて食事をするニーズは個人的にはないと感じた。

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アリーナ、映画館、水族館、遊園地などは訪れなかったが、代わりにガソメーターには訪れた。ガソメーターでは惑星の展示を行っており、入場料は7ユーロと安くはなかったがなかなか充実した展示を行われていた。このガソメーターは上までエレベーターで行くことができる。このガソメーターは高さが100メートル以上あり、上まで行くとルール地方の素晴らしい展望を楽しむことができる。これは、なかなかの絶景である。足下にIBAエムシャーパーク事業で有名になったエムシャー川が流れている。このガソメーターはIBAエムシャーパーク事業の131の事業の中でも象徴的なものだ。産業遺産を見事に展示施設へと転用することに成功した。実際、訪れてみるとなかなかうまく活用しているとの印象を受けた。大ショッピング・センターはそのうち飽きられるかもしれないが、このガソメーターは展示内容というコンテンツをしっかりと企画することが必要かもしれないが、そのランドマーク的存在感といい、工業都市であったオーバーハウゼンの新しい都市としての象徴として、今後も重要な役割を果たしていくのではないかと思わせられた。

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