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ドイツでは日本の原発反対のデモが行われている [原発問題]

 ドイツでは日本の原発反対のデモが行われているそうだ。ベルリンを始めとして各地で行われているようだ。ドイツで日本の原発反対デモを行っても、ほとんど日本の政策には影響を及ぼさない。しかし、どうしても自分達の主張を示したいのでデモを行っているようなのだ。さて、このようなデモが展開していることからも推察されるように、ドイツの日本への不信感、フラストレーションは相当高いものとなっている。まあ、ドイツ人が他国のことにお節介をするな、と日本人が思うようになるのも分からなくもないが、ヨーロッパで随一の親日国であるドイツから不信感、そして場合によっては嫌悪感を持たれつつあるという危機意識はもっと日本人は持った方がいいと思う。例えば、このブログでも以前書いたが、アメリカ人などは、日本は、脱原発できず、原発処理ができないのでアメリカ人が支配するべきだ、というようなエッセイを書いていたりする。ドイツ人はまだそこまでは言っていないし、そこまでは日本を馬鹿にしてはいない。とはいえ、ドイツの原発推進派は「日本人の馬鹿野郎」といった気分だし、ドイツの原発反対派は「何、再稼働してるんだ、馬鹿野郎」といった気分になっているという印象を受ける。ドイツ人のデモも、日本への愛情ゆえのデモと捉えられなくもないし、私のような立場だと心強いものがあるが、いや、それにしても、このまま原発再稼働に進んでいると、本当にヨーロッパからは総スカンを食らいそうな気がする。もっとも、親日的で日本への理解があるドイツが、日本にほとほと呆れ果てた時、日本は本当に孤立していくのではないか、と危惧する。既に、そのような国際的な孤立状況を突いて、中国、韓国が領土問題を提起し始めているとも捉えられる。本当、どうして、このような国際的な視点をもって、自国のことを捉えられないのか。私には不思議でしょうがない。

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ドイツの電力会社は日本人が嫌い!? [原発問題]

 ドイツの大手電力会社は脱原発を止めたことを、福島の原発事故後に撤回したことで多大なる損失を出してしまった。それへの怨恨は、どうも日本そして日本人に向けられているようだ。「日本人の馬鹿が、しっかりと原発を管理できずに事故を起こしたせいで、我々がとばっちりを受けてしまった。日本人の馬鹿野郎」という気分であるようだ。実際、ドイツの大手電力会社は日本人からの視察要求などには対応しないという厳しい態度に出ているようである。
 一方で、日本はこのようにドイツの脱原発を促進させているにも関わらず、自国では適当に原発を再稼働したりして、反原発のドイツ世論にもちょっと何なんだよ、とも思われているようだ。ということで日本の原発への優柔不断な対応によって、どうも大顰蹙を買っているようなのだ。
 さて、ドイツはヨーロッパ諸国でも最も親日であると考えられるが、そのドイツでさえ、このような状況であるので日本の国際的状況は相当厳しいものになっていると思われる。国際的な調整が求められる領土問題について、韓国、中国が強気で責め立てているのは、このような日本の国際的な立ち位置が悪くなっているという背景があるとも思われる。
 原発事故が起きてしまったことはもう取り返しはつかないが、せめて、日本のこの大失態に対して、国際的にもしっかりと誠意をもって対応するという姿勢を示さないと、本当にどんどんと孤立化が進むのではないかと危惧してしまう。どうも政府もマスコミも、国民は馬鹿だと思ってなめた対応をしていても大丈夫だと考えているようだが、国際世論はそうはいかない。この点を、相変わらずの島国根性で、国際的なKY状況を続けていると本当にとんでもない事態になってしまうのではないかと心配である。

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エッセンにある原子力発電所のトレーニング・センターを訪れる [原発問題]

 エッセンにある原子力発電所のトレーニング・センターを訪れる。ここでは、原子力発電所の管理者のトレーニングをしている。原子力発電所の事故の50%は技術ベースだが、50%はヒューマン・エラーである。このヒューマン・エラーの部分を極力、減らすためのトレーニングをすることを目的とした施設である。
 このトレーニング施設は、国の法律によってつくられた。原発で働く人はしっかりとトレーニングされる必要があるからだが、そのために必要なお金はすべて電力会社が支払った。これを電力会社が負担しなくてはならないように法律で定めたのである。したがって、投資元はEON Kernkraft、Power Artiengesellschaft, Kraftwerke AG,
Vattenfall Europe Nuclear Energyといったドイツの四大電力会社、そしてオランダの電力会社も入っている。オランダは1基しか原発がないので、このようなトレーニング・センターがないので、ここでトレーニングをしているのだ。ここでの投資額は350億ユーロ。毎年、ここの運営費として26億ユーロの予算が使われている。
 ドイツでは、原発は10基がまだ稼働している。エネルギーの18%は未だ原発が占めている。ということで、脱原発を進めているドイツではあるが、このようなトレーニング・センターをしっかりと維持している。とはいえ、1機20億円するシミュレーターの一つはもう必要ないということで廃棄された。
 ドイツの原発は最初の原発が稼働してから35年間、大規模な事故がなかった。まあ、単にラッキーだったのかもしれないと同センターの講師は言う。ただし、たまに機械が故障する。それでも、他国に比べればドイツの原発は経済的な効率だけでなく、安全でもあると言う。その理由は、安全に投資をしているからであって、ドイツのジーメンがつくる原発は、安いメーカーに比べて2倍もする。これは安全性にお金をかけているからだそうだ。
 原発の特徴としては、二酸化炭素を排出しないことだと講師は言う。原発を稼働させることで1億2000万トンの二酸化炭素を排出せずに済む。しかし、放射性廃棄物という問題がある。ドイツでは、これに関しての問題を深刻に考えたことがなかった。しかし、100年間保存するところは確保できたが、それ以上のものはないと説明する。このように放射性廃棄物の問題があることを原発の技術者の講師が、しっかりと明確に説明することに感心する。変に隠したりしないことで、しっかりと信用を得たいという意志が感じられる。私は日本では、こういう原発の施設を訪れたことがないのだが、日本でもずばり痛いところもしっかりと説明をしているのだろうか。
 ドイツは2022年に原発を全停止することが既に1991年に決定されていた。しかし、この決定には問題がある。ちょっと原発を停止するには、ちょっと準備が足りないので延期しようとしたのだが、福島原発事故でやはり2022年に停止すると決定してしまった。その原発の代替電力として、現在は、風力発電、太陽発電を考えている。しかし、これは難しいとの講師の意見。なぜなら、電力線が必要であるし、高価であるからだ。これによって、家計の電力の負担が上がる。1kWhの16セントから25セントまで上がる。そのうち30セントまで上昇すると予測される。これは、例えば再生エネルギーの電力供給をしているナチュアシュトロムの予測とは大幅に違うが、まあ、どちらも自分達に都合がいい数字を出しているのかもしれない。しかし、風力発電、太陽発電の技術が進展し、市場を拡大することで、ここらへんの数字は下がっていくと思われるので25セントまで上がるというのはちょっと説得力に乏しい。
 原発技術者は、その資格を得るためにここでトレーニングをして試験をする。この場合は、トレーナーが事故のシミュレーションを起こし、それにしっかりとトレーナーは対応しないといけない。対応できないと資格を得ることができない。一般的な原発技術者になるためには、3年から5年は研修をすることが必要となる。
 ここで訓練をすると技術はしっかりと習得できる。しかし、技術はあっても態度が重要であると講師は指摘する。市内の道路には速度制限がある。しかし、そこで規則を守らなくても捕まらなければ、それを守るであろうか。そこで守れるか、守れないか、といった態度の問題が重要であるとこのトレーニング・センターでは考えている。技術+態度があって、責任感へと結びつく。そして、この責任感がプロフェッショナル精神へと繋がる。
 興味深い話としては、このシミュレーション施設と同様のものをつくって欲しいと、このセンターに依頼しているのが、アラブ首長国連邦であるということだ。産油国であるアラブ首長国連邦がなぜ原発のシミュレーション施設なのか。驚く私に同センターの講師は、いやアラブ首長国連邦もサウジアラビアも石油が枯渇しつつあるので、エネルギーを原子力発電所にシフトしているのだとの説明。本当かよ、と私が訝しがっているのを察知されたのか、サウジアラビアは韓国に原子力発電所を発注したのを知っていますよね、と尋ねられた。いや、知らなかった。そうだったのか。それにしても産油国として、石油が枯渇した後を考えるのは分かるが、その代替案が原子力発電所とはなあ。そもそも政情もおそろしく不安定で、現在は技術を石油の金で買っているような国が、非産油国が脱石油で開発してきた原発を、石油の金で買おうとしていることに猛烈な違和感を覚える。というのは、例えばドバイというのは私が知っている限りでも、最もエネルギーを無駄に使うようなシステム、構造の都市である。例えばドバイ空港も、本当に省エネなどに努めている国を嘲笑するかのように、巨大な電光掲示板がど派手な広告を24時間流すような、エネルギーを超絶無駄にするような施設である。このようにエネルギーを一方で無駄にして、石油エネルギーを浪費しているのに、この石油エネルギーが枯渇することも考えていて、しかもその方策が原子力発電所。
 中東の産油国にとって、エネルギーは国力のほとんど全てである。そのためには、石油エネルギーを効率よく大切に使うといったコンセプトをむしろ自ら研究して、それを世界的に発信するようなことをするべきであると思われるのに、エネルギーを大量に無駄にするドバイ・タワーや人工島などをせっせと造っている。ちょっと申し訳ないが、本当に馬鹿な国であると思う。ただの馬鹿成金だ。というか、あれだけ太陽光が得られる広大な土地があるのだから、それらの新エネルギーの研究などに投資をすべきであるのに、技術的にも劣っていて危険性も極めて高い原発を導入してしまう。日本も馬鹿だが、中東も馬鹿だ。これだけ馬鹿ばかりの人類は、滅びるのが必然なのではないかと、最近は絶望的な気分になってしまう。
 話が横道に逸れてしまったが、この原子力トレーニング・センターを訪れ、ドイツは安全性においても世界でも最高水準の原子力発電所を管理していて、それにも関わらず、脱原発を志向したということを知り、やっぱりこの国はとてつもなく立派なところがあるなと改めて思った。また、面白かったのは、この原発大推進派の講師が、フランスの原発は危ないと指摘したことである。フランスにもここと同様のトレーニング・センターがあるが、全然、レベルが違うそうだ。また、原発の管理水準もドイツと比べると遙かに杜撰であると批判していた。特に危ないのはストラスブールのそばにある発電所であり(名前は聞いたのだが失念した)、フォルトラインの上にもあり、原発も古く、けっこう危険なようだ。以前、フランス人の留学生が、私の講義で、これまでのフランスの原発事故の歴史を発表し、そのうち大きな原発事故が起こるだろうと言ったことがあるのだが、まあ、それを裏付けるような話である。しかし、原発は大丈夫であるといいつつ、フランスの原発は危ない、と思わず本音を言ってしまう、このドイツ人の講師に私は人間的なものを感じつつ、でも、それを聞いた私は、やっぱ原発は危ないなと確信してセンターを後にした。

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福島県民に犠牲を強いるような判断をしたのは東電よりも経産省という恐ろしい事実が発覚 [原発問題]

以下、下記のホームページから引用させてもらう。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201208%2F2012081300831

東京電力福島第1原発3号機が水素爆発を起こす直前の昨年3月14日朝、同機格納容器の圧力を示す数値が急上昇したことを受け、東電が記者発表しようとしたところ、経済産業省原子力安全・保安院から公表を待つよう指示されていたことが、同社のテレビ会議映像などで13日、分かった。
 同映像によると、3号機では14日午前6時ごろ、格納容器の圧力の値が異常に上昇したことを把握。吉田昌郎所長(当時)は水素爆発が起きるかもしれないとして、現場にいる作業員を一時的に退避させたが、この情報を保安院が公表したのは同日午前9時すぎ、同機原子炉建屋が水素爆発を起こす約2時間前だった。
 福島第1原発の東電広報班はこれに先立ち、報道向け広報文を準備したが、本社とのやりとりの中で担当者は「国から止められ、プレス発表を行わずに待っている状況」と発言。本社の社員とみられる人物も「この事象に関しては、保安院の方もプレスへの情報を全て止めていると。事業者からの公表もやめろということです」と話した。
 さらに、本社では「先ほどのプレスに関する情報です。保安院に確認しましたら、絶対に駄目だというのが向こうの見解で、このプレスは行うなという強い要請、指示だそうです」との声も録音されていた。
 保安院は公表が遅れたことについて、「上司と連絡が取れず、東電にも発表を待ってもらっていた」などと説明している。

引用終わり

この情報には驚いた。いやはや、時事ドットコムという極めて右寄り、保守的なメディアがこのような政府批判の記事を発信していることも驚きだが、この事実が逆に、これは真実であることを裏付けている(というより、時事ドットコム、何が後ろで蠢いているのだ!)。結局、より福島県民に犠牲を強いるような判断をしたのは東電ではなく、経産省という恐ろしい事実が今更ながら明らかになったのだ。いや、未だに電力会社を管轄する組織へ、経産省が出向する(しかも経産省へのUターンもOK)ような状況が許されていることを考えると(国会事故調査委員会がそのような状況を一刻も止めるべきと提案しているが依然、無視)、なんか本当にとんでもないことが起きてるのではないだろうか。これじゃあ、第二の福島が起きるのも時間の問題である。国会事故調査委委員会が指摘したように、電力会社管轄組織を経産省の天下りにしては絶対駄目だ。これは、別に役人への倫理を求めている訳でも何でもなく、日本を破壊させないために強く望む。というか、自民党も駄目だったが民主党も駄目すぎる。どうにかしないと、本当、日本は滅びるぞ。

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増田明美の奇々怪々なエネルギー論 [原発問題]

増田明美という女性長距離ランナーがいる。私と同じ学年で、成田高校時代は天才ランナーとして結構、注目されていた。1984年のロス五輪にも出場している。さて、この彼女が、エネルギーに関して、奇々怪々なコメントを出している。

http://www.iza.ne.jp/event/energy/006.html

「再生可能エネルギーは完全にクリーンとはいえないと聞きます」
「火力発電所を見学したのはちょうど原発が停止しているときだったので、いかにも老体にむち打っているように見えました」
「九州電力の玄海原発は、発電所の廃熱を利用してランの花を栽培する温室もありました。栽培に携わっている地元の方の雇用を生み出しているともいえます」
「震災後、街を歩いても節電のため夜はネオンなどが消えているので非常に暗く、昔に戻ったようです。私個人としては、むしろ風流でいいと思うこともありますが、ビジネスの世界にいる友人と話すと、それは『自分のことしか考えていない』といわれます」
「菅直人前首相は脱原発を掲げましたが、野田佳彦首相はもっと現実的に考えているようにみえます」

この偽善的な言い方に虫ずが走るのは私だけではあるまい。「聞きます」、「いわれます」、「みえます」って自分の意見をいいつつ、客観的であるという印象を与えるような言い回しの嫌らしさ。なんなんだ、この人は。というか、いくら貰えるんだろう、こういうことを言うと。まあ、産経新聞系なので怪しさがあまりにもプンプンするが、本当、エセ学者よりも、こういう素人が優等生的な国民代表として発言することの方が質が悪いと私は思う。私は、個人的に一度も、増田明美を応援しようと思ったことがなかったが、それはこういう偽善的で人を見下すような気質を感じ取っていたのかもしれない。

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原発の使用済み核燃料の処理で「再処理」ができると考えている人は、あまりにも将来に対して無責任ではないのか [原発問題]

政府が原発に関して討論会をしている。そこで気になるのは、2030年の原発割合が0%でないと回答している人は、原発の使用済み核燃料の処理を「再処理」するとしていることである。再処理できれば苦労しないって。なんで、相変わらず、この使用済み核燃料を「再処理」できると考えているのであろうか。このように考える人は、どのようなプロパガンダによって、洗脳されているのだろうか。とても不思議である。

この「討論会」では、徳島のある男性が「(電気がなければ)熱中症で死ぬ老人が出る可能性だってある」と原発が安定的な電源だと必要性を訴えたりもしていた。こういう非論理的な発言が依然として出てくることに驚く。まず、原発=電気ではない。特に、熱中症で老人が死ぬほど暑い時は、太陽光エネルギーの効率が極めて高いので、そのような事態の時は、太陽光は相当、安定的な電源である。また、そもそも熱中症で老人が死ぬような都市構造へと転換させた要因は、電力に過度に依存するようなシステムへと移行させられたからである。この背景には、電力会社をはじめとした経済界の意向があったことは間違いないであろう。要するに、電力やエネルギーをより多く無駄にさせるような社会基盤が整備されたのである。その最たるものが、オール電化ハウスである。したがって、今、本当に考えなくてはならないことは、電気やエネルギーをあまり必要としないような都市構造、都市システムを再構築することであり、電気がなくても熱中症で老人が死ぬような都市環境を改善することである。もしくは、そのような悪環境を整備することに対して、規制をかけるとか、税金を多大にかけるようにすることだ。少なくとも、オール電化ハウスのようなエネルギー的に極めて非効率な家に住みたいような、地球環境を考えない輩には、地球環境破壊税などを徴収すべきであろう。
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名古屋の人達の原発に対しての危機意識の低さには呆れかえる [原発問題]

政府が全国11カ所で開いたエネルギー政策の意見聴取会が4日終わり、2030年までに原発ゼロを求める意見が7割を占めた。(http://www.asahi.com/politics/update/0804/TKY201208040443.html

この数字が高いかどうかは、特にここでは議論をしないが、興味深いのは地域によって差があることだ。さいたま、仙台、名古屋、札幌、大阪、富山、広島、那覇、高松、福岡(福島は数字の取り方が違うので、ここでは省く)の10都市で、「2030年の電力に占める原発の割合」が「20〜25%」と回答した割合が最も高いのは名古屋(23%)、次いで大阪(21%)、富山(20%)となっている。ここで驚くのは名古屋の高さだ。というのは、これはもう、シミュレーションから明らかなことだが、福井の原発で事故が起きたら放射能まみれになるのは名古屋である。政令指定都市で、原発で事故が起きた場合、浜岡が再稼働しないという条件では、圧倒的に危ないのは名古屋、そして福岡だ。そういう点で、名古屋の人達の危機意識の低さには呆れかえるしかない。ちなみに、大阪は相当、安全だ。まあ、福井で事故が起きたら、大阪の水瓶である琵琶湖は汚染されるので、そういう点では無害という訳にはいかないだろうが、名古屋とは違う。そう考えると、本当、名古屋の人達のお気楽さには呆れてしまう。特に、大飯原発が断層の上に立地している可能性が高いことを考えると、何を考えてるんだろうねえ。

もう一点、興味深いのは、「0%」の割合が低い48%の高松で、28%が「その他」となっている。意見を表明するのが苦手な地域なのだろうか。このような状況下で、自分の意見が言えない、というのは随分とだらしない人達だ。まあ、他人事なのであろう。伊方で事故っても、確かに高松にはあまり被害が及ばないだろうし、確かに高松は原発の危険が相対的に低い地域であるから、この結果は分からなくもない。

まあ、何が分かったかというと、原発に関しては、随分とその意見に地域差がみられるということだ。ただし、那覇はサンプルが9人であったりして、さいたまの309人とは大違いである。とはいえ、福島原発の問題が対岸の火事であるように捉えている地域とそうでない地域とで、大きく世論が分かれてしまっている印象を受ける。
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鳩山由紀夫が官邸前の脱原発デモに参加するという話に呆れかえる [原発問題]

鳩山由紀夫が金曜日恒例となった官邸前での脱原発抗議行動に参加したそうだ。そして、マイクで「皆さんの声と今の政治があまりに懸け離れており残念だ。首相経験者として皆さんの声を官邸に伝え、政治の流れを変える役割を果たさないといけない」と訴えたそうだ。

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20120720-986707.html

この話に私は呆れかえったよ。この人は首相までも経験しながら、野党根性が骨の髄まで染みついているのであろう。実際、首相になっても何も出来ず、もう政治家も辞めるといって全てを放り出しておきながら、結局、政治家も辞めず、今更とことこ、官邸前のデモ参加というのは、もう怒りを通り越して、呆れるというよりかは、その呆れも通り越して怒ってくる。党内で政策を実現する立場にいながら、一緒に脱原発行動デモに参加とは、この人の頭の中はどうなっているのだろうか。まさに、税金泥棒とはこのような議員のことを言うのであろう。こんな恥ずかしく、酷い政治家は、自民党でもなかなかお目にかかれない。麻生元首相以下である。
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日本最強のいじめっ子である野田首相が、いじめを発見したら相談しろとは笑止千万だ [原発問題]

野田首相が16日のフジテレビの番組で、いじめ問題の解決に向けてメッセージを発表し、テレビカメラに向かって「いじめている子、いじめられている子がいると分かったなら、見て見ぬふりをしないこと。これが一番大事なことです」といじめを発見したら学校などに相談するよう訴えた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120716-00000082-jij-pol

私的には、今、日本で最大のいじめっ子は野田首相であると捉えていたので、これには驚いた。あれだけ、人々が「原発の再稼働を止めて欲しい」と言っても無視して強行。「お願いだから止めてくれ」と家にまで懇願しに行っても無視。しかも、家の前で集会できないよう工事をする始末だ。野田さんは、自分がいじめている人達が抗議をしているのに「見て見ぬふりをしている」。よくぞ、こんなことが言えたものだ。開いた口がふさがらないとはこのことだ。

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福島県川内村を訪れる [原発問題]

福島県川内村を訪れる。福島原発事故で、全村避難を余儀なくされたが、今年1月に村長が帰村宣言を出して村民に帰村を促した。震災前の人口は約3000人で、帰村者は6月4日時点で約250人ほどである。川内村では、数名の人とお話をする機会を得た。大気の汚染はそれほどではないことは明らかである。私もガイガーカウンターをこまめにチェックしたが、いわきから国道399号で峠を越えた時こそ0.5マイクロシーベルト毎時と高かったが、村役場の周辺では0.1マイクロシーベルトと生活にも支障がないレベルである。問題は、土地の汚染である。いわき市でもそうだが、大気は大丈夫ではあるのだが、肝心の食べ物がどの程度、安全であるのかが不明である。村には自主的に放射能を計測できる機械で、測定希望者に計測サービスを行っているのだが、20ベクレル以下だと測定ができない。現在、国の基準は100ベクレルであるので、20ベクレル以下であれば大丈夫なのだが、それでも人々の不安は消えない。村内の人々は、国の言っていることや山下さんのような学者の言っている放射能楽観説をできれば信用したい、という気持ちを持っている。しかし、そこで信用することで馬鹿を見るのが自分たちであることも自覚している。とはいえ、楽観説に依存できなければこの村では生きていけない。とても辛い状況に立たされていることを改めて知り、原発の凄まじいほどの暴力に怒りさえ覚える。なぜ、このような状況が現在進行形で進んでいるのに、大飯町を始めとした福井県、佐賀県の人達が原発を再稼働させようとするのかはまったく訳が分からない。このような悲しい思いをするのは、福島の人達だけで十分である。彼らのリスクを背負って生きていこうという生き様には感動に近いものを覚えるが、彼らは他の人には自分たちのような思いをさせたくない、自分たちだけで十分である、という気持ちを有していると思う。その思いに応えようとしない人々の気持ちを私はおそらく死ぬまで理解できないであろう。

その後、福島第一原発の見える丘の上まで行く。距離にして12キロメートル。その姿が忽然と眼前に現れた時、背中に悪寒が走り、身震いをしてしまった。その禍々しい建造物は、美しい海と誰も住んでいない田園地帯の中にポツンと建っている。なぜ、人類は、そして日本人はこんなものを造ってしまったのであろうか。そして、その後悔をどうやって明日へと肯定的に繋げていくことが可能なのであろうか。ガイガーカウンターが示す1.17マイクロシーベルト毎時という凄まじい放射能を身体に浴びつつ、私は、日本という素晴らしい国、そして国民の運命を奈落の底に落とした建物としばらく対峙していた。

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(福島第一原発)

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(ガイガーカウンターは1.17マイクロシーベルト毎時を示していた)
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「アンパンマン」のやなせたかしのホームページに掲載されている「6月の挨拶 [原発問題]

「アンパンマン」のやなせたかしのホームページに掲載されている「6月の挨拶」。なかなかいいことが書かれていて、感銘を覚える。

http://www.anpanmanshop.co.jp/02-00.htm

いい詩なので、ここに書写させてもらう。

人間なんてアホだから
殺人兵器つくったり
放射能汚染を平気でやり
地震の原因になる
地下核爆発の実験したり
何もかもメチャクチャにして
いばっている
なんていうことだ
この宇宙の
微妙なバランスを
くずしてしまって
いいのか
金環日食はすごかったが
天体ショーはまだ続く
ぼくもアホ人間のひとりだが
こんなアホとは
種類がちがう

ふうむ。含蓄のある言葉である。さて、写書していて気づいたのだが、この「いばっている」というところを写していてハッとした。確かに、結構、メチャクチャしている人は「いばっている」のである。いばっているから、俺を尊敬しろ、とか俺のことを好きになれ、とか俺に金を支払えとか、メチャクチャなことを言ってくるのだ。私は、実はほとんどいばったことがない。これはいばる根拠がないからだが、そうか、確かにメチャクチャをする奴らは威張っているし、威張っているから平気でメチャクチャをする訳だな。ということに、やなせたかしの言葉によって気づかされた。

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福島県福島市から関西地方へと避難したある母親のコメント [原発問題]

福島県福島市から現在、兵庫県宝塚市へ避難しているある母親のコメントを掲載させてもらう。

* * *

私が福島にいる頃、子供たちが『ぼくたちどうせ死ぬんでしょ!?』などという台詞は日常的でした
初めは言葉に詰まっていた大人もだんだん
『そう、だから死なないように避難するんだよ』
という説得の言葉になりました

暑い夏も窓を閉め、長袖にマスクで授業を受けなければならない子供たち
体育も外遊びも一切禁止!
学校の校庭が使われないから背丈ほどの草が生えていました
子供たちが土や草木を触ろうとすると親はヒステリックに怒り、側溝の上も歩かせないように気をつけました

ガイガーカウンター(放射能測定機)を買い、計ってみると驚くほどの数値が家の中でもあり、みんな窓際から子供ベッドを部屋の真ん中に移し
食事にも神経を使い
家の屋根や壁は高圧洗浄機で除染をし
通学路の土を削り
せめてもと週末は他県に避難をし
そこまでしても、鼻血を出す子が続出し、下痢、頭痛が止まらない子がたくさんいました

娘の友達が何人も白血病の初期症状と診断され、甲状腺の異常が見つかった子もたくさんいました

母親たちはいてもたってもいられず避難しようとしますが、家庭や職場などで意見の食い違いが起こりあちこちで揉め事が絶えなくなりました

うちも避難はしたものの、震災後10ヶ月間もいてしまったので娘がいつどうなるかわかりません
娘は一生その不安を抱えて生きていかなければなりません

一番危険な10ヶ月、避難できず福島にいてしまった親としての罪、無理矢理引き離して子供から全てを奪ってしまった親の罪
何が正しかったのか全くわからず、どちらにしても子供には申し訳ないという思いだけです

報道も福島の現実はタブーとされ一切伝えられません
他県でも福島は閉じ込めておいて自分たちにふりかからなければいいという考えなのでしょうか?
また、今だに『大袈裟な』と思ってる方も多いのでしょう

原発再稼動などして、もし何かあったらどうするのでしょうか?
自分たちの所は起きないと思っているのですかね?
日本の中でこんなことが起こっているのに
なぜ日本人は目を覚まさないのか
不思議でなりません

大飯原発
何かあったら神戸あたり風向きによってはかなり酷くなる可能性がある距離です
しかも避難区域にならないから一番悲惨でしょう
なぜ皆さん焦らず平和でいるのか不思議でなりません

******

以上である。「娘の友達が何人も白血病の初期症状と診断され、甲状腺の異常が見つかった子もたくさんいました」というところは、本当なのであろうか。本当であれば大変なことであると思うが、これは私は寡聞にして、このようなデータを見たことがない。どちらかといえば、そのような事態にはならなかった、という情報は見たことがある。確か、福島県のデータで、甲状腺の異常というよりかは、胎児の異常であったかと思うが、原発周辺とそれ以外とでは統計的有意性のある差がなかったとのことである。この母親のコメントが具体的な事実であれば、確かに、我々が「大飯原発」再稼働で平気でいられるのは、随分と奇異で理解不能なこととなる。この異常データ、どこにあるのだろうか?
 ということで、ちょっとインターネットで検索したら、今年の2月の「週刊文春」に興味深い記事が掲載されていた。以下、引用。

*****

 北海道へ自主避難している親子309名(子供139名、大人170名)を対象に、昨年末から地元の内科医がボランティアで甲状腺の超音波検査を行っている。郡山から夫と離婚して避難してきた母親の7歳の姉に結節が見つかり、2歳の妹にも2ミリのものが見つかったのだが、妹のほうはがんの疑いはないという。
小児甲状腺がんはチェルノブイリ原発事故で、唯一公的に認められた被曝による健康被害である。旧ソ連のベラルーシでは、事故までの10年間で7人だった子供の甲状腺がんが、事故後は508人に上っている。札幌で甲状腺エコー検査を実施した内科医はこう言っている。
「しこりのあった七歳女児と四歳男児の二人に加え、十九歳以上の『大人』九人の計十一人に、甲状腺がんの疑いがありました。うち成人女性一人はすでに甲状腺がんが確定、切除手術を行うことも決まっています」
1月25日(2012年)には福島県で第五回「県民健康管理調査検討委員会」(以後=検討委員会)が行われ、十八歳以下の甲状腺エコー検査の結果が発表された。1765人のうち26人に結節や嚢胞(のうほう)が見つかったが、「すべて良性」とされた。さらに福島県立医大の鈴木眞一教授は会見で、「二十六名はいずれも六歳以上。五ミリ以上の結節、二十ミリ以上の嚢胞が五歳以下で見つかることはありえない」と明言している。
先の内科医は年間2000人ほど甲状腺の手術を行うが、鈴木教授がいうように、小学生に上がる前の子供にできる可能性はほとんどないという。だが、発見されたのである。避難してきた子どもたちはいずれも原発事故のあと、3か月以上福島で暮らしていたのだ。7歳の女児はその後の血液検査の結果、「良性」と診断されたが、将来に不安が残ると母親は語っている。
「診てもらった北海道大学の先生も、今までに十四歳未満でがんになった子供を二回しか診たことがなく、『いつ、がんになるかわからない』と。でも、しこりを切除してしまうと、今度は一生ホルモン剤を飲み続けないといけなくなるというのです」

*****

引用終わり。ふうむ、どうもやはり結構、被害が出ているのかもしれない。しかし、結構、マスコミも今まで、本当に適当なことを書いたりしてきたので、一体全体何を信じていいのか分からない。こういう時は、自分が損をしないように、しっかりと情報を分析することが必要となるのだが、その肝心なる情報量が少なすぎる。本当、馬鹿でいると生き残れない時代になりつつあるなと思う。
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原発稼働の是非を問う住民投票条例案を圧倒的反対多数で否決した自民党・公明党 [原発問題]

 東京都が直接請求を受けた原発稼働の是非を問う住民投票条例案について、都議会は20日の本会議で自民、公明両党などの反対多数が否決した。民主党は自主投票とし、半数以上が賛成した。
 民主党の出鱈目さ加減に呆れかえっている私であるが、それでも、まだ民意を重んじるという点では自民党、公明党よりはましだ、というこの信じがたい事実。公明党はおそらく、公明党支持者以外はどうでもいいと考えているので理解できなくもないが、自民党って本当、一体何なのだ。野党になっても、この民意を無碍にする対応。与党じゃあ、もうないのに、この余裕は何なのだろう。
 まあ、民意といっても、条例案は約32万人分の都民の署名に過ぎない。この32万人には私も入っているが、1200万分の32万だからなあ。子供もいるので実際はもう少し、割合は高いかもしれないが、それでも3%弱という数字は少ない。しかし、一方で32万という数字も大きいとは思う。少なくとも、投票をさせて欲しいと言っているだけであり、原発の是非を問うている訳ではない。しかし、石原慎太郎知事は「稼働の是非は国が責任を持って判断すべきだ」と反対し、しかも親指を立てて下げるという都民を馬鹿に仕切ったパフォーマンスまでもした。しかし、原発の是非は都民に投票させないのに、自分は都民の投票で選ばれている訳ですよね。まあ、こういう人を投票した都民にすべて責任が帰せられるということなので自業自得なのでしょうが、このようなことを続けると、そのうち反社会的な輩が増えていくと思うのは私だけではあるまい。原発という圧倒的な暴力を押しつけておいて、いつまでも黙って人がそれを受け入れるとは思えないからだ。
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大飯原発の使用済み核燃料はどうやって処分するつもりなのか? [原発問題]

毎日新聞のウェブニュースから下記、引用(http://mainichi.jp/select/news/20120617k0000e010117000c.html?inb=yt)。

原発を動かすと使用済み核燃料が発生する。大飯原発では貯蔵先の約7割が埋まり、新たな貯蔵先や処分方法に展望が見えない。福井県の西川一誠知事は16日に政府に要請した8項目の中で、県外でも一定期間保管する「中間貯蔵施設」を求めたが、政府は具体的な検討を先送りした。
 使用済み核燃料は、熱を出し続けるためプールなどで約4年は冷やす。冷やせないと溶融し放射性物質が漏れる恐れがあるからだ。
 関西電力によると大飯原発3、4号機には今年3月末現在、2805本(1291トン)の使用済み核燃料が保管され、容量の72%に達している。唯一の搬出先である再処理工場(青森県)も容量の97%とほぼ満杯のうえ、トラブル続きで稼働に見通しが立たない。
 福島原発事故を検証した民間の事故調査委員会の北沢宏一委員長は「プールという原発の最大の弱点を放置しての再稼働は理解できない」と批判する。状況は他原発も同じで、昨年9月末現在、全国での保管量は1万4200トンで、満杯の2万630トンに迫る。枝野幸男経産相は再稼働決定を受けた16日の記者会見で「中長期的な原子力政策を議論中で検討体制もこれから」と応じるにとどまった。

引用終わり。

私はフクシマ原発の事故以降、原発稼働は全くもって反対で、脱原発を志向しているものであるが、そういう考えを抜きにしても、原発再稼働するうえで頬被りできない問題が、この「核のゴミ」の処理である。最終貯蔵施設をどうするかという展望がまったく見えていないのも問題だが、短期的な中間貯蔵施設でさえ、まったく確保できていない状況にある。それなのに、大飯を再稼働させた政府の無責任ぶりには呆れるほかない。西川知事は、おそらくこの愚行によって歴史に名を残すであろう。日本に将来があったらの話であるが。
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日刊ゲンダイにまったく一行も書かれていない大飯原発再稼働 [原発問題]

 今日、大飯原発が再稼働した。まあ、それはもう致し方ないものと諦めてはいたが、不思議なのはマスコミがほとんど取り上げないことだ。今日、たまたま購入した日刊ゲンダイも一行もそれに関する記事が掲載されていなかった。どういう圧力があったのか。もしくはどういう編集方針なのだろうか。日刊ゲンダイはどちらかというと、いろいろと与党に批判的な記事で知られていると思うが、その新聞が黙るというのは一体全体、どういうことなのだろうか。いや、日本はまだまだ私が知らないことがたくさんあるということなのだろうか。
 さて、大飯原発再稼働で盛り上がっている原発推進派は、他の原発も再稼働させろと主張し始めている。まあ、もうどうでもいい、というアパシーな気分に私はなっている。そのうち、またどこかで確実に原発事故は起きるであろう。できれば北海道、泊といった東京に被害が少なく、かつ西日本が汚染されないところで事故って欲しいが、この事故から学ぶところが少なかった西日本でおそらく起きるだろうなあ。それは東京の被害は相対的には少ないが、おそらく日本という国という点ではダメージは膨大なものとなるだろう。とりあえず、子供には外国語教育をさせておこう。
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首相官邸前での「再稼働反対」抗議行動が報道されない不思議 [原発問題]

 首相官邸前での「再稼働反対」抗議行動が報道されない。6月15日は、1万1千人は集まったらしい。このような国民の意見が、まったく報道されないという不思議。実際、ユーチューブで流された報道だとそうとうの反対行動である。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=1YkSUrDqxKU#!

 このような状況を報道しないというのは、一体全体どういうことなのだろうか。これが極めて少数派の動きではないことは、世論調査で決して多くはないが、それでも54%という過半数が原発再稼働に反対していることからも明らかである。
 原発事故は、この国に民主主義がないことを露呈したが、この国はマスコミが第四の力としてはまったく機能しておらず、期待できないことも顕在化した。スポンサーを必要とする民放はともかくとしてNHKが報道しないということは、本当に残念である。
 とはいえ、おそらく他国、特にドイツなどではニュース番組として取り上げられると思われる。さらにユーチューブで、決して見やすいとはいえないが、実際、どのようなことが起きているかは知ることができる。このような状況での報道無視は、自分たちの首を絞めるだけだということに早く気づいた方がいいと思いたいが、学生への原発問題への無関心、そして、電力不足キャンペーンにまんまと洗脳されている者が多い状況を知るにつけ、このような原発反対運動無視といったマスコミの原発側面支援は功を奏しているのかなと大変残念ながら思ったりもする。
 第二次世界大戦に参入し、国土を焦土と化してしまったという歴史上の過ちから、この国はまったく学ばずに、同じ愚を繰り返そうとしているのであろうか。しかも、今回の判断は国土を焦土にするだけではなく、半永久的に住めなくなるような汚染に晒すかもしれないのだ。そのようなリスクを、ちょっとした電力不足が嫌なだけで、平気で取れるという思考がまったくもって理解できない。
 このような思考ができない民族、国は滅びるであろう。福島原発から出た放射能物質は23%しか国土に降り注がなかった。これは、福島原発の地理的位置によるだけの不幸中の幸いであった。それでも、本来的にはそれほど降ることのなかった原発から西側に位置していた福島市でさえも、多くの放射能に晒され、今日の朝日新聞のデータであってもまだ0.60シーベルト毎時。これは年間で大気からだけで5シーベルトを越えるという数字である。福島の事故が、例えば大飯原発で起これば、国土に降り注ぐ放射能の割合は福島の比ではないし、風下になる名古屋市の被害は福島市よりも甚大なものとなるであろう。
 そのようなリスクの大きさを考えれば、とてもではないが原発を推進できないと思うし、このような事故が起きたのが福島原発であったことは、日本は不幸中の幸いでセカンド・チャンスが与えられたと捉えるべきであるのに、それから学ぶことができないというこの国、そして国民。まあ、そう遠くないうちに滅びるだろうと思うのが論理的であると思うのである。そして、これでは、被害にあい、犠牲を強いられた福島の人達も浮かばれないであろう、とつくづく悔しく思う。
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野田佳彦首相の大飯原発再稼働の発言の軽薄さと破廉恥さ [原発問題]

 野田佳彦首相は8日夕、首相官邸で記者会見した。そこでの発言をいくつかピックアップする。
「原発は重要な電源だ。国民生活を守るために再起動すべきだというのが私の判断だ」。
「日常生活への悪影響をできるだけ避ける。原発を止めたままでは日本社会は立ちゆかない」。
「夏場限定の再稼働では国民生活は守れない」。
「事故は決して起こさない」。

 私はいろいろと問題も多いが、それでも民主党は自民党よりは遙かにましであると思っている。これは、二世、三世議員といった世襲議員が少なく、政治家になりたいと純粋に思って政界に入った人が多いからである(鳩山さんとかは違うが)。そして、野田首相は、そういう意味からも、鳩山、麻生、安部、福田、小泉といった最近の首相に比べてはるかに政治家としてはしっかりしていると思っていた。
 とはいえ、今回の発言はあまりにも、今の日本の状況を考えると国民に対して無責任で軽薄で破廉恥である。いや、野田さんは企業のことは考えているので、企業やそして福井など原発によって短期的に潤う地域に対してはそれなりに配慮をしているということなのであろうが、国民全体に対してはあまりにも馬鹿にしている。
 まず、「原発が国民生活を守る」というが、その原発によって、福島をはじめ、東日本の人達の生活がこれほど危機的状況に晒されているのに真逆のことを言っている。このように東日本の一部かもしれないが、日本人通常の生活が危機的状況に晒されているのは第二次世界大戦後、初めてであろう。東京湾のセシウム汚染がこれから本格化するなか、原発が国民生活を守るというのは、あまりにも福島を初めとして関東の人達を馬鹿にしていないか。
 あと「原発を止めたままでは日本社会は立ちゆかない」というのも違うであろう。この時点でも、まだまだ節電の余地はある。確かに、現時点での極端な原油高や、再生可能エネルギーによる発電価格の高さなどから、企業活動するうえで、電気代が高いことは経営圧迫に繋がるかもしれないが、原油がこのような高価格で推移し続けるとは思えないし、また、再生可能エネルギーでの発電価格は、ドイツでみられるように技術革新とともに減少していく。野田さんの発言の背景には、「このまま日本社会が原発なしでやっていくと、原発なしでもやっていける」ことが露呈することの焦りがあると思われる。
 そして「事故は決しておこさない」という発言。これは、万引きが発覚した直後に、もう二度としません、という中学生のようなもので、とても信用できないし、あまりにも言葉が軽いであろう。驚くことに相変わらず、保安院が原発の管理をしているような体制で、どうして「事故は決しておこさない」などと平気に言えるのであろうか。

 ということで、予期はしていたことではあるが、野田さんの記者会見の内容をみて、改めて心底、この国の政治に絶望させられるのと同時に、これで日本という国は沈没するであろうな、ということをほぼ確信する。そして、これは日本の歴史の教科書には載らないことではあるだろうが、他国の世界史の教科書には、この野田さんの発言は掲載されることになるだろうと思う。日本が沈没することになった歴史的な決断をしたことによって。
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遂に出始めた原発事故対応の強烈なる国際バッシング [原発問題]

ロバート・クリングリーというペンネームでニューヨーク・タイムスやニュースウィーク、フォーラムといった一流紙にコラムを書いているマーク・スティーフンスが、ブログで強烈に日本の原発事故の対応を批判している。下記のブログである。タイトルは「次の日本の原発事故(不可避)はさらに酷いものとなる」というものだ。

http://www.cringely.com/2012/05/24/the-next-japanese-nuclear-accident-its-inevitable-will-be-even-worse/

彼はスリーマイル事故で、大統領命によって設置された事故調査委員会で調査員をしたり、また20年間、日本企業を顧客としたコンサルティング業務をしたこともあり、なかなか鋭い分析をしており、実は私の考えとも重なるのであるが、日本人ではないために、客観的ではあるが、日本人としては辛い内容となっている。ざっと、その内容を私が気になった点を中心にまとめると次のようになる。

・今回の福島第一原発事故が起きたのは東京電力と日本政府の無能と愚鈍に帰する。
・福島第一において、この3年間で震度7以上の地震が起きる確率は90%である。
・しかし、東京電力そして日本政府は、それへの対応をしない、というかできない。そして、地震が起きることをまったく無視するか、こないことを神頼みするだけである。
・日本人では、このような危機的状況に対応することは不可能である。
・これに対応するには、マンハッタン・プロジェクトのような体制で望むしかない。日本政府の唯一の役割は金を出すだけである。そして、そのリーダーは原子力産業からではなく、そして、おそらく日本人でないことが望ましい。
・しかし、日本ではこのような体制をつくることは不可能である。

 遂に出始めた原発事故対応の強烈なる国際バッシングであるが、このような声があがるのは必然であろう。そして、このジャーナリストは決して例外ではない。大飯原発は、多くの日本人も不快に思っているだろうが、海外の人はさらに不愉快に思っている。というか怒っている。私は、このブログをアメリカの西海岸において書いているが、東北の津波でアメリカ西海岸にものが流されてきたことで、人々は当然、セシウムなども流されてきていることに気づき始めている。実際、こちらの魚介類にも放射能が検出されているようなのだ。そして、そのように国際的な被害を起こしても、さらにまだ福島の原発が収束してもいないのに、「電力が不足しているから原発」、「経済的に停滞するから原発」と原発の再稼働を主張する日本国に強いアレルギーを覚え始めているのが感じられる。そのような意識が、このジャーナリストの主張にも反映されていると捉えることが必要であろう。
 ドイツ人も「理解不能な日本人」という捉え方をしている。この「理解不能」の正体を知ろうとして、ドイツのジャーナリストは誠意をもって取材をしていると、ドキュメンタリーからは思えるが、アメリカ人は、「駄目な日本人に任せていたら、こちらにも被害が及ぶ」という考えから、ある意味で、日本政府を支配するといったところまで行くかもしれない。菅直人は、その危機をすぐ察知して、事故の時、自らが動いたが、現在の日本のマスコミは、そのような行動を非難して、菅直人を犯罪人に仕立て上げようとしている(特に顕著なのが産経新聞である)。
 これからも大飯原発再稼働などとはしゃいでいると、アメリカに占領されてしまうかもしれない。このように書くと、でも日本の原発再稼働でアメリカの企業も潤うから、そんなことはしないと思うのであれば、それはアメリカという国を知らなさすぎである。アメリカという国は、麻薬を平気で売りつけて、その麻薬を使用したところで取り締まるようなことを平気でするのだ。
 いや、しかし予期はしていたが、これからも原発関連では相当、国際バッシングが増えていくと思われる。これは、ほんの手始めであると認識して、覚悟しておいた方がよい。日本の国際的地位は第二次世界大戦以来、最悪のレベルにまでこれから落ちていくであろう。
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今さら節電要請をする経団連の米倉会長 [原発問題]

今日(2012/06/01)の日経新聞の記事によれば、経団連会長の米倉弘昌氏が、今日6月1日に経団連に加盟する全国1300社の会員企業に節電の要請をするそうだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF3100T_R30C12A5EE8000/

おいおい、今までしていなかったのかと驚くのと同時に、まあ、これは大飯原発が再稼働する既定路線が100%もう敷かれたのだなということを理解する。まあ、節電しなくてよくなったからの節電要請なのだが、これはあまりにも茶番であろう。その茶番のひどさに、開いた口がふさがらない。というか、米倉会長は何もしなければいいのに、ここで節電要請をするというのはどういうメッセージを社会に発しようとしているのであろうか。自らの偽善者ぶりを露呈することの意味が分からない。

これは、敢えて比喩を用いれば、親が好き嫌いの激しい子供に、「人参を食べて」と言っていたのに、ずっと子供は抵抗して、親が観念して人参を下げて、捨てた後のを見届けて、「やっぱり食べてもいいよ」と言っているようなものではないのか。これは、親を激怒させるだけの行動ではないのか。ということは、我々国民を怒らせるということが米倉会長の目的なのだろうか。現在の日本では、経済的な豊かさを相変わらず追求しようとしている人達と、より精神的な豊かさを求める人達とで二分されているような状況にある。米倉会長は、そんな火に油を注ぐようなことをして、何がしたいのだろう。よほど、けんか好きな人なのかもしれない。


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石原都知事、原発住民投票に反対発言 [原発問題]

 東京都は29日、6月議会に提案する原発の是非を問う住民投票条例案について、石原都知事が反対意見をつけると発表した。石原都知事は「全国の電力供給にも影響が及び、原発稼働の是非は国家を左右する。都民投票に付するのは適切ではない」と指摘した。
 この住民投票条例は「みんなで決めよう「原発」国民投票」という市民グループが要望したもので、約32万人分の署名を集め、都知事に提出していた。
 別に原発の是非を問う、というだけで東京都民が反対をしても、そのまま国家戦略としての原発稼働の是非が決まる訳ではない。そんな決定権は都民にはないであろう。ただし、我々は、今、自分たちの意見が表明される機会さえ与えられない。そういう機会がない市井の人々は多く、この現状に大いなる閉塞感と不満を抱いている。そのような人達の声を届けさせる機会を与えてくれ、という住民投票条例案である。そして、これによって原発が支持されるかもしれない。また、反対されたとしても、東京都には原発が立地していないので、原発でつくられる電力を消費しない、といった抵抗ぐらいしかできないであろう。もちろん、このような活動が他地域にも飛び火し、全国規模での展開になれば、そのようなことも最終的に可能になるかもしれないが、国民の54%しか原発に反対していない状況下では、そういうシナリオを描くのは難しいであろう。
 石原都知事の発言は、この国は民主主義ではないと言っているようなものだ。まあ、実態はそうなのかもしれないが、自分を選んだ都民を馬鹿にした発言(私は彼に投票していないが)は、むしろ怒りどころか天晴れと言いたくなる。
 問題なのは、そのように国が決めた原発で事故が起きた場合、被害に苦しむのは国民であり、その際、国や都道府県はほとんど責任を取らないということである。
 昨日(29日)、佐藤福島県知事が国会の原発事故調査委員会に招致されて、いろいろと原発の事故後の対応に関して政府の対応に苦情を述べていたが、この事故の根本的原因となる原発政策を支持していたのは、佐藤雄平福島県知事である。前任の佐藤栄佐久が脱原発を検討したことで失脚された後、県知事になっただけあって、いわばこの事故を起こした原因をつくった犯人の一人である。しかし、事故が起きた後は、被害者面をするのに、私は不愉快なものを感じていたが、これは別に私だけの意見ではないようで、同委員会の黒川委員長は、委員会のあと記者会見で、「国の県に対する情報開示の在り方や原子力政策の透明性、県の住民に対する情報開示に対して疑問が残った。住民が原子力のリスクとメリットを正確に理解して、みずから判断できる状態ではなかったのではないか。緊急時の国と県の役割分担についても問題があると認識させられる」と述べていた。
 何が言いたいかというと、自治体の長は無責任に原発推進を支持し、事故というリスクに住民を晒し、福島のように実際、リスクが起きると、本当は自分が加害者であったにも関わらず、被疑者面をして、住民からの非難をかわそうとするということだ。石原都知事は、我々都民も少なからず、原発事故の被害を顕在化してはいなくても受けているということに気づいているのだろうか?特に葛飾区辺りでは、放射能の影響で健康を害する人が将来的にも出ると思うのだが、そういうことに気づいているのだろうか?

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福島産牛肉を鹿児島産牛肉と偽の表示をして販売した店にみる東日本と西日本の危機意識の差 [原発問題]

 大阪の方で福島産牛肉を鹿児島産牛肉と偽の表示をして販売した店があったそうだ。まあ、こういうことをする人は必ず出てくるから、それを阻止することは不可能に近いとも思うのだが、それでも、こういうことは東日本では大変しにくいと思うのである。現在でも福島第一原発の4号機がどうなるか、地震が起きるたびに心配している。そのような危機と隣り合わせで日々、生活していると、目先の利益のために、偽表示で福島産牛肉を捌こうなどとはなかなか思いにくい。
 しかし、西日本では別である。特に、大飯原発を抱える関西電力管内では、どうもそのような気の緩み、というか、どうせ他人事と無意識に捉えてしまっている人が多いように感じる。これは、非難をしている訳ではまったくなく、まあ、意識として福島の事故は対岸の火事なんだろう。そうでなければ、大飯原発の再稼働などはもっと反対する人が多く出ている筈である。津波の被害の復興も、東日本とは違い、西日本では積極的に取り組んでくれていて、多くの被災者は大変助かったと思われるのだが、7月くらいに関西地方にシンポジウムに行って、復興計画を語る人達の明るさに、強い違和感を覚えた。というのは、東京で生活していると原発がどうなるか心配で、とても復興計画を検討するような心のゆとりは全くなかったからである。
 そして、それはそれで、状況が違うからだし致し方ないことだと思っていたのだが、まあ、そういう気軽さは、今回のような福島産偽表示事件を起こす社会背景に繋がっていると思われるのである。こんなことをしても、まあ大したことないだろう、ぐらいに思っている人が西日本には多いんじゃあないのだろうか。
 いわき市などでは、本当に食の安全をいかに確保するかというのは切実な問題なので、このような流通側が信頼を損なうことをしたら、もう生きてはいけないぐらいの状況になっていると思う。人々の信頼こそが、この放射能汚染地区で生活していくうえでの絶対的最低条件である。そして、東京ぐらいになると、もっと脳天気になってしまうが、しかし、この信頼をベースで社会が営まれているという点においての理解は、大阪よりもしっかりしているのではないだろうか。
 そして、東京電力は原発事故の状況をしっかりと真実を伝えるようにしてもらいたい。調査委員会で、いたずらに無責任論を主張する東京電力をみていると、この組織は本当にもう駄目かもしれないと思ってしまうのだ。信頼を取り戻すことが何より必要な時に、なぜ、相変わらず、責任転嫁をしようと考えられるのか。その闇は私の想像力よりも暗くて深くて、何が何だか分からない。そして、このような絶望的な気持ちを抱かせた東京電力は、今のような対応ではなく、事故は取り返せないが、それをしっかりと反省して、未来に歩む姿勢を見せて欲しかった。ちょっと、肉屋の話から東京電力の話へと飛んでしまったが、根っこの問題は通底していると思われるのである。

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どうもマスコミは菅さんを悪者にしないと気が済まないようだ [原発問題]

 菅元首相が東京電力福島第1原発事故を検証する国会の事故調査委員会(国会事故調、黒川清委員長)に昨日(28日)、参考人として招致された。
 菅さんは極めてまともな答弁をして、菅さんに責任を押しつけようとしている東電に対して、枝野氏や海江田氏と同様に、事故の状況をしっかりと委員会に説明した。少なくとも朝日新聞の記事からはそのような印象を受けた。
 しかし、マスコミは菅さんを悪者にしようとした姑息な小見出し付けなどをしている。例えば、ヤフー・ニュースでは、「国会事故調で菅前首相が陳謝」。これだけみると、菅さんは東電の菅批判に対して陳謝したのか、とも捉えられてしまうのではないかと思われる。私も一瞬、そう思ったが、この小見出しをクリックすると、「菅氏「法制に不備」責任者として陳謝」となっており、記事を読むと、「事故は国策で続けられた原発によって引き起こされた。最大の責任は国にある」と、自民党以来続けられた原発推進という国策に対してお詫びをする、という内容であり、個人的な陳謝ではない。
 また、朝日新聞も「菅劇場」といった意地悪な表現をして、菅さんの一人芝居といったイメージをもたらすような小見出しをつけている。ただし、朝日新聞の記事自体は、菅さんと委員との直接のやり取りが掲載されており、その点では公平だと思われる。スポーツ日本は「菅前首相原発事故調査委重要参考人聴取で「言い訳」」としている。読売新聞は特に酷く、「菅氏、周到・冗舌に反論・・矛盾突かれ苛立ち」。この記事を読むと、海水注入に関して、私が読む朝日新聞にはまったく書かれていないようなことが記されている。この記事だけを読めば、菅さんが「海水注入を阻止したのではないか」と思えるような内容で、朝日を購読している私にはまったく新しい情報だ。どうも、私の菅さんに対する意見は、世間とはずれがあると思っていたのだが、そこらへんは朝日新聞読者と読売新聞読者などとの違いもあるかなとも思わせられる。朝日新聞は決して、菅さんに好意的ではないが、おそらくより客観的な真実を伝えようとした内容になっていると推察される。一方、読売新聞は戦後における原発推進の立役者である正力松太郎の会社である。脱原発を明解に政策として掲げている菅さんが二度と、権力を握ることがないように、ネガティブ・キャンペーンを展開しているようにも思える。
 さらに酷いのは、原発推進旗振りメディアになっている産経新聞で、「国会事故調 菅氏 余裕一転、気色ばむ…海水注入「私の発言と違う」」。「「脱原発」を訴える一方で、多くの疑問を残したまま退席した。」など菅首相に責任転嫁させるような論調だ。加えて、やくみつる氏、宮崎慶次氏、田中辰巳氏などからコメントをもらっているが、現在進行形で事故をどう収束させるか固唾をのんでいた事故当時も、さらにその後の雑誌記事、ルポルタージュ、文献などを読んで考察しても、あの状況下で麻生、安部、鳩山が首相であったら日本は国家としては吹き飛んでいたと思うのである。ある意味で日本を救ったとも捉えられる菅首相を悪者に仕立て上げるというのは、東電や経産省をはじめとした役人、さらには民主党を政権から引きずり落としたい自民党や公明党の政治家が言うのは分かるが、それに便乗してしまうマスゴミ連中は、私はもう絶望的なものを感じるのである。私はNHKが好きではなかったが、このような酷い状況におかれると、NHKは他に比べれば遙かにましであると思われる。
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いわき市では地震が来るたびに福島第一原発の4号機のことが頭をよぎるようだ [原発問題]

 いわき市に来ているので、いわき市の市民と話をする機会をもてた。いわき市は大気の放射能量は極めて微少。私のガイガーカウンターもほとんど東京都区内と同じ数字。この少なさは不思議ではあるが、機械は東京電力の勝俣会長と違って嘘をつかない。となると残りの心配は食べ物。福島では漁業はまったく営まれていないので、魚は比較的安心。とはいえ、地元の人は、「そうは言っても宮城とか茨城だから、汚染されている可能性はある」と指摘する。地魚を売りの居酒屋は、ご丁寧に日本海の魚、とお断りしている。いわき市であっても、宮城、茨城はちょっと気が引けるのであろう。NHKの海洋汚染の番組でも報道されていたが、現在は福島第一原発周辺に集積しているセシウムも徐々に広がっていく。東京湾の放射能汚染のピークは、今から2年後である。そう考えると、魚はこれからが食べられなくなるのだ。とはいえ、私もそうだが、ちょっと気が緩んでいる。いわき市では、東京でも食べない回転寿司を食べてしまったし。これは、いわき市の人がここで暮らしているのに、東京ものが細かく食べ物に神経を使っていると申し訳ない、といった偽善的な気持ちが勝ったからだが、ちょっとこういう気持ちが、集団汚染に向かわせるのかもと思ったりもする。魚以外では、やはり農産物。農産物は多少なりとも福島産も流通している。しかし、いわき市の人も福島産は敬遠する。当たり前だよな。いわき市の人は、浜通りや中通りの農産物が売れないのは分かるが、奥会津は風評被害でとんだとばっちりだと言う。そうだよねえ。福島県なんて、三番目くらいに大きい県(北海道、岩手に次ぐ)にも関わらず、もう福島というだけで敬遠されてしまうのであるから大変だ。実際は、千葉の柏あたりや岩手の一関の方が汚染されていることを考えると同情する。とはいえ、食べ物は福島原発に近いだけあって、相当、神経質にならざるを得ないのはよく理解できる。
 さて、しかし、ある意味で当然であるが、改めて知ったのは、いわき市民は地震が来るたびに福島第一原発の4号機のことが頭をよぎることだ。東京に住んでいても、地震があるたびに、4号機は大丈夫かと思うくらいであるから、いわき市であったら当然であろう。東京だと、それでもまだ避難する可能性は多少なりとも残されているが、いわき市だったらほぼ即死である。その緊迫感は東京どころではないだろう。こういう中で、暮らしている人達がいることを知りながら、東電は勝俣会長をはじめ、ああいう無責任な言動を未だ言っているのかと思うと改めて怒りを覚えてしまう。

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いわき市の居酒屋であいなめを勧められる [原発問題]

いわき市に滞在しているので、食事は外食だ。最初の夜は居酒屋に入る。居酒屋のおばさんは、いわき市は初めてか?と尋ねてくる。いや、もう何回も来ている、と回答したのだが、「いわきにきたなら、あいなめだろう」と言ってくる。あいなめは、結構、国の規定した放射能基準値を頻繁に超える魚である。広野町産だとセシウムで1480ベクレル、北茨城でも540ベクレル。現在の基準値の100はもちろんのこと、以前のゆるゆる基準の500ベクレルを越えている。外部からの客に、あいなめを勧めるというのは、そういう事実を知らない客が多いことを物語っているのか、それとも、あいなめを食べろ、と踏み絵のように迫っているのか、その真意は分からないが、とりあえず断る。というか、現在、福島では一切、魚は取られていない。いわきのあいなめは食べたくても食べれないので、「いわきにきても、いわきのあいなめは出せない」のだ。密漁以外は。

ということを考えると、ちょっとこの店は不誠実だな、と思われる。この無神経さは、長期的には観光客の足を遠ざけると思う。また、翌日の昼は回転寿司屋に入る。回転寿司は東京でも入らないので、ちょっとした冒険であった。魚市場直営の回転寿司屋である。しかし、魚市場には福島産はまったく取引されていないので、そういう意味では地元の魚はまったく扱われていない。また、地魚が看板の居酒屋は、北陸の魚を扱っていることを看板に掲げていた。せっかくの美味しい魚で売っていたのに、同情する。目の前に豊穣の海が広がっているにもかかわらず、今、いわき市は山の中のように魚が遠い場所になってしまっている。これを皮肉と言わず、何といえばいいのであろうか。東京電力の罪の深さを改めて現場で感じる。
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北海道電力の「電力不足」やらせ疑惑 [原発問題]

 北海道電力は関西電力、九州電力とともに、今年の夏は電力が不足するそうだ。昨年までは余剰電力を東北電力などに送電していたことを考えると、随分の違いであるが、これは原発比率が40%と高いためである。
 さて、そのような大いなる電力不足が懸念されている北海道電力であるが、今日5月20日から、管内の火力発電所の中で最も規模の大きい苫東厚真火力発電所4号機(70万キロワット)を10月22日まで定期検査で停止する。
 なんでこの時、と思わずにはいられない。関東などに比べてずっと夏が涼しく、冷房での電力使用量は4分の1で済む北海道ではあるが、それでも、夏における電力使用量の変動は大きい。そのような状況を考えれば10月とまでは言わないがせめて9月まで頑張って、この火力発電所を稼働させておけばいいと思うのである。川合社長は、18日の記者会見で「大変な不便とご迷惑をおかけすることになるが、節電への協力をお願いしたい」と述べ、計画停電については「極力そのような事態を招くことのないように務めたい」とまで述べているのだから、この火力発電所の検査を延長させることぐらいすればいいと思うのである。
 北電は「苫東4号機はボイラーの主蒸気管など重要部分を取り替えるため検査期間も長い。他にも老朽化で検査を延期できない発電所が多い」とするが、事態は急を要している。というか、こういう非常時には、それなりの対応が考えられるであろう。どうして、そういうことができないのか。
 また、北海道電力の発電量が今夏、少ないのは揚水発電所である新冠発電所1号機が昨年9月から故障したことも原因である。北電はこれに対して「この水車は一品もの。金型から作るので時間がかかる」と説明するが、本当に危機的事態であれば、緊急につくることが可能だろう。戦時中であると考えれば、こういう言い訳はしないと思うのである。というか、本当に電力不足を回避しようとするなら、この二つの発電所のような措置はしていない筈だ。こんなことはちょっと賢い小学生であれば分かることである。

 さて、このようにどうも筋が通っていない対応をしている理由は、北海道電力が馬鹿であるという訳では決してなく、他に理由があるからだ。それは、原発を停止させると電力が不足して、みんな迷惑を被るので、早く原発を再稼働させないと大変だよ、と思わせ、世論を原発再稼働に動かそうとしているからだ、と私は邪推している。まあ、我々としては、このような猿芝居に騙されないように、情報収集して、しっかりと真実を見極められるようにしなくてはならないと思う。
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「命の問題」で苦しめられているのは、大飯原発関係者ではなく福島周辺の人々である [原発問題]

どうも大飯原発が再稼働しそうな気配だ。そのような世論を誘導しようと、民主党政府はいろいろと策を巡らそうとしている。まるで出来の悪い自民党のようだ。4月24日に藤村修官房長官は記者会見で関西電力の夏の電力不足に関して次のようの述べている(東奥日報4.24)。「20%近い節電が本当にできるのか。命の問題にかかわる」。

大飯原発が再稼働しないと、節電をしても7月の電力不足が最大19・3%に及ぶとの予測を引き合いに出し、再稼働要請の妥当性をあらためて訴えたのだが、本当、出来の悪いだだっ子のように、すぐ「命の問題」とか言うのは止めて欲しい。今、福島を中心に東日本で生きる人々がどれほど、「命の問題」に怯えつつも、この地で生きていこうと覚悟しているのかを理解すべきであろう。

福島の第一原発の事故で、我々はまさに「命の問題」に苦しめられている。しかも、第四号機が崩落したら、チェルノブイリ事故なども比べられないほどの被害が生じる。そうしたら、東日本はまさに崩壊だ。そのような綱渡りの状況が現在進行形で進んでいる。さらに、福島第一原発から30キロの沖合の海では、ストロンチウムの測定値は現在、依然として右肩上がりで増加しているのだ。というか、現時点でストロンチウムは原発から海に流されている(http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/6037813.html)。さらに、福島県でワラビなどがセシウムの蓄積量によって、「食べてはいけない」と報道されたのが、今月に入ってからだ。一部、山に降下したセシウムが雪解けで流れて、それをワラビなどの山菜が摂取してしまったのであろう。「命の問題」に脅かされているのは、依然、福島県をはじめとした東日本だ。そのような事態を起こした根源的な問題である原発の責任の検証、管理体制なども再構築できないで、「命の問題」を引き合いに出せる藤村官房長官の厚顔には唖然とさせられる。藤村修に福島のワラビを食べさせたいと思うのは私だけではあるまい。

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NHK『シリーズ原発危機』は、放射能の海洋汚染の洒落にならない現実を我々に教えてくれる [原発問題]

 NHK『シリーズ原発危機』をインターネットで観る。福島原発でいかに海が汚染されているかを報道している。驚くのは魚介類での放射能汚染に対して「野菜では全然、観られないほどの高い値」との研究者の発言である。そんなにも酷いのか。この報道では、20キロ圏での海洋の汚染実態を明らかにしていく。
 海の底に向けて放射能測定器を投入する。底に近づくと、放射能汚染は高くなっていく。海底の泥水に含まれる放射能は1キログラム当たり4500ベクレル。メバルは1キロ当たり2300ベクレルのセシウム。アイナメをはじめとして他の魚も似たように高い。また、この番組では東京海洋大学の石丸教授が植物連鎖の中で放射能が蓄積されていくプロセスを解説している。海底土と密接に関係する底魚の汚染は本当に深刻であることが、この番組からは理解できた。
 ただし、放射能が高い地区の範囲はほとんど福島原発のそばである。海において、放射能はそれほど潮流によって拡散されていなかったのだ。
 事故当時、原子力安全・保安院のスポークスマンであった西山氏は、「実質に海洋生物に取り込まれるまでには相当程度、薄まれていると思われます」と述べていたが、むしろ放射能は、大気ほど汚染は広がらず、基本的には福島原発を中心したところに濃密に堆積していることが分かる。しかし、海底でもホットスポットが生じている。常陸那珂沖では380ベクレルであったし、また銚子沖では昨年10月より、今年1月の方が放射能はより多く蓄積されていた。この銚子沖は、はるかに福島原発に近い高萩沖よりも現時点では高くなっている。驚いたことに東京湾にもホットスポットが出来ていることだ。これは荒川や江戸川河口のそばで800ベクレル(1キログラム)を越えている。葛西臨海公園のそばで水遊び(が出来るかどうかは知らないが)するのは相当、危険であると思われる。東大の鯉渕先生は、江戸川のどこかにセシウムが大量に蓄積しているところがあると推測して調査した結果、河口から8キロメートル地点にて1600ベクレル(1キログラム)以上が集積していることを突き止めた。これは金町辺りか。また、東京湾のセシウム量のピークはこれから2年後らしい。そして、それが減少始めるのは10年後くらいらしい。なんだ、東京湾の魚介類が食べられなくなるのは、これからじゃあないか。残念過ぎる。
 もちろん、東北の湖においても随分と汚染は進んでいる。群馬県の赤城大沼で取れるワカサギは1キログラム当たり650ベクレルであった。赤城大沼のプランクトンは350ベクレルである。しかし、プランクトンの寿命は数週間である。事故から9ヶ月経ってもこの数字。それは、赤城大沼の湖底に溜まっている泥のセシウムが1キログラム当たり950ベクレルと高く汚染されているからだ。赤城大沼からも川が流れているが、セシウムが大量に出るような流れではない。その結果、セシウムはずっと赤城大沼に閉鎖されたままになるのだ。このような湖が多くあるにもかかわらず、国の調査が行われていないということを考えるとゾッとする状況である。
 この番組では、事故から25年経った現在でもチェルノブイリの事故で放射能が降下した湖の調査がなされていることを報告している。その調査結果は、魚に堆積されるセシウムは、5年間は減っていくが、その後はほどんと減らないというものだ。「セシウムはひとたび生態系に入ると非常に厄介です。私達ができることは事実と真っ正面から向き合い、調査を根気よく続けることです」。ウクライナの研究者の言葉は重い。
「世界が経験したことのない汚染」。番組のナレーションの言葉を踏まえれば、大飯原発を再稼働させる前にすべきことが数多あることに気づくであろう。これらの事実から「真っ正面と向き合い」、しっかりと脱原発のパスを提示していくことが求められる。あと、この番組は素晴らしい。このウェブサイトから観ることができます。
http://nanohana.me/?p=11200

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東電の勝俣恒久会長の厚顔無恥な弁明に仰け反る [原発問題]

 東京電力福島第1原発事故を検証する国会の事故調査委員会は5月14日、東電の勝俣恒久会長を参考人として招き、公開で事情聴取した。そこで、同会長は菅直人前首相が事故直後、第1原発の吉田昌郎前所長に携帯電話で直接指示していたことについて、「所長は復旧に全力を尽くすのが一番大事。時間を取られるのは芳しいことではない」と批判したそうだ。
 さらに、事故直後に菅直人首相(当時)が、ヘリコプターで同原発の視察に訪れた際、吉田昌郎所長が対応したことについては、「吉田は事故復旧に全力を尽くすべきで、対応したのは芳しいものではない。反省材料だ」とも述べたそうだ。

 いやあ、凄いね、この勝俣会長。盗人猛々しい、というか、あそこで菅元首相が対応しなかったら、おそらくより酷い被害が生じていたというのは、ドイツなどのテレビ報道などを見るにつけ、国際的には共通した認識であると思われるのに、この後に及んで菅批判。さらに、「原子炉への海水注入の判断は、官邸から「中断」の指示があったという認識を前提に「いやしくも日本の総理。私が注水を継続しようというのは難しかった」とまで言い放った。
 この官邸からの海水注入の「中断」指令というのは、まったくのガセネタであることはもう既に検証済みかとも思われていたので、今更ながらこのような発言が出てくる厚顔無恥には仰け反るしかないが、そのソースは安部国会議員であることも既知の事実であると思う(この件を知らない方は、参考までに、http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-558.htmlなどを参照して下さい)。何を今更、言っているだ。偽証罪とかはないのかね。

大鹿靖明の『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』では、次のような描写がある。

『清水がそれを持って菅に「かなりまずい状況なので退避させてほしい」と申し出た』が、 菅は「ありえない。いまの注水を続けてくれ」と一蹴した。清水は「あ、はい」と言った。
 東電のドンである勝俣に対しては、菅が痺れを切らしたように 「ひとつのことばかりをやっていないで最低限2系列をつくって並行して作業して欲しい」と言った。 勝俣は「はい。ありがとうございます」と答えた。菅が言う。「ありがとうじゃなくて……。できないんですか!」

引用終わり

 勝俣会長が同調査委員会で言っていることが本当であれば、この本の著者を名誉毀損で訴えるべきであろう。勝俣や清水が対応できなかったから、官邸がわざわざ指示をしなくてはならなくなったことは、この本だけでなく、朝日新聞の「プロメテウスの罠」でもしっかりと描写されている。おたおたして撤退などと言っていたのを恫喝した菅元首相の功績は、私は以前から指摘をしていたが、今では多くの取材等から明らかとなっている。しかし、これらを全て間違いであると主張するような発言をするとは、さすが、東電だけの会長だ。その面の皮の厚さはただものではない。
 このような会長が牛耳っていれば組織は腐敗し、あのような事故をもたらしてしまうことも致し方ないかと改めて納得するのと同時に、あのような日本国民だけでなく世界中(福島原発で放たれた放射能の2%はアメリカ国土に落ちたそうだ)に被害を及ぼした事故を起こしてから1年。まったく反省もかけらもない会長の姿勢をみて、東京電力は潰して国有化。電気事業法も大幅に改訂して、電気事業の独占を許可しないようにするしかないかな、と思ったりもする。
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電力会社が原発再稼働に拘るのは、核廃棄物が資産であるという出鱈目な会計システムを採用しているからだ [原発問題]

 大飯原発の再稼働をおおい町議会が容認した。まあ、これは想定内なので何も驚くことはない。さて、しかし、関電などがなぜ、原発の再稼働にここまで固執するのか。その理由の一つとして、核廃棄物が資産であるとみなしていることがあることを最近、知った。
 これは電力会社は総括原価方式を採っているためであり、これによって、燃料等だけでなくその電力会社の持っている施設を資産とみなし、その資産に対しての3%を報酬として電力会社が受け取ることができるのだが、その資産の中には核廃棄物も含まれているからである。すなわち、原発を再稼働させて、ゴミである核廃棄物を出せば出すほど儲かる仕組みになっているのである。
 ゴミを出せば出すほど、負債ではなく資産として計上できるという会計方式。あまりの馬鹿らしさ、でたらめさ加減にもう開いた口がふさがらない。こんなことをしていて、国が滅びないと考える方がおかしい。この国はこのままでは、確実に滅びるであろう。第二次世界大戦だって、下手したら国が滅びてもおかしいような状況であったのが、米ソの対立等でどうやら存続できたのに、このような歴史の失敗から私の母国は何も学ばずに、また同じ愚を繰り返そうとしている。
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関電は、原発なしで電力を供給する責任を果たすか、地域独占の権利を放棄するか、白黒つけるべきだ [原発問題]

大飯原発が再稼働なら関電の電力不足は解決と政府委員会で報告があったことを産経新聞のウェブニュースが伝えている(http://sankei.jp.msn.com/life/news/120510/trd12051010080005-n1.htm)。
以下、引用。

 政府は10日、今夏の電力不足の状況について協議する「需給検証委員会」の5回目の会合で、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機が再稼働された場合、今夏の関電管内の電力不足がゼロまで改善するとの試算を公表した。
 試算によると、原発再稼働がない場合、需給逼迫時に電力供給を止められる随時調整契約の効果を見込んでも、関電管内の電力不足は445万キロワットとなる。電力需要に対する供給余力を示す予備率はマイナス14・9%となる見通しだ。
 一方、大飯原発3、4号機が再稼働すれば、供給力は合計236万キロワット上積みされる。また夜間にくみ上げた水で水力発電を行う揚水発電の効果も210万キロワット分増すため、電力需給は1万キロワットの余裕が生じ、予備率は0%まで改善する。

 引用終わり。

 電力会社は電気事業法で名目上はともかく実質的には地域独占が許されている。一応、自由化が謳われているが、2003年の電気事業法改正においても、「電気の安定供給確保のための発送電一貫体制の堅持」が図られたので、送電を押さえている電気事業を独占していた会社と競争することはほとんど不可能であったからだ。発送電分離が強く、求められる所以である。
 このように極めて不公平に電力事業を営める権利を有している電力会社は、当然、電力をしっかりと供給する責任を負う。この責任を原子力発電が稼働できないことを理由に放棄するような態度は許されるものではない。そもそも、この原子力発電が稼働できなくなっているのは、あの程度の状況で爆発を許した電力会社の原発管理の甘さと無責任さにあるのだ。電力会社は自分で自分の首を絞めているのに、何を関電はいい加減なことを言っているのだと思わずにはいられない。
 しかも、他電力会社から電力融通する余裕があるのに、それをろくに検討しない。その理由は、「他社が顧客に節電を頼むのは心苦しい」からだと関電幹部は述べたりしているそうだ。そんなことをしなくても、国民はせっせと節電していますよ。というか、本当、このブログでも何回も書いているのだが、外国に比べると、日本は電力を無駄に遣いすぎである。ドイツなんか、そういう意味で節電は徹底している。アメリカは相当、無駄に電力を使う国ではあるが、それでも、震災後においても東京や大阪の夜はマンハッタンのそれよりも明るい(タイムズ・スクエアだけをみればそれほど違いはないかもしれないが、地区全体ではそうだ)。つまり、節電する余地が大いにあるということだ。その分、関西の人が困っていれば、当然、融通する人がほとんどであろう。
 関電は、原発なしでも、しっかりと電力を供給する責任を果たすか、それができなければ、地域独占の権利を放棄するか(すなわち、発送電分離をする)のどちらかを選ぶべきであろう。
 東日本がこれだけやられている状況においては、西日本が頑張ってくれるしかないのだが、こういう姑息で馬鹿な取引をやっていると、やっぱり西日本が引っ張る日本は駄目じゃん、ということになりかねない。

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