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遂に出始めた原発事故対応の強烈なる国際バッシング [原発問題]

ロバート・クリングリーというペンネームでニューヨーク・タイムスやニュースウィーク、フォーラムといった一流紙にコラムを書いているマーク・スティーフンスが、ブログで強烈に日本の原発事故の対応を批判している。下記のブログである。タイトルは「次の日本の原発事故(不可避)はさらに酷いものとなる」というものだ。

http://www.cringely.com/2012/05/24/the-next-japanese-nuclear-accident-its-inevitable-will-be-even-worse/

彼はスリーマイル事故で、大統領命によって設置された事故調査委員会で調査員をしたり、また20年間、日本企業を顧客としたコンサルティング業務をしたこともあり、なかなか鋭い分析をしており、実は私の考えとも重なるのであるが、日本人ではないために、客観的ではあるが、日本人としては辛い内容となっている。ざっと、その内容を私が気になった点を中心にまとめると次のようになる。

・今回の福島第一原発事故が起きたのは東京電力と日本政府の無能と愚鈍に帰する。
・福島第一において、この3年間で震度7以上の地震が起きる確率は90%である。
・しかし、東京電力そして日本政府は、それへの対応をしない、というかできない。そして、地震が起きることをまったく無視するか、こないことを神頼みするだけである。
・日本人では、このような危機的状況に対応することは不可能である。
・これに対応するには、マンハッタン・プロジェクトのような体制で望むしかない。日本政府の唯一の役割は金を出すだけである。そして、そのリーダーは原子力産業からではなく、そして、おそらく日本人でないことが望ましい。
・しかし、日本ではこのような体制をつくることは不可能である。

 遂に出始めた原発事故対応の強烈なる国際バッシングであるが、このような声があがるのは必然であろう。そして、このジャーナリストは決して例外ではない。大飯原発は、多くの日本人も不快に思っているだろうが、海外の人はさらに不愉快に思っている。というか怒っている。私は、このブログをアメリカの西海岸において書いているが、東北の津波でアメリカ西海岸にものが流されてきたことで、人々は当然、セシウムなども流されてきていることに気づき始めている。実際、こちらの魚介類にも放射能が検出されているようなのだ。そして、そのように国際的な被害を起こしても、さらにまだ福島の原発が収束してもいないのに、「電力が不足しているから原発」、「経済的に停滞するから原発」と原発の再稼働を主張する日本国に強いアレルギーを覚え始めているのが感じられる。そのような意識が、このジャーナリストの主張にも反映されていると捉えることが必要であろう。
 ドイツ人も「理解不能な日本人」という捉え方をしている。この「理解不能」の正体を知ろうとして、ドイツのジャーナリストは誠意をもって取材をしていると、ドキュメンタリーからは思えるが、アメリカ人は、「駄目な日本人に任せていたら、こちらにも被害が及ぶ」という考えから、ある意味で、日本政府を支配するといったところまで行くかもしれない。菅直人は、その危機をすぐ察知して、事故の時、自らが動いたが、現在の日本のマスコミは、そのような行動を非難して、菅直人を犯罪人に仕立て上げようとしている(特に顕著なのが産経新聞である)。
 これからも大飯原発再稼働などとはしゃいでいると、アメリカに占領されてしまうかもしれない。このように書くと、でも日本の原発再稼働でアメリカの企業も潤うから、そんなことはしないと思うのであれば、それはアメリカという国を知らなさすぎである。アメリカという国は、麻薬を平気で売りつけて、その麻薬を使用したところで取り締まるようなことを平気でするのだ。
 いや、しかし予期はしていたが、これからも原発関連では相当、国際バッシングが増えていくと思われる。これは、ほんの手始めであると認識して、覚悟しておいた方がよい。日本の国際的地位は第二次世界大戦以来、最悪のレベルにまでこれから落ちていくであろう。
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