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いわき市の居酒屋であいなめを勧められる [原発問題]

いわき市に滞在しているので、食事は外食だ。最初の夜は居酒屋に入る。居酒屋のおばさんは、いわき市は初めてか?と尋ねてくる。いや、もう何回も来ている、と回答したのだが、「いわきにきたなら、あいなめだろう」と言ってくる。あいなめは、結構、国の規定した放射能基準値を頻繁に超える魚である。広野町産だとセシウムで1480ベクレル、北茨城でも540ベクレル。現在の基準値の100はもちろんのこと、以前のゆるゆる基準の500ベクレルを越えている。外部からの客に、あいなめを勧めるというのは、そういう事実を知らない客が多いことを物語っているのか、それとも、あいなめを食べろ、と踏み絵のように迫っているのか、その真意は分からないが、とりあえず断る。というか、現在、福島では一切、魚は取られていない。いわきのあいなめは食べたくても食べれないので、「いわきにきても、いわきのあいなめは出せない」のだ。密漁以外は。

ということを考えると、ちょっとこの店は不誠実だな、と思われる。この無神経さは、長期的には観光客の足を遠ざけると思う。また、翌日の昼は回転寿司屋に入る。回転寿司は東京でも入らないので、ちょっとした冒険であった。魚市場直営の回転寿司屋である。しかし、魚市場には福島産はまったく取引されていないので、そういう意味では地元の魚はまったく扱われていない。また、地魚が看板の居酒屋は、北陸の魚を扱っていることを看板に掲げていた。せっかくの美味しい魚で売っていたのに、同情する。目の前に豊穣の海が広がっているにもかかわらず、今、いわき市は山の中のように魚が遠い場所になってしまっている。これを皮肉と言わず、何といえばいいのであろうか。東京電力の罪の深さを改めて現場で感じる。
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