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関電は、原発なしで電力を供給する責任を果たすか、地域独占の権利を放棄するか、白黒つけるべきだ [原発問題]

大飯原発が再稼働なら関電の電力不足は解決と政府委員会で報告があったことを産経新聞のウェブニュースが伝えている(http://sankei.jp.msn.com/life/news/120510/trd12051010080005-n1.htm)。
以下、引用。

 政府は10日、今夏の電力不足の状況について協議する「需給検証委員会」の5回目の会合で、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機が再稼働された場合、今夏の関電管内の電力不足がゼロまで改善するとの試算を公表した。
 試算によると、原発再稼働がない場合、需給逼迫時に電力供給を止められる随時調整契約の効果を見込んでも、関電管内の電力不足は445万キロワットとなる。電力需要に対する供給余力を示す予備率はマイナス14・9%となる見通しだ。
 一方、大飯原発3、4号機が再稼働すれば、供給力は合計236万キロワット上積みされる。また夜間にくみ上げた水で水力発電を行う揚水発電の効果も210万キロワット分増すため、電力需給は1万キロワットの余裕が生じ、予備率は0%まで改善する。

 引用終わり。

 電力会社は電気事業法で名目上はともかく実質的には地域独占が許されている。一応、自由化が謳われているが、2003年の電気事業法改正においても、「電気の安定供給確保のための発送電一貫体制の堅持」が図られたので、送電を押さえている電気事業を独占していた会社と競争することはほとんど不可能であったからだ。発送電分離が強く、求められる所以である。
 このように極めて不公平に電力事業を営める権利を有している電力会社は、当然、電力をしっかりと供給する責任を負う。この責任を原子力発電が稼働できないことを理由に放棄するような態度は許されるものではない。そもそも、この原子力発電が稼働できなくなっているのは、あの程度の状況で爆発を許した電力会社の原発管理の甘さと無責任さにあるのだ。電力会社は自分で自分の首を絞めているのに、何を関電はいい加減なことを言っているのだと思わずにはいられない。
 しかも、他電力会社から電力融通する余裕があるのに、それをろくに検討しない。その理由は、「他社が顧客に節電を頼むのは心苦しい」からだと関電幹部は述べたりしているそうだ。そんなことをしなくても、国民はせっせと節電していますよ。というか、本当、このブログでも何回も書いているのだが、外国に比べると、日本は電力を無駄に遣いすぎである。ドイツなんか、そういう意味で節電は徹底している。アメリカは相当、無駄に電力を使う国ではあるが、それでも、震災後においても東京や大阪の夜はマンハッタンのそれよりも明るい(タイムズ・スクエアだけをみればそれほど違いはないかもしれないが、地区全体ではそうだ)。つまり、節電する余地が大いにあるということだ。その分、関西の人が困っていれば、当然、融通する人がほとんどであろう。
 関電は、原発なしでも、しっかりと電力を供給する責任を果たすか、それができなければ、地域独占の権利を放棄するか(すなわち、発送電分離をする)のどちらかを選ぶべきであろう。
 東日本がこれだけやられている状況においては、西日本が頑張ってくれるしかないのだが、こういう姑息で馬鹿な取引をやっていると、やっぱり西日本が引っ張る日本は駄目じゃん、ということになりかねない。

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