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ドナルド・トランプとエヴァンジェリカル(キリスト教福音主義)との不思議な関係 [トランプのアメリカ]

ドナルド・トランプが共和党の大統領候補にほぼ選ばれそうである。これだけ嘘だらけで、裁判でも有罪判決が為されているトランプを支持するアメリカ人がある程度の割合いる、というアメリカ合衆国という国は本当、不思議だと思うが、そのうちの大きな票田がキリスト教福音主義である。アメリカ人の24%がキリスト教福音主義であるので、ここを押さえることで選挙は極めて有利に展開する。
キリスト教福音主義の多くは共和党主義者であるが、教会に週に一回は行く信者の73%は共和党で、まったく教会に行かない信者の48%が共和党というデータがあり、より信仰心が強い人ほど共和党を強く支持する傾向がある。
 そして、キリスト教福音主義の白人で共和党支持者のうち55%がトランプを共和党の大統領候補として投票するとピュー研究所が2023年秋に実施した取材調査で回答した。
 さて、これまで不思議であったのは、なぜキリスト教福音主義がトランプのような悪党を支持するのか、ということであった。しかし、筆を進める前に、ここでキリスト教福音主義を整理しておく。福音派は、『聖書』とは「神の霊感」によって書かれたもので、その内容は一字一句すべて誤りのない神の言葉であると信じている人たちである。ただし、ドイツとアメリカではちょっと考え方は異なっており、ここではアメリカの原理主義なキリスト教主義である福音主義について述べる。このアメリカのキリスト教福音主義の主な信条は、家族が大切であること、同性婚反対、妊娠中絶反対、国家への忠誠心などである。さらには、勤勉さを重視しているので、低所得者への福祉対策などには反対する。
 さて、そこでトランプであるが、彼は離婚も二回しているし、不倫も多くするし、ポルノ女優と関係を持った後、口止め料を払ったりしたことも暴露されていて、とても家族が大切であるとは思わない。デパートの着替え室で女性をレイプした事件は有罪判決が下されたりして、なんと後者はその罰金は8000万ドル(80億円)である。他にも国家への忠誠心などないことは1月6日の内乱を引き起こしたことからも明らかであろう。現在でも、係争中の案件も多くあり、どうみてもキリスト教の価値観と相容れない筈だ。確かに妊娠中絶を違法とする乱暴な法律を通す基盤をつくったりした功績はあるが、それだけで支持をするか、というのが何とも不思議であったのだが、最近、出た福音主義の牧師の息子ティム・アルバータが書いた本『The Kingdom, the Power, and the Glory: American Evangelicals in an Age of Extremism』に相当、ヒントがあることが分かった。
それは、まず福音主義者の人達はアメリカが神の国であると思っている。そして、その神の国は「Barbarian(訳の分からない言語を話す者)」が門の前までやってきており、そいつらを入れさせないために守護神が必要だと考えられているそうだ。そして、これは、選挙公報にも使われているが、そこで神が遣わしたのがトランプだそうだ。そして、トランプがいかにも下品で、偽物のように見えるのは、それは信仰心が試されているからであり、トランプが今、裁判などで酷い目に遭わされているのは、イエス・キリストが受けた迫害のようなものであり、マスコミ等に騙されてはいかねいと思っているからだそうだ。
 いやはや、彼らの心情は分かったような気にはなっていたが、それはヒットラーを信じたドイツ人や天皇陛下が神であったと思った日本人と同じか、それ以下だろう。というのは、我々は残念だけど、天皇陛下は神じゃない、と発言しただけで「不敬罪」で牢屋に入れられたから、思わざるを得なかったところがあるだろう。しかし、アメリカ人は喜んで自分から、この神の正反対の悪魔、というか、あれだけ誹謗中傷、レイプやりまくりの天国に行くことは100%ないトランプを支持しているのは、悪いけれどもこれはもはやキリスト教福音主義という宗教の崩壊である。というか、単なるカルトに堕してしまっている。とはいえ、今までの不思議さは多少は解明されたので、ちょっとブログに共有させてもらう。

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往年のガールスバンド「ランナウェイ」のベーシスト、ジャッキー・フォックスが才女であったことに驚いた [ロック音楽]

どうでもいい個人的なことだが、好きなギタリストの一人にサマンサ・フィッシュがいる。そこでユーチューブでいろいろと見ていたら、女性ギタリスト・トップ10のようなユーチューブ・チャンネルがあったのでそれを観る。残念ながらサマンサ・フィッシュはまったく入ってなかったが、そのうちの3位がジョーン・ジェット、1位はリタ・フォードであった。二人とも1970年代に特に日本では人気を博したガールスバンド「ランナウェイ」のメンバーである。そういえば「ランナウェイ」のメンバーは何をしているんだろう、とちょっとグーグル・サーチをしたら非常に興味深いことを知った。
 これは、もしかしたら「ランナウェイ」のファンなら当然、知っているようなことなのかもしれないが、私は中学生の時に、周りにファンの子とがいたし、結構、ロック雑誌とかでも取り上げていたので、その存在やヒット曲「チェリー・ボム」とかは知っていたが、それ以上の関心を持っていなかった。イーグルスとかドゥービー・ブラザースとかの方がずっと私の関心を引いていたからだ。
 さて、それでは何が興味深いか、というとベーシストのジャッキー・フォックスが非常に才女であるということだ。彼女は16歳、すなわちランナウェイのメンバーに入る前に「数学」が飛び抜けて出来るので既にカリフォルニア大学ロスアンジェルス校に入学を許可されているような才女であったのだ。これは、異例中の異例のことで、傑出して成績がよくないと選ばれない。ちなみに、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校、いわゆるUCLAはロスアンジェルス界隈で最も難関の大学だ。そして、彼女はナイトクラブで遊んだところスカウトされ、ランナウェイのベーシストとなる。彼女はメンバーの時、プロデューサーにパーティで公の場でレイプされるという酷い目に16歳の時にあう。この時、ジョーン・ジェットとシェリー・キューリーもその場にいたらしい。それはともかく、彼女はランナウエィを辞めて、他のメンバーと違って音楽の道とは違う道を歩む。彼女はUCLAを数学ではなく、言語学で優秀な成績を表彰されて卒業し、その後、なんとハーバードの法科大学院に進む。さらに驚くべきことに、バラック・オバマが同窓であったそうだ。
 2018年にはアメリカの人気クイズ番組「ジャパーディ」に出演し、見事1000万円近くの優勝金を勝ち取っている。
「ランナウェイ」は日本ではヒットしたが、アメリカでは「チェリー・ボム」がそこそこヒットしただけで、大成しなかったが、今振り返ると、リタ・フォードという凄腕ギタリスト、ジョーン・ジェットという時代を画すようなパンク・ロッカーを生み出し、とてつもないポテンシャルを持っていたバンドであることを知る。というか、ジャッキー・フォックスがそんな才女だとは知らなかった。不良の塊、みたいなイメージで売り出していたような印象だったからだ。それにしても、こういうオール・マイティの人材を時々、生み出すのがアメリカという国の怖いところである。


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テンプリーンという町を訪れる [都市デザイン]

テンプリーンというブランデンブルク州の町を訪れた。住宅会社の人にも取材ができたので、このウェブに情報を共有させてもらう。
 テンプリーンはブランデンブルク州の北部に位置する。ベルリンから北に65キロメートルほど離れたところに位置する。17世紀の30年戦争で激しく町は破壊された。1816年からはプロシアの領土となった。テンプリーンは小さいながらも市壁を有しており、旧市街地に入るための3つの門塔がある。それ以外にも壁の外と結ぶ道路があるが、これらは壁を壊してつくられた。テンプリーンは近年、スパをつくり、観光が重要な産業になりつつある。年間の宿泊者は32万人とそれほど多くはないが、ベルリンからの人気の日帰り観光地となっている。それ以外の産業としては林業、金属加工業がある。
テンプリーンの人口は20世紀にはじわじわと増加して東西ドイツが統一された1990年には18884人になった。その後、人口は緩やかに減少し始め、2020年には15638人になっている。
テンプリーンは2007年にシュタットウンバウ・オスト・プログラムに指定された。それに合わせて「統合都市開発コンセプト2030」を策定し、そこでは5つのアクション・プログラムが記述されている。そのうちの一つ「都市開発・住宅・交通」に注目すると、そこでは歴史的旧市街地の重要性が強調されている。そこには「テンプリンは都心部を生活・仕事するうえでの活力のある中心として機能することに集中する」と書かれている。自治体としては社会流出を抑え、むしろ社会流入することを望んでいる。テンプリーンの縮小政策は、一部の減築とリヒエナー・通りの団地を積極的にリノベーションすることである。テンプリーンには市の住宅会社(WOBA)と住宅組合の住宅会社(WBG)がある。さらに、オープンスペースのリデザイン、空き家の減少、住宅団地をより田園風にロマンティックなデザインに変えるというものである。具体的には室内のレイアウトの変更、新たなバルコニーの設置などを行った。特にペンキに関しては、ペンキ屋が頑張ったこともあり、他の都市と差別化されるようなペンキで住宅が塗られている。シュタットウンバウ・オスト・プログラムが終了した2018年以降は、住宅会社が独自の判断で縮小対策を行っている。
 テンプリーンでは住宅団地の住宅の全倒壊の計画もされたが、結果せずに、基本、減築で対応した。これは、それほどは人口減少を体験しなかったということが要因としては大きい。というのも、テンプリーンは社会増が見られ、周辺の市町村から人が移住してきたり、またベルリンに通勤したりする人もいる。空き家率の具体的な数字は、取材先の住宅会社もしっかりとした情報を提供してくれなかったので把握できなかったのだが、3%以下だとのことである。一方で、6階建ての建物でエレベーターが設置されていないものが多かったので、そういう点から減築をした。5階以上の建物に住みたい人がいなかった、ということもある。エレベーターを設置しなかったのは、エレベーターを設置するとランニング・コストが高くなってしまうから、という経営的な判断である。また、テンプリーンは田舎(田園)なので、6階建てのように住戸密度の高い建物を人々は欲してない。低層の方が需要はあるのと、減築の方が全倒壊して、新たにつくるよりかは安くて済むということで、減築の判断をしたそうである。また、家賃を考慮して、室内のレイアウトは変更した。販売するうえでの重要なポイントはバルコニーである。大体、これらの住宅団地の平均的なサイズは50㎡である。
 リノベーションの費用は最近、高騰しており、不動産の価格も20年前から二倍ほど増加している。労働賃金も材料価格も非常に高くなってしまっている。ただ、ブランデンブルク式といわれる古くて部屋も狭いものは、価格は上がらず、以前、低い家賃で借り手を探しているような状況になる。ブランデンブルク式には、オーブンがあったのだが、再統一後は、オーブンを取り外してセントラル・ヒーティングにしたそうだ。タイルなしの風呂場もつくったそうである。とはいえ、リノベーションをした1993年後から30年経ったため、フラットごとに対応しなくてはならないような状況になっている。
住宅会社が住宅の減築をするうえで、市役所の計画との調整をしなくてはいけないか、という質問に対しては、住宅組合の住宅会社に関しては勝手にできるとのこと。したがって、都市計画との関係性とかは特にない。ただし、市の住宅会社には委員会があるので、委員会を通さないといけないそうである。市役所の部署で一番、厳しいのは歴史建築物の部署であり、住宅組合の住宅会社もこの部署には許可を受けなくてはいけないそうだ。また、市の住宅会社も住宅組合の住宅会社も減築するうえでは市議会では審議が必要なようである。
 テンプリーンはシュタットウンバウ・オスト・プログラムにも指定され、INSEK(マスタープラン)では一度は住宅団地の完全撤去の計画も為されたのだが、結果、そのような対応はせずに減築で対応することになった例外的な事例である。これは、 ベルリンから近いことと、田園集落のような雰囲気があること、歴史的旧市街地があり、自然も豊かで、社会基盤もしっかりしているということで、人口減少はしつつも、それなりに都市への住宅需要があったので、人々のニーズのない5階以上の住宅団地を部分撤去することで対応できた、ということは指摘できよう。また、最近のコロナもテンプリーンには追い風であったそうである。人口が5万人以下で、それなりに魅力のある都市は、最近、人気を有しているそうである。ただ、それなりの都市サービスが必要で、病院、専門医がいることや、高校があることは条件であるそうだ。

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ベルリンがなぜダメなのか [ドイツ便り]

ベルリンは驚くほど市役所の事務手続きが出来ない。私は以前、デュッセルドルフに住んでいたことがあるのだが、そこと比較しても恐ろしく業務がこなせていない。ということで、これは国の違いではなく、何かベルリンには特有の事情があると思われる。
その点を知り合いの現地の人に聞いたら、それはあるあるであった。ベルリンは第二次世界大戦後、二つの都市に分離された。ベルリンはドイツ最大の都市ではあるが、実際はまったく交流もなかった都市をいきなり1990年にがっちゃんこして、一つの都市になりなさいみたいにしたような都市だ。まったく縁もなかった男女がいきなり、結婚して、しっかりと家庭を築きなさい、と言われたようなものだ。しかも、社会制度も法制度も価値観まで違っていたのだから、そりゃ、上手くいくと思う方がおかしい。しかも、ちょっと前までは感情的には敵対さえしていたのだ。
さて、ベルリンが統一した時、そのイニシチアブを取ったのは西ベルリンであった。というか、ドイツの再統一は基本、旧東ドイツの旧西ドイツ化なので、当然、ベルリンでも旧西ベルリンの考え方が広められた。さて、ここで旧西ベルリンがしっかりとしていれば、まあそれでも多少は、今ほどベルリンは酷くならなかったかもしれない。しかし、問題は旧西ベルリンも超絶、ダメダメだったのだ。これは、どうしてかというと、もう旧西ベルリンは存在すればいいだけであったので、存在するためには、西側はどんどん空輸で物や富を運んだし、どんなに仕事ができなくても、それが糾弾されることはなかった。それは、存在さえすればそれが価値になったからである。地図上にあればいい。そういう状況に45年間いたら、それはどんなにしっかりとしていた人でも、組織でも骨抜きになるだろう。それは、ある意味で社会主義よりも競争社会ではなかったのだ。
したがって、ベルリンは、建前上は資本主義になったのだが、資本主義的に活動していた人はそれまで東はもちろん西にもいなかったのである。顧客サービスの意識があまりないのはドイツ全般に言えることではあるが、それでもベルリンは酷すぎると憤怒していたが、それは、ベルリンは別にそんなことをしなくても生き延びられたのだ。まさに、天から物が降ってきた都市だったので、人にペコペコする理由や愛想を振りまく理由がなかったのである。うむ、そう考えると納得だ。ただ、逆にそのようなサービスのニーズがないかというと、ある。市場経済のロジックがしっかりと機能すれば、徐々にベルリンもよくなっていく可能性がない訳ではない。ただ、役所は相当、厳しいであろう。ベルリンの市役所がなぜ事務ができないかは、もう歴史的な要因に根付いているからだ。実際、ドイツでもなぜベルリンの市役所が仕事をできないか、の研究なども為されているようだ。ちょっと、文化人類学的にも面白いテーマだと思う。余裕があったら読んでみたいものである。

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シュテンダールという縮小都市の住宅会社のトップに取材する [都市デザイン]

シュテンダールという都市がザクセン・アンハルト州の北東部にある。ベルリンとハノーファーを結ぶ鉄道路線の沿線にあり、何本に一本かは特急列車も停車する。ベルリンからは125キロメートルほど離れている。12世紀頃に都市はつくられ始め、13世紀にはこの地域の商業と貿易の中心となり、1300年には市壁をつくっている。1358年にはハンザ同盟に入るなど、豊かな歴史を有した都市である。
 この都市は東ドイツ時代に原子力発電所が計画され、そこで働く人のために二つのプラッテンバウテンの団地がつくられた。結局、原子力発電所はつくられないまま、東西ドイツの再統一を迎える訳であるが、それ以降、これらの団地は空き家が増えていったこともあり、そのうちの一つ、シュテンダール・スードはほぼ完全に倒壊する。一方のシュタットゼーも半分ぐらい戸数を減築・倒壊によって減らすのだが、シュテンダールの住宅会社(シュタットゼーの住宅の85%を所有)のトップに取材をすることができたので、ここに情報を共有させてもらう(備忘録も兼ねて)。
 シュタットゼーは1980年代まではイメージもよかった。しかし、東西ドイツが再統一された後はイメージが悪化し、誰もここに住んでいると言いたくなくなってしまった。ただし、動物園に隣接している南側のティア・ガーデンであれば住んでいると言ってもいい。そういうイメージが共有されるようになった。
前のトップは撤去する建物を選ぶ際に、空き家率の高さを判断基準とした。しかし、2008年から就任した現在のトップはロケーションを何よりも重視した。そうしたら、収益性は格段に向上した。そして、それは会社の判断ではなく、個人の考えに則った。市役所の都市計画的なビジョンも配慮しなかった。
 住宅会社を引き継いだ時、それは倒産の危機にあった。ある住宅会社が倒産すると、ドミノ倒しのように他の住宅会社も倒産する可能性があった。状況は非常に厳しく、緊急事態であった。銀行は外部の専門家に入ってもらって、状況を分析した。これは、銀行は住宅会社を信用しないから、第三者に財務分析などをしてもらいたかったからである。
 銀行は出資の条件として、個々のプロジェクトごとにROI(Return of Investment)がプラスになることを提示した。銀行の担当者とは年に一回、打ち合わせをすることにした。最初は緊張した打ち合わせだったが、最近では打ち解けてきている。
 現在のトップになってから、10年前の50万ユーロしかなかった会社の売上げが現在では700万ユーロにまで増えた。人口減少も収まってきており、ちょっと前までは2022年の人口は3万人を切るだろうと予測されていたが、現状は37000人を維持している。
 シュタットゼーはこんな状況であるが、ついでにほぼ完全に倒壊したシュテンダル・スードの話も聞いた。現在、この地区には市の住宅会社、住宅組合が所有する建物は一戸もない。すべて倒壊したからである。しかし、建物は数棟だけ残っている。これらの建物の所有者は誰なのか、と尋ねたら、トルコとアベルバイジャン、フランス、そしてベルリンの人が投資目的で出資しているそうだ。外国の投資家とは連絡が取れないらしい。ベルリンの人は連絡が取れているが、600万ユーロ支払ってもらったら撤退してもいいと言ってきている。これは、とても払える額ではない。税金はしっかりと払っているのだが、これは大した額ではないので、放っておいても大した損失にはならないのだ。住宅会社としては、シュテンダル・スードもそのうち再開発したいとは思っているそうだ。
また、シュテンダールは市の住宅会社と住宅組合による住宅会社があるが、この二つの会社では建物の倒壊の考えに相違点がみられる。市の住宅会社は市の政策のことを考えるし、住宅組合の会社は組合(住人)の利益を優先的に考える。具体的には市の住宅会社はロケーションを考え、組合の会社は住民のことを考える。
 状況的に一番、最悪のケースは空き家率が3割程度の建物だらけのような状況だ。空き家が集中していて空き家率が高いことは問題ではない。
 倒壊・減築に関しては、ダウンサイズはチャンスだと思わないと成功しない、と述べていた。これは興味深い指摘だ。縮小政策を実践するうえでも、前向きに攻撃的で取り組むことが重要ということか。躊躇があると失敗するのかもしれない。といいつつ、倒壊を止めたケースもある。シュタットゼーの西側は倒壊させるはずだったのに中止した。これは2010年から2012年は倒壊のためのお金を積極的に連邦政府のプログラムから取ろうとしていたが、人口減少のペースが弱くなってきたために、2013年に倒壊を止める判断をした。
 現在も倒壊・減築は行うことを考えるが、これはそうすることで周辺の地域の魅力を高める手段のために行う。地域の魅力を高め、人々に定住してもらうためにするのだ。
住宅会社としては、倒壊しても顧客は失いたくないので、そのまま、他の物件に引っ越してもらいたいと考えている。住民は街への帰属意識を有しているし、社会的関係性は維持したいと考えている。

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ドイツ鉄道がまたまたストに突入 [ドイツ便り]

ドイツ鉄道が今週の水曜日から月曜日まで6日間のストに入った。10月にドイツに来てから3度目か4度目のストライキで、またかよ、という気分である。基本的に労働組合が求めているのは賃上げと労働時間の削減である。さて、私個人は、自宅からオフィスのある大学までは地下鉄で通っており、地下鉄はベルリン市が運営しているので、ドイツ鉄道とのストとは関係ないのでまったく影響は受けない。いや、地下鉄が混むので、そういう意味では多少は影響を受けるが大きな支障はない。さらにドイツは鉄道を上下分離しているので、ドイツ鉄道は走ってはいないが、ODEG(東ドイツ鉄道)が運行しているので、このODEGが走っている沿線に住んでいる人は、それほど不便は被らない。ちなみに、これは2002年に二つの会社の出資によって創業され、ベルリン、ブランデンブルク、メクレンブルクフォアポンメルン、ザクソン、ザクソン・アンハルトといったチューリンゲン州を除いた旧東ドイツの州を11路線で鉄道サービスを提供している会社である。
そういう意味では、穴だらけのストライキである。もちろん、今回のストライキはドイツ全土で行っているので、都市間移動とかには大きな影響を及ぼすだろうし、物流にも大きな影響を与えるであろう。とはいえ、それは独占的な事業ではないので、トラック輸送が代替するだけなんじゃないの、と思ったりする。つまり、ストライキをやることの効果がそれほど期待できないのだ。
 ついでにいうと、ドイツ鉄道の社員がしっかりと働いているか、というと全然、そう思わない。鉄道の窓口とかのサービスも恐ろしく酷いし、最近では大雪で鉄道が途中で運行中止になって客が車内に閉じ込まれてことがあったが、運転手は勤務時間がオーバーしたから、勝手に客と列車を置いて帰宅したという事件もあった。こういうことを繰り返していると、客の鉄道離れをただ促すだけで、結果的には自分達の首を絞めることになるのではないだろうか。
 ストライキをする権利は私は広く認めるべきだろう、と思ったりするが、それは代替サービスがないという条件でやらないと効果はないと思う。特に、経営者を困らせるのではなく、利用者を困らせるだけであるなら、旅客は自家用車、貨物はトラックを使うことに繋がるだけなのではないだろうか。そうそう、あと私が経営者だったら、賃金を上げる分は自動運転の開発費に回すであろう。ドイツ鉄道の運転手は、いかに自動運転に対抗できる技術や能力を開発するかに力を注いだ方がいいと思う。


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映画『You’ve Been Trumped Too』はすべての選挙権を有するアメリカ人はもとより人類、必見の映画である [映画批評]

『You’ve Been Trumped Too』は2016年10月に公開されたドキュメンタリー映画である。2011年に『You’ve Been Trumped』という映画が同じイギリス人監督であるアンソニー・バクスターによって制作されていたのだが、トランプが大統領選挙に出馬するということで、選挙運動の部分が追加的に撮影され、大統領選挙の直前に公開された。
 トランプは彼の母親の故郷であるスコットランドのアバーディーンにゴルフ場をつくるのだが、このゴルフ場へのアクセス道路が地元の人の水路を破壊し、その結果、一部の地元の人達の水が絶たれてしまう。トランプと彼の会社は、補修すると言ったが、結局、補修をしっかりとせず、ゴミや油が飲料水に紛れ込んでしまう。トランプがいかに自分の利益のことしか考えず、そのためには他人を犠牲にすることにまったく躊躇しないということを、ドキュメンタリーで記録したのが、この作品である。
 本当、トランプは破廉恥の極致というか、こんなに卑劣な人間がこの世に存在するのか、というほど酷い人間であることが、よく理解できる極めて優れたドキュメンタリー映画である。このような人間を一度ならず、再選させようと思っているアメリカ人の多さには本当、あきれ果てるしかないし、絶望的な気分になるかもしれないが、このような人間が二度と権力を持たないようにさせるためにも、すべての選挙権を有するアメリカ人には見るべき映画だと思うし、アメリカ人ではなくても、その影響は広く地球上に及ぶであろうから、見るべき映画である。バクスター監督には、このような映像作品を世に出してくれたことを強く感謝する。


You've Been Trumped [DVD] [Import]

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  • 出版社/メーカー: Docurama
  • 発売日: 2013/03/12
  • メディア: DVD



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ドイツの銀行口座が開設できない [ドイツ便り]

ドイツの銀行口座を開設しようと思い、市民向け銀行のシュパルカッセに連絡すると、12月8日にアポを1月16日に取ってくれた。それより早くは無理だ、というので口座開設に一ヶ月以上もかかるのはどうかな、とも思ったが、とりあえずアポの日まで待っていた。そして、アポの前日にメイルで予約の確認をしようとしたら、「メイル・アドレスは無効」みたいな返事が来て、嫌な予感がしたがとりあえず予約の時間に銀行に行った。
 すると、担当者はもう当行にはいない、とけんもほろろに言われる。「いやいやいや、おかしいでしょう、連絡も無しで」と食い下がると、じゃあ、私が対応すると言っておばさんが対応してくれた。さて、しかし「ビザを出せ」と言われたので、「いや、ビザは申請しているのだけどまだ出ていない」と言うと、「それじゃあ、ダメだね」とのこと。ビザはもう11月に申請していて、本来ならもう発行されている筈なんだけど、といって申請して、それを当局が受け取ったメイルを見せても「ダメ」の一押し。
 そこでだんだん、私も腹が立ってきて、「銀行は経済にとって血液のようなものだろう。血液が巡らなかったら、誰が酸素を運ぶんだ。俺が酸素だ」と言ったら、相手はポカンとしていた。そこで、「そもそも一ヶ月もアポが取れずに、そのアポがキャンセルされたのに連絡しないのはおかしいだろう」とダメ出しをしていた。しかし、おばさんは、だんまりを決め込んだので、そのまま席を立った。
 ちなみに、その後、ビザを受け取る日が決まったので当局から連絡が来たが、その際、発行料は銀行口座からの引き落とししか認めない、という注意事項が書かれていた。いや、本当にドイツあるあるだが、もう発狂しそうになる。しょうがないので、オンライン銀行のN26で口座をつくろうとしたが、これも滞在許可証がないとダメと言われる。ネットの情報とも違うな。いや、やってられないなとも思うが、キレたら負けなので我慢、我慢。とはいえ、私は日本の銀行からドイツの家賃とかを海外送金でできるからいいけど、そういうのが出来ない学生とかは本当、堪らないだろう。というか、生きていくのに弊害が生じるぐらいの問題だと思う。

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ミュンヘンの東にある二大都市再開発地区を視察する [都市デザイン]

ミュンヘンを探訪した。ミュンヘンで西部地区に展開する二大再開発地区を見学した。一つはテレジエンヘーエの西にある再開発で、もう一つはパケット・ポスト・アリアル地区にある再開発である。テレジエンヘーエの西にある再開発は、トレード・フェアが1998年までに開催されていた地区で、それが1998年に都市の東のリーム地区に移転した後にできた新たな土地にオフィス・商業・住居(1400戸数)のミックスド・ユースの都市空間をつくるものである。ドイツ交通博物館とその分館もこの地区に2003年、2006年に開業した。その規模は47ヘクタールだから巨大だ。しかし、ちょっと歩いただけだと空間のつくりは丁寧だなとは思ったが、その個性のようなものは感じられなかった。敢えて、個性をつくらないようにしているのかもしれないが。

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もう一つのパケット・ポスト・アリアル地区は、現在、まさに再開発が進展中で、目玉は巨大なホールのリノベーションとヘルツォーク&ド・ムーロンの二棟の高層ビルである。この高層ビルは110メートルの高さである。ミュンヘンの市街地はこれまで聖母教会の高さ(99メートル)を越える建物を建設してはいけない条例があったが、この条例は改変されたのであろうか。気になる。ちなみに、この条例があるので、99メートルを越える高さのBMWの本社ビルは市街地外に建てられている。まだ、ここは巨大なホールとそれを取り巻くような広大な駐車場という状況で、その将来像は想像もできないような状況ではあるが、中央駅の東の回廊は大きくその土地の性格が変わっていっている。

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レンググリースというスキー場に行く [地球探訪記]

雪が降った後、あまりにも天気がいいので、思い切ってスキーに行く。ベルリンからだとドイツのまともなスキー場へは7時間ぐらいかかるのでミュンヘンで二泊をして、その中日にミュンヘンから日帰りで行けるスキー場に行くことにした。といっても候補はガルミッシュパルテンキルヘンとレンググリースしかない。ガルミッシュパルテンキルヘンは既に行ったのでレンググリースに行くことにした。レンググリースにはミュンヘンから1時間ちょっとで行くことができる。このスキー場は鉄道駅からリフト乗り場まで無料バスが走っているのは事前にチェック済みである。さて、最初にスキー板を借りなくては、ということでレンタル・スキー屋に入る。結構、混んでいて、まあまあ待たされたが、どうにか板を借りることができる。ちなみに靴は持参している。あと、実はスキーウェアのパンツを持ってきたと思っていたら、なんと上だったので、スキーウェアも借りようと思っていたが、ここでは借りることができなかった。ガルミッシュパルテンキルヘンでは借りられたので、規模が小さいスキー場はそういうサービスはしてないということだろう。しょうがないのでジーンズで滑ることにした。しかし、傍からみたらスキーを分からない東洋人のアホがジーンズで滑っている、というように思われたであろう。レンググリースは、標高差1012メートル、最高地点1712メートル、リフト数15、延長距離31kmという、なかなかの規模のスキー場である。ただ、ゴンドラで山の上まで一挙に上るのだが、これは40分以上待った。リフト・チケットを買うのにも15分ぐらいかかったので、上まで行くのに1時間ぐらいかかったことになる。日本のスキー場では今ではまずないような混雑である。さすが、雪が降った後の晴天日なので、皆もスキーに来ているのであろう。
ドイツのスキー場は初級、中級、上級と3つにゲレンデが分類されていて、レンググリースは上級のコースもあるのだが、なんか中級と上級の差がよく分からない。あと、新雪的な感じのところもあり、アイスバーンのところがあったりはしたが、コンディションは全般的によかった。まあ、ジーンズというのが残念であったが。上に行くとアルプスが見え、なかなか感動するが、先月末に行ったツークシュピッツェに比べると見劣りする。ただ、スキー場の景観は相当、よく、穴場的なスキー場としては優れていると思われる。いや、これだけ混んでいれば穴場とはとても言えないのかもしれないが。
 一応、ほぼコースの大方を滑った後、遅い昼食を取って、ビールを呑んでまたスキー場に戻ったら、身体が寒くて動かないのに加えて、ちょっと酔いが入ったこともあり、こりゃ不味いなと思ってそのままロープウェイの頂上から下山し、スキー板を返してミュンヘンに戻った。ジーンズだと身体の動きも悪くなるのと、何しろ寒いので、これ以上滑ると転倒するかもしれないと思ったからである。
昼食を取っていた時、地元のおっちゃん4名と相席になったのだが、社交的なおっちゃん達で結構、いじられた。いきなり、「お前はスキーマンか」と聞かれて、スキーマンって何か分からなかったが、とりあえず「そうですね」と言っておいた。まあ、ベルリンから一人で、とことことこんな場所までスキーに来る酔狂人は、スキーマンじゃない、とは言えないかもしれない。例え、ヘタレスキーヤーであっても。また、ミュンヘン、札幌とか言ってきて、Yukio Kasayaとか言っていた。そういえばミュンヘン・オリンピックの年に札幌・オリンピックを開催したのだな。最初は何を言っているか分からなかったが、「カサヤのこと」と言ったら嬉しそうに頷いていた。ちなみに、この会話は4人のうち一人だけ英語がそこそこしゃべれたので、彼を通訳で会話をした。あと小林とかも、言っていた。ベルリンと違って、ミュンヘンの周辺は、人が社交的で愛想がよい。このレストランは私が注文した麦酒がなかなか来なかったのだが、おじさん達が、しっかりと彼のを持ってこい、と言ってくれたらすぐ来た。
まあ、初老の男性が一人でスキーに行くというのも随分と寂しいことだよな、と思ったりしていた自分もいたが、実際、行ったらいろんな意味で楽しかった。ジーンズじゃなければ、もっとゲレンデも楽しめただろうに。

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【ドイツ・アルプスはアルプスの北縁に位置する】

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【北はドイツの平原がずっと続くのが分かる】
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ドイツのスキー場 [ドイツ便り]

ドイツはスキー場がそれほど充実していないような気がする。とはいえ、アルプス山脈にちょびっと国土はかかっているので、検索をしてみた。検索条件は滑走距離が20キロメートルである。そして最高地点の標高が1500メートル、標高差700メートル以上にした。そうすると、全ドイツでこれらの条件を満たすスキー場は次の通りであることが判明した。すべてバイエルン州にある。
1) Reit im Winkel 標高差1120メートル、最高地点1860メートル、リフト数14、滑走距離42km
2) Oberstdorf 標高差1047メートル、最高地点1967メートル、リフト数14、滑走距離34km
3) Garmisch-Classic 標高差1310メートル、最高地点2050メートル、リフト数18、滑走距離40km
4) Sudelfeld 標高差712メートル、最高地点1563メートル、リフト数13、滑走距離31km
5) Brauneck 標高差1012メートル、最高地点1712メートル、リフト数15、滑走距離31km
6) Zugspitze 標高差720メートル、最高地点2720メートル、リフト数10、滑走距離20km

このように捉えると、標高地点が圧倒的に高いZugspitzeが傑出して素晴らしく、それに次ぐのはGarmisch-Classic であることが分かる。この二つには既に滑ったことがあるので、あと行くべきところはReit Im WinkelとOberstdorfかなと思うが、これらは交通の便が悪い。Reit Im Winkelはそもそも鉄道駅が近くにないのでバスで行かなくてはならない。Oberstdorfは鉄道でも行けるが、ミュンヘンからでも2時間30分以上かかり、その間にビジネス・ホテルがあるようなサイズの都市もほとんどない。そう考えると、Brauneckは鉄道にミュンヘンから1時間ちょっとでいけるので勝手がいい。
ちなみに日本のスキー場の標高差はトップがかぐらで1225メートル。1000メートル以上あるのは5つしかない。うむ、あと滑走距離だと最高が野沢温泉の10km、私が好きな白馬八方でも8kmしかない。それと標高を考えると、もしかしてドイツのスキー場の方が日本のスキー場より、全然、優れている?というか、Zugspitzeの滑走距離20kmって本当かな。

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8歳で英検一級に合格した男子についてちょっと考える [英語関連]

8歳7ヶ月で英検一級に小学校三年生の男子が合格したという記事を朝日新聞で読んだ(https://digital.asahi.com/articles/ASS1B3VL4S14UTIL00C.html?pn=7&unlock=1#continuehere)。正直な感想は、なんか無駄なことにエネルギーを使っているな、というものであるが、一方で、あることに情熱を持って取り組むことはとてもいいことなので、そういう意味では特にケチをつけるようなことでもないと思っている。
 さて、小さいうちに外国語を習得するというのは意味があると思う。特に人は言語で思考するので、日本語以外での思考体系を持てるというのは、その後の人生で非常に有用だなと思う。そして、それは若い時の方が有利であるのは確かだと思う。ただ、それを英検一級という試験合格を目標にして取り組むのは、それほど感心しない。もっと、子どもの世界観を広げる英語の本や、子どもが観ると情操教育に適当な映画(例えばSound of Musicとか)を観たりすることを積極的にすればいいのにと思う。なぜなら英検一級はその問題文が難しく、出てくる単語も相当、難しいからである。小学校三年生が読むような文章ではない。日本語に訳したあとの日本語でだって結構、読解が難しい。まあ、難しい単語を早いうちに覚えることが悪いとは言わないが、それは大学受験に必要な漢字を小学校三年生が一生懸命に覚えるようなことだと思う。例えば、最近の英検一級の過去問を見てみよう。

He was writing in the wake of World War I, and he believed that overemphasis on rational thought and misplaced trust in science – hallmarks of highly industrialized and technologically advanced societies – had ultimately led the world into a horribly destructive conflict. By unlocking the power of the subconscious mind, Breton argued, humanity could throw off the shackles that bound it to the modern political, economic, and social systems at the root of society’s ills.

この文章はアンドレ・ブレトンがレオン・トロッツキーやフロイド等に影響を及ぼしたことを書いたものだが、なんか内容は難しい。小学校三年生が理解する必要がないような内容に思えるのは私だけだろうか?フロイドやトロッツキーとかを理解している小学校三年生って、個人的にはちょっと不気味である。もちろん、理解しなくても問題を解けるかもしれないが、そういう試験を受けることってどうなんだろう、と思わなくもない。

まあ、しかし合格できたし、新聞記事からだと父親が前のめりのような印象を受けたりはするが、本人もやる気を出して勉強していたそうなので、それはそれで特に失うものはないと思うし、悪いとまでは言わない。しかし、気になるのは、このような記事を読んで、それで大してやる気のない子どもをけしかける親が出てくることだ。なんか、ある目標を達成するのは若ければ若いほどよいみたいな傾向もあったりするが、別に英検一級を8歳で取得しても、それは小学校三年生の漢字博士みたいなものだ。いや、それはそれで立派かもしれないが、その程度のことである。まだ漢字博士の方が、英検一級のような小難しい文章を読ませないだけ、子どもの目標としては適当だと思う。というか、将棋とか囲碁とか楽器の習得とかに脳味噌のエネルギーを使った方がいいと思うのだけど。

ただ、この子が英語脳をうまく使って、他の言語も積極的に勉強したり、将来、言語学者になりたいと思ったりすると、これは一つ、飛躍するうえでの大きな転機となる可能性はあるかもしれない。しかし、そのようなキャリアパスは一般的ではないし、くれぐれもこのような記事を読んでアホな親が、大して英語に関心のない子どもに英語の勉強をさせるようなことをしないようにして欲しいものである。この子も合格したからよかったが、一度は不合格になっている。文章の内容とかを考えたら、小学校三年生は不合格する方が普通である。普通であることが証明されただけなのに、不合格という烙印を押されるのは、子どもにとって全然、プラスにならない。合格したいという意思もないのに、普通の子どもを「異常」にさせるために特訓するような愚行は本当、慎んでもらえると子どものためになると思う。

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ハンブルク・フィルハーモニー・オーケストラの観客と演奏者の東アジア系割合 [グローバルな問題]

ハンブルク・フィルハーモニー・オーケストラを観に行く。オーケストラというよりかは、エルプフィルハーモニーのコンサート・大ホールを観たかったからだが、入るために86ユーロという大枚を払って行った。さて、大ホールは期待したよりも遥かに素晴らしく、それはとてもよかった。観客はほとんどがドイツ人と思しき白人であり、ハンブルクに多く住むトルコ人や日本人を含むアジア系もほとんど見られなかった。黒人も見当たらなかった。年齢的には若いというよりかは、中年以上が多く、カップルというよりかは同姓で来ているグループが多かったのが興味深かった。
 しかし、オーケストラはもっと多様性に富んでいて、コンサート・マスターは中国系アメリカ人であった。風貌からはもしかしたら日本人かなと思ったのだが、中国系の男性であった。45人のバイオリニストの中には日本人は3名いた。東アジア系も3名ほどいる。15人のヴィオラニスとのうち日本人は1名、東アジア系は2名。13人のチェロイストの中には日系人(ベルリン生まれ)は1名、東アジア系は1名。コントラバス・プレイヤーは10人のうちゼロ。フルート・プレイヤーは5人のうちゼロ。オーボエ・プレイヤーは6人のうちゼロ。クラリネット・プレイヤーは6人のうちゼロ。ファゴット・プレイヤーは6人のうち1人が東アジア系。19人のホルン・トランペット系のプレイヤーもゼロ。あと、7名のパーカッション系のプレイヤーはゼロ。ということで、ほぼ弦楽器に集中しているが、132中5名が日本人、それを除いた東アジア系は7名。1割弱が東アジア系である。なかなか興味深い。

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能登半島地震の初動対応遅れから日本社会を蝕む「対応力の無さ」を考察する [サステイナブルな問題]

朝日新聞の記事に能登半島地震の初動は「人災」であると指摘した防災計画第一人者の室崎教授のコメントが掲載されていた。たいへん勉強になる指摘が為されていたのだが、個人的に特に気になったのは「先を読んで、刻々と変わる状況に的確に対応できていないこと」という点である。「現場のニーズを把握し、吸い上げてすぐ決定していくことができていない」ということだ。せっかく立派な防災計画を、お金(税金)をかけてつくっているにも関わらず、それをマネジメントできない。
 現在でも関連死が増えている状況では、とにかく、現場で起きていることに対するニーズを迅速にすくい上げ、すぐに判断して的確に差配できる体制を構築しなくてはならないような状況なので、ここで振り返って問題点を指摘するような段階ではないのだろうが、これは現況の日本の公務員の劣化とも関係しているようにも思えるのである。今回、地理的な要因や交通渋滞があるので、「ボランティアはまだ行かないで」と最初から強く国も県も自治体も伝えたが、これはボランティアのプラスの側面を捉えず、マイナスの側面ばかりを意識したからであろう。ボランティアは邪魔なので、我々に任せろ、というような意識がなくては、このような発言はできない。そして、その結果、圧倒的なマンパワー不足と専門的なノウハウの不足で、救えた命を失い、失いつつある。これは、もう国や県、そして自治体のマネジメント・ミスで責任が問われるような問題かと思う。
私は政策学部に所属しているので公務員になりたがる学生が多いのだが、この「現場のニーズを把握し、吸い上げてすぐ決定していくことができていない」タイプの学生が多く公務員になりたがる。ゼミの時間とかで地震が起きたら、一番頼りにしたくないような学生が公務員になりたがる。私も実は、そういう学生は民間より公務員にでもなるしかないかな、と特に反対もしない。つまり、責任を回避し、それだけど給料はもらえる仕事として公務員を選んでいる学生が多いのだ。
 ただ、ギリシャの経済危機の背景に公務員の国民に占める割合の高さがあったように、公務員が多いと国は滅びの道を歩む。ましてや、責任も取りたくなくてその仕事に就いた人が、このような災害の事態でそもそも上手く対応できる筈もないのだ。ちょっと地方分権をさらに進めて、公務員の責任をより明確に、見える形にするなどの対応をしないと、日本の将来は本当、危ないんじゃないだろうか。能登半島地震の背景には、「現場のニーズを把握し、吸い上げてすぐ決定していくことができていない」公務員システムというのが厳然として存在していると考えられる。迅速な変革が必要なのではないだろうか。

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エルベタワーの頓挫 [都市デザイン]

ハンブルクの都市再開発プロジェクトであり、ヨーロッパ最大の都市開発プロジェクトでもある「ハーフェン・シティ」の最後のプロジェクトはエルベタワーという標高233メートルの超高層ビルの建設であった。ドイツは超高層ビルどころか、高層ビルでさえ嫌うので、このプロジェクトの完成は空間的だけでなく時間的にもランドマークとなるようなプロジェクトであった。その工事は2021年に開始され、2025年に完成する予定であった。現在、100メートルぐらいのところまで工事が進捗したが、工事が中止になってしまった。これは、シグナ・プライム・エレクションという投資会社が支払期限に支払いを払えていないからだ。現時点(2024.01.15)でも問題は解決できていない。
 工事費は10億ユーロ。シグナ・プライム・エレクションはチロルの富豪ルネ・ベンコが所有している。ルネ・ベンコはドイツのデパート・チェーン、カール・シュタットやマンハッタンのクライスラー・ビルディングを所有している。
 さてさて、21世紀とともに始まったハンブルクのハーフェン・シティの都市再開発事業はその優れたデザイン、よく練られた事業計画など、ドイツの都市計画の秀逸さを見事に物語るプロジェクトであるが、最後の最後で雲行きが怪しくなっている。まあ、いつかは完成するだろうが、絶好調都市ハンブルクがハーフェン・シティのゴール直前で躓いてしまったという感じである。

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ハンブルク・アルトナ駅 [都市デザイン]

ハンブルクにアルトナ区がある。ハンブルクの観光地であるフィッシュ・マーケットはアルトナ区にある。また、ハンブルクの高級住宅地であるブランケネーゼもここアルトナ区に含まれる。人口は27万人である。このアルトナ区にはアルトナ駅というターミナル駅がある。なぜ、同じハンブルク市内に二つのターミナル駅があるのか。これは1640年から1864年までアルトナ区はデンマークの領土であり、アルトナ駅は1844年につくられたからである。ただ、この時のアルトナ駅は現在の駅の南300メートルのところにつくられていた。元の駅はアルトナの区役所として使われている。
 ドイツの領土になってから、すぐに中央駅との接続線が開通し、ここからベルリンなどにもいけるようになる。さらに1867年にはブランケネーゼ線(現在の1号線)も開通する。1898年にアルトナ駅は現在の場所に移動する。第二次世界大戦にオリジナルの駅舎は破壊されたが、その後、建て替えられた。これは、その後、一部の路線を地下化する際に建て替えられて、現在は存在しなし。現在の駅舎は1979年につくられたコンクリートのつまらない建物になってしまっている。
 このアルトナ駅だが、このターミナル駅機能をなくして、一駅北にあるディーブシュタイヒ駅中心に新たにターミナル駅をつくろうという計画がある。ドイツ鉄道が2014年に発表した。
この計画によって都市構造が大きく変わる。そして、現在の工業地区・商業地区であるディーブシュタイヒ駅周辺の土地利用も大きく変化させることになるであろう。その規模は75ヘクタールと相当大きい。これによって、ハンブルク市が慢性的に不足している住宅問題が多少は緩和されるのと、人口密度の高度化も期待できる。
そのため、ハンブルク市議会は新駅の周辺の調査を実施し、ここに商業と住宅がうまく調和して共存できるような都市づくりを目指すことにした。この計画は2021年に完成している。それと同時に、駅からそれほど離れていないところにホルステン・ビールの製造工場があったのだが、これが市の南のハーブルクに移転することで空き地となるために、ここも新しいミックスド・ユースの住宅地区をつくる計画が策定された。
 というように、ハンブルク・アルトナ駅周辺は今後、大きく変貌していくこととなる。20年後には同駅は特急列車も止まらない、というか走ることもない、ただの繁華街の駅というような形になるであろう。
 
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【現在のアルトナ駅(左側)】

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【昔のアルトナ駅。今は区役所】
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ブランケネーゼというハンブルクの高級住宅地を訪れる [地球探訪記]

ハンブルクはドイツでも特別に豊かな都市として知られる。しかし、中央駅や運河街、レーパーバウンなどを歩いていてもよく分からない。多少、バーバンク周辺の北部の住宅街などを歩くと、それなりに瀟洒で落ち着いていていい雰囲気だな、と思ったりはするが、高級住宅地としての迫力のようなものはあまり感じられない。ドイツの経済を牽引している都市としては、そんなにパッとしないのである。ということで、ちょっと調べてみたら、どうもハンブルクの高級住宅地はエルベ川の下流にあるらしいということが分かった。その中でもブランケネーゼという住宅地がその代名詞的な場所であることが分かったので、そこを早速訪れることにした。
 アルトナ駅からS1号線に乗車して、5駅ほど乗ったところにブランケネーゼ駅はある。駅を降りてすぐ、そこが相当の質の高い住宅地であることが分かる。まず、店舗が小洒落ている。そして、車道が狭い。歩道もしっかりと整備されている。何より、街路樹がしっかりと植えられていて、ちょっと森の中の住宅地といった雰囲気である。
 ブランケネーゼはエルベ川の河岸段丘に開発された住宅地だが、エルベ川に向かって、その丘に立つ家々は絵のようにお洒落である。そして、丘から川へと繋ぐ車道がほとんどなく、階段の歩道で繋がれている。この歩道がまたいい感じで、丘から住宅の間に見え隠れするエルベ川が美しい。階段の数は合計で5000段近くもあるそうだ。1月で雨が降ったり止んだりするような肌寒い天気の日曜日であったのだが、多くの地元からと思しき観光客が行き来していた。
 ハンブルグ一の高級住宅地ということであるが、自動車じゃアクセス出来ない家が多い。その乗用車保有率を調べたら古いデータ(2006)ではあるが、人口当たり0.486台であった。これは実はハンブルクの数字より高い(0.406)。これは2011年の数字だ。最初はブランケネーゼの数字は結構、低いなと思ったのだが、こんなに不便でもハンブルクの平均より高いぐらいなんだ。というか、ハンブルクの数字はなかなか低い。ちなみにドイツの平均は2021年だと0.58ぐらいだが2011年だと0.52。さらに日本の数字だが、日本は0.49(2021年の数字)。ただ、日本はドイツより地域差が大きく、最高は新潟の0.71。
話が横に逸れてしまったが、ベルリンでは同市きっての低所得者層が住む地域で団地住まいをしているので、ドイツの住宅地は汚いなあ、といった印象を持っていたのだが、ブランケネーゼを訪れ、ドイツにも美しい住宅地が多くあることを思い出した。こういう街を訪れると、ドイツのまちづくりは上手いよな、と感心する。ベルリンではなかなか、こういう気持ちになれないのでわざわざ訪れてよかった。

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【住宅地の丘からはエルベ川が望める】

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【住宅の間から見えるエルベ川は美しい】

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【小道と階段がこの住宅地を特別なものとしている】

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【エルベ川から丘の住宅地を望む】

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【丘は歩道でしかアクセスできず、自宅の敷地に駐車場が設置できる家は極めて少数である】
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映画『ノー・タイム・トゥ・ダイ』 [映画批評]

アナ・デ・アルマスを観たいという不純な動機で、この映画をアマゾン・プライムで観た。この映画のアナ・デ・アルマスは相当、恰好よくてボンド・ガール的な魅力に溢れていたが、残念ながらワンシーンで出番がなくなった。これは残念。ただ、映画自体は結構、楽しめた。ダニエル・クレイグのボンドは渋くて恰好いいが、人間味があり、それが個人的には気になる。最後のシーンもこれまでのボンドではあり得ない展開かな、と思ったりもする。ただ、007はただの番号だ、という台詞が何回か出てくるのは、しっかりと続編をつくる際に矛盾させないための布石なのであろう。
あと、これは映画とは関係ない話になってしまうが、アナ・デ・アルマスは非常に魅力的であったが、一方でボンドの恋人のレア・セドゥにはまったく女性的な魅力を感じなかった。いや、あくまでも好みの問題なのだろうが、むしろフランス人はこういう女性が魅力あることになっているのか、と文化の違いに驚いたぐらいである。そういえば、ソフィア・マルソーも全然、好みじゃなかったな。と、ふと思ったのだが、フランス人女優で個人的に贔屓している俳優が個人的にいるのか?若い頃のエマニュエル・ベアールは凄い美貌だな、と思ったことはある。アメリのオドリー・トトゥも映画での演技はとてもチャーミングだなと思ったことはある。しかし、それぐらいかもしれない。ブリジット・バルドーとかも、それほど魅力は分からない。まあ、本当にどうでもいいことだが、この映画で個人的にはここはとても気になった。



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映画『砂の器』 [映画批評]

松本清張の原作を野村芳太郎が監督をして映像化した作品。1974年製作。幾つかの見所がある。ストーリー的には方言が問題解決の糸口を提供したこと、ハンセン病をテーマとしたこと、どんな善人でも入ってはいけない親子の情の絆の一線があること、戸籍は戦後のどさくさではでっち上げられること、などだ。映画的には、なんといっても父と息子との回想シーンであろう。その演技力の凄味は言葉では表現できない。映画の圧倒的な力を思い知らされるようなシーンである。そして、これに絡むテーマ曲が素晴らしい。作曲も素晴らしいが音楽監督の力も凄いものがある。あと、個人的には1970年代の日本の風景をいろいろと見られるのはとても興味深い。改めてちょっと前までの日本の風土の美しさには息を呑む。いつから、こんな汚い景観になってしまったのだろうか。

 

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タグ:『砂の器』
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ベルリンの人達は満員電車に乗らないでやり過ごす [ドイツ便り]

ドイツ鉄道がストライキをしている。つい最近もストライキをしていたので、本当、ストライキが好きだな、と思う。ベルリンでは地下鉄や郊外鉄道はベルリン市が運営しているので、それらは走っている。私は通勤先の大学までは地下鉄で通っているので、ストライキの影響はない。と、いいたいところだが余波は受けている。というのは、地下鉄が混むからだ。東京のラッシュアワーとまではいかないが、山手線ぐらいの混み具合である。
さて、比較的混んだ地下鉄がホームに入ってきた。日本だったら押して入る。しかし、ここはドイツ だ。どうしようかな、と思っていたらホームで列車を待っている客は誰も乗らない。私も特に急いでいる訳ではないので、乗らずに次の列車を待った。5分後に次の列車が来たのだが、これも同じぐらい混んでいた。またまた誰も乗らない。私もこれは乗れないな、と思い、またやり過ごした。次の列車は比較的空いていたので乗れたが、そうなんだ、満員電車はドイツ人は乗れないんだ、ということに気づいた。まあ、日本とかだと平気で押して入れるが、これってよく考えたら相手を不快にする行為だよね。
しかし、こういうことが出来ないからベルリンの地下鉄は赤字なんですよね。というか、日本の公共交通の一部が黒字なのは、この世界的にも異常な満員電車で列車を走らせているという事実。本当、いい加減に気づいて欲しいですね。

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志賀原発で変圧器の油漏れが相次いで発生 [原発問題]

能登半島地震で地震後、志賀原発の外部電源を受けるための変圧器の油漏れが相次いで発生した。普段とは別の系統の外部電源に切り替えて、使用済み核燃料は冷却中なので特に大きな問題は起きそうもないが、原発内の変圧器の故障ということで、原発の地震に対する脆弱性を改めて認識させることになっている。地震の影響の発表について、北陸電力は訂正を重ねている。怪しいなあ、なんか危ないんじゃないのか。
私はドイツに今、住んでいる。ドイツには稼働している原発はゼロである。それじゃあ、何でエネルギーを生産しているかというと自然エネルギーで50%以上をそれで賄っている。一部のアホはフランスの原発エネルギーを買っている、と言っていたりするが(以前、勤務していた大学の経済学者で風説だけでそう言い放っていた教員がいた。こんな教員に教わる学生は本当、可哀想で授業料を返してやりたい)、実態は自然エネルギーの依存率を年ごとに高めていることで対応しているのだ(変換期は原発エネルギーが安い時は購入していた時もあるし、今後もそういう時があり得ない訳ではないが、それが固定化している訳ではない。ドイツがフランスにエネルギーを売る場合もある)。原発を諦めたので、蓄電池の経済性が高まり、導入量が急拡大した。必要は発明の母なのである。
日本人は発明する力に優れていると思う。創意工夫とかも得意だ。一方で、濡れ手に粟みたいな既得権に固執するところもある。この性格によって、新しいチャンスを見損なう。
ほとんど地震がないドイツが原発を止めたのは、日本人でさえ管理ができない原発は、人類は管理できない、という本質を見抜いたからである。その原発事故で貴重な土地を放射能で汚染された日本人は、目先の既得利権を手放したくないがために原発を再稼働している。まあ、滅びる民族の発想で情けない。
そのような状況であるのに、某池田なんとかという経済評論家?は「馬鹿かどうかは、原発反対しているかどうかで分かる」と宣ったりしている。そもそも議論をせずに相手が馬鹿だと決めつけるというのは野蛮そのもので、その点は受け入れがたいが、敢えて「目には目で」、逆のことをここで主張したい。「馬鹿かどうかは、原発支持しているかどうかで分かる」と。どれだけ経産省か東京電力からお金をもらっているか分からないが、いい加減にしろよな。少なくとも馬鹿と決めつけるために議論するというのが民主主義国家の基本だろう。

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ドイツ人は鉄道車内でのマナーが悪い [ドイツ便り]

日々、通勤で地下鉄を利用している。自動車を持っていないので、どこに行くにもほぼ鉄道だ。そこで気になるのは、ドイツ人(といってもドイツに住んでいる人ということで移民の人なども含まれている)の車内でのマナーがよくないことだ。三浦展氏が『下流社会』で女子学生が地下鉄でおにぎりを食べていることを嘆いており「下流現象」だというようなことを書いていたが、そういう意味ではドイツ人の多くは下流であろう。よく車内で食べているうら若き女性がいる。立ち食いしている20代ぐらいの女性もいる。それが、ドーナッツだったらいいが、中華料理風のやきそばみたいなパスタだったりする。フォークを使って食べていたりもするのだ。それと、携帯電話で話をする人も多い。中には周りを配慮していてしゃべる人もいるが、まったく傍若無人で大声で話す人も多い。これに関しては、サンプルが少ないがドイツ語より中国語の方が大声で耳障りに聞こえる場合が多いような気がするが。あと、これは女性よりも圧倒的に男性が多いが、ビールを地下鉄とかでも呑む。ちょっと臭いとかが気になる。あと、車内に飲み残しのコーヒーがこぼれていたりもする。とにかく、鉄道車内のマナーの悪さ、という観点からだと日本よりドイツの方がずっと悪い気がする。

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『アンモナイトの目覚め』 [映画批評]

ケート・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンという演技力に優れた女優が主演の恋愛物語。ケート・ウィンスレットは『タイタニック』に出ていた頃とは随分と雰囲気が変わっていた。迫力のあるおばさんという感じだ。それに対して、シアーシャ・ローナンは華のある女性を見事に演じている。ストーリーはちょっと中途半端な感じであり、これはその後の展開を観客の想像に任せる、ということなのだろうが、こうすっきり感がしない。ストーリーというより、そのプロセスを見せることに重きを置いているのであろう。まあ、観ても後悔はしないが、敢えて観なくてはいけないような映画ではないと思う。

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ドイツの物価(3)2024年1月6日 [ドイツ便り]

以前、ドイツの物価に関して、私が買物をしたものの価格を記したことがある。二ヶ月ほど前のブログと三日ほど前のブログである。
https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-11-16
https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-01-05

その続きとして11月にも記録したビオ系のスーパーで買い物をしたときのレシートを見ながら、前回では記さなかった物品に関して、その金額をここに記録しておきたいと思う。

・りんご:1キログラムあたり5.99ユーロで、比較的小さな林檎二つだったので一個1.31ユーロ。
・スパゲッティ:500グラムの一袋が1.59ユーロ
・コーンチップス:1袋が1.69ユーロ
・グラノラ:400グラムの一袋が5.49 ユーロ
・ゴーダチーズ:1キログラムあたり44.9ユーロで、0.096グラムを購入したので4.31ユーロ。
・赤カブ:1キログラムあたり9.90ユーロで、0.116グラム(一蕪)を購入したので1.15ユーロ。
・トマト:1キログラムあたり2.99ユーロで、0.096グラムを購入したので0.35ユーロ。
・ヨーグルト:1.69ユーロ
・さくらんぼの瓶詰め:2.29ユーロ
・瓶詰めのコルニション:2.59ユーロ
・マンゴ:1キログラムあたり7.90ユーロで、0.522グラム(1個)を購入したので4.12ユーロ。(ちなみにこのマンゴは日本のとは比べものにならないほど美味しくなかった)
・ニンジン:1キログラムあたり2.49ユーロで、0.140グラムを購入したので0.35ユーロ。
・西洋ネギ:1キログラムあたり5.99ユーロで、0.162グラムを購入したので0.97ユーロ。
・カリフラワー:一株4.99ユーロ(ただ、このカリフラワーは美味しかった)
・タマネギ:1キログラムあたり2.99ユーロで、0.104グラム(一個)を購入したので0.31ユーロ。
・キュウリ:1本2.29ユーロ(ただし、日本のキュウリとは比べもににならないほど太くて大きい)
・ジャガイモ:1キログラムあたり2.99ユーロで、0.582グラム(5個)を購入したので1.74ユーロ。
・キャベツ:1キログラムあたり2.99ユーロで、1.484グラム(1個)を購入したので4.44ユーロ。

みたいな感じです。改めてビオのスーパーということはありますが、それでも野菜はドイツが日本より安いということはないですね。EUで安い野菜がスペインとかから輸入できてもこの値段、というのはちょっと驚きです。

タグ:ドイツ 物価
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『フレンチ・ディスパッチ』 [映画批評]

ウェス・アンダーソン監督の2021年作品。2014年作品の『ブダペスト・ホテル』が相当、よかったので期待をしていたが、その期待は外れた。いや、そんなに悪くはないが、細切れの4つのストーリーのオムニバスというスタイルが、ちょっと一気に観ることの集中力を削いだのと、そのストーリーもそれほど面白くはない。『ブダペスト・ホテル』のように、ストーリーにそれほど惹きつけられない。そもそも架空の街の架空の話であるので、ストーリーにリアリティがないのはいいのかもしれないが、フェアリー・テールとしてのご都合主義が個人的にあまり受け付けないのかもしれない。そういう点からすると、『ブダペスト・ホテル』も似たようなところがあるが、『ブダペスト・ホテル』に通底するヒューマニティみたいなところが、ちょっとこの『フレンチ・ディスパッチ』には欠けている印象を受ける。あと、せっかくシアーシャ・ローナンが出演しているのに、彼女が端役というのも個人的にはがっかりしたところでもある。『ブダペスト・ホテル』の映画のクオリティを高めているのは彼女の演技であることは論を俟たないからだ。



フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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The French Dispatch

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羽田空港事故を考察する [その他]

羽田空港事故の背景が見えてきた。特に通信記録が決定的である。これによると、JALに責任はなく、管制塔にも責任はなく、ひとえに責任を負うべきなのは海上保安機の機長、そして、もしかしたら副機長に多少の責任があるかもしれない、という状況であると思われる。管制塔が待機線で停止してください、という指示を受け取ったのは副機長である。ここで副機長がそれを機長に正確に伝えなかったのか、ここで機長が誤解をして受け取ったのか。ここは議論が分かれるが、もし機長もそれを聞いたのであれば、機長と副機長の二人とも誤解をして受け止めたということになる。間違えて機長が滑走路に進入したのであれば、副機長はここで慌てて止めさせることもできたかと思う。衝突までに40秒という結構、長い時間が経っている。副機長は亡くなってしまったので、彼の証言は聞けないが、機長が「侵入許可をもらった」というのは嘘か、大きな誤解をしたかのどちらかである。
 今回、海上保安機は能登地震の被災者に物資を送るために、非常に気が急いていたのかもしれない。しかし、そのために冷静さを失ったのだとしても、それで5名の同僚を亡くしてしまった責任は相当、重いのではないだろうか。その後、「侵入許可をもらった」と言い張っているのは、その罪に対峙できないからであろう。確かに、私でももう同じような事態になってしまったら、その事実から目を背けたくなるし、現実を否定したくなると思う。ただ、これは交差点で信号無視をして衝突した事故と同等である。信号が赤だったのに青だったと主張しても、その主張は厳然たる証拠の前には受け入れられない。
 まったくもって正月から気が重くなる事件ではあるが、それでも、日本航空の乗客乗員が全員、無事に脱出できたのは本当によかった。機長は日本航空の乗員の冷静さを見習うべきである。とはいえ、この機長には将来はあるのか。ちょっとしたコミュニケーション・ミスを発端とした事件だが、相当重い十字架を背負ってしまったものだ。私が海上保安機に同乗していた故人の家族であったら、ちょっと許せないと思う。おそらく裁判で訴えるであろう。

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ドイツの物価(2)2024年1月6日 [ドイツ便り]

以前、ドイツの物価に関して、私が買物をしたものの価格を記したことがある。二ヶ月ほど前のブログである。
https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-11-16

その続きとして前回書かなかったもので幾つか書いてみたい。
まず文房具屋。

・クリアファイルが一枚79セント。
・紙のフォルダー(20枚ぐらいが入るようなもの) 9ユーロ。

文房具は流石、日本の方が安くて優れているのはおそらく論を俟たないであろう。

そして、次は肉屋。

・レーバーペースト:1キログラム当たり40.40ユーロで0.05kg購入ということで2.10ユーロ。(随分、少ないようだが、パンに塗って食べるとパン6切れはこれで十分いける)。
・セラノハム(生ハム):1キログラム当たり41.82ユーロで0.098kg購入ということで4.10ユーロ。これも少ないイメージだがパンにはさんで食べると4食はこれでいける。
・ソーセージ(ウィーナー・ソーセージで結構長くて大きい)一本1.49ユーロ。
・白ソーセージ:1キログラム当たり18.90ユーロで0.142kg購入ということで2.68ユーロ。
・ドイツ風のハム:1キログラム当たり29.90ユーロで0.116kg購入ということで3.47ユーロ。
・ワイルドサラミ:1キログラム当たり23.90ユーロで0.144kg購入ということで3.44ユーロ。
日本の肉屋だと100グラム単位のところがこちらは1キロで表示しているのが何ともいえず豪快だが、やはり肉は円安であっても日本より安いと思う。あと、味はいい。

また、これまで報告してないものを購入したら記録としてアップしたいと思う

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ベルリンの正月は前日の大晦日花火のゴミで溢れている [都市デザイン]

ベルリンの大晦日は花火が各地で打ち上げられる。結構、夜遅くまで花火の打ち上げる音がうるさい。また、しっかりと組織的に打ち上げられている花火もあるのだろうが、実際は、地元の人達が適当に打ち上げていることが分かった。
 さて、しかし、この花火を打ち上げた後に生じるゴミをどうも私の家のそばの人達は片付けないようで、歩道やちょっとした広場的なところには、この花火のゴミが散乱している。相当、汚い。正月早々、このゴミを見るのは日本人的には抵抗がある。日本でも花火をした後に生じるゴミは片付けると思う。これは、しかし、放っておいて誰かが片付けるのであろうか。
 花火を大晦日の夜に打ち上げるのはすればいいと思う。何も反対しない。むしろ、新年を祝おうという気持ちを盛り上げるのはいいことだとさえ思う。しかし、それでゴミを出して迷惑をかけるのであれば別である。私は外国人という立場で暮らしているのと、新年を体験するのは今年だけなので、積極的に状況を改善しようとは思わないが、なんかだらしがない。ドイツはごみ問題の対応で先進国だとか言う日本人は、もう随分と前から(このブログでも10年ぐらい前から)間違っているのではないか、と言ってきたが、まさにそれを再確認する。嬉しくないけど。

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日本航空の事故での脱出劇を世界が驚嘆している [グローバルな問題]

日本航空と海上保安庁の航空機とが衝突した。私はこのニュースをドイツで知ったのでCNNなどを通じて情報を収集しているのだが、その報道のポイントは事故の大きさも勿論なのだが、なぜ、これだけの事故でこれだけ被害者が少ないのか、というところにある。海上保安庁機の乗員が亡くなられたことは極めて遺憾であるが、これだけの事故で日本航空の乗客乗員が全員脱出できたことは奇跡的なことで、その乗員が極めて冷静で対応できたことと、乗客がしっかりとその危機的状況に対応できたことが危機を回避できた要因であると紹介している。

下記のCNNニュースの7:30のところでは、解説者が事故そのものより、この脱出ができたことが奇跡的であると述べている。
https://www.youtube.com/watch?v=0VDc7wBi-to

このBCCのニュースはまさにその「奇跡」に注目して解説している。
https://www.youtube.com/watch?v=BYUsGx2GYDI

オーストラリアのニュースも「奇跡」であると紹介している。オーストラリアの場合は、この機に9名ほど乗員していたから、関心も高いようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=QKFCoAJ75bk

オーストラリアの上記のニュースで2分ぐらいから、この事故を解説していた専門家は、「これらの乗員は人生分の給与をもらうべきだ」と述べていた。それは難しいだろうな、と思ったりしたが、その後、この乗員達のおかげで300人近くの人の命が救われたのだ、と強調しているのを聞くと、本当、日本航空の乗員のクオリティは高いのだなと改めて確認する。また、多くのニュースが「meticulous」という言葉を使っていた。細心な注意を払う、という意味であるが、状況をしっかりと判断して、適切な行動を取らないと、このような災害に的確に対応することはできない。

日本だと、この事故は5名の貴重な命が亡くなったこともあり、おそらく、この奇跡的な偉業が表だって評価されていないと思われる。しかし、海外のニュースはより客観的に観るところがあるので、この事故が起きたことよりも、これだけの事故でこの被害の少なさにニュース価値を見出しているようだ。

あと、海外では日本は新年早々、大変な事故が相次いで、という報道の仕方をしているが、今回の事故は能登地震の余波を受けての事故である。通常であれば、起きえない事故であり、地震という異常事態があったために、起きてしまった事故であるという見方はあまりされていないような印象を受ける。

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『ブルックリン』 [映画批評]

シアーシャ・ローナン主演のインデペント映画。2015年に公開された。1950年代にアイルランドの小さな町(現在の人口1万2000人ぐらい)から、よりましな仕事を探すために、アメリカ合衆国のブルックリンへと一人で移民してきた若い女性の物語である。ブルックリンでの生活にようやく慣れてきた頃、アイルランドに戻らなくてはいけない事情が生じる。そして、アイルランドの家族のもとに戻ると、生活環境はずっとよくなり、また、裕福な美青年にも好意を寄せられる。そこで、彼女が残るか、残らないかを逡巡している時、傍から見れば些細なようで、しかし、本人にとっては耐えがたいような事件が起きる。
 この映画は、極めて良好な映画である。別に見なくても失うものはない。「死ぬまでに見るべき映画100選」とかに選ばれるような映画からは、まったく距離を置いた映画である。しかし、見ると心が豊かになるというか、人生のビタミンになるような映画である。美味しい副菜のような位置づけだ。そうそう、若い人はデートとかにこの映画に行くといいかもしれない。一生懸命、生きようとする若者達の真っ直ぐな姿勢が涼風のように見る者の心に訴えかけてくる。
 なにしろ、主演を務めるシアーシャ・ローナンが素晴らしい。決して、美人女優ではないが、あの凜としたカリスマ性溢れる佇まい、ウィット溢れる知性、透明感溢れるキャラクターは、映画に品格をもたらす。この映画の評価は、おそらく彼女以外の女優が演じたら、下がったであろう。
 この映画をみて人生観が変わるようなことはまったくないと思うが、ちょっと打ちひしがれた時や、肯定的な気分になりたい時は有効に働く映画であると思う


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