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羽田空港事故を考察する [その他]

羽田空港事故の背景が見えてきた。特に通信記録が決定的である。これによると、JALに責任はなく、管制塔にも責任はなく、ひとえに責任を負うべきなのは海上保安機の機長、そして、もしかしたら副機長に多少の責任があるかもしれない、という状況であると思われる。管制塔が待機線で停止してください、という指示を受け取ったのは副機長である。ここで副機長がそれを機長に正確に伝えなかったのか、ここで機長が誤解をして受け取ったのか。ここは議論が分かれるが、もし機長もそれを聞いたのであれば、機長と副機長の二人とも誤解をして受け止めたということになる。間違えて機長が滑走路に進入したのであれば、副機長はここで慌てて止めさせることもできたかと思う。衝突までに40秒という結構、長い時間が経っている。副機長は亡くなってしまったので、彼の証言は聞けないが、機長が「侵入許可をもらった」というのは嘘か、大きな誤解をしたかのどちらかである。
 今回、海上保安機は能登地震の被災者に物資を送るために、非常に気が急いていたのかもしれない。しかし、そのために冷静さを失ったのだとしても、それで5名の同僚を亡くしてしまった責任は相当、重いのではないだろうか。その後、「侵入許可をもらった」と言い張っているのは、その罪に対峙できないからであろう。確かに、私でももう同じような事態になってしまったら、その事実から目を背けたくなるし、現実を否定したくなると思う。ただ、これは交差点で信号無視をして衝突した事故と同等である。信号が赤だったのに青だったと主張しても、その主張は厳然たる証拠の前には受け入れられない。
 まったくもって正月から気が重くなる事件ではあるが、それでも、日本航空の乗客乗員が全員、無事に脱出できたのは本当によかった。機長は日本航空の乗員の冷静さを見習うべきである。とはいえ、この機長には将来はあるのか。ちょっとしたコミュニケーション・ミスを発端とした事件だが、相当重い十字架を背負ってしまったものだ。私が海上保安機に同乗していた故人の家族であったら、ちょっと許せないと思う。おそらく裁判で訴えるであろう。

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