『フレンチ・ディスパッチ』 [映画批評]
ウェス・アンダーソン監督の2021年作品。2014年作品の『ブダペスト・ホテル』が相当、よかったので期待をしていたが、その期待は外れた。いや、そんなに悪くはないが、細切れの4つのストーリーのオムニバスというスタイルが、ちょっと一気に観ることの集中力を削いだのと、そのストーリーもそれほど面白くはない。『ブダペスト・ホテル』のように、ストーリーにそれほど惹きつけられない。そもそも架空の街の架空の話であるので、ストーリーにリアリティがないのはいいのかもしれないが、フェアリー・テールとしてのご都合主義が個人的にあまり受け付けないのかもしれない。そういう点からすると、『ブダペスト・ホテル』も似たようなところがあるが、『ブダペスト・ホテル』に通底するヒューマニティみたいなところが、ちょっとこの『フレンチ・ディスパッチ』には欠けている印象を受ける。あと、せっかくシアーシャ・ローナンが出演しているのに、彼女が端役というのも個人的にはがっかりしたところでもある。『ブダペスト・ホテル』の映画のクオリティを高めているのは彼女の演技であることは論を俟たないからだ。
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2022/04/27
- メディア: Blu-ray
タグ:フレンチ・ディスパッチ
2024-01-07 00:00
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