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ハンブルク・アルトナ駅 [都市デザイン]

ハンブルクにアルトナ区がある。ハンブルクの観光地であるフィッシュ・マーケットはアルトナ区にある。また、ハンブルクの高級住宅地であるブランケネーゼもここアルトナ区に含まれる。人口は27万人である。このアルトナ区にはアルトナ駅というターミナル駅がある。なぜ、同じハンブルク市内に二つのターミナル駅があるのか。これは1640年から1864年までアルトナ区はデンマークの領土であり、アルトナ駅は1844年につくられたからである。ただ、この時のアルトナ駅は現在の駅の南300メートルのところにつくられていた。元の駅はアルトナの区役所として使われている。
 ドイツの領土になってから、すぐに中央駅との接続線が開通し、ここからベルリンなどにもいけるようになる。さらに1867年にはブランケネーゼ線(現在の1号線)も開通する。1898年にアルトナ駅は現在の場所に移動する。第二次世界大戦にオリジナルの駅舎は破壊されたが、その後、建て替えられた。これは、その後、一部の路線を地下化する際に建て替えられて、現在は存在しなし。現在の駅舎は1979年につくられたコンクリートのつまらない建物になってしまっている。
 このアルトナ駅だが、このターミナル駅機能をなくして、一駅北にあるディーブシュタイヒ駅中心に新たにターミナル駅をつくろうという計画がある。ドイツ鉄道が2014年に発表した。
この計画によって都市構造が大きく変わる。そして、現在の工業地区・商業地区であるディーブシュタイヒ駅周辺の土地利用も大きく変化させることになるであろう。その規模は75ヘクタールと相当大きい。これによって、ハンブルク市が慢性的に不足している住宅問題が多少は緩和されるのと、人口密度の高度化も期待できる。
そのため、ハンブルク市議会は新駅の周辺の調査を実施し、ここに商業と住宅がうまく調和して共存できるような都市づくりを目指すことにした。この計画は2021年に完成している。それと同時に、駅からそれほど離れていないところにホルステン・ビールの製造工場があったのだが、これが市の南のハーブルクに移転することで空き地となるために、ここも新しいミックスド・ユースの住宅地区をつくる計画が策定された。
 というように、ハンブルク・アルトナ駅周辺は今後、大きく変貌していくこととなる。20年後には同駅は特急列車も止まらない、というか走ることもない、ただの繁華街の駅というような形になるであろう。
 
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【現在のアルトナ駅(左側)】

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【昔のアルトナ駅。今は区役所】
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