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エルベタワーの頓挫 [都市デザイン]

ハンブルクの都市再開発プロジェクトであり、ヨーロッパ最大の都市開発プロジェクトでもある「ハーフェン・シティ」の最後のプロジェクトはエルベタワーという標高233メートルの超高層ビルの建設であった。ドイツは超高層ビルどころか、高層ビルでさえ嫌うので、このプロジェクトの完成は空間的だけでなく時間的にもランドマークとなるようなプロジェクトであった。その工事は2021年に開始され、2025年に完成する予定であった。現在、100メートルぐらいのところまで工事が進捗したが、工事が中止になってしまった。これは、シグナ・プライム・エレクションという投資会社が支払期限に支払いを払えていないからだ。現時点(2024.01.15)でも問題は解決できていない。
 工事費は10億ユーロ。シグナ・プライム・エレクションはチロルの富豪ルネ・ベンコが所有している。ルネ・ベンコはドイツのデパート・チェーン、カール・シュタットやマンハッタンのクライスラー・ビルディングを所有している。
 さてさて、21世紀とともに始まったハンブルクのハーフェン・シティの都市再開発事業はその優れたデザイン、よく練られた事業計画など、ドイツの都市計画の秀逸さを見事に物語るプロジェクトであるが、最後の最後で雲行きが怪しくなっている。まあ、いつかは完成するだろうが、絶好調都市ハンブルクがハーフェン・シティのゴール直前で躓いてしまったという感じである。

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