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ドイツ人でも鉄道飛び込みの自殺はする [ドイツ便り]

東京や大阪とかでは鉄道への飛び込み自殺が多い。どこかで、それは日本的な病である、みたいな記事を読んだことがある。それは異常だ、ということで、そうなのかな、と思っていたりした。さて、しかし、ドイツでも仕事や人生で悩み、精神を病んでいる人は多い。実は私の友人も精神病になってしまった。彼の場合は家庭にも恵まれていて、仕事も大学教員として実績等もたくさんつくっていたので、その原因を探るのは難しいのだが、彼との話をもとに私が考察すると、コロナでのダメージは大きかったようだ。コロナでの抑圧された生活の後の開放感が躁病の引き金になってしまったような気がする(彼の病気は躁病である)。
 さて、そして、そのように精神を病んでいる人は自殺を往々にするのだが、鉄道への飛び込み自殺とかもあるらしい。魔が差してしまったのであろう。ただ、そういう点では日本人だけが異常という訳ではないような気がする。私の別の友人は管理職として22人の部下を抱えていたが、そのうち5人が精神を正式に病んでいたそうだ。まあ、なかなかドイツで仕事をするのも大変だな、という気がするのと同時に、ドイツの官僚制は日本と比べても酷いので、まあ、これはストレス抱えるな、と思わなくもない。
 ドイツでは日本の「過労死」はギャグであり、到底、信じられないと言う。まあ、私も過労死はしないタイプだと思うのだが、それは責任感がそれほどないからだ。死んでまで忠誠をつく価値のある組織に所属したことがないからだとも言えるが、過労死は、日本人の組織に対する忠誠心、責任感に基づいている。個人を犠牲にするのはおかしい、という考え方には共感するが、この組織への忠誠度や責任感はある意味、日本の美徳の裏返しでもある。ドイツでは過労死になるほどは働かないが、それは組織への忠誠心や責任感が希薄であるからだ。それは、悪いことだとは思わないが、逆をいえば、ちょっとコミュニティ的なものへの帰属感の薄さにも繋がる。そのような中、仕事をしていくうえではいろいろとストレスが多い。このストレスを個人でため込むことが、精神的病に繋がるのではないか。
 日本がいいとは思わないが、ドイツでもいろいろと仕事環境などで課題があることが分かる。

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