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円安が止まらないと慌てふためくアホども [グローバルな問題]

円安が止まらない。どうも財務省も日本銀行も懸念を強めていて、何か大慌て状況である。さて、しかし、このように円安を誘導したのは政府や日本銀行ではなかったのか。そもそも、日本の経済を浮揚させるために円安政策を今まで推進しようとしたのではなかったのか。10年前の2014年に三井住友DSアセットマネジメントがアップしたウェブサイトでは次のように「円安は日本経済にプラス」であることが書かれている(https://www.smd-am.co.jp/market/daily/keyword/archives/japan/1241825_1982/)。

以下、引用。
「円安は、輸出企業には採算改善や輸出拡大、サービス産業には訪日外国人旅行者の増加による消費支出の拡大などの経済効果があります。輸入企業にはコスト増や価格競争力の低下などのマイナスの効果がありますが、日本経済全体としてはプラスの効果が上回るとみられています。」
以上。

これは、別に三井住友DSアセットマネジメントだけでなく、政府も社会もそのような考えであったかと思う。円安こそがアベノミクスの目標の一つだったのではないか。基本、安倍さんが旗を振って、一生懸命「円安にすればどうにかなる」と呪文のように唱えて、ずっと経済政策を推し進めてきて、その結果の円安である。なんか、一生懸命、好きな女性を口説いて、ようやく受け入れられたら慌てているようなアホさ加減を覚える。円安で困るなら、円安誘導策などをしなければよかったのである。自分達が招いたくせに、いざ具体化したら慌てるのはおかしすぎるだろう。というか、日本経済にプラスにならず、しかも株高につながらない、ということをしっかりとエコノミストは説明する責任があるのではないか。こういう時のために、経済学を勉強してきたのではないのか。

私は現在、ドイツに住んでいるので、この円安はもう普通の日本人より遥かに大きなダメージを受けている。とはいえ、国が目指した経済政策の成果であるから、ある意味仕方ないと思っているところもある(ただ、私は自民党に票を入れたことは人生で一度もありませんが)。それなのに円安が止まらなくて大変だ、日本も「新興国になった」とか慌てふためいているのは人を馬鹿にしすぎてないか。失敗をしたことが明々白々になったのだから、ここで計算ミスをしたとか、ここを誤解した、といった政策の判断のミスを解説してもらった方が有り難い。経済学なんて相当、いい加減なものなのであるから、そもそもそうそう思い通りに行くとは思えない(私は以前、某私立大学の経済学科に所属していたので、経済学の先生達のいい加減さは骨身に染みて理解している)。それはいい加減な仮説(見えざる手とか)の積み重ねだからだ。しかし、いい加減だから現実がその通りにならないのもしょうがないと思う。ただ、だからこそ、ここの仮説が間違えたとか、そのモデルを修正しようと考えることとかが求められるのではないだろうか。なんか、藪から蛇が出てきたように、慌てふためくのだけは本当に止めて欲しい。

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