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今年のNBAは目が離せないほど面白い [スポーツ]

今年のNBAは久々にわくわくさせられる。最近、NBAではスーパーチームをつくる動きがみられる。このようなトレンドをつくったのは、レブロン・ジェームスであろう。レブロンはマイアミ・ヒートに2010年に移籍する時、ドラフト同期で4位のクリス・ボッシュ、5位のドゥエイン・ウェイドもマイアミ・ヒートと契約を結んだ(ドゥエイン・ウェイドはヒートに所属していたが、フリーエイジェントであった)。彼らはフリーエージェントで同じチームに行こうと2006年には相談していたそうだが、チーム・オーナーではなく、選手がチームをつくるという動きの始まりは、この2010年のマイアミ・ヒートが初めてであろう。このスーパーチームは4年のうち2回優勝を果たす。
 その後のスーパーチームはゴールデン・ステート・ウォリアーズであろう。決勝ではレブロン・ジェームズ率いるクリーブランド・キャバリアーズには負けたが、西地区で優勝するほどの強豪であったにも関わらず、レブロン・ジェームズと唯一同じレベルにあるケビン・デュラントを獲得して、その後、2連覇を果たす。この場合は、選手たちが相談してこのようなチームをつくったというのではなく、ケビン・デュラントが好んで入っただけとはいえるが、それでも凄まじいスーパーチームが結果つくられる。そして、もう最初からほぼ優勝チームが分かるような出来レース的なシーズンが続く。私はゴールデン・ステート・ウォリアーズのファンではあったが、この4年間で優勝した3回のうち、ケビン・デュラント不在の時の優勝が一番、わくわくした。正直、ケビン・デュラントがいて優勝しても、そこまでして勝ちたくはない、と思ったりもした。ステフェン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモント・グリーン、ハリソン・バーンズ、アンドレ・イグアダラ、アンドリュー・ボーグで下馬評を覆して優勝した時は本当に楽しくわくわくして試合を鑑賞したが、デュラントがいてもあまりにも強すぎて、ちょっと興ざめさせられた。
 さて、しかし、ある意味、ゴールデン・ステート・ウォリアーズが強すぎたこともあり、その後、二つのスーパーチームがつくられる。その一つはデュラントを中心にジェームス・ハーデン、カイリー・アービングのスーパー・トリオのニュージャージー・ネッツと、レブロン・ジェームズを中心にアンソニー・デービス、ラッセル・ウェストブルックのスーパー・トリオのロスアンジェルス・レイカーズである。もう、このスーパーチームがつくられた時は、もう東はネッツ、西はレイカーズで決勝戦は決定だと多くの評論家は断定した。そして、私はつまんねえなあ、と思いつつ、そうなんだろうなあ、と諦観していた。ウォリアーズについては、評論家はプレイオフに進出もできないだろうと言うものさえいた。
 ただ、蓋を開けてみれば、ネッツはデュラントの故障離脱という予期せぬ事態があったにしても、今日(2月6日)時点では7連敗を喫して6位と低迷している。レイカーズはもっとひどい状況である。レブロンが離脱していたとはいえ、現時点で9位である。もちろん、デュラントやレブロンが復帰すれば状況は変わるだろうが、それでも決勝戦までの道のりは厳しいし、遠い。そして、これらのスーパーチームの低迷がNBA自体をとてもエキサイティングなものとしている。西はフィニックス、ゴールデン・ステートだけでなく、若手が大活躍しているメンフィスの台頭、いぶし銀的な強さを持つユタ、ダラス、デンバーといったチームが気の抜けない試合を多く作り出している。東はオールスター選手のベン・シモンズが不在のフィラデルフィア、マイアミ、シカゴ、ミルウォーキーがしのぎを削ったハイレベルの試合を展開している。西は若干、フィニックスとゴールデン・ステートが頭一つ抜きん出ているが、それでもプレイオフではどんでん返しが起きないとはいえない。
 そして、何が素晴らしいかというと、スーパーチームのように駒を揃えても、それで試合に勝てるほどバスケットボールというスポーツは単純でないことが明らかになったことである。それは、バスケットボールはチームスポーツであり、選手間の相乗効果や戦略によって弱いチームが強いチームに勝つことができるからである。レイカーズはドラフト1位のアンソニー・デービスやMVPのラッセル・ウェストブルックを獲得するために、若手の有望な選手をずいぶんと放出したが、彼らがいた方が、現在のレイカーズより強かっただろう、と多くの評論家が指摘する。確かにクズマ、カードウェル・ポープ、ロンゾ・ボール、ブランドン・イングラムとレブロン・ジェームズというチームは、現在のレイカーズよりは強い印象を受ける。
 ともかく、スーパーチームが今シーズンを台無しにしてしまったな、とがっかりしていたのだが、実際は、まれに見るエキサイティングなシーズンを楽しむことができている。もちろん、ウォリアーズがフィニックスと首位争いをしているほどの成績を残していることも、楽しめている大きな理由ではあるが。

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