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パサージュ論 第一巻 [書評]

ドイツ人の思索家、ヴォルター・ベンヤミンによる『パサージュ論』。基本的には、未完のパサージュ論を執筆するうえでの資料、メモから構成されている。しかし、それらからベンヤミンの透徹した思考を伺え、19世紀のパリ、そしてそれを取り巻く社会状況を知るうえでは極めて貴重な情報・知見を提供してくれる。全部で6つの章からなる。オースマンの章は個人的には極めて興味深かった。オースマンによるパリの大改造に関して、様々な意見・統計的な情報などが満載されているのが、その8割が極めて批判的であるのが興味深い。ただ、賞賛している意見等もしっかりとメモされていて、当然、コルビジェは大絶賛であった。それにしても、素晴らしい19世紀のパリに関しての資料集、そして考察集である。パリという都市の偉大さ・デタラメさ・ユニークさを知ることができる。



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