SSブログ

CNNの北朝鮮ルポルタージュは一見の価値がある [グローバルな問題]

少し前、というかトランプ政権の時のものと古いが、CNNが放映した北朝鮮ルポルタージュはたいへん興味深いものであり、一見の価値がある(下記にリンクを貼っている)。北朝鮮の人々の日常も、このルポルタージュは捉えており、当たり前であるが北朝鮮の人々も我々と共通した感情を有する人間であることが分かる。また、キム一族が崇拝されているが、それはアメリカ人がキリスト教を信仰するのと似ているとのレポーターであるウィル・リプリーの解説は、この報道を観た後だと説得力を持つ。洗脳はされているかと思われるし、そうでなければ、洗脳しているふりをしているのかもしれないが、日本人も80年ぐらい前だと似たような状況にあったことを考えると、決して他人事とも思えない。北朝鮮の人々が「アメリカ憎し」と言う時、80年前の日本人も「鬼畜米英」と言っていたのとほとんど同じことかな、と思わせられるからである。
 あとこの番組でロケされた長白山は相当、美しい。いつか機会があれば(あるのか、そんなものが。ただ大学院生が中国側の吉林省の出身なので、可能性はゼロではない)、行ってみたいものだ。

https://www.youtube.com/watch?v=NyugVyGlWTw

タグ:北朝鮮 CNN
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ウクライナの男性(60歳以下)は国から出ることができない [グローバルな問題]

先日、私が所属しているドイツの大学の研究室でクリスマス会があった。一ヶ月前で随分と気が早いなとは思ったが参加した。さて、この研究室では私とウクライナ人の先生が客員教授で招かれている。ウクライナ人の先生は女性なのだが、旦那と二十歳の長男はウクライナに残り、長女は彼女と一緒にベルリンに来ている。そこで、ドイツ人の若い先生が「なぜ、長男はウクライナから出ないの」と無邪気に質問したら、この先生は「なかなか難しいのよ」と言った後、思わず涙がこぼれ落ちた。二十歳の男性どころか、下はちょっと不明だが六十歳以下の男性はウクライナから出ることができない。許可なく出国しようとして捕まると懲役8年の刑である。現時点では軍隊に所属している人たちでロシアと戦っているが、そのうち、徴兵があるかもしれない。そのような緊急事態を想定して、男性はウクライナに留まらなくてはならないのだ。ウクライナはもうロシアに勝手に侵略されて、国を守る戦争であり、その意義は理解できるかもしれないが、戦争とかが苦手な人にとっては戦争に行くこと自体が地獄であろう。本当にロシアはとんでもない国であると改めて思う。
さて、しかし、このような野蛮な国が隣国であるという点では、日本もウクライナと同じである。ロシアのような掟破りな国と国境を接していることをしっかりと肝に銘じて、軍事力ではない国力をつけて、ロシアが何か無茶をしようとした時に対応できるようにしておかなくてはならない。まず、第一に二世、三世議員が跋扈している政治状況を変えないと駄目だろう。政治力だけで比較すると、まさにメイジャー・リーグとリトル・リーグぐらいの違いがあるからだ。
同じ研究室の同僚の家族がこのような悲惨な状況に置かれているのを目の当たりにすると、このウクライナ侵略戦争の非業さが心に染みる。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

カールスルーエの南にあるエトリンゲンという町を訪れる [ドイツ便り]

カールスルーエに来ている。有名なカールスルーエ・モデルを実際、乗車体験してどんなものかを知りたかったからだ。カールスルーエ・モデルはカールスルーエ市から周辺の地域にまでネットワークを伸ばしている。その一つが、南方の元アルブタール鉄道(現在はカールスルーエ交通公社が買収)の線路である。それはバード・ヘレンナルブ、イッテルスバッハにまで行くのだが、その途中にあるのが、アルブタール鉄道をつくるきっかけにもなったエトリンゲンである。ということで、エトリンゲンまで行く。この町は人口が39000人で結構、立派なお城があるらしい。昔の空間構造を維持した歩行者街路から構成される旧市街も残っている。アルブタール鉄道をつくるきっかけになったのは、ドイツ鉄道がエトリンゲンの中心部から1.5キロメートルぐらい離れたところにエトリンゲン西駅をつくったのだが、それだと不便だ、ということで新たに鉄道を敷こうということになって、この町とカールスルーエとを結ぶ鉄道がつくられることになったことだ。そのため、アルブタール鉄道のカールスルーエ駅はドイツ鉄道の中央駅とはちょっと離れたところにターミナルがある。元々は別の鉄道会社であったからだし、おそらく軌道幅も違っていたのではないだろうか。
そういう経緯があったからだと思うが、エトリンゲン駅舎はとても立派である。土曜日の夕方なので駅舎内の店舗とかは閉まっていたが、ちょっとしたコミュニティ・ハブのような役割も担っているのではとの印象を覚える。また、駅前にはなかなか広大の広場のような芝生空間がある。この町の人にとって、この駅は宝物のようなものではないかと推察する。まあ、感想だらけで申し訳ないが、駅からは黒い森(シュヴァルツヴァルト)の丘へのハイキング・コース(標高はなんと400メートル弱。日本とはここらへんは大きく違う)もあったりして、いい感じの町である。

2F6A9719.jpg
【エトリンゲン駅舎とその前にある芝生の広場】

2F6A9717.jpg
【エトリンゲン駅】

2F6A9730.jpg
【エトリンゲン市の旧市場】

2F6A9723.jpg
【エトリンゲン旧市街地は細い路地によって構成されている】
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツの公共交通はこの20年で相当、改善されている [サステイナブルな問題]

1950年代末までは路面電車(トラム)はドイツにおいて最も重要な交通手段であった。しかし、その後の30年間はトラムにおいては苦難の時代となり、多くの都市において、トラムのネットワークが廃線となった。しかし、1990年頃から、このトレンドは転換し、古いトラム路線は改修され、新しいトラム路線が建設されるようになった。ハノーファーではトラム・システムを中央駅周辺で地下化することを行った。同様の試みはデュッセルドルフでも為された。カールスルーエは1992年から直流・交流で走行できる車両を導入し、トラムと郊外鉄道を共同運行することを可能にした。ルール地方のオーバーハウゼンは1996年にドイツで廃線されたトラム路線を再開する最初の事例となった。そして、ザーブルッケンは1997年にオーバーハウゼンに次いで再開することになった。そして、ミュンヘンでは地下鉄と郊外鉄道のネットワークを補完するために新たなトラム路線を営業することにしたのである。 
 私が現在、住んでいるベルリンでもドイツ鉄道はともかく、地下鉄とバスのサービスはとても優れていて、大学のある京都はもちろんのこと、東京とも遜色はない。いや、地下鉄の車両はオンボロであるし、駅も遥かに汚く、そういったインフラのレベルは低い。ただ、サービスというソフト面だけみれば、相当、レベルが高く、自動車の必要性はほとんど感じない。ここでサービスのことをもう少し具体的に説明すると、まず運行頻度である。平日はほぼ5分間隔で走っている。週末は10分間隔ぐらいになるが、それでも使い勝手は悪くない。そして、地下鉄のホームやバスの停留所では、どの程度で次の列車、バスが来るかをしっかりと電光掲示板で明示してくれるのでストレスがない(これは、私がよく利用する京阪電鉄とは大きな違いである)。また、地下鉄では次の駅で乗換をするバスが何時に出発するかをしっかりと車両の電光掲示板で明示してくれるので(そのような電光掲示板がない古い車両ではできていないが)、地下鉄からバスへと乗換をするインセンティブを提供してくれる。そういった点で、意外なことに京都などより遥かにベルリンの方が公共交通を移動手段として信頼できるのである。
 これは、14年前のデュッセルドルフでは感じたことがなかった。もちろん、デュッセルドルフとベルリンとの違いというのはあるかもしれないが、ここ10年間ぐらいでドイツの都市の公共交通事情は相当、改善されているような印象を受ける。ベルリンの場合は、確か2015年頃にモビリティ法を制定したので、それで大きく改善されているということはあるかもしれない。
 私は今、この記事をカールスルーエで書いているのだが、カールスルーエはそうでなくても相当、便利であった公共交通が、さらに地下路線を整備し、トラム・ラインのネットワークを充実させたことで、より利便性を高めている。
カールスルーエは2001年の27万9000人の人口が2021年には30万6000人まで増加している。これは20年で9.6%も人口が増加したことで、これはドイツ平均の2.1%より遥かに大きい。この増加した要因の一つに、優れたモビリティというのはあるかと思われる。モビリティは都市のインフラ基盤として相当、重要な意味を持つからだ。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツのアンペルマン [ドイツ便り]

ドイツが再統一された後、ほとんどの旧東ドイツのものは旧西ドイツのものに置き換わった。経済システムはもちろんだが、政治システムもそうだし、自動車やスーパーマーケットなども西側のものが入ってきて、従来のものは駆逐された。そのような中、数少ない生き残りがアンペルマンという歩行者用の信号機にデザインされた男性と女性のアイコンである。青の時は歩いているポーズの男性、赤の時は人を制するように両手を広げている女性。なかなかチャーミングなデザインだ。
 このアンペルマンであるが、デザインしたのはカール・ペグラウという旧東ドイツの心理学者である。当時、東西ベルリンに壁がつくられた直後であったが、交通事故の多さが大きな社会的問題となっていた。それまで自動車用の信号機はあっても、歩行者用の信号機はなかったのである。そこで歩行者用の信号機をつくるのと同時に、人々はただの信号機よりもシンボルがあった方が注意喚起をするという心理学的な研究成果を活かして、信号機に人型のシンボルを描いたのである。1961年には、このデザインをベルリン市にプレゼンする。そして、1969年にはベルリン市にて、これらのデザインがされた信号機が設置されたることになる。この信号機は効果があることが判明し、その後、旧東ドイツ全土にて設置されるようになる。
 アンペルマンは旧東ドイツでは極めて好意的に捉えられ、フリードリッヒ・ロチョウ氏は子ども向けの交通安全の映画にてアンペルマンを登場させ、彼らに道路での危険な状況を指摘する役割を担わせた。この映画を観た後、子どもたちはアンペルマンのバッジやキーホルダーなどのグッズをもらったのである。これが、最初のアンペルマン・グッズであろうと考えられている。
 1989年にドイツが再統一された後、信号機も西側のものに置き換わった。しかし、しばらく経った1996年に工業デザイナーのマーカス・ヘックハウゼンが、旧東ドイツの撤去されたアンペルマン信号機を使って、新しい電灯をつくりはじめた。これがメディアの注目を集め、人々は旧東ドイツのものでも旧西ドイツより優れたものがあり、それを全て撤去してしまうのは間違いがあることに気づかされたのである。そして、アンペルマンの保全活動をつくる委員会が設置されて、彼らは結果的に復活することになる。現在は、アンペルマンは大通りではなく、あまり交通量が多くない道に設置されている。さらに、旧西ドイツの街でもアンペルマンを設置する自治体も出てきた。したがって、アンペルマンの有無で旧東ドイツであったか旧西ドイツであったかを判断することも、今ではできなくなっている。

IMG_3922.jpg

IMG_3921.jpg
【アンペルマン:ヴェロニゲローデにて】
nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツの自転車都市エアランゲンに行き、ちょっと失望する [都市デザイン]

ドイツはデンマークやオランダに比べると、ちょっと今ひとつではあるが、自転車政策に力を入れている国であるかな、と思う。私が現在、住んでいるベルリンでも自転車専用レーンを2030年までに3000キロメートル整備するという計画を掲げている。とはいえ、年に60キロメートルぐらいしか整備できていないので、到底、無理だろうとの声も聞こえるが。
 それはともかくとして、ドイツを代表する自転車都市としては、一般的にミュンスターとエアランゲンが知られている。ミュンスターの自転車利用状況に関しては、このブログでも記述したことがある(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2009-08-28)のだが、城壁跡地を自転車専用道路にしたり、駅前に駐輪場を兼ねる自転車修理センター、レンタル・センターなども設置したりして、なかなか自転車都市の看板に偽りなし、といった好印象を抱いていた。
 そこで、このミュンスターと並び称されることが多いエアランゲン(日本でも結構、紹介されている)なので、大きな期待を抱いて訪れたのだが、それはちょっと失望に変わった。もちろん、駅前を中心にちょこっと歩いただけなので、誤解をしているところもあるかもしれない。あくまでも駅前周辺を見ての印象ということで、最初にお断りをさせていただきたい。
 まず、エアランゲンはそれほど大きな都市ではない。自治体の人口は11万7000人ぐらいである。アメリカだとコロラド州のボルダー市、ドイツだとコットブス市と同じぐらいの規模である。また、ミュンスターやアメリカのデービスのような自転車都市と同じように大学都市である。
 自転車都市としての歩みは1970年代から始まっているので、おそらくデンマークのようにオイル・ショックが契機となっている可能性が高い。当時のハールヴェグ市長が推進役となって歩道に自転車専用レーンを設置するようにしたそうである。
 ただ、私はあくまで駅前周辺しか歩かなかったのでこの自転車専用レーンを確認することはできなかった。代わりに目にしたのは、駅前に放置されていた大量の自転車である。駐輪場はしっかりと整備がされているのだが、それだけでは収容しきれていないようである。ただ、駅前にこれだけ自転車が駐輪されているのは、サイクル・アンド・ライドといった自転車と公共交通を連携した移動が一般的にされているということで、それはそれで優れていることかな、と思ったりもする。
 実際、自転車の利用者は多く、全交通における自転車の分担率は23%、市内に限れば34%にも達する。ミュンスターは通勤交通では、全体でも47%に達するので、そういう意味ではドイツの自転車都市の冠はミュンスターのものかなと思ったりもするが、ただ23%と言う数字は相当、高いことは確かだ。
 そして、私は確認することはできなかったが、エアランゲンには自転車専用レーンは確かに整備されており、現時点で10の通りにある整備されているようだ。ただ、駅前へアクセスする道路で整備されているものは皆無であった。あまり利用されているところでは整備できていないような印象も受ける。
 ということで、30分ぐらいの滞在時間しかないのにいい加減なことを言うのは憚られるが、自転車都市エアランゲンというのは、自転車利用者が多いということであって、政策的に優れたことをした結果とはあまり関係がないのかな、との印象を受けた。まあ、この印象が事実とズレている可能性は決して低くないが、もし、そのような事実が判明されたら、またこのブログにて記したいと思う。

2F6A9610.jpg

2F6A9613.jpg
【エアランゲン中央駅前に放置されたままになっている自転車。これは万国共通的に美しい景観とはいえない・・・これに関してはミュンスターが駅前に地下駐輪場を設けたのとは異なっている】

2F6A9615.jpg
【一応、駅にはいくつかの駐輪場が整備されているが、需要の方が多いようだ】

2F6A9620.jpg
【駅に向かう道に自転車専用レーンは見つけられなかった・・・ミュンスターだけでなくフライブルクや他のドイツの都市でも、ここらへんはもっと整備されているように思われる】

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

日本の農村はなぜ美しくないのか? [都市デザイン]

日本の農村が美しくない、ということで農林水産省はどうやったら美しい農村景観がつくれるかの政策を検討するうえで、なぜヨーロッパの農村が美しいのか、などの研究などをしていたそうだ。その話を聞いて、確かに日本の農村は美しくないよな、と思ったりもしたが、日本の農村景観は20世紀半ばぐらいまでは、世界でも最も美しい農村景観を有していた。それは、1964年にイギリスのランドスケープ・アーキテクトであるジェフリー・ジェリコーとスーザン・ジェリコーが著した『ランドスケープ・オブ・マン(Landscape of Man)』の写真を見ると明らかである(この本に関しては、このブログでも以前、簡単に書評らしきものを記している。https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2010-01-02)。この本は世界中の人がつくりあげたランドスケープを解説している素晴らしい大著であるのだが、世界中の農村景観の中でも最も私が、その美しさから感銘を覚えたのはなんと日本の農村景観である。
 つまり、日本の農村景観は、そもそもは美しかったのである。それを、戦後の経済成長下で醜悪にさせてしまったのであって、元々はヨーロッパの農村と比べてもまったく遜色がなかったのである。したがって、ヨーロッパの農村を研究することには、それなりに意味はあると思うが、ヨーロッパの農村の美しさの構成要素などを研究するのは、日本の農村を美しくするうえでは意味はないと思う。というよりかは、日本の農村がなぜ醜悪になったのか、なぜヨーロッパの農村は醜悪にならなかったのか、その背景となった政策や社会動向変化を比較研究することが重要なのではないか、と思うのである。
 基本、日本の農村を醜悪にさせたのは、公共施設や道路である。特に道路の問題は深刻だ。下にイギリス、ドイツ、日本の農村景観の道路の写真をアップするが、どうみても日本の農村の道路はオーバースペックで周囲と合わない。もちろん、日本でも大内宿などは道路からアスファルトを剥がして周囲の景観と合わせているので、日本人がそういうのに無関心ではないことは明らかだ。ただ、そういう工夫が大内宿などの特殊ケースに留まっているのが、欧州の農村などとの大きな違いであろう。日本の農村は美しくないのではなく、美しかったのを醜悪にしたのである。それは、昔の姿に戻した大内宿がその美しさを復活させたことからも明らかであろう。その点をしっかりと認識してもらい、間違っても、ヨーロッパ風の農村をつくるような愚を犯してほしくないものである。農村の美しさは、その風土の美しさである。風土をしっかりと理解することが、美しい農村をつくるうえでの最重要事項であると思われる。

IMG_1324.jpg
【ドイツ:バイエルン州南部の道路】

2F6A2570.jpg
【イギリス:ホーリーヘッドの道路】

IMG_0034.jpg
【日本:群馬県の上野村の道路】

IMG_3340.jpg
【日本:福島県の大内宿の道路(街並み)】
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

寺沢武一『コブラ』 [書評]

それぞれ人には、思い入れの漫画作品があると思う。それは、その人が生まれた時とも関係性があるかと思う。例えば、私は昭和38年生まれであるが、私より10ぐらい上の人とかだと『あしたのジョー』『巨人の星』『鉄腕アトム』『サイボーグ009』とかになるのかと思われるが、私の世代だと『火の鳥』、『ブラック・ジャック』、『宇宙戦艦ヤマト』、『ドカベン』、『マカロニほうれん荘』、『デビルマン』などになるのではと思われる。
 私はもちろん、これらの作品に多くの感銘を覚えたものであるが、その中でも今なお読んでいて興奮のようなものを覚えるのは寺沢武一の『コブラ』である。その壮大なる宇宙観がとてつもない魅力であるが、画力が人間の能力を超えるようなレベルにあり、その味方、敵方、地球人、宇宙人、動物、植物を含むキャラクターのデザインが素晴らしいのも魅力である。『コブラ』はアメリカン・コミック風のコマ割りとなっており、また、登場する女性陣は『バーバレラ』でのジェーン・フォンダ風であったりと、またスタートレックやスターウォーズからの影響もあるとは思われるが、前述した『コブラ』のキャラクター・デザインに比べると、スターウォーズやスタートレックなどのキャラは幼稚で洗練されていないものに思えてしまう。私は、あまりスターウォーズが好きでないのだが、それは『コブラ』や円谷プロの影響があると思われる。これらの作品の宇宙人に比べると、スターウォーズの宇宙人とかが格好悪すぎるからだ。同じことはアベンジャー・シリーズにも言える。『コブラ』はそういう意味で宇宙ファンタジーものとしては、世界一のレベルにもあるのではないかと思ったりする。
 さて、もう一つ『コブラ』の特徴としては、そのアーカイブがしっかりと系統だって整理されていないことである。これは、連載していた雑誌が変わったりしたこともある。少年ジャンプにて掲載されていた作品は全て12巻からなる復刻版にて読むことができる。それ以外の作品はフルカラー・フルCGコミックにてある程度、補塡されるが、全てではない。とても残念なことである。
 あと、私も知らなかったのだが、『コブラ』の作者である寺沢武一は今年の9月8日、68歳で亡くなられた。是非とも、寺沢武一作品全集などを刊行していただき、コブラのアーカイブがしっかりしていない点なども整理していただければ大変有り難い。


COBRA vol.1 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.1 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/10/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.2 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.2 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/10/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.3 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.3 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/10/01
  • メディア: Kindle版





COBRA vol.4 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.4 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/10/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.5 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.5 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/11/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.6 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.6 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/11/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.7 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.7 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/11/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.8 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.8 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/11/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.9 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.9 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/12/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.10 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.10 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/12/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.11 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.11 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/12/01
  • メディア: Kindle版




COBRA vol.12 COBRA THE SPACE PIRATE

COBRA vol.12 COBRA THE SPACE PIRATE

  • 作者: 寺沢武一
  • 出版社/メーカー: アールテクニカ
  • 発売日: 2014/12/01
  • メディア: Kindle版



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツのやる気のまったくなく、無礼なカフェ店員に殴りたい衝動を覚える [ドイツ便り]

ポツダム駅内にあるEspresso Houseというカフェがある。マクドナルドに隣接していて、無料のネット環境があるので以前も使ったことがある店だ。この店に、ドイツ人風のコーカソイド系のおそらくアルバイト見習いのような店員がいるのだが、この店員が、サービスが悪いドイツでも飛びきり悪いのだ。まず、注文しても「ああ!」という態度だし、私がお金を払うのも、自分が立っているところまでも来させるし、しかも、私の発音の悪いドイツ語を馬鹿にして繰り返したりするのだ。流石に、ちょっと飛びかかって殴りたいような衝動を覚えた。本人も仕事がつまらなくてしょうがないという感じで、態度が悪いのは私だけにではないのだが、そんなにサービスや仕事が嫌ならしなければいいのにと思う。そして、雇っている方も堪らないだろうにと思う。ここの店長は、サービスする時もニコニコしていて悪い感じはしないので、おそらくこの若者には困惑しているのではないかと思われる。しかしなあ、こんな奴でも雇わなくてはいけないほど経済が回っているのは、どうしてなんだろう。日本の若者でも、ここまで酷いサービスをする奴は滅多にいないと思う。ドイツの豊かさといえば豊かさなのだろうが、金を払う方も貰う方もアンハッピーな状況はアンハッピーだと思う。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツ旅行ではエアビーエヌビーに気をつけろ! [ドイツ便り]

ハルツ山麓の北側にあるヴェロニゲローデに大学院の研究生の学生達と遊びに来ている。宿はブッキング・ドット・コムでエアビーエヌビーを予約する。エアビーエヌビーは結構、コスパもよくて使い勝手もいいかとは思うが、鍵の入手だけが面倒だ。さて、このエアビーエヌビーは、部屋の前に鍵が入っている小さなロッカーがあり、4つの数字を合わせて開けると鍵があるというシステムであった。この鍵の情報はチェックインする二日前ぐらいにメールで届けられる。とういことで、人を介さずに鍵がゲットできるよいシステムだな、と思っていたのだが、宿について鍵が入っている小さなロッカーを開けると、なんと鍵が入ってなかった。
 ということで急いで管理人に連絡すると「ちょっと確認してから電話するので待っていて」と言われる。そこで3分ほど待つと電話が来て「鍵の管理をしている女性は、間違いなく入れていると言ってる。本当に鍵はないのか?部屋は間違ってないのか」と言うので、部屋は間違ってないし、我々は寒空の下、一刻も早く部屋に入りたいので、デタラメを言うような余裕はない」と答えると、「分かった。ただ、そこまで25分ぐらいかかるので待っててくれ」と言われる。「了解、早く来てね」と言って電話を切って、寒空の下、25分ほど待つと果たして管理人はやってきた。「子どもの誕生会だったので、ちょっと対応が悪くて申し訳ない」と管理人は謝り、てきぱきと対応してくれて、若干のディスカント・サービスまでしてくれた。
 まあ、寒い中、待っているのは辛かったが、宿自体はとてもよく、そこで夕食も朝食もしっかりと自炊できるだけの設備が整っており、コスパも悪くなかったので不満はないのだが、これは管理人が危機にしっかりと対応してくれたからだ。その点は、ドイツでは必ずしも期待できる訳ではないので、やはりエアビーエヌビーを使う際には、相当、留意した方がいいと今回も思わされた次第である。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツ旅行ではコイン・ロッカーに気をつけろ! [ドイツ便り]

ハルツ山麓の北側にあるヴェロニゲローデに大学院の研究生の学生と遊びに来た。さて、彼が大きなスーツケースを持っていたので、とりあえずチェックインができる時間まで、駅のコインロッカーにて、このスーツケースを収容することにした。料金は3ユーロ50セントだ。コインを入れて、トランクを入れて、さて鍵を取り出そうとしたら取り出せない。コインを入れたら抜ける筈の鍵が抜けないのである。上下に動かしたり、左右に動かしたりしても抜けない。これは下手にこれ以上動かしたらより不味いかな、と考え、駅員に助けを仰ぎに行く。駅員のおばちゃんは、事情は理解しても「どうにも私にはできないわ。トゥト・ミア・ライト(残念だわ)」と言われる。まあ、これは想定内だが、「ロッカーを管理している会社に連絡したいのだけど」と言うと「マグデブルクの会社だし、今日は土曜日だから無駄よ」と答えたが、それでも電話番号をどうにか調べてもらって書き取った。さて、それをもらってロッカーのところに行き、電話をするが電話は通じない。ドイツの落とし穴に落ちたか、と愕然としたが、もう一度、ゆっくりと鍵を動かしたら上手く出てきてくれた。どうにか事なきを得たが、日本では想像しないようなことがドイツでは起きえる。ロッカーのトラブルは個人的には初めてだったが、以後、気をつけないといけないな、と思い知る。このブログの奇特な読者の人々にもこの情報を共有したいと考え、ここに記させてもらう。

2F6A9481.jpg
【問題のロッカーは蒸気機関車の写真が貼られている右から二段目、上から二段目のものである】
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

一条ゆかり『有閑倶楽部』 [書評]

少女漫画のコメディとしてはバブル時代を代表する大傑作。そして、累計で2800万部も単行本が売れたお化け的ヒット作品でもある。その荒唐無稽な状況設定、コメディであってオカルト的要素も多く、その強烈な甘味と強烈な辛味がブレンドしたようなストーリーはとてつもない中毒症状を読者に引き起こす。そして、圧倒的な画力の凄さが、ぐいぐいと読者をその世界に引き込ませる。さらに有閑倶楽部の6人組は、ハリー・ポッターのトリオ、七人の侍にも優る素晴らしく魅力的なチームであり、こんな仲間たちと時を共にしていたら人生、楽しいだろうな、という気持ちに読者をさせる。ストーリー的にも質が高いが、『コーラス』に掲載が移った単行本16巻からは少し、雑な内容になる。しかし、それも19巻あたりでは復活する。
 これが連載されていたバブルの頃の世相も反映させており、バブルならではのハチャメチャさは、これからバブル時代を考証するうえでも役立つような内容であろう。バブル時代は、皆、この主人公たちのようなライフスタイルを送りたかったのではないだろうか。楽しく、信頼できる仲間たちと、数々のチャレンジを知恵と勇気と優しさで克服していく。
 個人的に気になるのは、ちょっと面食い的価値観が絶対視されていること。しかし、これは当時の時代の空気であって、今の時代では受け入れにくいような、ちょっと記号消費的な価値観がバブル時代を覆っていたのだな、ということを逆に伝えてくれる。こういう漫画が描かれた時代に生きていたことをちょっと嬉しく思わせるような肯定的な気分にさせてくれる、愉快痛快な作品である。


有閑倶楽部 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版





有閑倶楽部 2 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 2 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 4 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 4 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 5 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 5 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 6 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 6 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 7 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 7 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 8 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 8 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 9 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 9 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 10 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 10 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 11 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 11 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 12 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 12 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 13 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 13 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 14 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 14 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 15 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 15 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




有閑倶楽部 16 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

有閑倶楽部 16 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

  • 作者: 一条ゆかり
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: Kindle版




nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

南アフリカの研究者とトレバー・ノアの話をしたが、相手はそれほど乗ってこなかった [グローバルな問題]

現在、所属しているベルリン工科大学が客員教員のウエルカム・パーティをするというので参加した。現在、20カ国からの客員教員が来ているようで、カザフスタン、中国、インドネシア、ウクライナ、ルーマニア、南アフリカ、カメルーンの人たちといろいろと話を弾ませるようにした。個人的には特に南アフリカの人と話をしたいと思ったのだが、それは、私が南アフリカ出身で、現在、主にアメリカで活躍しているトレバー・ノアの話をしたかったからだ。私はトレバー・ノアの大ファンである。彼がホストをしていたザ・デイリー・ショーはユーチューブで必ずチェックをしていた。その物真似の上手さといった芸だけでなく、彼のなんかハートの広さがとても素晴らしい。トランプが大統領をしていた時、多くのコメディアンが彼を舌鋒鋭く揶揄したが、トレバー・ノアの批判はトランプ支持者も納得せざるを得ないような基本的モラル、「それはやっぱり人としてやったら不味いでしょう。そんなことあなたがやられたら嫌でしょう」といった視点から語りかけるので、対立構図ができにくく、ううむ、やはりアパルトヘイトの時代を過ごした人の世の中の捉え方はいいな、と強く感心したものである。
 さて、しかし、このトレバー・ノアの素晴らしさを共有してくれる日本人はほとんど滅多にいない。というのも英語のユーチューブを好き好んで毎日、観るような日本人は私の周りにもいないからだ。したがって、私のトレバー・ノアへの愛はほとんど誰にも語ることができず、自分の中にて沈殿していた。そういう状況であったので、南アフリカ人と出会ったので、もう私のトレバー・ノアの愛情をこの人にぶちまけてしまった。「トレバー、最高!」みたいな感じで。
 すると、この南アフリカ人は、最初は愛想で「分かる、分かる」と頷いてくれていたのだが、あまり私がひつこいので、「まあ、ちょっと南アフリカだと食傷気味だけど」みたいなことを言われてしまった。まあ、おそらく私以外でも「南アフリカ=トレバー・ノア」みたいな人が多いのだろう。したがって、外国に行くと、同じようなことを言われてしまっているのではないだろうか。まあ、私の南アフリカ像も、ほぼトレバー・ノアでつくられてしまっているからな。私も、これまで随分と溜めてきたトレバー愛が結構、発散できたので、これ以降はちょっと気をつけなくては、と少し、反省した。日本人も大谷の話題ばかりを振られたら嫌になるかもしれないしな・・・いや、どうかな?けっこう嬉しいかも。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツの物価(1)-2023年11月 [ドイツ便り]

ドイツで暮らしていると、本当、日本に比べて物価が高いような気がする。しかし、気がするだけではあまり説得力がないので、今日、ビオ系のスーパーで買い物をしたときのレシートを見ながら、その金額をここに記録しておきたいと思う。

・ズッキーニ:1キログラムあたり5.99ユーロで、比較的大きなズッキーニということもあって一本2.84ユーロ。
・赤パプリカ:1キログラムあたり11.90ユーロで、比較的大きなパプリカということもあって一個2.90ユーロ。
・キノコ:1キログラムあたり9.90ユーロで、比較的小さいキノコを二つで0.67ユーロ。
・卵6個で2.79ユーロ。
・洋梨一個で2.10ユーロ。
・ミルクが一リットルで1.79ユーロ。
・チーズが1キログラムあたり21.90ユーロで、4.38ユーロ。

結構、野菜とか果物は日本の方が高いというイメージを持っていたが、必ずしもそうでないことがわかる。赤パプリカが1個500円、ズッキーニが一本500円って日本でも随分と高いかと思う。洋梨も400円ぐらいだ。うん、日本の方が安いな。

ただ、この後、肉屋で牛肉を買ったら、300グラムちょっとで6ユーロ。これは、流石にまだ日本の方が高い。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

渡辺克義『物語ポーランドの歴史』 [書評]

2017年に出された新書。ポーランドの歴史を大まかに知りたい人にはうってつけの新書ではないかと思われる。複雑で分かりにくいポーランドの歴史であるが、ポイントをうまく整理してくれている。第二次世界大戦以降、特に1990年移行はザッとまとめられてしまった感じで物足りないが、これは他の本を読んで補足するしかないだろう。まあ、新書なので、さっと要点が分かるということを優先した編集方針などだろうし、その点はしっかりと押さえているかと思われる。また、コラムが章の終わりに描かれているのだが、これがなかなか読書の参考になっている。事例や事件の解説によって、ポーランドがその時代、どのような状況にあったのかがイメージできるような内容となっており、有難い。ということで、ポーランドをあまり知らない人(まさに私のような読者)にとっては、読み甲斐のある新書であると思われる。


物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)

物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)

  • 作者: 渡辺 克義
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/07/19
  • メディア: 新書



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

乾正雄『夜は暗くてはいけないか』 [書評]

照明に関する文化論。谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』で、日本は明るくないところに美を見出す伝統があると述べた。しかし、著者は実はヨーロッパの方が、現在の日本より暗さに美や心の安寧を求めている、ということを絵画、建築から論じていく。そして、著者の驚くほどの博識によって論じられる文化論は強い説得力を持って読者に迫ってくる。終盤の方で、最近のライトアップに関しても論じているのだが、猫も杓子もライトアップをすることでマイナスの影響しか出ないなどと指摘している。そして、しっかりとしたライトアップができている町は、行政がしっかりとしているとも述べている。これらの指摘・見識は非常に示唆に富んでいる。


夜は暗くてはいけないか―暗さの文化論 (朝日選書)

夜は暗くてはいけないか―暗さの文化論 (朝日選書)

  • 作者: 乾 正雄
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1998/05/01
  • メディア: 単行本



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ベルリンの水道水は不味い? [ドイツ便り]

ベルリンで生活している。水道水は直接では飲料水として飲まないが、お茶やコーヒーをつくる時には使う。しばらく、そうしているが、ちょっとお茶とかコーヒーとかが美味しくない。なんか臭うのである。これは、もしかして水が不味いからか、と思い、お茶やコーヒーをつくるときに湧かす水をエビアンにしてみた。果たして、味は遥かによくなった。ちょっと高くつくが、これからは水道水を使わず、珈琲やスープなどそのまま口に入れる場合は、ミネラル・ウォーターでお湯も沸かすことにした。ベルリンはそもそも湿地帯を埋め立ててつくったような都市である。水が美味しくないのであろう。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

キュリー博物館で考える [原発問題]

ちょっと前の話になりますが、ワルシャワに行った時にキュリー博物館を訪れました。キュリー夫人が子供時代を過した生家につくられた博物館です。とはいっても、この地域は第二次世界大戦の終盤にてほぼ完全に破壊されていますので、戦後、つくりなおしたものだと思われます。さて、それはともかくとして、キュリー博物館、改めて色々と新しいことを学ぶことができました(これは私が不勉強だからですが)。キュリー夫人は、家族皆とても優秀で、まあ、その中でもマリーは飛び抜けて優秀だったようです。父親だけでなく、祖父も物理の教授ということで、優秀な遺伝子は引き継がれるのですね。マリーの娘もそういえばノーベル賞を受賞しています。バッハ一族のような感じなのでしょうか。
 また、放射能は発見された当時は万能薬のように思われていて、もう、色々な病気の治療に使われたことが分かりました。まあ、化粧品とかでも使われていて、それは高額だったので金持ちしか使えなかったのですが、多くの使用者がその後、皮膚癌で亡くなります。
 マリーも放射能の長年の被曝が原因で亡くなったのですが、彼女の共同研究者も多くがそれを原因として亡くなります。科学を進歩させた偉大なる功績は、このような研究者の犠牲のうえに積み重ねられてきた訳です。我々としては、先人の貴重な犠牲から、その危険性をしっかりと認識し、それと上手く付き合って社会を営んでいくことが重要だということを改めて学びました。原子力発電の再稼働に突き進んでいる政治家とか電力会社とかは、その危険性に対して、もっと謙虚にならなくてはいけないと再確認しました。
九州電力の池辺社長は11月7日に鹿児島県知事を訪問して、「原子力発電所の安全に万全を期す」と述べたそうですが、基本、その安全を脅かすのは阿蘇山や霧島岳、桜島の火山群であって、九州電力が「安全に万全を期する」ことができるような代物では全くないわけです。人災で事故が起きることはないでしょうが、福島原発の事故もそうでしたが、天災で事故は起きるのです。特に「火の国」九州はその危険性が高くて、安全とかを安易に述べられるような状況では全くない訳です。日本は狭い国土ですが、地球上の10分の1の地震が起きるところなのです。そして、日本の中でも九州は特に多い。別府温泉なんて、アイスランドが見劣りするぐらいの温泉地です。そういうところで原発を稼働させるのに「安全に万全を期する」ことができる訳がない。ちょっとキュリー夫人から話が発展し過ぎましたが、そういうことをしっかりと次代の人間が理解しないと、キュリー夫人も浮かばれません。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

前田愛『都市空間のなかの文学』 [書評]

1982年に出版された『都市空間のなかの文学』。著者が51歳の時の著書である。文庫本で620ページという凄まじく密度が濃い本である。文学研究というのは、ここまで調べるのか、という迫力に満ちており、圧倒される。彼がここで取り上げた本は、一部しか読んだことがないので、その研究の深さなどは残念ながらしっかりと理解できないことがあったのだが、一研究者の研究対象に傾ける熱量には、門外漢でも目眩がするぐらいだ。私は文学という立場ではなく、都市解析の参考になるかな、という立場で読み始めたのだが、都市から文学を解析するというアプローチだけではなく、文学から都市を解析するというアプローチが展開させる研究フィールドの豊かさに驚かされた。やはり、名著と言われる図書は読むに値する、というか読まないと不味いなと自省させられた。


都市空間のなかの文学 (ちくま学芸文庫)

都市空間のなかの文学 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 前田愛
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: Kindle版



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ワルシャワ発ベルリン行きの列車が二時間遅れる [地球探訪記]

ウッチからベルリンまで列車で戻る。ウッチからクトノーまでは普通の都市間列車で行く。クトノーから、ワルシャワ発ベルリン行きの列車に乗り、結構、いい感じで進んでいたのだが、ドイツ国境そばまで来て途中停車。車両が故障したのが理由らしいが、車内放送では最初は60分、次は80分、今は120分待ちに徐々に延長していく。まあ、いつものことなのでそれほど驚かないし、iPadも本もあるし、コンピューターもあるので、全然、退屈しないが、それにしてもなあ。コンパートメントの客に「まあ、ドイツ鉄道のいつものことだし」と言うと、「いやいや、これはドイツ鉄道ではない(ポーランド鉄道)」と返答された。ドイツ鉄道はくそデタラメだけど、外国人に批判されると面白くないのかもしれない。誰もあまり文句を言わないのは、こういう理不尽に慣れているからだろう。私も別に「またか」という感じになっている。しっかり、食堂車で長期停止を想定してコーヒーとかポテトチップス、チーズケーキを購入して座席に戻ると、列車は無事に120分の遅れで動き出す。ベルリンにも無事に120分の遅れで到着する。ちなみに、私はドイツ鉄道にメイル・アドレスを登録しているので、列車が遅れると丁寧にメイルを送ってくる。11分、26分、56分、86分、96分で送られてきたのだが、しかし96分以降はメイルが来なくなった。それ以上の遅れだと何か弁償とかの問題が発生するのだろうか。まあ、慣れているのと面倒臭いので弁償を請求する気持ちにもならないが。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ポーランドの地方都市の公園で公共が提供しているワイファイ・サービスに接続する [都市デザイン]

ウッチというポーランドの地方都市に来ている。ちょっと歩き疲れたので、公園で休み、もしかしてネットに接続できるようなカフェがあるかなと検索したら、ウッチ・ワイファイというどうも市が提供しているサーバーに接続できた。凄いなあ、なんでそういうサービスを提供してくれるんだろう。これは、もはやワイファイは公共財という理解があるからだろうな。でも、助かった。日本でももっと積極的に公共空間でネットに接続できるようにするといいと思う。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

「旅行嫌い」の人たちに反論してみる [地球探訪記]

朝日新聞の11月2日に興味深い記事が掲載された。「そんなにどこかに行きたいか?」という挑発的な見出しで、「旅行嫌い」の作家の町田康のコメントが載せられたのだ。町田氏の論点は、1.旅行の準備が面倒、2.生産するのが好きなので消費する行為事態があまり好きでない、にまとめられると思う。
 興味深い指摘ではあるし、町田氏のような作家であれば、そういう考えもあるかな、と思ったりする。自分の生活がめちゃくちゃ刺激的で、もう日々の生活で消化できないぐらいの情報量が入ってきて、それへの対応で楽しくてしょうがない、というような人にとっては何でわざわざ旅行に行かなくてはいけないのだろう、と思うのは想像することができる。
 ただ、この記事を書いた朝日新聞の記者までも「納得」と記事をまとめていたり、コメントプラスでサンキューたつおが「鋭い指摘」とか書いていたりするのには、おいおいおい、と思わずにはいられない。そこで私の考えを披露してみたい。
 まず、一点目の「旅行の準備が面倒」という点であるが、ネットがこれだけ発展した今、そんな準備は全然、面倒じゃあない。これが面倒であれば、ちょっとした事務の仕事もすることができないのじゃないか。朝日新聞の記者とかもサラリーマンなので、こんなことでも面倒であれば、ちょっと余計なお世話だが本当に心配だ。私ならまず絶対、採用しないだろう。なぜなら、旅行の準備ではなく、その後の清算事務の方がよほど面倒であるからだ。ホテルや飛行機、列車の予約は簡単だ。その後の清算事務や出張報告書を書くことは本当、面倒だ。私はそういうのが苦手なので苦痛である。したがって、清算事務が面倒なので出張旅行に行きたくないというのなら、まだ分かるが、旅行の準備が面倒?というのは、社会人として致命的に問題があると思う。しかも新聞記者である。情報が取れそうであれば、どこにでも出かけていくのがほぼ本能のようでないと不味いのじゃあないか。
 私は大きく括ればジャーナリストであるかな、とも思うが、そのためには情報収集のためにあちらこちらに行きまくるようにしている。現場で得られる情報が何しろ、一番、情報の質が高かったりするからだ。それでも、新聞記者のような貪欲さがないな、と反省したりすることがあるのだが、旅行の準備が面倒?これは新聞記者に向いてないということじゃないのか。
 あと、旅行が記号消費化しているという側面は確かにあるが、それが嫌であれば、別に旅行に行っても記号消費しなくてもよいだけの話だ。というか、旅行を記号消費として捉えている時点で、もうそういう「旅」素人と議論をする必要もないかな、と思ったりもするのだが、私の場合は、旅行が「仕入作業」に近いので、それは生産する素材のインプットであったりする。もちろん、旅行はそれが与えてくれる刺激や環境変化によって自分自身をも変えさせてくれる。それは自分の器を大きくさせてくれるような変化である。すなわち、自分が生産するために、自分の器を広げて、そこに材料を仕入れるといったような作業が旅行なのだ。確かに先日、高校時代の友人がベルリンに来て、一緒にベルリン歩きをしたが、まあまあ記号消費的な観光をした。国会議事堂、ブランデンブルク門、ホロコースト記念碑、ポツダム広場、アレキサンダー広場、ベルリンの壁、ハッケシェ・ヘーフェ、チェックポイント・チャーリー、ユダヤ博物館を回ったのである。これらランドマークを巡って、そこで写真を撮影して、ただスタンプ・ラリーのように観光記号を消費しただけじゃないか、という批判はあるかもしれないが、この友人は「ベルリンは思ったより大都市じゃないんだ。ベルリンには高い建物が少ないんだ。ウンテル・デン・リンデンは森鴎外の「舞姫」に出てきたあの通りか。ユダヤ人をベルリンは随分と受け入れてきた過去があったから、それの反動のナチの台頭か。」など、いろいろと気付きもあったようだ。そういう気付きは必ずしも、ただの消費とは言えないのではないか、と思うのである。
 私も、今、この記事を、ポーランドを一人旅している最中に列車内で書いているのだが、ワルシャワの王宮の復元を目の当たりにして、ポーランド人の自らのアイデンティティへの執念の凄さにもう驚いたり、ワルシャワ博物館では、第二次世界大戦で破壊された旧市街地の状況をみて愕然としたり、マリア・キュリー博物館では、彼女の家族がほぼ全員、とびきり優秀であったことを知ったり、彼女のロマンスを知ったりと、はたまたワルシャワ蜂起で支援するといったロシアが裏切ることで、蜂起が失敗して皆殺しにされて、やはりロシア人は信じられないな、と思えば、ポーランド分割を正当化する論文を最近、ロシア人が書いているのを知って、やはりロシアという国は人類的に問題だな、という考えをもったりして、ポーランドを旅する前の自分よりずっと賢く、幅も広くなっていると思うのだ。
 まあ、私は町田氏に比べると、日々の生活に大した刺激もないので、そういう旅行に行って補っているというところがあるかもしれないが、それをドライブさせているのは間違いなく知的好奇心である。世の中のことを知りたい、という気持ちが旅行に行かせているのである。
一条ゆかりの『有閑倶楽部』の面々は、しょっちゅう旅行に行く。まあ、作家にとってネタがつくりやすいというのもあるが、彼ら・彼女らは旅行が与えてくれる刺激が人生を楽しませてくれるということを分かっているからじゃあないのか。確かに、旅行に行かないと日々の人生がつまらないのに問題があるんじゃないの、という指摘は一理あるかなとは思うが、それは町田康のような破天荒な人生を歩んでいる人だからこそ、その発言に重みがあるのであって、新聞記者が主張するのは違うかなと思う。中田英寿のように「人生は旅だ」という意見は違うとは思うが、非日常の刺激を得て、自分の視野を広げ、より多くの知識を知るためにも旅というのは極めて重要かなと思うのだ。
もちろん、人によって考え方が違うのはあるかなと思う。私は例えばカレーのルーは使わないし、電子レンジも使わなければ、冷凍食品も食べない。これは、料理が面倒な人には理解できないことかなとも思う。私はどうせなら美味しい料理が食べたいし、美味しい料理を知りたいし、そのために時間をかけたりすることが面倒だとは思わないからだ。むしろ、不味い料理を食べた方が、貴重な時間を損したと思う。同じことが旅行にも言えると思う。私はいろいろなところに行って、刺激を受けて、自分の脳味噌を拡張させていき、より多面的に物事を捉え、考えられる人になりたいとこの年になっても思っている。そのためには、旅行に出かけることはとても有効なのだ。そういう意味で、「人生は旅だ」とは言わないが、旅は人生を豊かにしてくれる、とは言いたいとは思う。もちろん、豊かな人生を送るのが面倒な人はそういうように生きられればいいし、そういう人にとやかく言う資格はないかなと思う。余計なお世話的な意見を言っているかもしれない。 

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ワルシャワからウッチに鉄道で行こうとして混乱する [地球探訪記]

ワルシャワからウッチに鉄道で行こうとして、とりあえず中央駅に行く。何しろ、日が暮れるのが早いので、ちょっとでも早くウッチに到着しようとして9時台の特急で行こうとしたのだ。ただ、どうもその列車は指定席券が必要で満席のようで早くても13時07分発のものしかない。と言われる。ウッチというのは大阪でいえば、和歌山とか姫路ぐらいのものである。そんなに待たないといけないのはおかしいんじゃないか、と問うと、二つ先の駅から乗れ、と言われる。ちょっとよく分からなかったが、これは大阪駅じゃなくて新大阪駅から乗れ、と言われているようなものかな、と思い、二つ先の○○駅まで行く。
 ここでチケットを買ったら9時58分発の列車のチケットを売ってくれた。さて、いろいろと整理はされていないのだが、なんか列車の運営主体が少なくとも3つあることが分かった。私が乗った列車はLKAという会社が運営しているもので、他にもIC(これは普通にポーランド国鉄か・・・ドイツだとIntercityの略ではあるので運営会社ではないのだが)とKMがある。おそらく上下分離をしているのであろう。いや、大外しをしていたら申し訳ないが。あと、てっきり始発かと思っていたが、始発ではなかった。始発ではないとすると、これは中央駅も通っているかと思うのだが、そうするとなぜ、中央駅の切符売り場では売ってくれなかったのだろう。ちなみに、この列車は全席指定ではなかったので、別に満席というようなことは無いはずである。列車もそこそこ空いていたし。なんか理由があるのだろうけど謎だ。
 列車は結構な高速で走って行き、ポーランドの牧歌的な田園風景の中を疾走していった。なかなか列車移動は快適であった。ウッチには時間通りに到着した。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ポーランド人は交通規則を守る? [地球探訪記]

この一月ぐらいで、ポツナン、ブロツワフ、ワルシャワとポーランドを三回ほど訪れたが、そこで気づいたことは、どの都市も共通して自動車の運転が優しく、歩行者を優先させてくれる。横断歩道では、ほぼ自動車が止まる。これはドイツもそうだが、ドイツよりもさらにしっかりと歩行者の安全を考えてくれるような運転をしている印象を受ける。あと、歩行者がちゃんと信号を守る。信号無視をしているのは私ぐらいだ。これは、ドイツでもそうだが、ドイツとかだと、私につられて一緒に信号無視して渡る人がたまにいるので、ポーランドの方がより規則を守るような印象を受ける。まあ、少ないサンプル・サイズであるが、日本よりはずっと交通規則を守っているような気がする。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ワルシャワ [地球探訪記]

ワルシャワに初めて来ている。ということで、ワルシャワのことを整理してみた。ワルシャワはポーランドの首都であり、同国最大の人口を擁する大都市。人口は186万人であるが、大都市圏だと310万人である。市域は517キロ平方メートル。東京都区部から足立区と江戸川区を除いたぐらいの面積である。18の地区から構成されている。ヴィスワ川が市内を流れる。
 ポーランドは国として長い歴史を有していることもあり、ポツナン、クラカウ、ブロツワフ、ダンツィヒなど歴史ある都市が多い。ワルシャワはそういう都市と比べると、遥かに歴史が浅い。そもそもは小さな漁村であり、その名前が文献に初めて載るのは1313年である。そして、大聖堂が建つなど徐々に都市としての様相を整えつつあったが、大きな転機となったのは16世紀にジグムント3世がポーランドの首都をクラカウからワルシャワに移転することを決めてからである。この移転はクラクフの王が居住していた城で大火災が起きたことが契機であり、当時、スウェーデン王も狙っていたジグムントはクラクフに比べて、よりスウェーデンに近く、また居住するのに適切な城郭のあったワルシャワに目を付けたのである。
 18世紀のワルシャワは、ポーランドの繁栄の恩恵を被り、「北のパリ」と呼ばれるほど文化・経済が発展していく。しかし、1795年にポーランドの土地はプロシア、ロシア、オーストリアに分割され、クラクフはオーストリア、ワルシャワやダンツィヒはプロシアに属することになる。ちなみに、今のベラルーシのミンスクなども分割前はポーランドの領土であった。その後、ナポレオンによってプロシア、ロシア、オーストリアが蹴散らされ、ワルシャワ公国の首都となる。しかし、1815年にナポレオンが敗走し、ワルシャワはロシア帝国の支配下に陥る。ただし、19世紀後半にはロシア人の市長ソクラテス・スターリンキヴィッツのもとに上水道・下水道が整備され、トラムの近代化、街灯の整備などが遂行され、ワルシャワは発展していく。その結果、1850年から1882年の期間にワルシャワの人口は134%も増加し、38万3000人の人口を擁することになる。この人口は1897年には62万6000人にまで膨れ上がる。これは、ロシアの中ではセイント・ピータースバーグ、モスクワに次ぐ多さであった。そして、第一次世界大戦終戦で、ドイツとオーストリアが敗戦国となったため、ポーランドは独立し、ワルシャワが再びポーランドの首都となる。
 ただし、1939年に再びドイツの侵攻を受け、ドイツの占領下に入る。そして、終戦も間近になってヒットラーはワルシャワの総破壊を命じ、その結果、ワルシャワの85%は破壊され、歴史地区や王宮もその犠牲となった。
 第二次世界大戦、ワルシャワはまさに廃墟から復活の道を歩み始める。住宅不足のためにプレハブ式の集合団地が多くつくられ、数少ない19世紀から戦災を回避できた建物群も社会主義の考えのもとに撤去された。石畳の道はアスファルト舗装され、道幅は大幅に広幅員となった。歴史ある通りもこの社会主義時代に再開発で随分と失われた。一方で、王宮や歴史地区は元の姿に限りなく戻すために、作り直していく。ここらへんの考え方は、社会主義的でなく、なぜそのように取り組んだのかは興味深い。
 ワルシャワの最初の地下鉄が通ったのは1995年と随分、最近である。その後、二本目が2015年に開業している。公共交通をどんどん発展させているのが、今のヨーロッパの都市である。日本は逆行している。この点は本当、面白い。
 ポーランドは2004年に欧州連合に加盟するが、それ以来、ワルシャワは経済発展を謳歌している。人口も1990年の166万人から2022年には186万人まで増えている。もちろん、この増加には、ロシア・ウクライナ戦争によるウクライナ難民の増加が寄与している。
 

タグ:ワルシャワ
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ワルシャワ行きの列車がキャンセルされた・・・がめげずに到着することができた [地球探訪記]

13時51分ベルリン中央駅のワルシャワ行きの列車が、出発10分前ぐらいに「キャンセル」のアナウンスがされた。10分前ですよ!ふざけてんなあ、と思ったけど、取りあえずキャンセル代をもらいにドイツ・バーンのインフォメーションセンターに行ったら、いや、コットブス行きの列車に乗って、フランクフルトで乗り換えればワルシャワ行けるよ、というので、え!そうなの!と思ったが、その列車の出発時間は1分後である。久しぶりに中央駅を本気で走りましたよ。エスカレーターのところも階段で走って登った。コットブス行きの列車は3分ぐらい遅れたので無事に乗れたのだけど、なんで特急列車のダイヤに後続の普通列車が追いつけるんだろう。って、まだフランクフルトに着いていないので、本当に追いつけるかも分かってないのですが。そもそも、コットブスに行くのにフランクフルト経由って、随分遠回りなんじゃないの?東京から高崎に行くのに、八王子経由で八高線で行くようなイメージなんだけど。あと、フランクフルトで乗り換えてワルシャワに行くというのは、東京から沼津まで東海道線で行って、そこで寝台特急「瀬戸」に乗り換えるようなイメージだ。こういうのって、普通のドイツ人でもすぐ分かるのかな?鉄道が普及している日本人でも難しいような気がするんだが。

などと考えているうちにフランクフルトに着いた。フランクフルトといってもオデールの方でマインの方ではない。ホームの隣にしっかりとワルシャワ行きの列車が待っていた。ということで、無事に乗ることができた。一応、指定席を確保しているのだが、そのまま指定の状況になっているのだろうか。まあ、これもそのうちすぐに分かる。

ワルシャワ行きの列車はがら空き。多くの人が旅行をキャンセルしたと思われる。私は3人掛けの真ん中、後ろ向きというほぼ最悪の席であったが、それは、これがほぼ満席であった、ということを暗示している。ちなみに指定席はそのまま有効であった。6人掛けのボックス・シートに私とアゼルバイジャンからの若者の二人だけ。

ワルシャワまでは5時間30分かかるのと到着時間で19時30分と遅いので、食堂車で食事をする。ポーランドの列車の食堂車はどうもキッチンがついているようで、そこで調理をするので美味いのだ、という情報をドイツの知人から聞いたからだ。果たして、鶏料理を注文したが、なかなか悪くなかった。いや、食堂車ということを考えると、相当美味しいかもしれない。ビールを呑んでほろ酔い気分になって、アベルバイジャンの若者と話をしていたらワルシャワに無事、到着した。時間通りである。

ワルシャワには以前、2009年に当時、住んでいたデュッセルドルフから夜行列車で向かおうとしたことがある。そして中央駅で列車を待っている時、ちょっとホームにある時刻表をみていた瞬間に、スーツケースが消えていた。まさに「マジック」という感じであった。それで、もうその時はワルシャワに行くのは断念して、真夜中に警察署に行って盗難届を出したという苦い思い出がある。スーツケースの中には、交換用のレンズが入っていた。あと、スーツケース自体がいい値段をした。ということで、なかなか縁のないワルシャワであるが、今回も列車が運行中止になった時は「またか!」と思わせられた。ただし、ホテルのキャンセル料がかかるので、本当、頑張って行くようにしてよかった。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

埼玉県の「子どもだけで留守番禁止」条例改正案からみる、議員の馬鹿さ加減 [都市デザイン]

埼玉県が「子どもだけで留守番禁止」などを含む虐待禁止条例改正案を出したが、県知事宛に送られた1007件の意見のうち、1005件が反対であったなどの猛反発を受けて、それを取り下げた。この改正案では次のことがらを虐待としている。「子どもだけで公園で遊ばせる」「子どもだけでおつかいに行かせる」「高校生のきょうだいに子どもを預けて外出する」。ちなみに、ここで子どもと定義されているのは小学校3年生以下である。
 これらがなぜ、虐待であるかが分からない。「子どもだけで公園で遊ぶ」、というのは私の子ども時代の素晴らしいよい思い出である。缶蹴りとか鬼ごっことか、似たような年齢の子と公園で楽しんでいた。ここに親というか大人が入ってくると、随分と水を差されたような気分になったものである。そこでつくられたのは子どもだけの世界で、そこで私は随分と社会化されたと思う。ドラえもんでのび太やジャイアンが空き地で遊んでいるが、埼玉県の条例ができたら、ドラえもんの物語も成立しないな。
次の「子どもだけでおつかいに行かせる」というのも、素晴らしくワクワクした体験であった。いわゆる「初めてのおつかい」・・・私は家のそばのパン屋におそらく幼稚園の年長ぐらいの時に行ったと思うのだが、その時は「親から頼まれた」という事実に意気揚々として、無事に買い物が出来て褒められた時は、大いなる達成感を覚えた。こういうハードルを一つ一つクリアしていき、子どもは徐々に社会化していくのである。このような機会を政治家が奪うのはとんでもなくけしからんことだと強く思う。
 三番目の「高校生のきょうだいに子どもを預けて外出する」というのは、ちょっと何が悪いかは不明だが、アメリカなどでは高校生の一番のアルバイトはベイビー・シッターである。この条例ができたらベイビー・シッターも出来なくなってしまい、高校生が気軽にできるアルバイトがなくなる。あと、子どもは高校生ぐらいの準大人が大好きだ。これらのお兄さん、お姉さんから子どもが多くを学ぶというのは、例えば世田谷区のプレイ・パークなどをみても明らかである。これじゃあ、埼玉県じゃあプレイパークも出来ないな。
 このように上記の3点をみても、まったくもって子どもにとってマイナスな改正案であるが、実際、これらが施行されたら親、特に母親はたまったものじゃない。こんな条例が成立したら、まともに働けないし、子どもがさらに負担となる。子どもを産みたい気持ちをさらに削ぐような愚策である。少子化が問題となっている今、むしろ、母親(父親も含む)の負担を減らすような政策こそ進めなくてはいけないのに、まったく逆行している。
 このような改正案を出そうとしている議員が多い埼玉県は、とんでもない自治体だなと思うのと同時に、そもそも、なんでこんな改正案が出てきたのだろうか。
どうもそのきっかけは、「保育園バスなどの置き去り事故が相次いだ」ことを受けてだそうだが、そうであれば、なぜ置き去り事故が起きたのか、また置き去りについての罰則を強化させればいいだけである。なんで、そういう発想にならないのか。
 また、改正案は自民党県議団でプロジェクト・チームを設置しまとめたそうだが、この58人のうち女性は3人だけである。この団長の田村琢実というのが、どうも首謀者に近いようだが、彼には子どもはいない。そりゃ、そうだ。子どもがいたら、こんな改正案がおかしいことぐらいすぐ分かる。1971年のさいたま市生まれ、ということだから、1963年に池袋のそばで私がしたような子どもだけの公園遊び、みたいな経験には乏しかったのであろうか。こういう遊びは意外と都会の方ができたりするから。ベイビー・シッターのようなアルバイトも高校生時代にしてなかったのだろうな。
 ちなみに、私は小学校4年生からアメリカのロスアンジェルスで暮らしていたが、よく友達と一緒にお姉さんにベビーシッターをしてもらっていた。彼女には母親はアルバイト代を渡していたと思おう。4つぐらい上で、子供心になんかうれし恥ずかしいような気持ちになった。自分も中学校一年の時に、ベイビー・シッターのアルバイトをしていた。まあ、知り合いの子どもと一緒にテレビを見たり、トランプをしたりするようなものであったが。子供たちには慕われていたのと、小遣いが少しもらえたので嫌な体験ではなかった。もちろん、アメリカと日本では一緒に出来ないが、このプロジェクト・チームでは、アメリカでは子供たちで登下校をさせない、という発言があったそうなのでちょっと付け加えさせてもらった。また、アメリカでは子供たちだけで登下校する場合はある。私はロスアンジェルスの郊外というアメリカでも自動車化が進んでいるところに住んでいたけど、登下校は歩いてたし、友達もそうだった。友達が家まで迎えに来てくれていた。そして、そのような傾向は歩いて行ける範囲で住んでいる児童は今でもやっている。もちろん、当時でも自動車で送ってもらう子たちもいたけど、それが100%ではない。ただ、アメリカは治安が悪いので、私も結構な頻度でカツアゲ少年とは出会う。私も結構、会った。しかし、それをうまく回避するために知恵を使ったことはその後の人生で多少は約に立っているかとも思う。基本、学校と家の間を歩くと、道ばたの花とか木とかと親しめるし、周りの人たちも知ったりする。私が都市に興味を持たせてくれたのは、この時の経験が大きいと思う。本当、親が放っておいてくれて、そういう面では幸せであった。
 このように考えると、このプロジェクト・チームのメンバーは、おそらく相当、頭が悪いと思われる。つまり、何が欠けているかというと、問題(この場合は、置き去り事故)が起きたことを受けた後の背景・要因の分析、そして、それらを解決するために何をすればいいのかの政策論での検討、である。田村団長のコメントなどをみると、彼に欠けているのは、上記の分析・検討をするための頭脳だけでなく、周りの状況をしっかりと把握しようとする謙虚さ、であると思われる。ただ、彼はプーチンではない。彼は公正なる選挙で選ばれている県会議員である。そのように考えると、その責は埼玉県にある。ダサいの語源が埼玉であることを思い出すような改正案であった。まあ、却下されてよかった。これは、母親はもちろんであるが子どもにとっても、とてもよかった。というかジェイン・ジェイコブスの本とか、ヤン・ゲールの本とか、拙著(『若者のためのまちづくり』岩波書店)などを埼玉県民は読んで欲しい。


若者のためのまちづくり (岩波ジュニア新書)

若者のためのまちづくり (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 服部 圭郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/08/22
  • メディア: 新書



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ベルリンのアパート管理会社との行き違い [ドイツ便り]

ベルリンのアパート管理会社がいつまでも居住証明書を発行してくれない。これがないと住民登録できなく、住民登録できないと銀行口座も開けないし、保険にも入れない。いろいろと不便だし、そもそも入国してから2ヶ月以内にしないといけないものなのだ。既に市役所とはアポも11月中旬に入っている。アパート管理会社には、大学の同僚や秘書にもお願いして、書類をメイルで請求しているのだが、まったく埒があかない。電話をしてもらっても、電話にも出ない。メイルもなんかたらい回しにされて、しかもたらい回し先の担当の名前も連絡先も教えない。なんなんだ、この状況は。
 もう、しょうがないので大学の事務に苦情を言ってもらったら流石にビビって、もう既に渡している、と言う。いや、渡してもらってないから、ということも同僚や秘書、そして大学の事務の方々と共有して交渉したら、どうも、アパートの管理人が私に渡し忘れていたことが発覚した。もう、25日もこの管理人は書類をどっかに放っておいたのだ。めちゃくちゃ、けしからんな、と思ったのだが、わびの言葉は一言も無し。とはいえ、問題は一件落着です。とはいえ、これははじめの一歩にしか過ぎませんが、いろいろと大変です。
 こんな仕事が出来ない国と比べて、人口当たりのGDPが2/3の日本って何なんだろう、と痛切に感じますね。ただ、圧倒的に政治家のレベルは、日本は低いと思います。国のことより、自分、そして自分の選挙基盤のことばかり考えているからね。この経済がグローバル化している中、そういう発想だけで政治をしていたら、どんなに国民が優秀で頑張っていても、国の競争には負けることが、ドイツにいると痛切に感じます。
 

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ポツダムを訪れる [都市デザイン]

ドイツに来て4回目の日曜日。起床すると雨だったので、これはどこにも行けないな、と思っていたのだが、お昼頃から雨が止み、晴天ではないが、そこそこ明るいのでポツダムに行く。ポツダムは住んでいるアパートからシャーロッテンブルク駅まで地下鉄に行き、そこからSバーンに乗れば一本で行ける。私は、ベルリンの市内公共交通のAB区間の一ヶ月チケットを持っているので無料で行けるかと思ったのだが、ポツダムはC区間であった。その手前のヴァナゼーまではB区間だったのでちょっと残念だ。ポツダムまでは片道3.80ユーロであった。電車は10分おきぐらいに来るのだが、通勤時間並みに混んでいた。みんな、日曜日は森にハイキングに行ったり、ポツダムに遊びに行ったりするのだということを知る。
 郊外鉄道であるSバーンはベルリンの郊外住宅地であるグリュネヴァルトを過ぎると広大な森の中を走って行く。アウトバーンが並行に走っていて、しばらく駅もない。これは、ちょっとしたグリーンベルトのようなものかもしれない。
 さて、ポツダムは極めて変わった都市である。というのも、ベルリンという大都市の郊外都市として位置づけられているにも関わらず、ブランデンブルク州の州都であるからだ。州都であるのに、隣にベルリン州があってベルリン市があるために、なんか存在感が薄い。ちなみにポツダム市の人口は18万人ぐらいで、ベルリンの10分の1にも満たない。そのくせ、ブランデンブルク州では人口が一番多いのだ(というか、ブランデンブルク州の都市、小さすぎないか)。さらにプロシアの都であり、王宮は世界遺産に指定されている。都市としての歴史も1000年以上あり、新参者のベルリンに比べると古参である。そういう意味では、むしろベルリンより格が高い。地理的にもまったく平坦な湿地跡につくったベルリンに比べると、多少、丘陵があったりして、そういう意味でも豊かである。
 ポツダムに訪れるのはおそらく4回目である。2006年と2011年に訪れた時の写真は、私の写真ストックにあるのだが、もう一回、雨の中、ブランデンブルク州の役所に取材に訪れた時がある。このときは、ベルリンから慌てて自動車で往復したのと、また、雨が降っていたので写真をまったく撮影しなかったように覚えている。さて、ポツダムはいいイメージがまったくない。東ドイツ時代に建てられた集合住宅のプラッテンバウがポツポツと建っていて都市のオリエンテーションも分かりにくく、なんか陰鬱なイメージを抱いていた。もちろん、サンスーシ宮殿は流石にゴージャスだとは思ったが、それ以外にはいいイメージがなかった。今回、中央駅に訪れて驚いたのは、おそらく10年以上ぶりということもあるかもしれないが、相当、改善されている、というか見違えるようによくなっていた。前回、訪れた時に工事中であったものが、結構、具体化されたという感じであろうか。特に聖ニコライ教会の周辺のアルト・マルクト辺りは見違えるようである。トラムも東ドイツ時代のものが随分とアップグレードされたようで、都市に彩りを与えている。
 思っていたより随分と興味深く、今回は偵察という感じであったが、これからもう少し、しっかりと調査をしたいと思わせられた。今ひとつであったものを、都市デザイン、都市計画の力で改善させていく。この点においては、ドイツは優れているとつくづく思っていたが、それを強烈に再確認させてくれたポツダム訪問であった。

nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

ドイツの卵の不思議 [グローバルな問題]

ドイツの卵は美味しくない。いや、日本の卵はほとんど世界で一番美味しいので(唯一の例外はウェールズの卵。この記事を参照してくださいhttps://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2017-08-11)、その卵と比較するのは可哀想かな、という気もしない訳ではない。ただ、値段も6個で200円ぐらい(高いのだと350円ぐらいもする)と、結構、いい値段を取っている。何が違うのだろう。まず、気づくのは冷蔵庫に入れてないということだ。常温のところに置かれている。日本だと冷蔵庫に入っているので、これはちょっと気になる。いや、その日に売れればいいかもしれないが、売れなかった場合は、結構、傷みが早いのでは。いや、もしかしたらそもそも入れる必要がないのか。あと、黄身の色がレモンのような黄色であることだ。赤色の色素がまったく入っていないような黄色である。これは、高い卵でもそうだった。何が違うのだろう、鶏が違うのであろうか。まあ、まったく答えが分からない記事を書いてしまったが、問題提起ということで。

タグ:ドイツ
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感