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ドイツの自転車都市エアランゲンに行き、ちょっと失望する [都市デザイン]

ドイツはデンマークやオランダに比べると、ちょっと今ひとつではあるが、自転車政策に力を入れている国であるかな、と思う。私が現在、住んでいるベルリンでも自転車専用レーンを2030年までに3000キロメートル整備するという計画を掲げている。とはいえ、年に60キロメートルぐらいしか整備できていないので、到底、無理だろうとの声も聞こえるが。
 それはともかくとして、ドイツを代表する自転車都市としては、一般的にミュンスターとエアランゲンが知られている。ミュンスターの自転車利用状況に関しては、このブログでも記述したことがある(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2009-08-28)のだが、城壁跡地を自転車専用道路にしたり、駅前に駐輪場を兼ねる自転車修理センター、レンタル・センターなども設置したりして、なかなか自転車都市の看板に偽りなし、といった好印象を抱いていた。
 そこで、このミュンスターと並び称されることが多いエアランゲン(日本でも結構、紹介されている)なので、大きな期待を抱いて訪れたのだが、それはちょっと失望に変わった。もちろん、駅前を中心にちょこっと歩いただけなので、誤解をしているところもあるかもしれない。あくまでも駅前周辺を見ての印象ということで、最初にお断りをさせていただきたい。
 まず、エアランゲンはそれほど大きな都市ではない。自治体の人口は11万7000人ぐらいである。アメリカだとコロラド州のボルダー市、ドイツだとコットブス市と同じぐらいの規模である。また、ミュンスターやアメリカのデービスのような自転車都市と同じように大学都市である。
 自転車都市としての歩みは1970年代から始まっているので、おそらくデンマークのようにオイル・ショックが契機となっている可能性が高い。当時のハールヴェグ市長が推進役となって歩道に自転車専用レーンを設置するようにしたそうである。
 ただ、私はあくまで駅前周辺しか歩かなかったのでこの自転車専用レーンを確認することはできなかった。代わりに目にしたのは、駅前に放置されていた大量の自転車である。駐輪場はしっかりと整備がされているのだが、それだけでは収容しきれていないようである。ただ、駅前にこれだけ自転車が駐輪されているのは、サイクル・アンド・ライドといった自転車と公共交通を連携した移動が一般的にされているということで、それはそれで優れていることかな、と思ったりもする。
 実際、自転車の利用者は多く、全交通における自転車の分担率は23%、市内に限れば34%にも達する。ミュンスターは通勤交通では、全体でも47%に達するので、そういう意味ではドイツの自転車都市の冠はミュンスターのものかなと思ったりもするが、ただ23%と言う数字は相当、高いことは確かだ。
 そして、私は確認することはできなかったが、エアランゲンには自転車専用レーンは確かに整備されており、現時点で10の通りにある整備されているようだ。ただ、駅前へアクセスする道路で整備されているものは皆無であった。あまり利用されているところでは整備できていないような印象も受ける。
 ということで、30分ぐらいの滞在時間しかないのにいい加減なことを言うのは憚られるが、自転車都市エアランゲンというのは、自転車利用者が多いということであって、政策的に優れたことをした結果とはあまり関係がないのかな、との印象を受けた。まあ、この印象が事実とズレている可能性は決して低くないが、もし、そのような事実が判明されたら、またこのブログにて記したいと思う。

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【エアランゲン中央駅前に放置されたままになっている自転車。これは万国共通的に美しい景観とはいえない・・・これに関してはミュンスターが駅前に地下駐輪場を設けたのとは異なっている】

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【一応、駅にはいくつかの駐輪場が整備されているが、需要の方が多いようだ】

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【駅に向かう道に自転車専用レーンは見つけられなかった・・・ミュンスターだけでなくフライブルクや他のドイツの都市でも、ここらへんはもっと整備されているように思われる】

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