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ミュンスターを再訪して、自転車に乗ってみる [都市デザイン]

自転車都市ミュンスターを再訪する。ミュンスターには自動車不要プロジェクトが存在する。私が調べている限りにおいては、ドイツにおいてしっかりと開発されている自動車不要プロジェクトはケルン、ハンブルグ、そしてミュンスター。ミュンスターは取材を依頼していたのだが、返事が来ないので督促しようかとも思ったが、今日はあまりにも天気がいいので写真だけでも取りに行こうと訪れたのである。4月に訪れた時はまだドルトムントに住んでいたので、デュッセルドルフから行くのは初めてだが、運良く乗り換えなしにミュンスターまで行ける特急列車に乗れたので1時間ちょっとで来ることができた。前回訪問した時はまだドイツに来て一週間も経っていなかったこともあり、ミュンスターをうろうろと歩いたにも関わらず、中心街であるプリンシパル・マルクトを外すという失態をしでかした。ということで、今回は最初にプリンシパル・マルクトを訪れる。ミュンスターは戦争で大部分を喪失したが、瓦礫の状態から元のように復興させた。都市の記憶、歴史を継承させようとするドイツの強烈な意志をその空間にいると感じることができる。人口が縮小していく中、都市の記憶が曖昧なところほど先に衰退していく。したがって、むしろ新たに開発されたようなところほど縮小の対象になるのだが、我が国は使っては捨てる的な発想で土地や都市を使おうとしている傾向がある。これは、縮小する時代においては危険な方法であるとドイツにいると思い知らされる。

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(プリンシパル・マルクトの前に立つミュンスターと自転車)

さて、それはさておき自動車不要プロジェクト。これは中央駅から南に3キロメートルほどのところにある。歩いていこうと思っていたが、せっかく自転車都市ミュンスターにいるのだから自転車で行こうと考えた。どこで借りられるかが不明だったが、駅の自転車センターで借りられるのではと思い、駅まで戻る。はたして、駅の自転車センターで自転車を借りることができた。とはいえ、パスポートか運転免許証を出せ、と言われたのだが、それは駅のロッカーに入れてしまったので、どうにかならないかと交渉したのだがなしのつぶてであった。本当、こういうところは、ドイツ人は融通が利かない。しょうがないので、ロッカーまで運転免許証を取りに行き、借りることとする。料金は1日で7.5ユーロ。ロッカー代が無駄になったので3ユーロ余計に払った気分ではある。

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自動車不要プロジェクトは比較的すぐみつかった。4階建ての集合住宅で駐車場が一切ない。このプロジェクトはケルンのものとは違って、100%自動車所有が禁じられている。どの程度、禁じられているのか、それは賃貸契約をするときに契約にも含まれているのか、などは不明ではあるが、ともかく自動車不要のコンセプトに徹底しているそうなのだ。駐車場がないため、中庭が公共スペースとして使われている。どの家でも自転車を所有しているようにみえる。自動車不要プロジェクトは、自転車都市であるミュンスターでは特に効果的なのではないかと思われる。このプロジェクトはまた社会住宅であり、その条件を満たしていない人は入れないそうだが、ここらへんの点も取材をしていないので不明。

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ざっとプロジェクトをチェックした後、自転車で都市巡りをする。それで分かったことは、まず自転車も右側通行が徹底されているということ。自転車専用レーンを逆走している人は見かけなかった。これはいかにもドイツらしい。あと、自転車専用の信号があるのだが、これは便利であった。さらに、皆滅茶苦茶タフであるということ。私はしょっちゅう後ろから来る自転車に抜かされていた。老若男女、皆、結構速いスピードで自転車を走らせている。私はとてもついていけない。自分の体力がないのかもしれないが、それを差し引いても、ミュンスターの人達は自転車を使いこなしている。しかし、これだけ自転車に乗っていたら、体力もきっとつくであろう。省エネルギーに通じ、自動車での移動を削減させ、また体力増強を図れるということを考えると、自転車を普及させる政策というのは結構、賢いのではないだろうか。人口が27万の都市であるにも関わらず、ミュンスターは路面電車がまったく走っていないが、この自転車の普及具合がその弱点を補って余りあるような状態をもたらしているといえよう。

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