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前田愛『都市空間のなかの文学』 [書評]

1982年に出版された『都市空間のなかの文学』。著者が51歳の時の著書である。文庫本で620ページという凄まじく密度が濃い本である。文学研究というのは、ここまで調べるのか、という迫力に満ちており、圧倒される。彼がここで取り上げた本は、一部しか読んだことがないので、その研究の深さなどは残念ながらしっかりと理解できないことがあったのだが、一研究者の研究対象に傾ける熱量には、門外漢でも目眩がするぐらいだ。私は文学という立場ではなく、都市解析の参考になるかな、という立場で読み始めたのだが、都市から文学を解析するというアプローチだけではなく、文学から都市を解析するというアプローチが展開させる研究フィールドの豊かさに驚かされた。やはり、名著と言われる図書は読むに値する、というか読まないと不味いなと自省させられた。


都市空間のなかの文学 (ちくま学芸文庫)

都市空間のなかの文学 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 前田愛
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: Kindle版



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