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キュリー博物館で考える [原発問題]

ちょっと前の話になりますが、ワルシャワに行った時にキュリー博物館を訪れました。キュリー夫人が子供時代を過した生家につくられた博物館です。とはいっても、この地域は第二次世界大戦の終盤にてほぼ完全に破壊されていますので、戦後、つくりなおしたものだと思われます。さて、それはともかくとして、キュリー博物館、改めて色々と新しいことを学ぶことができました(これは私が不勉強だからですが)。キュリー夫人は、家族皆とても優秀で、まあ、その中でもマリーは飛び抜けて優秀だったようです。父親だけでなく、祖父も物理の教授ということで、優秀な遺伝子は引き継がれるのですね。マリーの娘もそういえばノーベル賞を受賞しています。バッハ一族のような感じなのでしょうか。
 また、放射能は発見された当時は万能薬のように思われていて、もう、色々な病気の治療に使われたことが分かりました。まあ、化粧品とかでも使われていて、それは高額だったので金持ちしか使えなかったのですが、多くの使用者がその後、皮膚癌で亡くなります。
 マリーも放射能の長年の被曝が原因で亡くなったのですが、彼女の共同研究者も多くがそれを原因として亡くなります。科学を進歩させた偉大なる功績は、このような研究者の犠牲のうえに積み重ねられてきた訳です。我々としては、先人の貴重な犠牲から、その危険性をしっかりと認識し、それと上手く付き合って社会を営んでいくことが重要だということを改めて学びました。原子力発電の再稼働に突き進んでいる政治家とか電力会社とかは、その危険性に対して、もっと謙虚にならなくてはいけないと再確認しました。
九州電力の池辺社長は11月7日に鹿児島県知事を訪問して、「原子力発電所の安全に万全を期す」と述べたそうですが、基本、その安全を脅かすのは阿蘇山や霧島岳、桜島の火山群であって、九州電力が「安全に万全を期する」ことができるような代物では全くないわけです。人災で事故が起きることはないでしょうが、福島原発の事故もそうでしたが、天災で事故は起きるのです。特に「火の国」九州はその危険性が高くて、安全とかを安易に述べられるような状況では全くない訳です。日本は狭い国土ですが、地球上の10分の1の地震が起きるところなのです。そして、日本の中でも九州は特に多い。別府温泉なんて、アイスランドが見劣りするぐらいの温泉地です。そういうところで原発を稼働させるのに「安全に万全を期する」ことができる訳がない。ちょっとキュリー夫人から話が発展し過ぎましたが、そういうことをしっかりと次代の人間が理解しないと、キュリー夫人も浮かばれません。

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