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スティックスへの違和感(スティックスのダサさ)を考察する [ロック音楽]

私はいわゆるプログレシッブ・ロックのファンである。ジェネシスとかピンク・フロイドやイエスとかが好みである。いや、ジェネシス以外は、それほどハードコアではないが、他のジャンルよりはそういう音楽を聴く。さて、プログレッシブ・ロックのサブ・ジャンルとしてアメリカン・プログレというものがある。四大アメリカン・プログレは、ボストン、カンサス、ジャーニー、スティックスである。どれもが最盛期はアリーナ級の集客を誇り(カンサスがちょっと弱いが)、大儲けをしたバンド群である(https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2023-10-08)。
 私はしかし、これらアメリカン・プログレをそれほど好まない。一番、聴くのは『モノリス』までのカンサス(それ以降は最新版以外はほとんど聴くのを止めていた)、そしてボストンである。カンサスの『伝承』あたりはプログレと言ってもいいかなとは思うが、他はそもそもプログレという言葉が似合わないし、本人達もそう思われたいとも思っていないだろう。逆に迷惑ぐらいに考えていたかもしれない。さて、これら4つの中で、まったく関心のないのはジャーニーである。Anyway You Want ItとかLightsとかLovin’, Touchin’, Squeezin’とか嫌いじゃない曲もあるが、プログレというよりかはエアロスミスとかチープトリックと同じ括りのハード・ロック・バンドかと思う。
 さて、そうすると悩ましいのはスティクスになる。というのは、スティクスは高校時代まではそれほど嫌いじゃない、というか武道館に行くぐらいだったので好きだったと思うのだが、大学時代はむしろ嫌悪するようなバンドになってしまったからである。それは、もう聴くに堪えないようなダサさを感じてしまうからだ。これは、どうしてなのか。ジャーニーとかは特に好きでもないが、それでもここまで嫌悪しないし、上記の曲などは今でも楽しんで聴けるぐらいなのに、スティックスは厳しい。この高校時代までは好きで、その後、嫌いになったというコントラストで言うと、スティックスほど激しいバンドはない。自分でも不思議である。ということで分析を試みてみた。
 すぐ分かるのはロック・ミュージシャンとしてのデニス・デヤングが嫌いだということである。デニス・デヤングのスティクスの立ち位置というのは、バリー・マニローが間違えてハード・ロック・バンドに入ってしまった、という感じであろうか。いや、バリー・マニローが嫌いで例として取り上げている訳ではなく、デニス・デヤングもバリー・マニローみたいなミュージシャンであったら、私もそれなりに距離を置いて、いいメロディー作るじゃないか、ぐらいに思っていたと考える。いや、ボーカリストとしては、バリー・マニローよりも大袈裟で演歌歌手のような歌いっぷりは、本当、ゾッとするほど嫌いだが。問題は、じゃあ、なぜこんなアーティストがいたのに高校時代に好きで聴いていたのか、ということになるのだが、これはおそらく他の二人の作曲家が好きだったからである。
 個人的にスティックスで一番、好きな曲はGreat White Hopeである。そしてRockin’ the Paradiseといったジャームスが作曲に関わっているハード・ロック調の曲が好みだ。さらに、方向性は違うがBlue Collar ManやRenegade、Too Much Time on My Handsといったブルース調のトミー・ショーの曲が嫌いじゃないというのがあったと思う。特に彼らのいわゆる正統派のロック・ギター・ソロやギター・プレイが、デニス・デヤングの鼻につくオペラ風のキャラクターをあまり目立たないようにしていたのではと思う。それが特に指摘できるのは、BabeやDon’t Let It End、The Best of Timesであろう。これらの甘ったるいバラード調の曲でもギター・ソロのところ、すなわちデニス・デヤングの歌がないところは、すごいしゃんとして格好いいのである。ここらへんに惹かれてしまったのかな、と思う。しかし、当時からしっかりとジェネシスとかイエスとかを聴いていたのに、その違いを自覚的に認識していなかったというのは恥である、というか私の黒歴史だ。ただ、そのような私でも流石に『Kilroy was Here』は耐えがたかった。デニス・デヤングの私が嫌悪したところが全開して、ジェームス・ヤングやトミー・ショーがそれを隠そうとしても、それはもう力が及ばなかった、ということであろうか。
 高校時代といえば、どうでもいいことだが、結構、片思いで好きだった同級生の子がいたのだが、今はまったく好意のようなものはない。同窓会でも別にしゃべりたいとも思わない。なんか、スティックスのようだな、とちょっと思ったりした。どちらも私の黒歴史である。いや、どうでもいいことを書いてしまい、申し訳ない。

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