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Get Back (第二話) [ロック音楽]

ジョージが「俺はもうビートルズ辞めるわ」と言って撮影スタジオ去るという衝撃的なシーンで終わった第一話。どうなるんだ、とハラハラしてみた第二話であるが、意外と簡単にジョージ復帰。今回はトゥイッケナム・スタジオから舞台を移し、アップル・スタジオ。スタジオが変わっただけで、映像の雰囲気もビートルズの表情も明るくなる。アップル・スタジオでは、アビー・ロードの収録曲はもちろんのこと、Don’t Let Me DownやShe came in through the bathroom windowなどの名曲が原型からどんどんと形をつくっていくプロセスが見えてきてとても興味深い。特にゲット・バックのバッキングは印象的だ。ジョン・レノンもジョージ・ハリソンも改めてギターが下手だな、というのは確認できるのだが、ギターのバッキングのアレンジ能力は驚くものがある。というか、ジョージのソロのアレンジも素晴らしい。ジョージ、ただものじゃあ全くないな。

あと印象的だったのは、ジョンのひょろひょろとした性格。第一話では、もう猛禽類のような鋭い眼光だったのに、第二話では、なんかヘラヘラ親父ギャグをかます植木等のようなキャラになっていた。カリスマ性がまったく感じられない。そして、ポールは相変わらず、どうにかビートルズとして生産的な仕事をしようと言っている時、第一話と違ってジョージも建設的な発言をしていた。ジョージ、結構、真面目なキャラである。ギターとかも上手くはないが研究熱心で好印象だ。ただ、ジョンはここでも心ここにあらず、という感じだ。とはいえ、On the road to Marrakesh (ジェラス・ガイの原曲)などをセッションしている姿とその楽曲の素晴らしさを確認し、おお、やはりただ者ではないということを思い知らされたりもする。

とはいえ、ポールに同情するわ。相変わらずオノ・ヨーコの存在は不気味であり、もう信じられないような奇声を発するジャム・セッションをしたりするが、第一話ほどは不気味さはない。ただ、アップル・スタジオでたむろしている女性ファンに「オノ・ヨーコをどう思う?」などを質問した映像を映したりして、これは撮影側がオノ・ヨーコに否定的なイメージを植え付けようと意図しているのではないか、と勘ぐらせる。それに比して、リンダはいい感じだ。まあ、リンダ、実際、いい人という噂だが、まさに映像からは「いい人」像しか伝わってこない。

あと、第二話においてビートルズとオノ・ヨーコと同じぐらいに重要な登場人物は、ビリー・プレストンであろう。ビリー・プレストンは常時、ニコニコしていて、キーボードを弾いてと頼まれると、もう驚くような素晴らしいバッキングとソロを即効で披露する。ビリーとビートルズの演奏シーンは、この第二話の見せ場であることは間違いない。ただ、ジョンとジョージが「ビートルズに入れよう」という、もう信じられないくらい無責任な提案をすると、ポールが「いや、それは違うんじゃないか」と返答しているのをみると、もうビートルズを大切に思っているのは四人の中で本当、ポールだけなんだな、ということに気づかせてくれる。ジェネシスなんて、もうライブでは欠かせないチェスター・トンプソンやダリル・シュトルーマーを最後までメンバーとして入れなかったからな。ギターも辞めているのに・・・。ツェッペリンもそうだ。なんか、ブランディングとかの基本的な知識がなさ過ぎるのか、もうビートルズ、ジョンもジョージもどうでもよくなっているのか。頑張れ、ポールと思わず、心の中で叫んでいましたよ。

さて、ビートルズにライブをさせて一儲けするという企画は、アフリカ版も却下され、ロンドンの公園でのものも却下され、その代替としてアップル・スタジオの屋上でアリバイ的にすることになった。というところで第二話は終わる。第三話、楽しみである。


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