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クリスティン・マクヴィーの訃報に接して [ロック音楽]

フリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィーが11月30日に逝去した。享年79歳。フリートウッド・マックは恐ろしくタイトなリズム隊に、3人の個性的なソングライターがメロディアスでキャッチーなメロディを紡ぐ楽曲が魅力的なバンドである。3人のソングライターは皆、輝くような才能の持ち主である。私はどのソングライターが一番、好きかと問われるとスティービー・ニックスと答えざるを得ない。エンジェル、セーラ、シスター・オブ・ザ・ムーン、ジプシー、ランドスライドなどの佳曲は、私の長いロック愛聴歴の中でも特別な存在を放つ。さて、しかし、フリートウッド・マックで一番好きな曲は何か、と問われるとこれは予断を待たず「ユー・メイク・ラヴィング・ファン」を挙げる。思えば、私が最初に購入したフリートウッド・マックのレコードは『噂』であったが、この化け物のようなベストセラーは「ユー・メイク・ラヴィング・ファン」以外にも「ソングバード」、「ドント・ストップ」といったクリスティンの素晴らしい傑作が含まれており、それらの曲は他の2人のシンガーソングライターのものより、個人的にはインパクトが強かった。
「タスク・ツアー」で横浜講演に行ったことがある、神奈川県民ホールだ。そのとき、クリスティンの話に観客が受けたら「英語が分かる人もいるんだ」と嘲笑的に発言したこと、あと「日本人は魚を食べるが、魚の目が食べないでと訴えてるようで私は食べられない」と発言したことで、個人的にはちょっと傷ついたことを覚えている。なんか、日本人のことあまり好きじゃないんだな、との印象を受けたのだ。高校生だったので、センシティブであったのだろう。
 フリートウッド・マックは高校時代には嵌まり、その後も大学に入っても聞いていたが、なぜかその後、興味を失った。「ミラージュ」が1982年、「タンゴ・イン・ザ・ナイト」が1987年に発表されたので、ちょうど私が社会人になった1988年にはフリートウッド・マックからリンゼー・バッキンガムが脱退し、それからフリートウッド・マックはオリジナル・メンバーが出たり入ったりするような状況になってしまったからだ。したがって、もう時折思い出したようにしか聴くことはなくなっていた。しかし、クリスティン・マクヴィーの訃報には大きなショックを受けた。2022年はペレ、オリビア・ニュートン・ジョン、エリザベス女王が亡くなられたが、私が個人的に一番の喪失感を覚えたのはクリスティン・マクヴィーであった。ご冥福をお祈りいたします。

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