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岩崎芳太郎『地方を殺すのは誰か』 [書評]

鹿児島を中心として事業を行っている岩崎産業代表取締役社長による著書。中央集権型の統治構造、官僚的なアプローチがいかに地方を蝕んでいるか。その問題を自らが経営上、直面してきた理不尽さを事例とし、読者に訴えかける。当事者として、それらの不合理を経験しているので、その主張には説得力がある。2008年に書かれたものだが、地方の現状はさらに悪化しているだろう。まさに青息吐息の状況である。中央集権を一刻も早く是正し、地方主体の連邦制度のような政治システムを構築すべきであるとは、私もずっと考えていることであるが、その考えをさらに確信させてくれるような本である。この著者のような人達がまだ地方で踏ん張っている間に、中央集権の官僚的な社会構造を改革させないと、本当、手遅れになる。そして、手遅れになった時の日本という国家は、相当、悲惨な状況にあるのでは。いや、既にもう相当、悲惨な状況になっているのかもしれない。


地方を殺すのは誰か

地方を殺すのは誰か

  • 作者: 岩崎 芳太郎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/01/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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