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残念だが、平均的な日本人の多くは将来の日本の課題を現時点で解決するような能力を持ち合わせていない [サステイナブルな問題]

ゼミ生と合宿に行く。現在3年生のゼミ生は、どうも買い出しを計画的に出来ないらしい。余計にお酒などを購入してしまい、飲みきれなくて困るそうだ。そして、最終日に4年生とかが無理をして飲んでしまう。さらには、なんと、その無理をしている4年生に「よく、そんなにお酒が飲めますねえ」などと言うそうだ。一回ならまだしも、夏合宿もそうだったので、まったくその失敗から学んでいないようなのだ。

さて、ここで言いたいことは、私のゼミ生の無計画性に関してではない。指摘したいことは、酒の買い出しでさえ計画的に出来ない人達が、将来の年金、財政問題、はたまた原子力発電所が出す放射性廃棄物などについて、思い巡らすことなど到底、無理だということだ。うちのゼミ生はそれほど賢くはないだろうが、それでも恐らく、平均的な日本人よりは分析力などがあると思われる。文系の学生でも経済学部に所属しているので、計画的な思考に関しては、比較的訓練されている筈だ。しかし、そのような学生でも、このような買い出しも計画的に出来ないという状況を踏まえると、信じたくないことかもしれないが、それが大方の日本人の計画的能力なのであろう。それが現実である。よく考えれば、私のゼミ生は、お酒の買い出しが計画的にできないだけでない。試験勉強もそうだが、卒論の研究計画などもまったくできない。

つまり、平均的な日本人の多くは、おそらく年金問題、財政破綻問題、さらにはエネルギー政策など、将来の日本の課題を現時点で解決するような能力を持ち合わせていないのだ。大変、残念だが、それは目を逸らしてはならない問題だ。そして、このようなことは全く本意ではないのだが、民主主義の敗北にも繋がるような事態なのではないかとも思ったりもする。民主主義的な解決方法に拘ると、消費税を10%上げるという極めて現実的な施策を党が打ち出しただけで離党するという将来の日本を担う責任が皆無のような国会議員が出てきてしまうのだ。そして、原発を翻すような力も一般大衆は持っていないのではないだろうか。「原発」国民投票の無関心さを知るにつけ、ちょっと絶望的な気分にさせられる。さらに石原慎太郎や橋下知事の人気の高さは、一般大衆が民主主義を自らの手でしっかりとコントロールできない時にファシストに依存してしまうという状況そのものだ。戦前のドイツを彷彿とさせる。過去の歴史は繰り返すのだろうか。

いやはや、ゼミ生が買い出しも計画的に出来ないという現状を目の当たりにして、私は怒るというか不平を言う前に、この国が抱えているとてつもない問題を知り、暗澹たる気持ちになって、言葉も失ってしまっているのだ。茫漠たる不安と無力感に襲われているのである。

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