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トランプ大統領はコロナウィルスに「抗マラリア薬」や「亜鉛」が効くと主張 [トランプのアメリカ]

新型コロナウィルスの治療薬として、トランプ大統領は繰り返し、抗マラリア薬が有効であると主張している。専門家は諫めているが、自分の脳みそで理解できる以上の世界が存在すると思わないトランプはまったく聞く耳を持たず、ホワイトハウスからのブリーフィングで根拠のない情報を垂れ流している。朝日新聞にもその記事がある。

https://www.asahi.com/articles/ASN48452GN47UHBI01J.html

抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンは、効果があるかもという報告はある。ただし、ヒドロキシクロロキンは失明や心臓疾患など副作用のリスクが指摘されている。ただ、価格が安いことなどは魅力ではあるそうだ。

さて、トランプはヒドロキシクロロキンについて「自分なら投与を受けるかもしれない」と発言していることなどもあり、アメリカでは患者から投与を求められている医者もいるそうだ。私もこのトランプのホワイトハウスでのブリーフィングを見たが、「(ヒドロキシクロロキンを投与して)何を失うものがある?」と主張していた。いや、失明して視力を失う可能性はある。

https://www.theguardian.com/world/2020/apr/04/coronavirus-us-ventilators-new-york-trump-touts-unproven-cure-malaria-drug

さて、なぜヒドロキシクロロキンなのか?「アメリカ薬剤研究・製造」(Pharmaceutical Research and Manufacturers of America (PhRMA))がトランプの支持団体であるということに加え、トランプ自身がフランスの薬剤製造企業Sanofiに投資しているからだとニューヨーク・タイムズは指摘している(https://www.gq.com/story/trump-coronavirus-miracle-cure)。まあ、おそらくそんなことであろう。火事場泥棒とかは、トランプ得意そうだからな。

ナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)はヒドロキシクロロキンの有効性を巡って、ホワイトハウスの医者を中心とした科学者達(特に国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長)と対立があったことを認めた。ナバロ氏は経済には詳しいが、科学分野にはまったく疎い。それをCNNのレポーターに指摘されたら「Touché 」(トゥーシェ)と返した。「Touché 」(トゥーシェ)はフランス語で「一本取られた」という意味だそうだ。ということを、個人的に知った。

簡単に流れをまとめると、トランプは科学的根拠が極めて乏しい「抗マラリア薬」がコロナウィルスに効くという、場合によっては病状をさらに悪化させる情報を、その場しのぎ、そして自分が投資している企業の株が上がることや支持母体に益することを期待して、ホワイトハウスから流しているのだ。

ちなみに最近では「亜鉛も効く」とトランプは言っている。その発言をした後、CNNのレポーターはすかさず、傍らにいた医師に「それは本当か」と尋ねた。医者が「その科学的根拠はない」と発言したのはホワイトハウスに残る数少ない良心をみた思いである。

https://www.commondreams.org/news/2020/04/09/msnbc-cuts-briefing-so-doctor-can-refute-trumps-mystifying-claim-zinc-can-treat

このようにホワイトハウスでトランプが発する情報は、デタラメなだけでなくアメリカ人の生命を脅かしている。実際、ワシントン・ポストの記者の母親が、トランプやフォックス・ニュースの言うことが正しいと考え、まったくソーシャル・ディスタンスをしないことを嘆いた記事を書いたが、この母親がコロナウィルスに罹って亡くなったとしたら、それはトランプ政権に原因があるのではないだろうか。このような危険な偽情報を一部、CNNが報道しなかったことを批判する木村太郎という人は、本当にジャーナリストなのか、ということを三日前(4月7日)のブログで主張したが、さらにその思いを強くする。

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