SSブログ

コロナウィルスの凄いところは、その社会の弱点を突いてくるところだ [グローバルな問題]

ニューヨーク州は遂に呼吸器の余裕が一切なくなったそうである。呼吸器が必要なのは、コロナウィルスの末期的患者であるので、呼吸器がないと言われるのは死刑宣言をされるようなものである。他の州には余っているようなので、是非とも融通してあげればいいのにと思うが、どのようにニューヨーク州がこの危機を乗り越えるのか。ニューヨーク市では救急医療関係者の4分の1がコロナウィルスに感染しているような状況で、もはや断末魔的な状況にある。デブラシオ・ニューヨーク市長、クオモ・ニューヨーク州知事がトランプ政権にどうにかしろ!と嘆願していても、トランプは「連邦政府はあくまでバックアップで州が対応すべきだ」とこの時点で言い放っている。日本ではマスクをすることをトランプが奨励したと報じられたが、実際は奨励した後「俺はしないけど」と付け足していて、おそらく多くのトランプ支持者は、この一言でしなくなるだろう。このような大統領に助けを求めなくてはならないニューヨークは本当にどうなるのだろうか。コロナ患者数が増加の一途を辿り、CNNでも「東京は第二のニューヨークになる」(https://edition.cnn.com/2020/04/03/asia/tokyo-coronavirus-japan-hnk-intl/index.html)と言われている我々からしても対岸の火事とは言えない。
コロナウィルスの凄いところは、その社会の弱点を突いてくるところである。アメリカではトランプ政権がまさに象徴する、赤いアメリカと青いアメリカとの分断である。この分断があるために、国家的な危機に協調して取り組むことができない。デブラシオ市長もクオモ州知事も民主党である。また、トランプのおかげでマスコミ不信をトランプ支持者は持つようになったが、コロナウィルス的危機において、何よりも重要なのは情報の正確性である。確度が高いマスコミ情報を疑い、SNSなどで跋扈する偽情報を鵜呑みにしていると、コロナウィルスに足もとを掬われる。というか、命を奪われる。そして、アメリカは医療保険制度の脆弱性、さらには市場経済を絶対視するような社会的土壌もコロナウィルスへの抵抗力を弱くしている。
さて、それでは日本はどこに弱点があるのか。それは、原発の時もそうだが、政権が情報を操作しようとすることである。今回は、それが、コロナウィルスの感染の診断をしないということに繋がってしまったことだ。東京オリンピックを2020年に開催したかった政権は、コロナウィルスの対応に後手後手に回り、実際の感染の広がりが分かる、感染の検査を怠った。その結果、今では濃厚接触者でも検査を受けられないような状況にある。このおかしさを上述したCNNでは報道しているのだが、確かにCNNのニュースを見る限り、なんで検査をしないのかの理由が全く分からない。
いや、もちろん多くの人が検査のために病院に訪れたり、保健所に訪れたりすることを避けたいというのなら分かるが、濃厚接触者や40度の熱が数日、続いている人達に検査をしないのって、どう考えても変である。おそらく、コロナウィルスの感染を防止するということを最優先に考えた政策を取りたくなかった理由があるのだろう。そして、それは原発政策の時もそうだったが、どうせろくでもない理由に違いない。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感