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日本人がワインを有り難がるのは、恥ずかしく悲しく、そして馬鹿げている [グローバルな問題]

世田谷区等々力7丁目にある紀伊國屋を訪れる。紀伊國屋は業態としては、ただのスーパーマーケットであるが、セレクトショップのような高級食材が集められていて、まさに「金に糸目をつけない」人のためのスーパーといった店である。さて、この紀伊國屋にはワインが大量に陳列されている。物によっては7万円のボトルのワインも置いていたりする。ふえーっ、こんなの買う人いるのか、と驚く。一方で日本酒はどのようなものが置いてあるかをチェックすると、八海山、鬼ごろしなど極めて凡庸。獺祭、十四代、ロ万、飛露喜、三重錦、亀泉、鍋島、刈木・・・ちょっとこちらが買いたい気分になるような銘柄はまったく置いていなかった。そもそも、陳列スペースがワインの10分の1どころか20分の1もない。

私はあまり蘊蓄を述べるほどの知識もないし、大した味覚を持っている訳ではない。ただし、そのような私でも分かることは、日本酒は相当美味い酒であるということだ。日本で飲むという条件においては、ワインより遙かに美味しいと思う。しかも、日本で飲むのであればコストも安い。何が悲しくて、紀伊國屋のようなスーパーで7万円のワインを購入しなくてはならないのだろう。これがインドであれば、しょうがないかもしれない。まともな酒がないからだ。しかし、ここは日本である。美味しい純米酒を飲めばいいのだ。そうすれば、経済も刺激することになる。私を絶望的な気分にさせるのは、ワインに関してはいろいろと品揃えをしている紀伊國屋が、日本酒に対しては恐ろしく無関心であるということだ。紀伊國屋でお酒を買おうと思ったら、私も日本酒でなくてワインを買ってしまうかもしれない。それほど、日本酒の品揃えが悪いからだ。

憤然とした気持ちで、帰りにこれまた高級スーパーの類のガーデンに寄ったら、ここの日本酒の揃えはさらに悪かった。そしてワインは充実していた。私は、日本の金持ちが、高い金を支払って、何日もかけてフランスとかから運ばれた亜硫酸塩(亜硫酸塩は人体には毒)が入ったワインを有り難がって飲んでいるという光景が滑稽で悲しく思えてしまうのである。ちなみに、日本酒も亜硫酸苑を入れると輸出が容易に出来るそうだが、それは醸造側が強く反対しているそうだ(とはいえ、醸造アルコールを入れるようなことはしているが)。ということで、もっと日本人は日本酒を飲むべきであると強く思ったりするのだ。世界一美味しい酒をつくっている国民が、ワインに走るのは、本当、恥ずかしく悲しく、そして馬鹿げていると思う。

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