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ユニヴァーサル・デザインではまったくないロンドンの地下鉄 [都市デザイン]

トランクを持ってロンドンの地下鉄を移動すると、つくづくこの都市の公共施設はユニバーサル・デザインではないなということを知る。例えば、ヒースロー・エキスプレスの発着駅であるユーストン駅から、地下鉄のサークル・ラインのプラットフォームに降りるためのエスカレーター、エレベーターは一基もない。ヒースロー・エキスプレスの乗降客は、トランクを持っている可能性が高いので、ここで乗り換えるということを想定もしないのであろうか。他にも、地下鉄の駅では無駄に4段とか5段の段差を歩かされる。トランクがあると本当に辛い。これはロンドンだけでなく、おそらくイギリス全体でもそのような配慮がないような気がする。

フランスもそうだ。エスカレーターはもちろんのこと、エレベーターも整備されていない。したがって、重いトランクをもっていたり、私の場合、そのようなことはないだろうが、乳母車を押していたりしたら、本当に苦行のようになってしまう。私は今回の旅行では、地下鉄や鉄道などの公共交通を利用することを前提にしていたので荷物はそれほど重くしていないのだが、それでも結構、大変だ。ドイツだと、列車に乗る際に階段をのぼらなくてはいけなかったりするので、それは不便ではあるが、基本的にはまあまあ駅にはエスカレーターやエレベーターが設置されている。ドイツと比べてもイギリスは不便である。もちろん、ドイツはベルリンにしても、ロンドンのような複雑で錯綜した地下鉄のネットワークはないので、その点は考慮しないといけないのかもしれないが、不便であるのは確かだ。

さて、興味深いのは、このようにイギリスやフランス、そしてドイツにおいてユニバーサル・デザインという点では日本の方が圧倒的に進んでいると思われるのだが、日本はユニバーサル・デザインの先進事例を視察するためにヨーロッパに行くことである。アクセス権といった考え方に関しては、欧州が進んでいると思われるが、実際の公共施設において、しっかりと交通弱者に配慮しているのは日本の方である。むしろ、そのために余計に電力を浪費しているのが問題となるぐらいしっかりしているを私は思う。

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