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中の橋商店街を訪れ、いろいろと学ぶ [都市デザイン]

江東区の大橋に中の橋商店街というなかなか元気な商店街がある。江東区の商店街といえば、砂町銀座が圧倒的に有名だと思われるが、この中の橋商店街も、ちょっと東京でもめずらしいほど活気を維持できている素敵な商店街である。この商店街は大体、100店舗ぐらい。大島には他にも商店街があるので、それなりの商業集積を維持できている。

さて、ここの商店街の方々とお話もさせていただいたのだが、なかなか鋭い見識を持っており、やはりこういう問題意識をしっかりと有していることが、現在の活力にも繋がっているのだなと感心する。この商店街の方が、商店街がうまく行くかどうかを判断する点としては下記を重視しているそうだ。
1) まず、地主がそこに住んでいるか、そうでないのか。
2) 道路が広幅員かどうか。

そして、中の橋商店街の場合は、この二つの条件をそこそこ満たしているそうだ。まず、中の橋商店街は建物を持っている人が商売をしている場合が多い。したがって、自分の店のことだけでなく街の成功をも考える。地主がよそ者であったり、他に住んでいたりする場合は、その商店街が廃れようとあまり関係がない。廃れたら、また別の場所に移動するだけだ。しかし、自分も住んでいる場合は、より社会性というか、地域のためにといった意識も芽生える。BIDにも似た、街をよくしようというインセンティブが働くのだ。

次のポイントとして、中の橋商店街は道幅が狭いことが挙げられる。その結果、両側の店にアクセスすることが容易となる。広幅員の道路の場合は、商業集積の魅力が実質的には半減する。しかも、交通量が多いと、そこに滞在している快適性も損なわれるし、小さい子供などがいるお母さんは心配でおちおち買い物もできなくなる。このように広幅員の道路は、商店街にとっては百害あって一利なしなのだけど、多くの商店街がこの道路をつくりたがる。そして、結果的に衰退する事例が死屍累々のように積み重なっているのだけど、ここ中の橋商店街はそのような事実をしっかりと認識していて、私は感心すると同時に嬉しくも思い、頼もしくも思った。

もちろん、周辺には多くの大型店が立地しており、また、インターネット・ショッピングも増え、生鮮三品等を主力とする中の橋商店街の先行きは決して明るくはない。しかし、しっかりとした問題認識があれば、あとは問題に的確に対応するための戦略を策定し、実行するだけである。こういう商店街が存在していると、私も大変、勇気づけられる。

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