SSブログ

岡本太郎の『沖縄文化論』 [書評]

岡本太郎という詩人、芸術家による透徹した目と魂を通じて、沖縄が見事に描かれている心揺さぶられる名著。沖縄と対峙する岡本太郎の思考によって、生きることや死ぬこと、日本人であることや日本という国のこと、などについて読者も深く考えさせられる。もちろん、沖縄の本なのだが、私が沖縄をいかに知っていないかということを痛切に教えてくれた。それは、私が日本のこと、生きて死ぬことに対して自覚が足りないことの裏返しでもある。そういう意味で、自分という存在についても深く考察させられる。この本を読むことで岡本太郎の魂の片鱗が私の中にも取り込まれる。それによって、私という人間も多少ではあるが変わる。よく、人生を変える本、などというコピーに出くわしたりするが、この本はまさに私にとってはそのような影響力を持った本である。岡本太郎という巨人の凄みが、ある意味で太陽の塔などの芸術作品よりも迫ってくる規格外の本。


沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

  • 作者: 岡本 太郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0