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タリンを訪れる [都市デザイン]

エストニアの首都であり、旧市街地が世界遺産に指定されているタリンを訪れる。ヘルシンキからの日帰りである。巨大なフェリーで片道2時間はかかる。フェリー乗り場までは結構、渋滞している。日曜日ということもあり、多くのフィンランド人は消費税が高い自国ではなくタリンにまで買い出しに行くようだ。さてタリンの港に着く。一応パスポートは持っていたが、まったくのノーチェック。港からはバスで旧市街地まで移動。タリンはハンザ都市であったこともあって、旧市街地はドイツのリューベックやロストックなどと似ている。それなりに興味深いが、エストニアといった特別な個性、アイデンティティはそれほど観察できなかった。食事も極めてドイツ的というかヨーロッパ的である。むしろロシア時代のロシア正教会などの建物が私などからするとエキゾチックさを感じさせる。

とはいえエストニアという国はなかなか面白い。インターネットに力を入れており、世界で最初のインターネット選挙を行った国だそうだ。また、ロシア時代の銅像を移したら、それに立腹したロシア政府がハッカーにエストニアの国のウェブサイトを攻撃させたそうである。2007年の出来事だそうだ。ロシア政府の意地悪さがうかがえて興味深い。また、ドイツやロシアなどに蹂躙された歴史をもっているために、はなから武力の抵抗などを考えずに、歌をみんなで歌って抵抗へのスクラムを組むようにしたり、ちょっと替え歌にして抵抗を試みたりしてとてもいじましい。人口が少ないことがまさに国家的な問題で、子供を増やす政策に邁進しているようだ。エストニアという国全体でも人口が134万人しかない。面積では北海道の半分くらいだから、それほど小さくはないがこの人口の少なさ、また独特の言語文化を有していることなどから、人口を増やしたいと思う気持ちは分からなくもない。興味深いのは信仰心が極めて低いということだ。これは数多くの為政者に支配され、そのたびに宗教がころころと替えられたという歴史と関係があるようだ。

物価は明らかにフィンランドより安いので、そういう意味では魅力はあるかもしれないが、あくまでフィンランドのプラスアルファ的な観光地かなとも思ったりもする。とはいえ、国とは何か、母国語とは何か、などをいろいろと考えさせることは確かである。
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