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『地球はクルマに耐えられるか』を今まで読まなかった事実は、怠慢の誹りを免れないであろう [書評]

上岡直見氏による『地球はクルマに耐えられるか』を読む。私がそれまで読んだ彼の他の著書に比べて、個人的な意見も多く述べられているが、結構、私の琴線に響くというか、私にとっては大いに説得力のあることが述べられていた。文系の大学研究者への舌鋒鋭い批判などは、まさに私にも当てはまり、多くを反省させられた。一方で、励まされるところもあり、私にとってはまさに良書である。上岡直見氏は市井の研究者であるが、非常に誠実な人なのではなかろうか。統計や一次情報をしっかりと調べており、その論理展開も誤魔化しがない。強い思い込みはあるのだろうが、主観的な意見を述べることなく、客観的なデータから問題の本質に切り込んでいく。読んでいると、こう賢くなったような気分にさせられる。

読んだ後、発行日を確認すると2000年10月であった。こんな本が出ていたにも関わらず8年以上も放っておいたのか。しかも初版第一刷発行と書かれているので、もしかしたら買っておいてずっと積ん読していたのかもしれない。もったいないことだ。このような本を読まずに、いろいろと道路問題の原稿などを書いていたのかと思うと恥ずかしい。この本を読まなかったという事実に対して、私はその怠慢の誹りを免れないであろう。と書きつつ、そのような本が他にも多くあるだろうとも思ったりする。


地球はクルマに耐えられるか―消費のハイウェイから人間の道へ

地球はクルマに耐えられるか―消費のハイウェイから人間の道へ

  • 作者: 上岡 直見
  • 出版社/メーカー: 北斗出版
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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