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ドイツ語学校に通い、それぞれの国の常識の違いを発見し興味深く思う [グローバルな問題]

ドイツ語学校に通っているが、結構、クラスメートが個性的で面白い。たまに食事なども一緒にする。お国柄の違いなどが分かって、興味深い。クラスでは生徒同士で質疑応答の練習をする。クラスでは英語が厳禁なので、皆で訳の分からないドイツ語で質問をしたり答えたりしている。ある日、中国人女性とブラジル人女性とフランス人男性と私の4人でドイツ語会話の練習をすることになった。二人の人間を例示し、どちらが魅力的かを質問し、回答するという課題が与えられた。ブラジル人の女性が中国人女性にした質問で例示したのはジゼル・ブンチェンとハイディ・クルムのどちらが魅力的かというものであった。中国人女性はポカンとしていた。先生がそこで助け船を出して、その質問は答えるのが難しいでしょう、ブラッド・ピットとトム・クルーズと尋ねるべきよねと言ってきた。しかし、中国人の女生徒はそれでもポカンとしていた。

さて、この講義の後、ブラジル人女性とフランス人男性とで昼食を取った。その食事中の会話で、ブラジル人女性は、クラスメートの中国人女性がジゼル・ブンチェンを知らないことで先生がブラッド・ピットと助け船を出したが、彼女はブラッド・ピットも知らなかった、ということを何て無知な人がこの世にはいるんだろうとさも驚いたように言った。フランス人男性も、それは驚くよね、みたいな感じで対応したので、さすがに、いや君たちもどれだけ中国人なら誰でも知っているような俳優や有名人を知っているのかと言ったら、二人ともハッとしたようであった。このブラジル人女性は相当、性格がよく、クラスメートの中国人女性のことを悪く言おうとしていた訳ではなく、ただ、無知さ加減に驚いたということを伝えたかっただけだと思うのだが、何をもってして無知と判断するかは気をつけなくてはならないと思う。確かにブラジル人でジゼル・ブンチェンを知らない人は無知の誹りを免れないであろう。ドイツ人でハイディ・クルムを知らなかったら、私も何だこいつはと思うかもしれない。スペイン人でペネロペ・クルスを知らない男がいたら、馬鹿かと思うであろう。しかし、同様にこのブラジル人女性もフランス人男性も、レッドクリフで好演したリン・チーリンのことは知らないであろう。台湾人で彼女のことを知らない人がいたら驚きであるが、ブラジル人が知らなくてもそれはしょうがないと思われるであろう。要するに何が言いたいかというと、他の文化圏の人を自国の物差しで測ることは非常に危険であるということである。特に、英語圏の文化、アメリカの文化の物差しで人を評価するときは気をつけなくてはならない。このブログでも書いたことがあるが、アメリカ人の価値観だと菊池凛子が世界で最も美しい100人になってしまい、この世界で最も美しい100人にランクインされている日本人は菊池凛子だけなので、必然的に日本人で一番美しい女性は菊池凛子になってしまう。しかし、改めて言うまでもなく、そんな訳はない。

このブラジル人女性は日本人の血もクォーター入っており、自国では法科試験にも通っている極めてインテリな女性である。しかし、その女性でもちょっと油断したりすると、自分の物差しで人を測ってしまうようなことをしてしまう。そういう自分も、気づかないでそういう判断をしてしまっている時もあるかもしれない。ブラッド・ピットを知らなくてもいいじゃないか。マリリン・モンローやジェームス・ディーンを知らなくても、人生そんなに失うものはない。逆に、三国志を知らない人生って結構つまらないと思う。この中国人女性が三国志を読んだことがなかったら、その無知さ加減に驚くが、おそらくそういうことはないだろうし、彼女が他の文化圏の人々に教えてくれることは非常に多い筈である。ただ、それには語学の壁が立ちはだかっているのが残念であるが。私の人生の師と勝手に仰いでいて、最も尊敬する一人は台湾出身の中国人女性である。彼女ほど賢い人は他に知らないぐらいである。彼女は知の神のような人なので、ブラッド・ピットなども当然、知っているが、彼女が知っていることで、アメリカ人やブラジル人などが知らないことは山のようにある。視野の狭い先入観で人を判断しないことが、国際交流の基本であると思うのだが、逆に巷にはむしろ、狭い先入観を形成するような本が出されていたりするので残念なことだと思う。


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