柳原和子の訃報で考えたこと [サステイナブルな問題]
柳原和子が3月2日都内の病院で亡くなられた。「がん患者学」などの著者として知られる。私はちょうど彼女の本を読んでいたので、ショックをもってこの訃報を受け止めた。以前から、癌を患った方々の視点はサステイナブルな都市を考えるうえで大きなヒントを得るのではないか、と直感していた。というのは、癌は明らかに大量消費・大量廃棄といったサステイナブルではない生活、ライフスタイルに起因する生活習慣病であると思っていたからであり、優れたアナリストが自ら癌を患ったとき、このサステイナブルではない社会システムやライフスタイルに対して示唆に富む意見を培っているのではないか、と思っているからである。したがって、「サステイナブルな未来をデザインする知恵」を書くにあたっては、元NHKアナウンサーで女優業もやっていて、癌を発病してからはエッセイストになった絵門ゆうこ氏に取材をし、記事にさせてもらった。私の思った通り、絵門さんの都市への眼差し、現在の社会システムへの眼差しは非常に批判的であり、その改善のためのアイデアも鋭いものであり、私は大いなる感銘を受けた。この記事を載せられただけでも、「サステイナブルな未来をデザインする知恵」を上梓した意義があると思うくらいである(その割には本当に売れないが)。
絵門ゆうこと同様のものを柳原和子には感じる。しかし、両者ともに癌の医療体制に極めて批判的であったことは共通しているが、絵門ゆうこが主観的に世の中を捉えていることに対して、柳原和子は癌患者総体を代弁するような凄みと情があった。そして、ノンフィクション作家としての論理構成は、読むものをぐいぐいと惹きつける。彼女の講演録から、ちょっとだけ引用させてもらうと、「「生きる」ということだけを前提に進んできた社会は、発ガン社会を創り出してしまった」、「「人生の目的は何か」と聞かれて「ベンツが欲しい」、「家を失いたくない」と答えた末期癌患者はいません」。
今、現代の都市は癌化しているといっても過言ではない。過度のエネルギー摂取、自動車というコレステールが増加していて、ごみもしっかりと処分できないような状況である。都市は人間の集合体である。人間の癌が増えているのとシンクロして、都市も癌化が進んでいる。早めに対処することが求められる。
絵門ゆうこと同様のものを柳原和子には感じる。しかし、両者ともに癌の医療体制に極めて批判的であったことは共通しているが、絵門ゆうこが主観的に世の中を捉えていることに対して、柳原和子は癌患者総体を代弁するような凄みと情があった。そして、ノンフィクション作家としての論理構成は、読むものをぐいぐいと惹きつける。彼女の講演録から、ちょっとだけ引用させてもらうと、「「生きる」ということだけを前提に進んできた社会は、発ガン社会を創り出してしまった」、「「人生の目的は何か」と聞かれて「ベンツが欲しい」、「家を失いたくない」と答えた末期癌患者はいません」。
今、現代の都市は癌化しているといっても過言ではない。過度のエネルギー摂取、自動車というコレステールが増加していて、ごみもしっかりと処分できないような状況である。都市は人間の集合体である。人間の癌が増えているのとシンクロして、都市も癌化が進んでいる。早めに対処することが求められる。