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人口縮小下では公務員の仕事は創造性が求められている [地域興し]

昨日、私が奉職している大学の講義で、長門市の職員の方にオンラインだがゲスト講師をしてもらった。長門市は、民間企業に長門湯本温泉のマスタープランの策定を随意契約で御願いするなど、相当、荒療治でその再生に取り組み、まさにまちづくりの「改革」を行ったところである。案の定、この講義を受講してくれたOB(多くは公務員)からは、多くの質問が出てきた。彼らの「常識」からすると、長門市で行われたことは驚天動地な「掟破り」のように思えたに違いない。確かに、長門市で行われたことは革命的であるとは思うし、そこまでしなければならなかったのか?とも思う。しかし、おそらく、答えは「そこまでしなければならなかった」のであろう。
人口縮小下では、これまでの硬直的なルールや常識に従っていると、いつまでも閉塞状況から脱せない。脱せないどころか、徐々に衰退していく。弱火の鍋に入れられたカエルのようなものだ。そのような状況において、新しい試み、先進的な試みをしていくところが、うまく状況を改変できている。長門市以外でも、岡崎市や豊田市、亀岡市なんかが頭に浮かぶ。私が知らないだけで、そのような取り組みをしている自治体は他にもあるだろう。人口縮小下では、行政にすごく創造性が求められている。昔と違って、中央省庁が頼りにならなくなっている、というか頼りにしてもどうにもならない時代になっている。これは、中央省庁の人達がダメなのではなくて、硬直的な制度がもうどうにも創造性を発揮できないようにしているからだ。そもそも、創造性とは枠組みがあると出てこないものである。そういう点では、地方自治体の仕事は、いわゆる「役所仕事」ではなく、より創造性のある発想や取り組みが求まれると思う。あと、創造性以外に求められているのはコミットメントである。おざなりに仕事をこなすのではなく、問題解決をするために当事者としてコミットメントする覚悟。そのような覚悟がないと、八方塞がりの人口縮小地域では問題は解決できない。
 このように考えると、安定で楽な仕事を求めて役所に入った人達には大変な時代になったであろう。私の学生達も、創造性がなく、楽な仕事を求めているものが公務員を志望し、実際、公務員になったりするのだが、これは大きなミスマッチがあるような気がする。採用において、ペーパーテスト以外を導入した方がいいであろう。絵を描かせたり、楽器を演奏させたり、ダンスをさせたりすることを採用試験でも導入するといいかもしれない。

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