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笠置町を訪れて、地域は貧困であったのではなく、中央集権国家によって貧困にさせられたことを再確認する [サステイナブルな問題]

京都にある笠置町に行く。人口減少が激しい自治体だ。さて、京都駅から木津駅までみやこ路快速で快適に行った。木津駅はベッドタウン開発が著しい成長自治体の木津川市の中心駅だ。ここは駅の周りが畑で、それを囲むようにベッドタウンが開発されたというめちゃ不可思議な都市構造をしていて、それはそれで興味深いのだが、今日は笠置町。さて、木津駅から笠置駅までは2駅だ。しかし、この2駅が遠い。なぜなら、木津駅の次の加茂駅ですべての列車が止まるからだ。ここで乗り換えなくてはいけない。これは、加茂駅まで電化されているが、そこから先は非電化区間になるからだと思われる。
 しかし、なぜ加茂駅までしか電化しないのか。その疑問は加茂駅を出たらほぼ理解できた。というのは、木津川に沿って走る線路は断崖絶壁に近いところを縫うようにいくからだ。これは、ちょっと工事をするのが大変だ。
 笠置町は1960年の人口が3048人。2015年は1368人である。山間の川沿いに張り付くように町は広がっている。こういう町の人口減少は、そこに住んでいた人がいなくなるという感じで進む。つまり、家などの建造物はそのまま残されているのだが、そこで住んでいたり、働いていたり、買物をしたり、遊びに来たりする人の数が少なくなっていくのだ。そして、そのような人口の減少は活力を町から失わさせる。
 興味深いのは、大きな旅館やら、レストランなどがあることだ。そして、大きな旅館は屁閉館して随分と時間が経っているのだろうか。まるでお化け屋敷のようだ。それにしても、ここは観光地だったのだろうか。木津川の渓谷は美しいが、わざわざ遠くから来て鑑賞するほどは素晴らしくはない。川沿いには巨岩があって、ボルダリングの練習をする若者を見かけたが、昔はボルダリングなどしなかっただろうから、ここに何を期待して観光客が来たのかはちょっと不思議だ。いちおう、温泉は出るようだが。
 ただ、つくづくこういう人口減少している地方自治体を訪れて感じるのは、そこが以前は豊かであったということである。高齢化率が一番高い群馬県南牧村を訪れた時もそう思ったが、以前は森林、蚕、こんにゃく、和紙製造など、山間部だからこその経済的豊かさの源があった。
 しかし、豊かな森林を杉林に置き換えるという林野庁の愚策や、工業製品を輸出する代わりに農林産品を輸入するという貿易政策のおかげで、このような自然の豊かさに依っていた地域を貧困化した。そして、そのような貧困化政策を進める一方で、補助金という形で経済的豊かさを還元することで、自民党の政治家達は選挙を有利に展開させ、権力を握っていった。補助金などというものは地域が豊かであったら必要ないものだから、この地域貧困化政策は前提条件として必要な訳だ。土木事業に一生懸命力を入れるのも、それらが公共事業であるのはもちろんだが、本質的には地域を豊かにしないからだ。ここらへんは拙著の『道路整備事業の大罪』でもまとめているが、まあ、それを発刊してから10年経って、さらに地域の状況は悪化していることを再確認する。笠置町のような地域は貧困だったのではなく、中央集権国家のもと、貧困にさせられたのである。それは、地域が貧困の方がいろいろと政治家としては有利だったからであろう。道州制の導入を真剣に考えるべきだなと思う。
 

タグ:笠置町
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ミャンマーを批判する資格がアメリカにはあるのだろうか? [トランプのアメリカ]

BBCのニュースによれば、バイデン大統領は10日、ミャンマーにおけるクーデターの終結と、アウンサンスーチー国家顧問ら拘束されている文政幹部の解放を求めた。
「ビルマの人たちは声を上げている。そして世界は注視している」とバイデン氏は述べ、必要に応じて追加措置をとると約束した。「市民の抗議拡大に伴い、平和的権利を行使している人たちへの暴力は容認できないし、我々は非難し続ける」とも述べた。
https://www.bbc.com/japanese/56020632
 ふうむ。いかにも立派ではあるが、公正に行われた選挙結果が不正であったと根拠もなく主張し、連邦国会議事堂に乱入し、あわよくば上院議員を殺そうとする暴徒を扇動した元大統領を弾劾もできない国に、そんな「非難」する資格があるのか。BLM(Black Lives Matter)の平和的デモをしている人達に向かって、10代の少年が銃口を向けて複数、殺害するような事件が起きても、この少年を支援する少なくない人達がいるような国がミャンマーの行為を「容認」できないというのは、あまりにもダブル・スタンダードなのではないか。
 いや、バイデンも所属している民主党はしっかりと民主主義を広く世界において広め、定着させるように行動してきた。バイデンや民主党にとっては、それは矛盾のない行動であろう。しかし、共和党という、まさに第三世界の出鱈目政党が、ほぼ半数の議席を確保しているような国は、他の国に干渉するような資格は有していないであろう。泥棒に「盗みは犯罪だよ」と言われて逮捕されるようなものだ。

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ソフィー 『カルト・サバイバー』 [ロック音楽]

ウィーン出身のミュージシャンのデビュー・アルバム。リズム・マシンとキーボードの積み重ね、ベースもシンセ・ベースといった打ち込み系の曲作りがされている。中にはA3やA7のようにギター、ベースの弦楽器で演奏されている曲もあるが、フェイザーとおぼしき空間系のエフェクトがかかりまくっていて、弦楽器ならではの主張はあまり感じられない。主張という点ではボーカルは一番、耳に残るが、それも他の楽器がつくりだす音に溶け込んでいて、不思議な音空間をつくりだしている。90年代のプロパガンダを彷彿させたりもするが、プロパガンダほどリズムが激しくなく、リズムはゆっくりなテンポである。全般的にとても心地やすいアルバムで、なかなか凄まじい才能が現れたなとの印象を受ける。ただ、アルバム全体を通じて曲調が似ているものが多く、ある意味で作風が既に固まっているのかもしれない。もう少し、バラエティがあるとよかった。


Cult Survivor [Analog]

Cult Survivor [Analog]

  • アーティスト: Sofie
  • 出版社/メーカー: Stones Throw
  • 発売日: 2020/06/26
  • メディア: LP Record



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森喜朗が直面しているのは日本の世論ではなく、世界の世論である [グローバルな問題]

森喜朗の性差別発言が大きな波紋を呼んでいる。発言は撤回したが、辞任はしないようである。そして、反省はしているから辞任までさせなくていいだろう、という方向に世論を誘導しているような節がうかがえる。

森氏は「元々、会長職に未練はなく、いったんは辞任する腹を決めたが、武藤敏郎事務総長らの強い説得で思いとどまった」と毎日新聞の取材に応じた(https://mainichi.jp/articles/20210206/k00/00m/040/100000c?inb=ys)。

なんか、菅首相と同じで責任を取らなくても適当に誤魔化しても、そのうちマスコミも世論も収まるだろうというように捉えている印象を受ける。さて、しかし、今回の事件はそう簡単には収まらない。というのも、森氏のポジショニングは東京オリンピック・パラリンピック組織委員会長であり、オリンピックという世界的イベントを遂行する日本という枠組みを越えた世界的なイベントである。顧客も演技者も日本人に限定されるわけではなく、世界を対象としている。そのような重要な役職にある人間が、これだけ酷い差別発言をしたことは世界中の大ニュースとなっている。

CNN(https://edition.cnn.com/2021/02/04/sport/yoshiro-mori-comments-intl-hnk/index.html)、BCC(https://www.bbc.com/news/world-asia-55929404)と大々的に報じている。アメリカの大人気番組である「ザ・デイリー・ショー」のホスト、トレヴァー・ノアも森氏のパロディをやっていた。もう世界的に「敵」となってしまっている。これらの外国の世論を誤魔化すことは、さすがに自民党の老練政治家でも無理だろう。

「絶対モリを追い詰めてやる」と主張しているのは、カナダのIOCメンバーであるヘイリー・ウィッケンハイザー(Hayley Wickenheiser)氏である。アイス・ホッケーで4つの金メダルを取ったことのあるこの委員は、2月4日のツィッターでそう述べている(https://twitter.com/wick_22)。コワッ。

森首相がどうも辞めない理由は、東京オリンピックで動く大金を差配する能力があるからだそうだ。と、舛添氏は述べている。まあ、しかし、それが理由で辞めないというのは、金権オリンピックをまさに象徴している。しかも、もうコロナのおかげで大金も動かないし。そろそろ、そういう他人の褌で儲けるというようなセコい発想を辞めて、世界に対して日本という国の誠意でもみせたらどうか。前回のオリンピックでは、日本も敗戦から立ち直り、民主主義国家になったな、経済的にもよく頑張っているじゃないか、と好意的に思われた日本も、今回のオリンピックでは、もはや経済力も全然、衰弱しているのに見栄だけでオリンピックをやって、民主主義国家になったかと思ったら、こんな恥ずかしい性差別発言をしている輩が未だ権力を握っていて、その失態の責任をも自分達の利権を守るだけで取らさせないような奴らが跋扈している第三国だな、というイメージをもたれるようになっている。

森を守るということの国家的リスクをよくよく計算した方がいいと思われる。

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ツィッターのトランプのアカウント停止は「表現の自由」の規制の範疇に入らない [トランプのアメリカ]

最近、ツイッターがトランプのアカウント停止に対して「表現の自由」の規制であるという論調が、東京新聞を始めとしたマスコミでされていて、そのおかしさをこのブログでも指摘してきた。なかなか上手く説明できていないような歯がゆさを覚えていたのだが、CNNのBrian Stelterが見事に、それが「表現の自由」の規制というものとは違うことを解説してくれている。下記のユーチューブでみられる。
https://www.youtube.com/watch?v=0MxhlmlFZUc

東京新聞のような主張は右系のフォックス・ニュース、極右のニュースマックスなどはしているが、左の筈の東京新聞が同様の主張をしているところは、なんか悲しくさえなる。問題は、トランプを始めとした極右の人びとは、嘘の情報を発信していることである。そして、それらは社会の分裂、人びとの憎悪を増長させている。その結果、連邦国会議事堂の乱入事件をもたらした。それらの嘘の情報は「オレオレ詐欺」と同じようなものだ。東京新聞の読書欄で「メディア・リテラシー」があれば大丈夫だ、というようなコメントを投稿した人がいたが、問題は多くの人がしっかりとしたメディア・リテラシーを有していないことである。オレオレ詐欺だって、被害者に対して「詐欺リテラシー」がしっかりしていなかったので諦めなさいとは言わないだろう。オレオレ詐欺は立派な犯罪ではないか。トランプがやってきたのは「オレオレ詐欺」とほとんど同じようなもので、その詐欺のメッセージを伝えていたのはツィッターである。Brian Stelter は、「Freedom of Speech」ではなく「Freedom of Reach」の問題だと指摘している。優れた論点だ。まあ、私のコメントで納得できなければ、CNNのBrian Stelter の報道を観てください。
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