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ブラジリアの住所は分かりにくい [都市デザイン]

 ブラジリアは他のブラジルの都市と違って、住所が通りで表されない。これは、ルシオ・コスタのコンペ案での提案を尊重したからである。彼は、コンペ案のプレゼンテーションで次のように述べる。「スーパーブロックには番号が振られ、住宅建物は文字が振られます。そして住戸は通常の方式で場番号が振られます。だから、住所はたとえば、N-S3-L、201号、という具合になるわけです。」
 この番号、本当に分かりにくい。取材先へ行くのには四苦八苦する。というのは、住所が道路名であればある程度、目星がつけられるのだが、この街区だと目星もつかないからだ。ナビがあったので、どうにか助かったが、それなしでは手がかりもなかったであろう。
 こういうことを書くと、日本の住所もそうじゃないか、と言われそうだが、日本の住所も外国人にとっては極めてわかりにくい。その非論理性を書いたドイツ人のエッセイを以前、読んだことがあるが、確かに住所の番号の振り方には大した規則性がなく、日本人であればともかく、外国人だと気が狂いそうな思いをするのは分からない訳でもない。現在は、グーグルがあるので、相当、調べやすくなったが、私も地方都市へ出張した時、タクシーを使う理由は、この住所が分からないからであった。
 ということで、ブラジリアの住所を探すのは外国人にとっては至難の業。これは、大使館などで働く外国人が多く住む首都にとっては致命的な問題であろう。ルシオ・コスタも日本に来て、住所が通りで表示されない不便さを体験したら、このような提案はしなかったであろうに、と思ったりした。

タグ:ブラジリア
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