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オスカー・ニーマイヤーのブラジリア大聖堂は驚嘆すべき建築だと思う [都市デザイン]

ブラジリアは、オスカー・ニーマイヤーの建築博物館といっていいほど、彼の作品で溢れている。ブラジリアは1987年という、供用が開始されてからわずか27年に世界遺産に指定され、それはそれで、ブラジリアという都市の発展をがんじがらめにする鎖のような役割を果たしてしまい、一刻も早く、その指定を解除された方がいいと思うが、なぜ、ブラジリアが世界遺産として指定されたかというと、それが「人類の創造的天才の傑作を表現するもの」であるからだ。そして、ここでいう天才とは、まさにオスカー・ニーマイヤーの天賦の才を指すと思われる。オスカー・ニーマイヤーは、ブラジリアにおいて国会議事堂、大統領府、三権広場、大聖堂、大統領官邸、国立劇場、最高裁判所、法務省ビル、ブラジリア大学本館、外務省、国防省、ブラジリア・パラス・ホテル、国立美術館、国立図書館、ファティマ教会、最近ではデジタルテレビ塔、などを設計した。その期間も1956年から2010年と長い。特に、彼の作品が集中しているプラノ・ピロットの胴体部分であるアヴェニーダW3は、まさにオスカー・ニーマイヤー道路とでも呼ぶべきような状況にある。

さて、このようにオスカー・ニーマイヤー博物館のようなブラジリアのプラノ・ピロットであるが、その中でも個人的に最も、印象深く、惹きつけられた建物は大聖堂であった。これは、16のコンクリートが弓状に湾曲された支柱によって、支えられた建物で、フォルムが観る人に与える印象は強烈だ。一説によると、「祈りの際の両手を組んだ形をしている」らしいが、腕はこのように弓状に湾曲されないので、ちょっと違うと思う。私的にはイナバウアーをしている荒川静香が16人、円状に並んでいる、といった感じだ。この教会に入るための入り口はややこしい。いかにも地上の広場から入れるようになっているのだが、そこは通行禁止となっており、この道の下をくぐる自動車道をおりたところにあるトンネルから教会に入ることになる。これは、通常の感覚では分からない。教会に入るという演出としては、どうかとも思うが、ここから、ちょっと暗い回廊のようなところを抜けて、体験する大聖堂の内部空間は劇的である。

内部は緑、青、トルコ・ブルーの雲のような形状の3色のステンドグラスが屋根を覆っている。しかし、たまに、ステンドグラスで覆われていないところがあり、そこから空が見える。このステンドグラスはオスカー・ニーマイヤーのデザインではなく、マリアンネ・ペレッチの手によるものだが、この空が見えるところ、さらには天井から吊り下げられている三人の天使、そして、静謐なる内部空間に佇んでいると、なんか天国にいるような気分になる。というか、この空間ほど天国のようなところを私は体験したことがなかった。しかも、どこかブラジル的な陽気さにも溢れており、相当、感動した。オスカー・ニーマイヤーはやはり大天才なのだろう。

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