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『猟奇的な彼女』 [映画批評]

 英語の題名はMy Sassy Girlで「僕のお転婆娘」ぐらいの意味だが、邦題は凄い。なんせ「猟奇的」である。しかし、韓国語のタイトルも「猟奇的」という言葉を使っているそうだ。英語の表現力の拙さを改めて知る。この映画が日本でヒットしたのは、このタイトルのおかげではないかと思う。主人公である超絶Sの彼女は、猟奇的と形容しても大袈裟ではないくらいの迫力。前半戦、後半戦、延長戦という展開の区分や、コメディであるにも関わらず、全般的にセンスはよくお洒落にまとまっていて、とても好感が持てる。加えて、主人公のキョヌの両親、彼女の父親をはじめとした脇役群がなかなか味のある演技をしていて、この映画をもり立てる。個人的には前半戦に出てくる彼女のゲロの餌食になるはげオヤジが気に入った。お約束の韓国ドラマチック的なあり得ない奇跡的な大団円も、ほとんど嫌味に感じなかったのは、この韓国版お伽噺を演じる二人の主人公の好感度の高さに因るのではないか。ちょっと優しい気持ちになれる、タイトルが与える印象とは異なるハート・ウォーミングな映画である。
 一点、残念なのは、この超存在感のある主人公の彼女がそんなに美人と思えなかった点である。これは、もちろん個人的な好みの問題なのだが、この主人公が好みであったらより引き込まれていただろうと思う。

猟奇的な彼女―完全対訳シナリオブック

猟奇的な彼女―完全対訳シナリオブック

  • 作者: クァク ジェヨン
  • 出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本



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