SSブログ

ドイツの自動切符販売機のあまりの使えなさにキレネンコになる [ドイツ便り]

ドイツ鉄道の自動切符販売機の酷さは以前、このブログで書いたことがあるが、その真髄はまだ体験していなかったことに気づかされた。最近の通勤ルートは、デュッセルドルフ中央駅からボーフム中央駅まで特急列車で行き、そこからローカル線に乗り換えてドルトモント大学駅に行くというものである。行きは特に問題はないのだが、帰りは問題がある。帰りは、ドルトモント大学駅からボーフムまでローカル線の回数券を使って行き、ボーフム駅でいったん降りて、そこからデュッセルドルフ中央駅までの切符を買って特急列車もしくは急行列車に乗るようにしているのだが、このボーフム駅で切符を買うのが大変なのだ。しかし、今考えると、それまでの機械の馬鹿さ加減は露払いのようなものであった。今日はまさにこの自動切符販売機のあまりの使えなさにキレネンコ状態になるような経験をさせられた。

IMG_4395.jpg
(これがドイツの非効率性を象徴する自動切符販売機)

今日は、ボーフム中央駅での乗り換え時間は8分もあった。通常、切符を買うのに8分あれば余裕だと思うだろう。しかし、そうではなかったのである。ローカル線のホームを降りた連絡通路の自動販売機で切符を購入しようとしたのがそもそもの間違いであった。おじさんが切符を購入しようとしており、それほど時間がかからないだろうと思っていたのだが、おじさんはこの自動切符販売機との対話を丁寧にやっている。しかも、慎重肌らしく、納得できないとすぐ戻るボタンを押してしまっている。これは不味いと、私の第六感が教える。急いで南口の出口に向かうと、そこには地下鉄の切符の自動販売機はあっても国鉄のものはなかった。走って、北口に向うと、誰も並んでない自動販売機がいくつかあった。最初からここに来ればいいのに、と自分で自分を責める。さて、この機械を使うのは慣れているので、スムーズにボタンを押していく。販売額は9ユーロである。よし、とお金を入れようとしたら20ユーロしかないことに気づく。大量にお釣りが来るので嫌だなあと思いつつも背に腹は代えられないと20ユーロを入れると、機械が掃き出してきた。なんと10ユーロが上限のようである。もちろん、クレジット・カードなどで買えるようなシステムはなく、途方に暮れる。気が狂いそうな気持ちになりながら、もう一度、財布をみると5ユーロ札があった。これとコインで足りるかもしれないとコインを入れ始めたら、今度はコイン入れにコインが引っかかってそれ以上、受け付けなくなっている。機械を叩いてもウンともスンともいわない。ここでほとんどキレネンコ状態になり、この機械に跳び蹴りを食らわせたい衝動に襲われる。しかし、このキレネンコの気持ちが通じたらしく、跳び蹴りをする前に加えたパンチでコインが落ち、切符が出てきた。時計をみると、もう出発時間になっている。大慌てで階段を駆け上がると、もう発車のベルが鳴っている。恐ろしい勢いで飛び乗るとドアがしまった。新幹線の切符を買っていたので、乗れなかったら大損だったところだ。それにしても切符を買うのに8分もかかるかね。

日本ではほとんど味わえないような経験をして、国鉄の限界を知ったような気がする。キレネンコで跳び蹴りをしたら、おそらくドイツでは私が100%悪いことになっただろうと冷静になって思い、少しだけ反省する。ウサビッチではキレネンコはキレると勝ちだが、キレネンコではない私は怒ると負けである。もちろん私がキレネンコしても全く怖くも破壊力もないのだが。しかし、ここドイツでは忍耐力を試すような試練に数多く見舞われる。日本の社会システムの素晴らしさを実感すると同時に、しかし、その日本よりここドイツの方が豊かな公共空間や田園風景を有しているのか、ということに極めて素朴な疑問を持ってしまう。日本という素晴らしい国は何がいけないんでしょうかねえ。まあ、その一つは麻生政権と自民党であることは分かっている。しかし、それ以外にも幾つか問題はあるだろう。


nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0