イサオ・フジモト [サステイナブルな問題]
カリフォルニア大学デービス校でコミュニティ・プラニングの教鞭を長年取られていたイサオ・フジモト氏と二年ぶりに会い、いろいろと話をうかがう。特に印象的だったのは、アメリカの農業の発展に関する話で、アメリカの農業はこの１００年くらいで、例えばとうもろこしの生産効率が５０倍くらいに上がっている。そのため、過剰生産してしまい、方々に輸出するので例えばメキシコの農業などを壊滅状況に追い込む。すると、土地なし農民になったメキシコ人達が国境を越えて安い労働力をアメリカにて提供し、結果、家族経営のアメリカの農家をも破綻に追い込むという恐ろしい悪循環にあるそうだ。効率性の向上というのは、絶対的な是として捉えられる傾向があるが、多少の無駄がないと、この膨れ上がった経済効率を追求する化け物はとてつもない悲劇をもたらすように感じる。
