一条ゆかり『プライド』 [書評]
一条ゆかりの『プライド』は二人の歌手をめぐる壮絶なライバル物語である。2002年12月から2010年2月まで連載された。そのドラマチックな展開は、読者を強烈に引き込み、そのストーリー・テリングの素晴らしさ、そして優れた画力は、この作品を特別なものとしている。特に主人公の一人の麻見史緒が、数々の障害を越えて成長していくとともに、自らの成功を獲得すると同時に、周辺の人たちを幸せにさせていくところは心地よい幸福感を読者にももたらしてくれる。そこらへんのハリウッド映画を観るぐらいなら、この作品を読んだ方が有意義であると思う。2007年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したが、当然であると思わせる作品だ。
2023-10-07 11:09
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