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年末に母親をグループホームに入所させて、いろいろと考える [その他]

あけましておめでとうございます。皆様はどのように2023年をお迎えしたでしょうか。さて、私はなかなか難しい気持ちで今年を迎えています。年末に認知症で一人暮らしをしていた母親をグループホームに入所させました。それまでもケアマネジャーからは、一人暮らしは難しいと言われていたのですが、「グループホームのような所に入れるなら自殺してやる」などと抵抗していたので、まあ、行けるところまで行こうか、と思っていました。
 さて、しかし、そうは言っても徘徊もしくは大便のお漏らしをしたら、これは入れるしかないかな、と思っていました。母親はプライドが高く、一人で、自宅で最後まで住みたいと考えていましたが、この大便のお漏らしが始まりました。それに加えて、めまいを訴えていたので精密検査に同行したら、糖尿病が相当、進んでいることが発覚しました。糖尿病と認知症の相性は最悪です。食事療法がほとんどできません。それに加えて、母親は欲望が抑制できないタイプで、アイスクリームをひたすら食べまくります。常に冷凍庫にはアイスクリームが幾つも保管されており、それが高頻度で買い加えられています。これは、もう糖尿病がどんどん進み、そのうち失明する確率も高いような状況であると判断したのと、ちょうどグループホーム選びの最優先の条件であった、行きつけの病院の診断が受けられるというホームが12月に開業したので、もう急いで応募し、面接を経て、入所させました。
 母親は「いつでも家に帰られるのか」と聞くので、「お医者さんの許可が得られたら家に帰ることはできる」と伝えて入ってもらいました。さて、当日は比較的スムーズに入所できたのですが、翌日、荷物を持っていくと、「家に連れて帰れ」と言ってきました。そして、「こんな思いをしてまで長生きしたいとは思わない」と主張します。しかし、私が「糖尿病を悪化させないためにも、ここで生活しないと失明するよ」と言うと、長生きはしなくてもいいと思っても、失明はしたくないと思ってくれて、とりあえず引き下がってくれました。
 とはいえ、これまで傍若無人で我が儘放題暮らしていた母親には、非常に厳しい環境だなと思い、なかなか重い気持ちにさせられます。病状の悪化のスピードは遅れるでしょうが、元のような一人暮らしは大便のお漏らしなどを考えると無理だと考えるからです。あと、非情に聞こえるかもしれませんが、母親のために振り回されるのはゴメンだと思う自分もいます。仕事面でも人生で最後の局面において、そして、相当、母親に人生を振り回されてきた身としては、グループホームの存在は本当に有り難いです。
 ただ、そうはいっても現代版の「楢山節考」ではあるかなと思いますし、車で母親をグループホームに連れて行った私は、楢山節考で母親を背負った息子のような気持ちです。ただ、母親は「楢山節考」の母親とはまったく違い、今でも、自分の利益だけ、欲望の実現だけを考えた行動を取っていますが。まあ、中学時代から何か私が気に食わないことをすると、「あんたを堕胎しようと思って随分と悩んだけど、堕胎しておけばよかった」と本心から言える母親ですから。ちなみに、私を孕んだのは結婚したあとです。
 などと書きつつ、グループホームに入所されている他の人たちは、結構、それなりに楽しそうに残された日々を穏やかに過ごしているように見えます。もちろん、個人差はありますが、母親のように面白くなさそうにしている人は一人ぐらいのように見受けられます。死や老いに対して最後まで抵抗したいという気持ちは分からない訳ではありません。しかし、その気持ちを持っても身体が機能しなくなったら、それは難しいでしょう。死や老いを受け入れることは難しいかもしれませんが、それを受け入れることで安らかな一生を終えることができるのではないでしょうか。人間、いつかは死ぬ訳ですから。「楢山節考」の母親のような気持ちを持てとは言いませんが、母親が家族に迷惑をかける権利があるとは思えません。朝の3時に電話をかけまくるようなことをされたりすると本当、困る訳です。
 しかし、こういうことを年初から考えているので、なかなか気が重い新年を迎えています。
 

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