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「原発をやめて電気料金が上がれば、倒産する中小企業が多いだろう」という出鱈目 [サステイナブルな問題]

東京都知事選で主要4候補が参加する討論会が2月1日に開かれた。なぜ、田母神氏が主要4候補に入るのか、この時点でこの国はおかしいのじゃないかと思わないでもないが、原発に関して「原発をやめて電気料金が上がれば、倒産する中小企業が多いだろう」との意見を述べていた。

まあ、これは田母神氏の特異性をうかがえるような意見ではなく、一般的な原発推進者がよく使うレトリックであるが、現在(1月31日)、動いている原子力発電所は一基もない(http://www.gengikyo.jp/db/fm/plantstatus.php?x=d)。
しかし、中小企業は倒産しているのか。別に電気料金の値上げで倒産していないだろう。むしろ、電力会社が電気料金を上げようとするのは、原発事故の処理のためであり、それに莫大なるお金を費やさなくてはならないからであるのと、自分たちの給料を下げたりしたくないからだろう。「原発を止める→電気料金が上がる」というロジックが正しくない。それに、中小企業が困るのは、むしろ電気料金の値上げより消費税増税ではないのだろうか。増税によって、消費に対してのマイナス効果が現れるのは明らかであるからだ。

私は3日前まで、病院に入院していた。9階の高さにあり、上野周辺の夜景がよく見えたのだが、真夜中でも煌々と不夜城のように明るい。これは、例えばマンハッタンやロンドンなどの都心と比べてもはるかに明るいのだ。なんて、東京とは、電気を無駄にしている都市なんだろうとつくづく思う。世田谷区長の保坂氏の『闘う区長』を最近、読んだのだが、原発事故後、盆踊りを節電をしながらやったら、「東電社員が商店街を回りながら「街灯をぜひつけてもらえませんか」と営業していた、という笑えない話も聞いた」(p.105)そうだ。

要するに電気は余っている。電気を無駄に浪費させようというのが東電の経営戦略であり、その無駄な電力をつくるのに原発を使いたいだけなのだ。忌野清志郎の叫び「電力は余っている、原発はいらねえ」(サマータイム・ブルース)をもっと多くの人々は耳を傾けるべきであろう。清志郎は事故が起きる前に叫んでいたのだが、事故が起きたらさらに「いらねえ」のだ。

何でこんな簡単なことが分からないのであろうか。本当、不思議。こんなことも分からないから、俺オレ詐欺のような政治家を当選させちゃうんだな。しかし、今度の都議会選でどうにか舵を元に戻さないと、本当、滝壺に落ちるような事態になってしまうのではないか、心配である。

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