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豊岡市のコウノトリを育む街づくり [サステイナブルな問題]

 兵庫県豊岡市を訪れる。ここでは、1997年からコウノトリを育むお米、ということで無農薬米、減農薬米などをつくっている。とはいえ、無農薬、減農薬に取り組んでいる田んぼは全体の1割にしか過ぎない。しかし、この無農薬米、減農薬米は地域ブランドとして成功している。ネーミング、コンセプトが優れているからだろうか。今では需要はあるが、供給が追いつかないために、農協が一生懸命、農協に卸してくれるよう農民にお願いしているような状況であるそうだ。まあ、こういう状況になると、無農薬ではないお米も「コウノトリのお米」として出したくなってくることは類推できる。そこらへんをしっかりと管理することが地域ブランドを守るためには重要になってくるだろう。
 さて、このコウノトリの保全運動であるが、思いの外、うまく行っているそうだ。放鳥してから現在、3代目の雛がかえっているのだが、22羽ほどいるそうだ。コウノトリは一つの巣で2キロ半径の縄張りのような空間が必要なので、そもそもそんなに生息させることは難しいので、そういう点からも、随分と成功しているといえよう。これは、コウノトリは豊岡市では生態系ピラミッドの頂点にあることや、やはり、コウノトリを守ろう、という住民の意識が高いからであろう。
 実際、豊岡市内ではコウノトリを結構、目撃することができる。コウノトリの巣では、親鳥も雛ももちろん目撃することができたが、飛行しているコウノトリや、田んぼで休んでいるコウノトリも目撃することができた。コウノトリは巨大であり、優雅である。また、子供を持ってくるという伝説は、なんか平和的である。市内にはコウノトリ神社があるのだが、結構、広範囲からお参りに来る人がいるそうだ。実際、コウノトリ神社には多くの願掛けの絵札が掛けられていた。
 ただ、地域にとって、コウノトリが復活したということは最初のハードルをクリアしたことであり、これからもコウノトリが生息できる環境を維持することが重要であろう。コウノトリが生息できるだけの環境の中で暮らせるように、人間が合わせていく。そのようなエコロジー的な生活を具体化させることができれば、豊岡市は世界に冠たる環境都市になるのではないか、と第三者ではあるが勝手に思ったりもした。

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(ひな鳥と親鳥)

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(飛行するコウノトリ)

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(田んぼにいるコウノトリ)
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